――
評価するといっても、性能を試乗で評価するわけではない。発表されたデータから、商品力などを評価する。

(1) 名前
名前の「サクラ」というのは、「よくまあこの商標が取れたな」という感想が出たが、商標が取れたことには、いろいろと事情があるようだ。
カタログ貰ってきました。公式サイトで得られる以上の情報は特に無いけど、カタログって好きなんだよね。
— ぶひぴ (@buhipi) May 21, 2022
ちなみにカタカナの「サクラ」は他社に商標登録されてるからやむを得ず「日産サクラ」表記なんだろうな。#日産 #サクラ pic.twitter.com/I9LRcuKTvw
日産サクラ、遂にその名を使ったかと感慨深い。
— museP (@muse_P) May 20, 2022
あれは俺も免許を取る前、初代カードキャプターさくらが(この辺で何言うか気づく人多そうw)地上波放送されてた頃『さくら』の商標はどこのメーカーが持ってるか調べた事があって、それが日産だった。昔チェリーとか出してたし同時に押さえたんだろうなぁ
YouTubeのあれ関係で特許庁の商標検索サイトを見たついでにサクラも検索してみたら日産がサクラを登録したの1989年なのね。以後10年ごとに更新してる。
— どなべごはん? (@dnb6500) May 22, 2022
今回の新しい電気自動車に30年温めつづけた名前を使ったの、相当の思いが有るんだろうなあ。
昨年夏にSAKURAが商標登録されてた時点で可能性高いとは皆思ってて、それを最初に見つけたのってマガジンXだったっけ?? でもこの雑誌スクープは一番信憑性高いのよね。当たった時よく文中で「我々の言った通り」アピールしてるのも何気に好きw#日産 #サクラ https://t.co/7KG0PE4EI4
— ぶひぴ (@buhipi) May 14, 2022
ちなみに、「サクラクレパス」というのもある。「サクラ大戦」というのもある。
なお、名前そのものが大事なのではない。ここからわかることがある。
「サクラという純日本調の名前を採用したことからして、この車は国内専用車である。海外への輸出はなされないし、海外生産もなされない」
念のために英文記事を探してみたが、同様の見解であるようだ。
《 翻訳 》
日産サクラEVが日本の軽自動車市場に参入。
日産はその拡大するEV範囲に新しいモデルを追加しました、しかしオーストラリアでそれを見ることを期待しないでください。
https://t.co/vRGw7lyvMZ “Quality News Links” Nissan Sakura EV enters Japan’s kei-car market
— EVDirectories.com Local & Global (@evdirectories) May 22, 2022
Nissan has added a new model to its growing EV range, but don't expect to see it in Australia https://t.co/RsMOWVXhtp
これはまあ、不思議ではない。日産はノートさえも国内専用車にして、海外では売らないからだ。いくら日産が「サクラは画期的な EV です」「ノートはカー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました」と威張っても、しょせんは輸出できない車なので、私はあまり評価しない。この点は、前にも言及したとおり。
→ 年車受賞にノートは不適: Open ブログ
(2) デザイン
サクラのデザインは好評である。「ミニ・アリアという感じでカッコいい」という評価が多いようだ。
→ (6) ミニアリア - Twitter検索 / Twitter
しかし、私の評価は、こうだ。
「このデザインを決めた責任者は、デザインセンスが最悪のボケ野郎だ。責任を取って、さっさと死ね」
まったく、腹立たしい。近年、デザインでこれほど腹が立ったことはない。何だってまた、こんなにカッコ悪いデザインにしたんだ!
