2022年05月11日

◆ JR を分割せよ

 JR は、都会から地方に富を流出させすぎている。これでは都会民が犠牲になる。ならばいっそのこと、JR を分割した方がいい。

 ――

 前項で述べたように、JR は、都会から地方に富を流出させすぎている。ただでさえ、影響係数が低い都会から、営業係数が高い地方へと、富を流出させている。そこへさらに、10円の余計な値上げを課して、経営が黒字である都会から、営業が赤字である地方へ、二重に富を流出させる。さらには、都会で時計を除去するという不当なサービス低下までやっている。
 こういうのは、あまりにも、あこぎすぎる。悪徳商人に見本だ。不当利得を取り過ぎている。それでいて、国の許認可事業となっている。国とグルになって、都会民を搾取している。

 ならばいっそのこと、JR を分割した方がいい。
  ・ 山手線
  ・ 東京に乗り入れる近郊線
  ・ 東京以外の首都圏
  ・ 東北
  ・ 上信越

 こういう5種類ぐらいに分割して、それぞれ経営を別にすればいい。そうすれば、都会の JR の料金は大幅に引き下げることが可能だ。ただでさえ、すしずめの満員電車でひどい目に遭わされているのだから、その分、料金を引き下げるのが当然だろう。
 その一方で、客が来ないような無人駅を含む路線は、大幅値上げするか、路線廃止するか、国の援助(税金による補填)で存続するか、いずれかを選べばいい。いずれにしても、「都会民の富を地方に移転させる」というのとは、別の策になる。それが公正だ。

 地方路線の存続が大切だというのなら、本来なら、地方の自治体が自らの財源で赤字を補填すればいい。その分、他の公共サービスは減少するが、やむを得まい。
 そもそも、現状では、地方ではやたらと無駄なトンネルやら橋やらが建造されて、莫大な国費を投入されている。そういう金を、赤字路線維持に回せばいいのだ。
 そして、その分、都会民の金をもぎとるのを、やめればいいのだ。

 現状は、都会民の金を強引に召し上げる、一種の強盗か泥棒のようなものだ。「合法的な泥棒」とも言える。
 「他人の富を本人の許可なく奪うこと」は、強盗や泥棒だ。それと同じことを、JR はやっている。あまりにも非倫理的だ。「人のものを盗んでいけない」ということを、きちんと制度化するべきだろう。



 [ 付記 ]
 時計の廃止は、前項でも言及したが、次の記事による。
  → “駅の時計”が消えていく? JR東日本が今後10年で約500駅での撤去を計画

 ここには「保守メンテナンスの軽減」という目的が記してある。だが、「500駅で撤去」をして、どれほど多くのコスト削減があるかというと、「年間約3億円程度の削減」だけだ。記事にはそう記してある。
 つまり、500駅で莫大なサービス低下をしても、節約できる金はたったのそれだけなのだ。あまりにも微小な額である。
 一方で、黒字線の黒字額は6436億円だ。(2016年実績)
  → JR東日本の新幹線「一番稼げる」のはどこか| 東洋経済

 これほど巨額の黒字を挙げているのに、それでもまだ足りないからといって、6436億円から6439円に黒字を3億円だけ増やそうとする。そのために、黒字路線の乗客に莫大なサービス低下をもたらす。多大な人が利用する、ほんの少額の時計台を節約して、都会民を虐待する。
 その一方で、赤字路線の無人駅では、ほとんど誰も利用しないようなバリアフリーの施設を整備するために、10億円もの無駄金を投入する。

  ・ 黒字駅 …… 多大な人が利用する少額の時計を廃止する
  ・ 赤字駅 …… 誰も利用しない 10億円の設備を整備する

 やることがメチャクチャ過ぎる。これはもはや都会民への虐待だ。
 だいたい、金を節約したければ、3億円で時計を廃止するより、赤字路線をどんどん廃止すればいい。そうすれば一挙に 5000億円ぐらいが浮くだろう。なのに、どうして 5000億円を廃止しないで、3億円を廃止するのか。3億円を廃止すれば、5000億円の赤字を産めることができると思っているのか。あまりにも馬鹿すぎる。

