2022年05月20日

◆ ロシア軍を撃破する方法

 前項 の続き。
 ウクライナ戦争で世界は危機に瀕しているので、ロシア軍を撃破するべきだ。だが、下手をすると、ロシアは核兵器を使うかもしれない。上手に安全に撃破するには、どうすればいいか?

 ――

 ウクライナ戦争で世界は危機に瀕している。前項で述べたように、小麦不足で、各地で餓死者が出かねない。
  → ウクライナ戦争で小麦不足: Open ブログ

 とすれば、ロシア軍を撃破するべきだ。とはいえ、ロシアは核兵器を持っている。これがやっかいだ。下手をすると、進退窮まったあげく核兵器を発射しかねない。窮鼠猫を噛むだ。そうなると、まずい。ここは慎重に考えないといけない。

 具体的に考えよう。
 ロシア軍を撃破するには、ウクライナ側が航空優勢を得ることが必要だ。そのためには、ウクライナ側に戦闘機を供与することが必要だ。ここまでは論理的に必然である。

 ところが、米国は戦闘機を供与することを、躊躇している。「そんなことをすると、ロシアは核ミサイルで反撃してくるかもしれない。あるいは、NATO 全体に攻撃してくるかもしれない」と恐れているからだ。
 このうち、「NATO 全体に攻撃してくるかもしれない」という恐れは、もはやなくなったも同然だ。ロシアにはそれほどの戦力はないからだ。やるとすれば、せいぜい、ミサイルを発射することぐらいだろうが、それによってロシア全土を空爆で反撃されることを考えると、それはやりにくい。だからロシアとしては、NATO には手も足も出せまい。
 やるとしたら、「核ミサイルで反撃する」という可能性だけだ。この可能性を防ぐには、どうしたらいいか? 何とかうまい方法はないか? 困った。どうする?

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。

 (1) まずは、ポンコツ戦闘機を供与すればいい。たとえば、すでに退役した F-4 だ。また、ポーランドにある旧式のミグだ。これらは、ロシアの戦闘機に対して、特に優位に立てるわけではない。ドッグファイトをすれば、あっさり負けるだろう。かろうじて空対空ミサイルで対抗するだけだ。現実的には、ロシアの航空機が近づいたら、どんどん逃げて、ウクライナの西側に逃げ込むしかない。そこで、ウクライナの対空ミサイルに守ってもらう。これでかろうじて一息つく。
 こういうふうに、ロシア軍の戦闘機のいないところで、かろうじてポンコツ戦闘機が活躍する、というふうにすればいい。いわば「お山の大将」の状況だ。強い敵のいないところで、小さな領域で威張り散らす、という形だ。
 こういう形でなら、戦闘機を供与しても、ロシアは特に怒ることはないだろう。戦況に大きな影響が出るわけでもないので、「くそ! 核ミサイルをぶっ放すぞ!」などと怒り狂うこともないだろう。

 (2) ポンコツ戦闘機を供与したあとで、しばらくしてから、もうちょっとマシな戦闘機を供与するといいだろう。あまり古くないミグとか、ミラージュとか、初期型の F-16 とか。これらだと、ロシアの最新型の戦闘機には負けるが、ロシアのちょっと古めの戦闘機には負けずに戦える。こういう戦闘機が大量に出現すると、ロシアとしてはかなり不利になるだろうが、戦況には少ししか影響しない。この状況で、ロシア軍は少しずつ後退することになるが、劇的に変化するわけでもないので、いきなり「核ミサイルをぶっ放すぞ!」と怒り狂うこともないだろう。

 (3) そのあとでさらに、古い F-15 を少しだけ供与する。実力的にはロシアの最新型戦闘機をしのぐが、数は限られているので、決定的な影響となるほどでもない。この状況で、いくぶん航空優勢に立ったウクライナは、ロシア軍を少しずつ退却させていく。とはいえ、 F-15 の機数は少ないので、一挙にロシアを退却させるわけではない。ロシアは少しずつ、少しずつ、国境線まで退却するだけだ。