ま、デザインの絶対レベルを見る限りは、悪くはない。標準よりはずっと上だ。しかし、相対的には、最悪と言える。なぜか? 比較対象は、市販前のプロトタイプデザインだからだ。それは IMk という名称で、モーターショーで公開された。これだ。

日産自動車公式サイト
これはとてもカッコいいね。だから、このままのデザインで出てくることを期待した。「わざわざカッコ悪く改悪することはあるまい」と思っていた。「しかし、わざわざカッコ悪く改悪するのは、日産の常道だから、今回もわざわざカッコ悪く改悪するかも……」とも懸念していた。すると、案の定というか、わざわざカッコ悪く改悪したデザインに変えたわけだ。
まったく、正気を疑うね。何もしないで、IMk そのまんまのデザインにすればいいのに、何だってわざわざ手間暇をかけて、カッコ悪くしたんだ? 呆れるしかないね。点数で言えば、95点から60点へと、大幅に悪化した。
どこが駄目なのかというと、次の二点だ。
・ グリルは、IMk では横線基調の模様があったのが、真っ黒になった。
・ バンパーの下は、IMk ではデザイン模様があったのが、平凡になった。
なお、この変更は、「生産コストを下げるため」とも思えるが、そんなことはない。生産コストは同じままで、IMk のデザインを維持できる。具体的には、横線基調の模様を作るには、横線基調の別部品(金属グリル)を用意する必要はない。単に横線基調の凹凸を付けるだけでいい。ただし、白っぽく見せる部分は、その部分の平面を、垂直の平面にするのでなく、やや上向きの斜面にする必要がある。
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このようにすると、やや上向きの斜面は、空の光を反射するせいで、そこが白っぽく見える。一方、垂直の面は、空の光を反射しないせいで、素材そのものの色(黒色)になる。
こうして、光を反射して白っぽくなった横線と、他の黒い部分とが、たった一つの部品(黒い素材のプラスチック)によって生み出される。デザインのためにかかる部品代は、ゼロである。もともとある黒い素材を使うだけだからだ。
※ 真っ黒ではなく、黒っぽい灰色にすると、なお良い。反射面は白くなり、隙間は黒くなるからだ。
《 加筆 》
ついでに言えば、ボディーカラーも不満だ。IMk では、赤みを帯びたブロンズカラー(上記写真)だったのに、サクラでは黄色っぽい色(冒頭写真)になった。いわば、うんこ色だ。気持ち悪い。IMk の方がずっと上品だった。
これが変更されたのも、残念だ。せめて値段を上げて、特別塗装色にしてもいいから、設定してほしかった。
(3) 航続距離
航続距離は 180km だ。これにはがっかりした。
アリアに比べて、電池性能は 66kWh から 20kWh へと落ちた。これは 30%に相当する。
一方、重量は6割程度(約半分)に減った。つまり、電費の向上要因があって、電費は約2倍増ぐらいになってもいい。
両方を掛け算して、航続距離は、アリアの 50% ぐらいであっていいことになる。アリアの航続距離は 470km だから、その半分の 240km ぐらいあっていいことになる。
ところが現実には、180km しかない。期待した 240km に比べると、大幅に少ない。がっかりだ。
ま、そうなる理由は、わからなくもない。背が高くて、四角いせいで、空気抵抗がひどく悪いからだ。どうしても電費は悪くなるし、そのせいで航続距離は短くなる。……だから、これは日産の技術が特に劣っているということにはならない。日産を責めたり詰ったりはしない。
とはいえやはり、がっかりだ。せめて 200km は達成してほしかったのだが。
( ※ なお、20kWh というバッテリーは、三菱のアウトランダー PHEV と共用しているらしい。そいつを転用したとも言える。)
(4) バッテリークーラー
バッテリークーラーは、搭載されない可能性もあったが、ちゃんと搭載されているそうだ。発表会で公式発表があった。
内容は、三菱のアウトランダー PHEV と共用しているもので、エアコンのクーラーを流用しているものだ。そのせいで、性能はあまり大きくない。アリアと同様で、急速充電を連続で何度も繰り返すような苛酷用途には向いていない。
しかしまあ、そういう特殊用途は、あまりないだろうから、あまり心配しなくてもいいだろう。
一方、問題もある。冷却用でなく加熱用の装置は付いていないので、気温が低いときにはバッテリーの温度が下がりすぎて、バッテリーの性能が十分に発揮されない、ということだ。すると、やたらと充電時間がかかったり、電費が悪くなったり、という弊害が生じる。