 こういう問題を抜本的に解消するには、やはり、JR を分割するしかあるまい。



 [ 付記 ]
 別案もある。
 「路線ごとに、たくさんの子会社に分担させて、別会計とする。路線の整備は、まとめて一つの会社に業務委託する」
 たとえば、「山手線会社」「埼京線会社」「東海道線会社」など、たくさんの路線会社ができる。それらはすべて子会社となって、別会計となる。ただし路線の整備はすべて「JR東日本・整備会社」という会社が担当する。

 ※ 以上の話において、新幹線が抜けているが、当然ながら、新幹線は別会社となる。



 【 関連情報 】


 0:55 から、「自民党が地方に公共事業で金をつぎこんでいる」という話がある。



 【 関連項目 】

 「赤字路線を廃止したら、そのあとはどうするんだ? バスにするのか? バスは振動が大変だし、ダイヤも乱れるが」
 という疑問があるだろう。それには別項で答えた。
  → DMV(鉄道バス兼用車両): Open ブログ
 ここでは、DMV というものを紹介したあとで、私の対案を示した。
  ・ EV バス (電動なので振動がないバス)
  ・ BRT (鉄道を廃止したあとに専用道路を走る)

 という二点だ。両方を兼ねることもできる。

 なお、バスにすると、駅のかわりに停留所ができるが、その数はかなり多く増やすことが可能なので、利便性が高まる。
 
 
posted by 管理人 at 22:59| Comment(5) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後の少し前に [ 付記 ] を加筆しました。
 路線別に分割する、という話。
Posted by 管理人 at 2022年05月12日 07:21
確かに赤字路線はバスで十分と思います。私もその一人ですが鉄道に思い入れが強い人が多く、廃線反対運動が起きます。でも実際にはバス路線にした方が本数も多くなって便利ではないでしょうか。車いす対策のバスならなお良いでしょうね。
Posted by よく見ています at 2022年05月12日 18:41
 最後に 【 関連項目 】 を加筆しました。
 鉄道を廃止したあとに、バスが代替になるのか? という疑問への回答。
Posted by 管理人 at 2022年05月12日 20:00
鉄道網には貨物輸送の役割もある。旅客輸送を地域別に分割しても、貨物輸送は分割しなかった。独立採算制になどしたら
・採算が取れない路線の廃止が相次ぎ、貨物輸送が成り立たなくなる
もしくは
・各路線の採算が成り立つように、JR貨物が各路線に払う線路利用料が値上げされ、貨物輸送料が大幅に値上げされる
いずれにしても、鉄道からトラックへの逆モーダルシフトが起き、CO2排出量は増え、道路はさらに渋滞する。
貨物輸送は国民が等しく利益を受けているのだし、現状では同じ距離でも都会の方が料金が安いのだから、10円くらいでそんなに目くじら立てるのもいかがなものかと。
Posted by のび at 2022年05月13日 11:16
 貨物用の路線使用料金は、旅客用とは別立てにすればいい。固定費の分は旅客用電車だけが負担して、追加の変動費の分だけを貨物用が払えばいい。おおむね、旅客用の3分の1ぐらいだろう。そのくらいならば、貨物用でも払えるはずだ。
 
> 独立採算制

 路線別なら、路線ごとに独立採算制だが、5つぐらいに分割するだけなら、路線ごとの独立採算制にはなりません。

> JR貨物が各路線に払う線路利用料が値上げされ、貨物輸送料が大幅に値上げされる

 いいえ。東北のあたりでは値上げになるが、関東や東京のあたりでは値下げになります。地方と都会との差が生じるだけであり、全体としては値上げにも値下げにもなりません。
Posted by 管理人 at 2022年05月13日 11:52
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