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ふるさと納税で、返礼品のかわりに現金払いをする、というサービスが生まれたが、ただちに中止となった。
ふるさと納税で「返礼品の代わりに現金がもらえる」というサービスをうたう納税サイトが登場し、SNS上で議論がわき起こった。だが、サービス開始からわずか2日目に利用者に返金すると発表。
( → ふるさと納税で現金バック、許される? 自治体困惑、開始2日で返金:朝日新聞 )
金子恭之総務相は10日の閣議後会見で「寄付者が返礼品の代わりに現金を受け取ることは、制度の趣旨から大きく外れたものであると考えている」と苦言を呈した。同省の担当部署に対応を指示したことも明らかにした。
( → ふるさと納税で現金バック、金子総務相「制度の趣旨大きく外れる」:朝日新聞 )
同社は同日、「総務相の発言を重く受け止める」としてサービス終了をサイトで表明した。
( → (フカボリ)納税→「現金もらえる」、やっぱりダメ ふるさと納税代行、3日で撤退:朝日新聞 )
こうした経緯は、不思議ではない。こうなることは、最初から予想されていた。はてなブックマークでも、予想されていた。
maedashi これ、面子丸つぶれの総務省が絶対潰しに来るの分かってるのにお金かけてシステム組んで広報して、どこに勝算があるんだろうか?
nagapong ここまで考えておいて、こんなんリリースしたら揉めると思わないのがすごい。
red_banana 後先考えない意識高い系の大学生が考えそうなサービスですね。
yujilabo 怒られが発生してサービス停止するまで果たして何日持つかな。7日…いや、楽天とか他のプラットフォーマーが告げ口して4日と見た!
diveintounlimit サービス停止まで2日(開始日を含めると3日)だった
( → はてなブックマーク )
すぐにつぶされるのは誰でもすぐにわかる。なのに、どうしてこんな馬鹿なことを考えたのか? ……そう疑問に思っていた。
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ところが、朝日新聞の報道によると、意外な真相があった。
総務省は2019年、寄付額に対する経費の割合の上限を決め、返礼品は地場産品に限った。送料やサイト手数料を含めた総経費の割合も全体の5割以下に制限した。
すると、今度は納税サイト間の特典競争が過熱した。ポイントやギフトカードを付与してお得感を出し、自社サイトでの寄付を誘導。自治体から5〜20%近くの手数料を得るビジネスが盛んとなり、現在も続いている。
別の納税サイトの関係者は「キャシュふるは3日で撤退に追い込まれたが、既存サイトも過剰な特典で誘導して自治体から手数料を得ていて褒められたものではないのに、おとがめなしだ」と話し、矛盾を感じると打ち明ける。そのうえで「制度が理念からかけ離れてきており、キャシュふるも既存サイトと同じように制度の隙を突いただけだったのではないか」と話す。
( → (フカボリ)納税→「現金もらえる」、やっぱりダメ ふるさと納税代行、3日で撤退:朝日新聞 )
要するに、「現金を渡して、制度を骨抜きにする」というのは、今回に始まったことではない。現金ではない金券(ポイントやギフトカード)を使った「抜け道」を取る会社は、これまでもずっと存在していたのだ。違いは、次のことだけだ。
・ 金券か、現金か
・ 一部だけか、全額か
今回は、どちらも後者なので、目立っただけだ。しかし前者の形なら、すでにずっと横行していたし、今でもお咎めなしだ。
今回のサービス(キャシュふる)は、それを1段、拡大しただけだ。実質的には、前からなされていたことと、大差ないのである。
つまり、今回の業者は、特別に悪いことをやろうとしたわけではなくて、半分ぐらい悪いことはずっと世間で横行していたのだ。「ふるさと納税を部分的に骨抜きにする」という形で。
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結局、制度がゴミだから、ゴミの回りにはウジ虫どもが集まってくる。そのなかでも特別に巨大なウジ虫が登場したら、目立ったので、攻撃されてしまった。しかし、その巨大なウジ虫が退治されても、まだ小さなウジ虫は大量に残っているのだ。
そして、この問題を解決するには、ウジ虫を退治すればいいのではなく、話の根源となるゴミ(≒ ふるさと納税という制度)を解消するべきなのだ。
【 関連項目 】
ふるさと納税は駄目だ、という話は、別項で述べた。
→ ふるさと納税は合法的な脱税: Open ブログ
これを書いたとき(2015年01月30日)には、こういう意見を取る人は私だけだったが、その後、このページを読む人も増えて、同種の意見を取る人も多くなったようだ。
【 関連動画 】
というか差別的だと思います。
日本全体の税収は
+ふるさと納税額-返礼品代金-居住地の減収額
(但し、ふるさと納税額=居住地の減収額)
なので返礼品の分減ることになります。(ふるさとは増額だけど)
返礼品を出せる程裕福な自治体に満額の地方交付税等は不要なので
その分を減額し、可能なら税収が減った居住地へ回すのがいいと思います。
そうすれば返礼品は無くなるので真の解決になるのではないでしょうか。
本当に生まれ育った故郷を大切に考えてる人なら返礼品の有無で止めたりしないでしょうから
デメリットはありませんよねw
私はそんなことは言っていないので、お間違えなく。むしろ逆のことを言っています。下記。
「この問題を解決するには、ウジ虫を退治すればいいのではなく、」