このことからして、冬場の性能はあまり期待できないようだ。また、雪国や北海道では、冬場の期間が長いので、この車は買わない方がいい、と言えるだろう。
ま、この車に限ったことでなく、EV 全般はそうだ。雪国や北海道では、EV よりも、ガソリン車や PHV の方が適しているのである。この件は、前にも述べたとおり。
→ 雪と エンジン車・EV: Open ブログ
→ 寒冷地の EV の炭素排出量: Open ブログ
(5) シートヒーター
冬場には、ガソリン車ならばエンジンの熱で暖房できるが、EV はそれができない。EV はエアコンで大量の電気を食う。だから、冬場には、EV は適していない。
そこで、この難点を解消するために、シートヒーターというものが用意された。これなら、低電力で体を温めることができる。だからシートヒーターは、冬場には必須だ。アリアにはちゃんと標準搭載されている。(テスラでは後付けのオプションとなる。装置はもともと付いているが、機能が OFF になってロックされているので、ロックを解除するためには、高額のオプション料金を払う必要がある。)
サクラではどうか? こうだ。
日産サクラ ステアリングヒーターやシートヒーターはオプション(+11万1100円) 車もサブスク時代になるとソフトウェア的に機能の切り売りになる めんどくさいね ホンダN-BOXを買わずに日産サクラを買う理由があるか?まあない
— speed555 (@speed555) May 22, 2022
日産サクラ、やはりオプションが分かりにくいし選びにくいですね。個人的にシートヒーターが寒冷地仕様にしないと選べないのが痛い。
— 長谷川 孝 (TKS) (@utenaemu) May 22, 2022
シートヒーターは諦めて、ナビ付き、プロパイロットなし、サクラカラーを選んで、ざっくり310万。メンテパックや充電ケーブルを別途とすれば300万ってところですね。
日産サクラのカタログをウェブで見たらリアシートにヒーター付けられないのね
— れくちん (@rekuchin) May 20, 2022
寒冷地仕様の欄にも助手席までの表記しかない
あらまあ。標準で付いていないのは仕方ないとしても、オプションでも付けられないのは痛い。
・ 寒冷地仕様以外では、オプション設定なし。
・ リアシートでは、もともと設定なし。
というわけで、シート・ヒーターを付けたくても付けられないことが多い。
で、シートヒーターがない状態で、路上をどんどん走ったあとで、路上が雪のせいで渋滞したら、どうなるか? 普通電気自走車ならば、シートヒーターはあるし、バッテリーも長時間の容量がある。しかしサクラは、シートヒーターはないし、バッテリーも長時間の容量がない。となると、渋滞が長時間にわたると、暖房機能がなくなって、凍え死んでしまうかもしれない。
「雪で路上が長時間の渋滞 EV の運転者と同乗者が凍死」
というニュースが出るかもしれない。
それがイヤなら、雪国をサクラで走るのは、やめた方がいいですね。雪国の人には、この車は向いていない。死にたくなければ、避けた方が賢明だ。
「日産サクラは、画期的な素晴らしい軽自動車 EV だ」
という評価が世間では出回っているが、それを素直に信じすぎると、雪国の運転者と同乗者は、そろって凍死しかねない。「雪国ではサクラは走る棺桶だ」とでも思った方がいい。そのくらいの警告を発しておくべきだ。
※ 日産は前に、(デメリットを隠して)「バッテリークーラなしのリーフを売った」という悪しき前歴がある。前科一犯だ。そして今回、「シートヒーターなしのサクラを売る」という悪しき犯歴を加えた。これで前科二犯だ。……ならば、褒めるばかりでなく、きちんと欠点を指摘するべきだ。それが評論家の務めだろう。
[ 付記 ]
日産がデザインを改悪するのは、今回に限ったことではない。
(i)キューブ
二代目キューブは、立方体のデザインが好評で、月販1万台以上の大人気車となった。全体が四角形で統一されたデザインはセンスがあった。
ところが欲張り婆さんの幹部が、もっと欲しがった。
「月販1万台じゃ足りない。月販2万台がほしい。そのためには、デザインを変えればいい」
そう思って、グリルのデザインを、正方形の基調から、斜めの穴あきグリルに変更した。正方形で統一されていたデザインは破綻して、ゴチャゴチャした気持ち悪いデザインになった。月販1万台から半減して、一挙に不人気車になった。車そのものは変わらないのに、グリルのデザインを変えただけで、一挙に不人気車になった。
(ii)セレナ
現行セレナは、「性能はトヨタのノアやホンダのステップワゴンと比べて大差ないが、デザインがカッコいい」という理由で、馬鹿売れしていた。日産は、どれもこれもが( Vモーションという統一デザインで)不人気ななかで、セレナだけは( Vモーションでないので)「カッコいいデザインだ」と好評で、唯一の人気車種となっていた。
