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無保険車が交通事故を起こしたら、被害者に保険金が払われない……という事例があった。
《 猛スピード飲酒運転の女、カーブ曲がれずはね飛ばす 無職、無車検、無保険で遺族に賠償できず 》
無車検、無保険の車を酒気を帯びた状態かつ法定速度の3倍以上の速度で運転し、女性をはねて死亡させた……
(中略)
自宅で少なくとも焼酎のお湯割りを400〜500ミリリットル飲酒し、その後、自宅からコンビニエンスストアに訪れた帰り道で事故を起こしたと説明。「時速約136キロで運転し、左カーブに応じて運転できず、右側路側帯にいた女性をはね飛ばした」とした。
弁護側は、女は反省していると説明。車の保険切れなどから遺族に賠償ができていないとし、「刑務所に入って責任を果たそうという覚悟。執行猶予付き判決のお願いはない」と述べた。
( → 女性死亡…(埼玉新聞) )
無保険だから保険金が出ない……というのは当然だが、そもそも、無保険の車が走行できるというのが根本的におかしい。これは制度上のバグだと言える。
現状の対策は、こうだ。
たとえ事故を起こさなくても、自賠責保険(共済)に未加入で運行した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金、自賠責保険(共済)の証明書を所持していなかっただけでも30万円以下の罰金が科せられます。 また無保険での運転は交通違反となり違反点数6点が付され、即座に免許停止処分となります。
( → 自賠責保険(共済)に加入していないとどうなる? )
このような違反を摘発するとしたら、道路上で運行している場合に限られる。つまり、本人が検問に引っかかった場合に限られる。
一方、たいていの車は検問には引っかからない。となると、上記の対策は事実上、尻抜けである。だからこそ、この人も、無保険のままずっと運転し続けていたわけだ。違法行為が野放しになっているわけだ。悪がのさばる状況である。……これは制度上のバグだと言える。困った。どうする?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「無保険である車をデータベース上で自動検出する。その上で、無保険であることを理由に摘発する」
※ 自動検出するので、一網打尽で、漏れなく検出できる。
一方、現状では、ほとんどが放置状態だ。
なお、摘発の方法は、二通りが考えられる。
・ 単に無保険車を保有していること自体を理由として、免停とする。しかも、高額の罰金を支払わせて、さらに、ナンバーを取り上げる。
・ 免停にはしない。高額の罰金を支払わせて、さらに、ナンバーを取り上げるだけだ。
どうして免停にしないかというと、まだ事故を起こしていないので、重い罰を加えるほどではないからだ。せいぜい罰金だけでいい。また、ナンバーを取り上げることで、以後は運転ができなくなるから、以後の運転を阻止できる。(このことが大事だ。)
上の二通りが考えられるが、そのどちらであってもいいだろう。考え方次第だ。
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なお、以上のことが成立するのは、「車にナンバーが付いている」(公道を走る)ということが前提となる。
「車にナンバーが付いていない」という場合には、処罰の対象外となる。(ナンバーがなければ公道を走れない。仮に走れば重罰が待ち構えているので。)
上の二通りの措置は、そのいずれであってもナンバーを取り上げるので、以後は公道を走れない。これが最も重要なことだ。この措置を取ることにより、「無保険車の運行」という問題は解消する。つまり、制度上のバグは解消する。
※ 現状では「無保険車が運行した後で、違反を摘発する」という方針だ。それでは摘発しきれない。そこで、「無保険車が運行する前に、違反を摘発する」という方針に転ずるわけだ。そのためには、「違反には重罰を科する」という方針ではなく、「違反にはナンバーを取り上げる」というふうにするわけだ。
※ 「ナンバーのない車が走ったら、どうやって摘発するんだ? ナンバーがないと、走っている車を(カメラ撮影で)特定できないぞ」という疑問が生じるだろう。だが、大丈夫。ナンバーを取り消された車は、データベース上に一覧がある。だから、車種と照合することで、すぐに該当車を絞れる。
※ 法律を守らせるには、やたらと重罰を用意すればいいわけではない。いくら重罰を用意しても、検知できないのであれば無意味になる。それが現状だ。だから今回の違法行為と事故が起こった。
[ 付記 ]
これほどにも悪質な重罪なのに、報道では実名が公表されない。しかし、ネットで調べれば、すぐにわかる。
→ 内田圭子被告の顔画像やfacebook|埼玉県飯能市・48歳女性の名前 | みつリン食堂
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なお、遠因としては、「自賠責保険料さえも払えないほどの貧困化」がある。事件が起こったのは 2018年なので、コロナ流行の前である。
それじゃ、歩行者の犠牲はなくならないしね。
