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Amazon 「まんじゅうの お値打ち品です。1箱6個入り。これが 600円です。おいしくて、お買い得」

Amazon 「ただいま超特価セール。このまんじゅうを何と、5箱で 500円! お得ですよ。単品販売ですけどね」
客 「買った!」
客 「届いた品を見たら、まんじゅうが5個しか入っていないぞ! 5個じゃなくて、5箱だぞ。ちゃんと正しく送れ」
Ama「たしかに5箱ですよ。1箱1個入りで、5箱です。5個で5箱。間違いありません」
客 「そんなの、詐欺だろ!」
Ama「詐欺じゃありません。ちゃんと、単品販売だ、と断ったでしょ」
客 「単品というのは、1箱で単品ということじゃないのか?」
Ama「いいえ。まんじゅうが単品です」
客 「まんじゅうが単品なんて、どこにも書いてないだろ! 箱のことだと思うだろ!」
Ama「それは解釈の違いですね。嘘はついていません」
客 「嘘つけ!」
Ama「どこが嘘ですか?」
客 「この単品のまんじゅうに、箱はないだろ! 箱がないのに、どうして1箱と言うんだよ!」
Ama「箱はあります。ただし、仮想的な箱です。現実にはないけれど、仮想的な箱を、心で想定してください。心で見るんですよ」
客 「ふざけるな! 金返せ」
Ama「金は返せません。すみません。おわびに、そうめんをお送りします」
客 「ほう。そうめんか。どれだけだ?」
Ama「そうめんを 十箱、お送りします」
客 「ほんとに十箱?」
Ama「ただし単品ですけどね。仮想的な箱に入れてお送りします」
客 「つまり、そうめん 十本だけ?」
Ama「十本なら、十分です。お後がよろしいようで」
[ 付記 ]
漫画の1話を「1巻」と言って売る、Amazonのあこぎな商法。ただの1話なのに、ありもしない「巻」を想定して、「1話」を「1巻」と称して売る。詐欺商法。
それは、前項で述べたとおり。
《 加筆 》
明鏡国語辞典による解説。
「巻:書物が内容上の区分によって何冊かに分かれている場合の、それぞれの冊。」