ところがマイナーチェンジした。( Vモーションの)ダサいデザインに変わった。

これで一挙に、人気車のセレナは不人気車に転じた。それまではミニバンでずっと1位を続けていたのに、トヨタやホンダに負けてしまった。ただ一つの人気車を、自ら捨ててしまった。……車そのものは変わらないのに、グリルのデザインを変えただけで、一挙に販売量を半減させてしまった。デザインによる自殺。
【 関連サイト 】
試乗記を知りたい人は、こちら。
→ 【試乗インプレ】日産の新型バッテリEV「サクラ」、質感は従来の軽自動車と全く別の乗り物だった / - Car Watch
別に全国どこの地域でも寒冷地仕様車は買えますし、軽自動車だと、そのぶんの費用を上乗せされないか、せいぜい数千円のアップという車種も多かった気がします。スズキのジムニーなどは、最初から全車「寒冷地仕様」をうたっていますしね。EVならなおさら、ガソリン車に比べて上乗せ費用が低額になる可能性が高いでしょう。
サクラは2グレードのようですが、
安いXグレードのほうだと、LEDフォグランプ、ステアリングヒーター、運転席ヒーター付シート、助手席ヒーター付シート、ヒーター付ドアミラー、リヤヒーターダクト、ワイパーデアイサー、リヤLEDフォグランプ が8点セットで、11万1100円。
高いGグレードのほうだと、最初からステアリングヒーターと運転席ヒーター付シートは標準装備なので、残りの6点セットで、8万3600円。
デイズのボディ形式は、セミトール(セミハイト)ワゴンに分類されるもので、サクラも同じということになるでしょう。スズキのワゴンRやダイハツのムーヴと同じ系統です。ホンダの N-BOX やダイハツのタントやスズキのスペーシアのようなトールワゴンではないので、本稿でいわれている「背が高くて、四角いせいで、空気抵抗がひどく悪い」という表現はあたらないかもしれません。それを言い出すと、今の軽自動車は大体全てそれにあてはまってしまいます。
シートヒーターはそれで解決しますが、他の点は解決しません。(バッテリーの件二つ)
あと、「寒冷地仕様を注文する必要がある」と大々的に示しておかないと、たいていの人は買わないから、その点も駄目。
――
ボディ形状については、
> それを言い出すと、今の軽自動車は大体全てそれにあてはまってしまいます。
そうです。別にライバル車と比較しての話ではなく、アリアと比較しての話なんだから、そうなるのは当然。話の前提をお間違えなく。
そもそも、次の注記をしているので、間違えるはずがないんだが。
> 日産の技術が特に劣っているということにはならない。日産を責めたり詰ったりはしない。
――
デザインについては、
> パッと見は既販車の日産デイズとあまり変わらない感じがします。
コストダウンのために、デイズのボディをそのまま使っているので、仕方ないです。デザイナーの勝手にはできない。
その点は批判対象にならないし、考察対象にもなりません。評価外。
不凍液は、場合によっては劣化による交換が必要になることもあるが、これは定期点検や車検のときに日産がやってくれるのかもね。
p.s.
よく考えたら、EV には(ラジエーターがないので)、不凍液は不要でした。 (^^);
エアコンの冷媒も、フロン(代替物)だしね。
> シートヒーターはそれで解決しますが、他の点は解決しません。(バッテリーの件二つ)
あと、「寒冷地仕様を注文する必要がある」と大々的に示しておかないと、たいていの人は買わないから、その点も駄目。
⇒ 私の当初コメントは、記事本文の、「雪国の人には、この車は向いていない。死にたくなければ、避けた方が賢明だ。」「(前略)素直に信じすぎると、雪国の運転者と同乗者は、そろって凍死しかねない。『雪国ではサクラは走る棺桶だ』とでも思った方がいい。そのくらいの警告を発しておくべきだ。」というくだりについてのものです。雪国の人で冬でもメインでこれに乗るという人は、8万でも11万でも設定があることはあるので、付ければいいんじゃないでしょうか、という意味です。そのセットオプション料金が高すぎるとか、いつもの抱き合わせ商法で肝心なモノが買いにくいという主張ならわかりますが。
「大々的に示しておかないと、たいていの人は買わないから、その点も駄目。」というご主張もよくわかりません。WEBカタログにも紙のカタログにも、オプションがあることもオプションの中身もしっかり書いてあるので、購入希望者がそれを認識しないことは、絶対ないとはいいませんが、普通は考えにくいでしょう。サクラに限って、今までとは違ったオプションの設定方式であるとか、特にカタログがわかりにくいといったことはないように感じます。(Twitter で紹介されている長谷川孝さんという人は、あまりクルマの商談に慣れていないのでは。)
