――
日産は EV の販売で、詐欺をしている。というか、嘘をついている。そのことを明らかにしよう。
まず、日産はアリアとサクラで、「こんなに多額の補助金をもらえます」と宣伝している。
→ アリアの補助金は 85万円(自動運転車は 92万円)
→ サクラの補助金は 55万円

このように大々的に宣伝している。
また、たいていのマスコミも、同内容の補助金額を記している。
→ アリアの補助金 85万円
→ サクラの補助金 55万円
だが、以上の補助金額は、嘘だ。日産も嘘つきだし、マスコミも嘘つきだ。みんなが嘘をついている。そして本当のことを言うのは、私だけだ。「王様は裸だ」と言うのは、私だけだ。
――
真相を明かそう。
・ アリアがもらえる補助金は、65万円である。
・ サクラがもらえる補助金は、45万円である。
つまり、公称額よりも、アリアは 20万円少なく、サクラは 10万円少ない。
どうしてかというと、補助金の交付額の規定に、そう定められているからだ。
④補助上限額
・電気自動車(軽自動車を除く):上限65万円
・軽電気自動車:上限45万円
( → 令和3年度補正予算「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」・令和4年度予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」 (METI/経済産業省) )
これが経産省の定める補助金額である。これが正しい。つまり、上に記したとおりの額が、経産省でも示されている。
ただし経産省の規定では、次の例外規定もある。
下記、条件A又はBを満たす車両の場合は、補助上限額が異なります。
《条件》
A.車載コンセント(1500W/AC100V)から電力を取り出せる給電機能がある車両
B.外部給電器やV2H 充放電設備を経由して電力を取り出すことができる車両
・電気自動車(軽自動車を除く):上限85万円
・軽電気自動車:上限55万円
( → 令和3年度補正予算「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」・令和4年度予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」 (METI/経済産業省) )
この例外規定である 《条件》 を満たす場合には、
・ アリア:上限85万円
・ サクラ:上限55万円
の額をもらえる。つまり、日産の公称額およびマスコミが表示しているのは、この価格である。
では、この額は、アリアおよびサクラに該当するか? 該当しない。なぜなら、アリアとサクラは、この 《条件》 を満たさないからだ。
このことは、下記ツイートでも指摘されている。
ほんと日産のBEVってなんで車内100Vコンセントつけないかなぁ
— omi (@lon_omi) July 4, 2022
トヨタのHEVにすらつけることできるのにねぇ、そこだけが残念
あ、日産のオプションにあるセルスターの後付インバーターは取付スマートじゃないし高いからね、アレは
もっと正確には、次の記事がある。(サクラの評価)
給電には対応しているが、これにはニチコンから出ている「Power Mover」などを組み合わせて使う必要がある。
( → 日産「サクラ」発表 軽の最新EVで、電気自動車は普及するのか? 試乗編 | AUTOCAR JAPAN )
上の「Power Mover」というのは V2H の家庭用給電器で、85万円ほどする。
→ ニチコン パワームーバー可搬型給電器の価格と特徴|V2Hのエコ発電本舗
V2L の家電用給電器なら、もっと価格は下がるが、サクラ用の家電用給電器は見出せなかった。
アリア用の家電用給電器は、日産が公式でオプション販売している。
→ DC/ACインバーター (173,250円)
以上のような V2H または V2L の給電機を搭載すれば、 《条件》 を満たすので、補助金額は
・ アリア:85万円
・ サクラ:55万円
となる。しかし、標準では、それらの給電機を搭載していないのだから、 《条件》 を満たさないので、補助金額は
・ アリア:65万円
・ サクラ:45万円
となる。これが正しい数値だ。
――
なお、「だったら給電機を購入すればいいだろ」と思うかもしれないが、その価格は、
・ V2H で 85万円
・ V2L で 17万円
であるから、補助金の額を食い潰してしまう。
・ アリア:補助金 20万円アップだが、V2L 費用が 17万円 で、残りは 3万円
・ サクラ:補助金 10万円アップだが、V2L 費用が 17万円 で、赤字が 7万円
こんなことでは、かえって損をする。補助金をもらえると思ったら、逆に、余分に払うので、足が出てしまう。
――
ただし、実を言うと、V2H には別途、「V2H 補助金」というのがある。これは、機械の半額と工事費の全額を補助してもらえる、というものだ。相当に大幅な補助金となる。
一方、インバーターに補助金が出るかどうかは、よくわからない。(たぶん出ない。)
――
以上、私の調べた範囲内で、情報を記した。
ひょっとしたら、私の調査ミスがあるかもしれないが、それぞれきちんと典拠を示しているので、間違っているとは思えない。
やはり、日産と自動車業界記者は、みんな嘘つきなのだろう。「王様は裸だ」と言っているのは、私だけなのだろう。
とにかく、正しくは、補助金額は
・ アリア:65万円
・ サクラ:45万円
となる。日産とマスコミはこの金額を記すべきだ。
【 関連サイト 】
次の一覧表もある。
→ (別表1)銘柄ごとの補助金交付額
ここには、「アリアが 85万円/92万円」「サクラが 55万円」という金額が記してある。ただし、いずれも「給電あり」の欄に記されている。
正確に言えば間違いではないが、不親切な表示だと言えるだろう。「給電なし」が標準なのだから、そちらの欄の額も記しておくべきだった。というか、「給電なし」の欄に、より低い数値を記述しておくべきだった。(経産省も日産の嘘に だまされてのかもね。政府をだますとは、日産も いい根性をしているな。さすがにゴーンの後継者だけのことはある。)