 (4) 国境線まで追い詰められたロシアは、怒り狂うかもしれない。「西側諸国は航空機の援助をやめよ。さもないと反撃するぞ」と警告して、そのあとで、NATO諸国に長距離ミサイルで反撃する。核ミサイルではないが通常弾頭のミサイルで、ポーランドやドイツにミサイルを発射する。
 その一部は、ミサイル防衛網で迎撃できるが、迎撃漏れが発生して、いくらか被害が出る。そうなったら、西側諸国は(事前警告したとおりだと言い張って)最新鋭の戦闘機で反撃する。つまり、これまで出し惜しんでいた、奥の手を出す。つまり、F-35 だ。これによってステルス爆撃をする。その場所は、2種類だ。
 第1に、軍事施設を徹底的に破壊する。軍需工場や、飛行機工場も破壊する。ミサイル基地も半分ぐらい破壊する。(残りの半分はわざと残しておく。全滅に近づけると、その直前に核ミサイルを発射する危険があるからだ。)
 第2に、都市攻撃をする。具体的には、モスクワとペテルブルグだ。この二つの都市を空爆する。発電所、浄水場、橋、鉄道など、インフラ全般を破壊する。ガスや石油は、設備は破壊せずに、配管だけ破壊すればいい。
 こうして都市攻撃をすることで、モスクワとペテルブルグを、人の住めない都市にする。そのことで、都市から地方への分散を促す。地方都市は攻撃しないでいい。単に大都市を無効化するだけでいい。ここでは、目的は、国家を崩壊させることではなく、国家を弱体化させることだけだ。ロシアという国家を消滅させるわけではなく、単に弱体化させるだけだ。……これならば、プーチンとしても、核ミサイルに手を付ける必要はない。
 ともあれ、この場合には、モスクワを廃墟にして、クレムリンをガレキの山にするだけだ。それ以上のことはしない。戦車を送ってロシアの全土を支配するようなことはしない。単にロシアという国家を弱体化するだけでいい。
 ※ なお、このことは、実施する必要はない。あくまでシナリオとして示しておくだけでいい。その目的は、「ロシアが西側諸国にミサイルを撃ったら、こういう反撃をするぞ」と予告することで、ミサイルを撃つのを抑制させることだ。それだけが目的だ。

 ――

 ともあれ、以上の方針を取れば、次のようになる。
  ・ 戦闘機を送る。少しずつレベルを上げる。
  ・ ロシアを少しずつ退却させる。最終的には国境線まで。
  ・ その間、ロシアは西側諸国を攻撃することはできない。


 こうしてロシア軍を退却させたら、作戦は成功だ。この過程で、ロシア軍は持てる戦力の大半を失うことになる。全戦力の8割ぐらいを失うことになる。(ウクライナの航空優勢下で空爆されるので。)
 そうなったところで、示威的に F-35 の 夜間ステルス襲撃で、モスクワの広場(または川や橋)を空爆するといいだろう。


赤の広場



 モスクワの中心部を空爆することで、ロシアに対して、心理的に大きなショックを与えることができる。ちょうど、ドゥーリトル部隊の空爆が、日本軍に大きなショックを与えたように。
 (ドーリトル空襲は、軍事的な被害はほとんど与えなかったが、)日本軍に与えた衝撃は極めて大きかった。
( → ドーリットル空襲 - Wikipedia

 もちろん、やる気になれば、クレムリンを破壊することもできる。だが、目的は、ロシアを屈服させることではない。講和に持ち込むことだ。ならば、相手の恐怖を最大化させるために、あえて相手を傷つけない方がいい。こちらがわざと手加減をしていると知ったときにこそ、相手の恐怖心は最大化するからだ。



 [ 付記 ]
 全戦力の8割ぐらいを失ったあとは、どうなるか? 西側はロシアを侵略することはないだろう。しかし、中国がロシアを侵略することは可能だ。中国は常に他国を侵略しようと、虎視眈々と狙っている。ロシアが軍事的に壊滅状態になれば、いつでも中国が侵略できる。そういう状態になったら……というのは、ロシアにとっては恐怖でしかないだろう。そのことを、事前に伝えておくべきだ。
 ロシアは「中国が自国を攻めてくるはずがない」と思い込んでいるが、それは、軍事的に強国である場合の話だ。事情が異なれば、話も異なる。北の熊を襲う、南の龍、というふうになる。……そのことを教えてやるといい。

posted by 管理人 at 23:50| Comment(2) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「(ウクライナの国食う有声化で空爆されるので。)」

「(ウクライナの航空優勢化で空爆されるので。)」
が正、でしょうか。
Posted by vox_populi at 2022年05月21日 11:21
 ご指摘ありがとうございました。チェックしたんですが、見落としていました。
 航空優勢下  に修正しました。
Posted by 管理人 at 2022年05月21日 11:27
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