また、それを書くなら、「このブログでもかねがね論じているように、雪国での厳冬期の立ち往生は、命に関わることがある。従来のガソリン車では、燃料さえ残っていればしのげることも多いが、EVでは、シートヒーターが付いていないとそうはいかない。まだ日本では、とくに軽自動車のユーザーには、そのへんのところが広くは認識されていないので、EVを発売する会社として配慮義務がある。メーカーはなるべくシートヒーターを標準装備にすべきだし、ディーラーでもオプションの購入については顧客に注意喚起すべきだ。」となるでしょう。
いやいや。シートヒーターだけでは駄目だ、と書いてあるでしょ。バッテリーの問題が二つ。加熱器がないので、電池の消耗が早い。容量が小さいので、すぐに容量切れ。したがって、雪の日にはエアコンをつけて2〜3時間で暖房切れになります。シートヒーターでは雪の日には熱量不足だし、サクラでは 12時間の渋滞で凍死します。そういう問題です。寒冷地仕様では解決しません。
「大々的に示しておかないと、たいていの人は買わないから、その点も駄目。」というのは、寒冷地以外の人の場合。
通常なら、関東や関西や九州の人は、寒冷地仕様なんか買わない。寒冷地に住んでいない人は、寒冷地仕様なんか買わない。
だけど、買わないと、冬にはシートヒーターがなくて困る。関東や関西や九州の人には、大々的に示しておかないと、あとで困る。
> EVでは、シートヒーターが付いていないとそうはいかない。
サクラは(電池容量が小さいので)、シートヒーターが付いていても駄目です。基本、雪国では駄目。シートヒータを付ければいいのは、寒冷地以外の場合のみ。
まとめると:
寒冷地の人 → 寒冷地仕様を買うな。
寒冷地以外の人 → 寒冷地仕様を買え。
こういうふうに逆転する。逆説だね。そこを強調するべきだ。
(寒冷地の人は、サクラを買っちゃ駄目。命に関わる。)
> そうです。別にライバル車と比較しての話ではなく、アリアと比較しての話なんだから、そうなるのは当然。話の前提をお間違えなく。
> そもそも、次の注記をしているので、間違えるはずがないんだが。
⇒ いちおう間違えてもいないつもりで、私は、筆者(管理人さん)がいつものようにフェアに論じられている(日産を責めたりなじったりはしていない)ことは、よくわかっています。
私の当初コメントの趣旨は、「サクラはアリアに比べて、本来は半分程度の航続距離(240km)はあってもいいのに、背が高くて・四角いせいで・空気抵抗がひどく悪いから、4割にも満たない 180km になってしまった。」という筆者(管理人さん)の主張についての疑義です。もちろん、例えばアリアのCd値 0.297?にサクラが及ばないのは確かだとしても、それが本当に主因なのか? 他の要因として、同じWLTCモードの決められた高速パターンを走る場合に、たぶん 200km/h 以上は出るアリアに比べて、140km/h 以上は出ないかもしれない設定のサクラは、その高速領域での電費の落ち込みが激しいからではないか、という推測です。
それは十分にありそうですが、その理由は、モーターや電池ではなくて、やはり、空気抵抗のせいでしょう。高速燃費に大きく影響するのは、転がり抵抗よりも、空気抵抗です。普通車でも 60〜80km/h ぐらいで、空気抵抗が半分を超える。サクラみたいに空気抵抗の大きいデザインだと、 40km/h ぐらいで空気抵抗が過半になりそうだ。
逆に言えば、コペンの屋根付きモデルみたいなデザインなら、250km ぐらいの航続距離が出そうだ。サクラの機構を使って、そういう EV をつくってくれないかな。セカンドカーには最適だ。
CRZ のルーフを後ろ下がりに傾斜させたデザインでもいい。
> よく考えたら、EV には(ラジエーターがないので)、不凍液は不要でした。
> エアコンの冷媒も、フロン(代替物)だしね。
だいぶ前に、日産リーフの何かについての記事にコメントしましたが、EVにも、ラジエーターなどの冷却系が付いていて、それでモーターやインバーターやバッテリーを冷却している車種があります。その場合は当然クーラント(不凍液)の水溶液が使用されています。例えばリーフでは、バッテリーは空冷(自然冷却)ですが、モーターとインバーターのみを冷却液で冷却しているようです。
アリアについても調べてみたところ、WEB取説(※)には、寒冷地で冬場には、冷却液中のクーラント濃度を50%にして(凍結開始温度を下げてください)との記載があるので、リーフと同じようにラジエーターなどを有する冷却システムなのでしょう。
