→ 次期戦闘機、日米→日英共同開発に転換する理由 | 東洋経済
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記事から一部抜粋しよう。
航空自衛隊が保有するF2戦闘機の後継となる「次期戦闘機(FX)」の開発をめぐり、日英両政府はイギリスの航空・防衛大手「BAEシステムズ」と日本の三菱重工業を主軸とする日英共同開発とする方向で調整に入った。日本の大手メディアが14日、一斉に報じた。日英の両政府筋も筆者の取材に認めた。
実際に日英両政府は2月15日、次期戦闘機に搭載する予定の高性能レーダーの共同研究に関する取り決めに署名したと発表した。両政府は昨年12月22日にも、FXに使うエンジンの実証実験を今年1月に始めると発表した。
岸田文雄首相は5月5日、訪問先の英国でジョンソン首相と会談し、年末までに将来の戦闘機プログラムに関する協力の全体像で合意すると確認した。
一方、岸信夫防衛相は5月4日の日米防衛相会談で次期戦闘機をめぐる日英協力について説明して理解を求めた。これに対し、オースティン国防長官は歓迎の意を示したという。

機体の特徴としては、双発であることが上げられる。
両国とも海洋国として、採用する戦闘機に長い航続距離を必要とする。また、重いミサイルを搭載できる双発機(エンジンが2基ある航空機)を必要とする点でも共通する。日英が配備を進めているロッキード・マーティン製のF35戦闘機が満たせない性能だ。
アメリカとしては今さら双発機を開発するのはコストがかかりすぎて無理だ、ということであるようだ。海洋国でもないのに、長距離を飛ぶための(燃料タンクのデカい)双発機は、無駄なコストがかかるので、そんなものを開発するよりは、(燃料タンクの小さい)単発機を多数配備する方がいい……ということであるようだ。
それが理由の一つとなって、高価な F-22 (双発機)を生産中止にして、F-35 一辺倒に転換した。今さら双発機を開発するわけにも行かない、ということなのだろう。長距離用の双発機は、日本と英国の開発に任せて、それで出来上がったものを少数だけ、米国が購入すればいい、ということなのかもしれない。これなら、開発費を負担しないで済む分、米国はお手軽に済む。
以上が、私の分析だ。
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一方で、米国が第六世代機(有人機)を開発しないのは、次世代型では有人機でなく無人機に転換するからだ……という見方もあるようだ。これからの戦闘機は、ドッグファイトなんかしないで、ステルス機で遠距離からミサイルをぶっ放すだけだ、という見方もある。
→ 第6世代戦闘機: Open ブログ
なるほど。だが、それだったら、やたらと高性能な機体は必要なく、単にステルスの機体だけがあればいいことになる。
このようなステルス機ならば、特に高度な開発をする必要はなく、旅客機の技術があれば済むことになるだろう。……とはいえ、その旅客機では、日本は MRJ で大失敗をした。
旅客機もまともに作れないくせに、最新型の戦闘機を作ろうというのだから、ヘソがお茶を沸かすところだが、肝心の機体製造を、英国や米国に任せれば、「おんぶにだっこ」みたいになるので、何とかなるのかもしれない。
[ 付記 ]
私としては、前から「 F-35 を購入するより、ユーロファイターを魔改造して、国内生産するべし」と主張していた。
そのことが、一世代遅れて、ユーロファーターの後継機において実現する形になったわけだ。記事にはこうある。
イギリスは現行の主力戦闘機「ユーロファイター・タイフーン」の後継として、次期戦闘機「テンペスト」の2035年までの実戦配備を目指している。これは日本の次期戦闘機と同じスケジュールでもあり、日英の連携を円滑にさせている。
その意味では、本件の話は、歓迎するべきことだと言える。ただし、2035年までの実戦配備となると、かなり先の話になるので、そこがちょっと、おぼつかない感じだ。
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それはそれとして、別途、無人戦闘機の開発も必要となるのだが、日本はどうするつもりなんだろう? アメリカから購入するつもりなんだろうか? いや、何も考えていないのか? 何しろ、ドローンについても、これまでは民生用の偵察ドローン(ロータータイプ)のことしか考えていなくて、TB2 みたいな飛行機タイプのドローンのことはまったく念頭にないようだ。
まったくの時代遅れの頭しかないらしい。
> ロッキード社との調整が難航し、米政府からの理解を得た上で主軸を英国へ切り替えることにした。ただ、相互運用性の観点から米国との連携は続け、無人機による戦闘支援システムは米国と共同開発する。
米国とは旧式戦闘機の退役時期が重ならず、コスト面での問題があった。
→ https://news.yahoo.co.jp/articles/2cad4ba27c0246972db4d2d146341245d6c62072