そもそも、死んでから金をもらっても仕方ない。事故を起こさない工夫そのものが必要だ。つまり、走らせなくすることが必要だ。
無保険で走るようなやつは DQN だから、速度違反も大幅になる。DQN を運転できなくさせることが大事だ。
一応、そういう無保険車に対する監視・摘発活動というのはあるみたいですね(内容は不徹底だとしても)。
(下のURLの会計検査院の資料より)貴省(註:国土交通省)は、責任保険(註:自賠責保険のこと)への加入の徹底を図り、無保険車の運行を防止するための対策(以下「無保険車対策」という。)として、「今後の無保険・無共済車対策の実施について」(平成22年国自保第1045号自動車交通局保障課長通達。以下「通達」という。)等により、次のような監視活動及び街頭取締りを行うこととしている。また、小型バイクの責任保険への加入状況に係る管理業務を、請負契約により業者に請け負わせて実施するなどしている(以下、この業務を「管理業務」という。)(図参照) 。これら無保険車対策のうち、監視活動及び管理業務は小型バイクを対象として実施している。
そして、これらの無保険車対策とは別に、運輸支局等において自動車の整備及び車検等に関する業務を行う整備担当部門の職員が、警察当局等と協力して、原動機付自転車以外の自動車を街頭で停車させて、当該自動車が保安等の技術基準に適合しているか及び車検証は有効期間内かの確認等を行う検査(以下「街頭検査」という。)を実施している。なお、街頭検査及び街頭取締りは、警察当局等と協力して行うことが必要であるため、同時に行われることが多くなっている。(引用おわり)
ただし、その会計検査院の指摘によると、「監視活動の実施状況をみると、10地方運輸局等及び52運輸支局等のうち、21年度8地方運輸局及び1運輸支局(注2) 、22年度6地方運輸局(注3) においては、監視活動を実施していなかった。」そうですね。
https://report.jbaudit.go.jp/org/h22/2010-h22-0527-0.htm
該当文書を見ると、データベース上で検出したあとは、「警告書・警告ハガキ」を送付するだけでのようですね。
これは、「うっかり忘れた」人への対策にはなるが、「わざと不払いにする人」への対策にはならないので、本項の提案とは月とスッポンぐらい違いますね。
※ 無視した人は放置されるので。
※ 摘発の手順は、街頭検査及び街頭取締りという非効率な方法のみ。
「密告」して報酬を与えるのはどうでしょうか。
車検の期限は、フロントガラスにシール掲示あるので発見した場合は、ナンバーを通報し、報酬を得る。
これで無車検車は、怖くて運転できない。
シールがなくても物理的に?走行はできますが、心理的な抵抗にはなるかと。あと、本稿にも検問のことが書いてありますが、現状はほぼ100%見逃されます。シールがあれば無保険車は一目瞭然です。
@ 車検切れ車を仮ナンバー(斜線ナンバー、赤枠ナンバー)で自走運行する場合に、面倒くさいからと自賠責への加入を後回しにしてしまう、または短期の自賠責に加入しない。
A なるべく@にならないよう、通常は、初回3年車検時は37か月の自賠責に、継続2年車検時は25か月の自賠責に、あらかじめ車検の期限より1か月ずつ余裕を持たせて加入します。そのため逆に、ユーザー車検では自賠責に加入せずに車検が通せてしまうので、意図的にまたはうっかりで、未加入のままにしてしまう。
B 250cc以下のバイクや原付などは、そもそも車検が要らないので、継続加入を怠った無保険車が多いといわれている。
わざわざ調べてくださって、ありがとうございます。だけど、読んでも、頭に入ってこないので、やっぱり面倒臭かった。 (^^);
補足ありがとうございました。
私の思い違いでなければ
@仮ナンバー発行時の必要書類には、自動車損害賠償責任保険証明書の原本があったはず。自賠責加入なく、仮ナンバーの発行は許可されるのか。
B車検のないバイク(250cc以下・原付)は、自賠責の更新忘れを防ぐため期限のシールをナンバープレートに張るようになっているのでは。
ほとんどの場合、車検は業者まかせで自賠責もまとめて更新のため 自賠責切れ≒車検切れ と考えます。
細かい重箱の隅をほじくるような対策よりも、起こりやすい事象に対しての対策をまずとるべきではないか。(パレートの法則)との考えで提案した次第です。
そんなこと(密告)をしなくても、車検の期限切れもまた、データベースの自動検出で一網打尽にできるはずです。
有効な、車検証・運転免許証・無制限の任意保険証をICカード化し
運転中は取り出せないカードリーダー?を導入して車検証と運転免許証を差し入れないと発進不可。
無制限の任意保険証を入れないと最高速度は40kmに制限。
を義務付けて欲しいです。
ついでに盗難車や指名手配者等必要に応じてカードの情報と現在位置を警察へ送信する機能があれば
検挙率があがるかも。
それはなかなか良いアイデアですが、もう一歩先へ進めて、ネット化するといいでしょう。通信先のデータベースとつなげて、自賠責や車検などのデータと照合して、違反があるかないかを確認する。
この場合は通信システムが必要だが、物理的なICカードは必要ありません。車体ごとに固有番号があればいい。
ただし免許証は、車体ではなく個人に属するので、ここには含まれない。