※ どうも、ここに日産のWEB取説のURLを貼るとエラーが出てしまうので、ご興味があれば「アリア、冷却液」で検索してみてください。
ただし、下のブログでは、アリアはモーターやインバーターに加えて、バッテリーも冷却液で冷却していると書かれています。また、このブログには、三菱アウトランダーPHEVは、バッテリーについては、冷却液ではなくエアコンのようなフロン冷媒で冷却していると書いてありますね。
http://iikagenna.blog92.fc2.com/blog-entry-568.html
この問題の一般的な解決策は、短縮 URL を使うことです。
(1) ブラウザにアドオンをインストールする
(2) 短縮 URL のウェブサイトで、変換する。たとえば、下記。
https://bitly.com/
https://is.gd/
https://x.gd/
⇒ ありがとうございます。先ほどの日産WEBカタログのURLは、
https://bit.ly/3lAtBQY
Posted by 管理人 at 2022年05月23日 12:28
> 逆に言えば、コペンの屋根付きモデルみたいなデザインなら(後略)
⇒ いい!と思いますが、コペンやS660と同じく台数は出ないかも。
Posted by 管理人 at 2022年05月23日 11:50
> 寒冷地の人 → 寒冷地仕様を買うな。
⇒ 正しいのですが、そこまでいうと、寒冷地の人 → エコカーの軽自動車を買うな(ガソリン・EVによらず)、になります。タンク容量が25リットルそこそこなので、たぶん12時間もアイドリングできません。
この2つの案件に共通するのですが、私の3番目のコメントの文末に書いたとおり「それを言い出すと、今の軽自動車は大体全てそれにあてはまってしまいます。」なんですね。
日産サクラと三菱ekクロスEV に課せられているのは、まず、軽のEVという全くの新規市場を開拓することですから、今回の車両企画はこうならざるを得なかった、と私は理解しています。
それでも、軽のEVでも、厳冬期の立ち往生だけは何とかしたいのであれば、筆者のおっしゃるとおりに低温でのバッテリー放電性能を安定させる機構の付加が必要で、さらにシートヒーターは役に立たないのなら、体全体を覆う電熱シュラフなんでしょうね(バッテリーへの負荷が小さい)。むしろ、この電熱シュラフを特価でオプションに設定して、さらにそれに対応したソケット(12Vでも100Vでもいいのですが合計で400W程度が取り出せるもの。できれば110W×4口ほしい)を追加するのがいいでしょう。まあ、「寒冷地仕様」とすると誤解されるので、「立ち往生緊急時仕様」という名前にするとか。
軽で 25リットル なら、普通車換算で 50リットルになるので、たぶん大丈夫でしょう。
3人分だと、場所を取り過ぎるので、ホッカイロ 60個の方が良さそうだ。これで3人分。
→ https://x.gd/ZSeID
・ グリルは、IMk では横線基調の模様があったのが、真っ黒になった。
・ バンパーの下は、IMk ではデザイン模様があったのが、平凡になった。
⇒ 続々といろんな解説動画が上がってますが、グリルもバンパー下も、わりと IMk でのデザインが再現されているのでは。見る角度の問題? 下の竹岡氏の動画だと、1:15〜がよくわかります。アリアとのデザインの共通点・相違点についても指摘があります。
https://www.youtube.com/watch?v=xVtdO16ySk4
本文中で述べた
| ⇒ /
という工夫をしていないから、結果的にはデザインの模様がわからないわけだ。単に技量未熟という問題であったか。デザイナーのセンスがなかったというよりは、レベル(能力)が低すぎただけだったか。
造形の専門学校でちゃんと勉強するべきでしたね。
このフロントグリルについては、アリアやリーフでも採用されている「漆黒グリル」の系統なんでしょう。いずれも、遠目には黒い平板に見えますが、よく見るとそれぞれに違った形状がわかるというもの。つまり、サクラでもわざとそれをやっている。
ちなみにアリアでは「3Dの幾何学模様」(下のサイト)で、リーフでは「ブルーの複数のピラミッドが浮きあがる模様?」です。サクラは軽自動車なので、コスト上そこまで凝ったものは無理だったのかな。
まあ、次稿で言及されているように、そのアリアとサクラとの意匠共通性が良くない、ということになるのでしょうが。
https://global.nissanstories.com/ja-JP/releases/story-200312