【 追記 】
あとでよく考えると、ひょっとしたら、次の解釈がなされているのかもしれない。
「 B. 外部給電器やV2H 充放電設備を経由して電力を取り出すことができる車両
という条件には、外部給電器やV2H 充放電設備が備わっていない場合でも許容する」
つまり、外部給電器やV2H 充放電設備は実際にはないのだが、「もしあれば、それができる」ということで、高額の補助金が給付される……ということだ。
しかし、これは「条文の曲解」と言ってもよさそうだ。現実にはありもしない能力を「ある」と見なすことになるからだ。この能力が実際に発現するのは、外部給電器やV2H 充放電設備を併用している場合に限られる。その場合にのみ、補助金を上げるべきだろう。……それが常識的だ。
とはいえ、現実には、「条文の曲解」がなされているのかもしれない。その場合には、実際には外部給電の能力がないまま、「外部給電の能力が潜在的にある」と見なされて、補助金ばかりがやたらと食い逃げされることになる。
これはもう、嘘というよりは、ペテンだな。いっそう狡猾だ。嘘をついて消費者をだますかわりに、規定をねじ曲げて国の金を盗んでいることになる。(嘘つきよりも もっと悪質なのが、泥棒だ。)
※ 事例で考えよう。アリアやサクラが 100台あって、V2H の装置が1台あったとする。この場合、V2H の装置が1台なのだから、実際に給電に使えるのは1台だけだ。とすれば、補助金は1台だけに出すのが当然だ。しかし、上の曲解を採用すると、「V2H の装置が1台でも、100台の EV から給電できる」ということになって、100台の EV に給電用の補助金が出ることになる。……これはもう、「ホラ吹き男爵」と同様のホラ論理だ。論理ペテンも甚だしい。
> あとでよく考えると、ひょっとしたら、次の解釈がなされているのかもしれない。
> 「 B.外部給電器やV2H 充放電設備を経由して電力を取り出すことができる車両という条件には、外部給電器やV2H 充放電設備が備わっていない場合でも許容する」
⇒ まさに、経産省でも日産でもこの解釈がなされているのではないでしょうか。というか、この解釈がそれほど変だとは思わないのですが。そもそも、「外部給電器やV2H 充放電設備」が最初から車両側についている車種というのはないと思います。少なくとも、ニチコンパワームーバーのように4.5kWもの大容量の電力を取り出せるようなものは。
ですから、たとえ1家庭に1台のV2H であっても、もしアリアとサクラを両方保有していれば、電池交換みたいなイメージで使いまわせます。また、事業所などでサクラを営業車として複数台保有していれば、同様にどんどん使いまわせます。1系統で4.5kWもあれば、普通の家庭なら非常時には複数の系統までは必要ないでしょう。そういう使い方で十分役に立つという想定から、クルマ1台あたり(つまり大容量バッテリー1個あたり)に10〜20万円の上乗せ補助金ということになったのでは?
>(別表1)銘柄ごとの補助金交付額
⇒ これをみると、外国車のEV等はほとんど外部給電ができないのでょうか(テスラも含めて)。できるのは BYDとヒュンダイくらい? そうすると、外部給電が、「(V2H 設備さえあれば)できるEV」と「(そもそも)できないEV」とで補助金に差をつけるのは適正で、アリアやサクラは前者なので10〜20万の上乗せはアリだ、とはなりませんか?
> アリア用の家電用給電器は、日産が公式でオプション販売している。
> → DC/ACインバーター (173,250円)
⇒ この金額は高いですよね。比較になるかはわかりませんが、トヨタ・プリウスαには1500Wの100Vコンセント(1口だったか?)がオプションで設定されていて、これが確か4万円台だったような記憶があります。
それならまだわかるけど、現実には、1家庭に1台どころか、ゼロなんですけどね。
> 「外部給電器やV2H 充放電設備」が最初から車両側についている車種というのはないと思います。
車載コンセントが付いている車なら、ありますよ。NV200 の EV がそうだ。三菱のアウトランダー PHEV もそうだ。
⇒ それはわかってます。私のコメントにもプリウスαのことが書いてありますが、いわゆる V2L がそれですよね。新型アクアでは全車標準装備。ホンダe でも上級グレードに装備。
V2H システム、つまり何も機器を介さなくても、クルマの充電ポートから建物の配電盤に直接、大規模な電力を給電できる車種はまだないですよね?、という意味です。
車載コンセントすらも搭載しないで、10万・20万も補助金をもらうから、私が文句を言っている。
車載コンセントなら、インバーターなどのコストが4万円以上はかかるが、「V2H 対応可能」なんて、ただの端子が一つあればいいだけだから、コストはほとんどかからない。それで10万・20万も補助金をもらうなんて、もってけ泥棒だ。
> 「V2H 対応可能」なんて、ただの端子が一つあればいいだけ
⇒ 一般には、V2H システムとEVを接続するときは、EV側の急速充電ポート(三相交流200V)を使用するのではないですか? だから、あらたな端子というかポートを追加してはいないと思います。それ以外にクルマ側で何らかの追加対応がされているか(国産EVは大体されている、欧米EVはほとんどされていない機構など)、またされているとしたらそれはどんなものかについては、また調べてみます。
そうですね。私も書いたあとで気づいたが、どっちみちその端子があるわけなので、間違っているわけでもないと思って、書き足しませんでした。
――
ただし、原理的には上記のようであっても、現実には「充電できるが、給電はできない」という EV が多いので、充電用の端子があればそれで済むというわけでもなさそうです。
整流器などが必要なのかも。ひょっとしたら別端子が必要になるかも。