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前項で述べたように、JR は、都会から地方に富を流出させすぎている。ただでさえ、影響係数が低い都会から、営業係数が高い地方へと、富を流出させている。そこへさらに、10円の余計な値上げを課して、経営が黒字である都会から、営業が赤字である地方へ、二重に富を流出させる。さらには、都会で時計を除去するという不当なサービス低下までやっている。
こういうのは、あまりにも、あこぎすぎる。悪徳商人に見本だ。不当利得を取り過ぎている。それでいて、国の許認可事業となっている。国とグルになって、都会民を搾取している。
ならばいっそのこと、JR を分割した方がいい。
・ 山手線
・ 東京に乗り入れる近郊線
・ 東京以外の首都圏
・ 東北
・ 上信越
こういう5種類ぐらいに分割して、それぞれ経営を別にすればいい。そうすれば、都会の JR の料金は大幅に引き下げることが可能だ。ただでさえ、すしずめの満員電車でひどい目に遭わされているのだから、その分、料金を引き下げるのが当然だろう。
その一方で、客が来ないような無人駅を含む路線は、大幅値上げするか、路線廃止するか、国の援助(税金による補填)で存続するか、いずれかを選べばいい。いずれにしても、「都会民の富を地方に移転させる」というのとは、別の策になる。それが公正だ。
地方路線の存続が大切だというのなら、本来なら、地方の自治体が自らの財源で赤字を補填すればいい。その分、他の公共サービスは減少するが、やむを得まい。
そもそも、現状では、地方ではやたらと無駄なトンネルやら橋やらが建造されて、莫大な国費を投入されている。そういう金を、赤字路線維持に回せばいいのだ。
そして、その分、都会民の金をもぎとるのを、やめればいいのだ。
現状は、都会民の金を強引に召し上げる、一種の強盗か泥棒のようなものだ。「合法的な泥棒」とも言える。
「他人の富を本人の許可なく奪うこと」は、強盗や泥棒だ。それと同じことを、JR はやっている。あまりにも非倫理的だ。「人のものを盗んでいけない」ということを、きちんと制度化するべきだろう。
[ 付記 ]
時計の廃止は、前項でも言及したが、次の記事による。
→ “駅の時計”が消えていく? JR東日本が今後10年で約500駅での撤去を計画
ここには「保守メンテナンスの軽減」という目的が記してある。だが、「500駅で撤去」をして、どれほど多くのコスト削減があるかというと、「年間約3億円程度の削減」だけだ。記事にはそう記してある。
つまり、500駅で莫大なサービス低下をしても、節約できる金はたったのそれだけなのだ。あまりにも微小な額である。
一方で、黒字線の黒字額は6436億円だ。(2016年実績)
→ JR東日本の新幹線「一番稼げる」のはどこか| 東洋経済
これほど巨額の黒字を挙げているのに、それでもまだ足りないからといって、6436億円から6439円に黒字を3億円だけ増やそうとする。そのために、黒字路線の乗客に莫大なサービス低下をもたらす。多大な人が利用する、ほんの少額の時計台を節約して、都会民を虐待する。
その一方で、赤字路線の無人駅では、ほとんど誰も利用しないようなバリアフリーの施設を整備するために、10億円もの無駄金を投入する。
・ 黒字駅 …… 多大な人が利用する少額の時計を廃止する
・ 赤字駅 …… 誰も利用しない 10億円の設備を整備する
やることがメチャクチャ過ぎる。これはもはや都会民への虐待だ。
だいたい、金を節約したければ、3億円で時計を廃止するより、赤字路線をどんどん廃止すればいい。そうすれば一挙に 5000億円ぐらいが浮くだろう。なのに、どうして 5000億円を廃止しないで、3億円を廃止するのか。3億円を廃止すれば、5000億円の赤字を産めることができると思っているのか。あまりにも馬鹿すぎる。
こういう問題を抜本的に解消するには、やはり、JR を分割するしかあるまい。
[ 付記 ]
別案もある。
「路線ごとに、たくさんの子会社に分担させて、別会計とする。路線の整備は、まとめて一つの会社に業務委託する」
たとえば、「山手線会社」「埼京線会社」「東海道線会社」など、たくさんの路線会社ができる。それらはすべて子会社となって、別会計となる。ただし路線の整備はすべて「JR東日本・整備会社」という会社が担当する。
※ 以上の話において、新幹線が抜けているが、当然ながら、新幹線は別会社となる。
【 関連情報 】
イギリスのBBCニュースが「日本の自民党はなぜ選挙に勝ち続けるのか」という番組を放送してて、まさに必見と言えるくらい分かりやすい。
— 大神 (@ppsh41_1945) January 19, 2022
野党は主張する場が街頭演説などに限られるのに対し、与党は関係者を毎日のようにTV出演させる事が出来る。この差はあまりにも大きい。pic.twitter.com/l93XQNp0tQ
0:55 から、「自民党が地方に公共事業で金をつぎこんでいる」という話がある。
【 関連項目 】
「赤字路線を廃止したら、そのあとはどうするんだ? バスにするのか? バスは振動が大変だし、ダイヤも乱れるが」
という疑問があるだろう。それには別項で答えた。
→ DMV(鉄道バス兼用車両): Open ブログ
ここでは、DMV というものを紹介したあとで、私の対案を示した。
・ EV バス (電動なので振動がないバス)
・ BRT (鉄道を廃止したあとに専用道路を走る)
という二点だ。両方を兼ねることもできる。
なお、バスにすると、駅のかわりに停留所ができるが、その数はかなり多く増やすことが可能なので、利便性が高まる。
路線別に分割する、という話。
鉄道を廃止したあとに、バスが代替になるのか? という疑問への回答。
・採算が取れない路線の廃止が相次ぎ、貨物輸送が成り立たなくなる
もしくは
・各路線の採算が成り立つように、JR貨物が各路線に払う線路利用料が値上げされ、貨物輸送料が大幅に値上げされる
いずれにしても、鉄道からトラックへの逆モーダルシフトが起き、CO2排出量は増え、道路はさらに渋滞する。
貨物輸送は国民が等しく利益を受けているのだし、現状では同じ距離でも都会の方が料金が安いのだから、10円くらいでそんなに目くじら立てるのもいかがなものかと。
> 独立採算制
路線別なら、路線ごとに独立採算制だが、5つぐらいに分割するだけなら、路線ごとの独立採算制にはなりません。
> JR貨物が各路線に払う線路利用料が値上げされ、貨物輸送料が大幅に値上げされる
いいえ。東北のあたりでは値上げになるが、関東や東京のあたりでは値下げになります。地方と都会との差が生じるだけであり、全体としては値上げにも値下げにもなりません。