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戦車と航空機はどちらが勝つか?
これについては、戦車不要論者が「航空機が圧勝する」と主張する。
一方、戦車有用論者は「航空機は圧勝しない。そのことはイラク戦争で戦車が活躍したことからわかる」と言う。
では、事実はどうか? イラクにおける二度の戦争を詳しく見ると、その結果がわかる。
湾岸戦争(1991年)
湾岸戦争ではどうだったか? Wikipedia にはこうある。
砂漠の嵐
1月17日に、多国籍軍はイラクへの爆撃(「砂漠の嵐作戦」)を開始。この最初の攻撃は、サウジアラビアから航空機およびミサイルによってイラク領内を直接たたく「左フック戦略」と呼ばれるもので、クウェート方面に軍を集中させていたイラクは出鼻をくじかれ、急遽イラク領内の防衛を固めることとなった。
1月27日にアメリカ中央軍司令官であったアメリカ陸軍のノーマン・シュワルツコフ大将は「絶対航空優勢」を宣言し、戦争が多国籍軍側に有利に進んでいることを強調した。
アメリカ空軍はイラク軍防空組織に最初期から攻撃を加えており、イラク軍防空システムは早期の段階でほぼ完全に破壊された。これによって戦闘開始直後からイラク空軍の組織的な防空戦闘は困難となり、多くの航空機がイランなどの周辺国へと退避した。
砂漠の剣
1か月以上に亘って行われた恒常的空爆により、イラク南部の軍事施設はほとんど破壊されてしまった。2月24日に空爆が停止された。同日、多国籍軍は地上戦(「砂漠の剣」作戦)に突入。クウェートを包囲する形で、イラク領に侵攻した。
大統領親衛隊や共和国防衛隊を除く主要のイラク軍は、度重なる空爆によって消耗しており、装備も貧弱で、まるで士気がなかった。一部では油田に火を放って視界を妨害しようとしたが、多国籍軍は熱線映像式暗視装置を持っていたため、煙の向こうのイラク軍部隊は反撃もできずに一方的に撃破されたあげく、続々と投降した。
イラクは翌2月25日にスカッドミサイルでサウジアラビアを攻撃し、ダーラン近郊の第14補給分遣隊兵舎に命中させたことで、28人を殺害、100人以上を負傷させた。しかし、抵抗はここまでであった。地上戦開始から100時間後に、イラク軍は二本の幹線道路に長蛇の列を作って撤退を開始した。それを2月26日から翌日にかけて、米軍機が猛爆したので、そこは死のハイウェイと化した。夜が明けた頃には無数の焼け焦げた車両と焼死体が散乱していた。多国籍軍は2月27日にはクウェート市を解放して、さらには敗走するイラク軍を追撃した。2月28日の朝(イラク時間)に、戦闘が終結した。
( → 湾岸戦争 - Wikipedia )
航空機およびミサイルによる空爆が恒常的に続いたことで、イラク軍はすっかり消耗しており、この時点で勝負は付いていた。そのあとは地上部隊が派遣されたが、ろくに戦闘が起こることもなく、イラク軍は次々と投降した。そして地上戦開始から100時間後には、長蛇の列を作って撤退を開始した。そこを米軍が爆撃したので、あたりは死体だらけとなった。
以上からわかるのは、次のことだ。
「湾岸戦争では、制空権を握った米軍が圧倒的に優位に立った。大量の戦車を持つイラク軍は、手も足も出なかった。単に空爆で爆弾を浴びることしかできなかった。やがて米軍の地上部隊が来たときには、わずかに反撃したあとは、投降するか、撤退するしかなかった。航空機に支援されない戦車は、防衛力としては何の力ももたなかった」
「一方で、航空機に支援された戦車は、消耗した敵の陸軍を圧倒した。戦車は有効に働いた」
これを簡単にまとめれば、こうだ。
「戦車は(制空権なしでの)防御のためには何の役にも立たないが、(制空権ありでの)侵略のためには有効である」
つまり、「防御には役立たないが、侵略には役立つ」となる。これは、戦車不要論の主張するとおりのことだ。
それが、湾岸戦争では証明された。
( ※ なお、死のハイウェイでは、クウェート領内にいる侵略者が殺されただけでなく、イラク領内にいるだけの兵士も大量に殺された。これはもはや罪なき人々の大量虐殺だとも言える。)
イラク戦争(2003年)
イラク戦争ではどうだったか? Wikipedia にはこうある。
制空権が確実な状態で陸上部隊が進攻を開始した。
投入された兵力は1991年の湾岸戦争が66万人であるのに比較して、26万3千(アメリカ陸軍とアメリカ海兵隊で約10万、イギリス軍3万。海空軍、ロジスティク、インテリジェンスなどをふくめるとアメリカ軍約21万4千、イギリス軍4万5千、豪2千、ポーランド2.4千)と非常に少ない。GPS誘導爆弾やレーザー誘導爆弾など高性能の武器を効果的に用いることで特定の拠点を効率的に破壊するドクトリンとした。
イラク戦争では、開戦劈頭における航空機のピンポイント爆撃をはじめとする空爆と巡航ミサイルによる結節点の破壊によって、イラク軍の指揮系統は早期に崩壊した。組織的抵抗力を開戦直後にほぼ喪失したイラク軍は、各地で散発的に抵抗するしかなくなり、アメリカ軍は完全に戦争の主導権を握った。 事前の大方の予想を裏切り、アメリカの陸上部隊も迅速にバグダードまで進軍することに成功した。
( → イラク戦争 - Wikipedia )
ここでも、空爆が圧倒的な威力を発揮した。湾岸戦争との違いは、高度なハイテク兵器によってピンポイントの攻撃を実現したことと、兵員数が非常に少ないことだ。ピンポイントの攻撃を実現すれば、大量の爆弾を無駄にばらまく必要もないので、最小限の攻撃で最大の効果を発揮することができる。かくて兵員数は少なくて済んだ。これはハイテク技術の勝利とも言える。
ともあれ結果的には、空爆だけで、イラクの戦力をほぼ壊滅させた。このときもイラクの戦車は、手も足も出せなかった。陸上にいる戦車は、高空にいる航空機を仰ぎ見て、罵声を叫ぶぐらいのことしかできず、弾丸は一発も発射できなかった。(たとえ発射しても、天に向かって唾するのと同様だから、無意味だ。)
一方で、戦争の勝利後のイラク制圧には、戦車は役立だった。
ここでも戦車は、「防御のためには役立たないが、侵略のためには役立つ」というふうになった。つまり、戦車不要論の主張するとおりとなった。
それが、イラク戦争では証明された。
3 評価
戦車と航空機についての話は、以上で終える。
以下では、二つの戦争の意義について評価しよう。これらの戦争は、必要だったか? 米国は「必要だから戦った」と主張したが、本当に必要だったのか?
(1) 湾岸戦争(1991年)
1度目の方(湾岸戦争)は、成果としては見事な成果だったと言える。圧倒的に優位な航空戦力を使って、最小の被害で最大の効果を上げた。かかる期間も短期間で済んだ。圧倒的な軍事力を行使したので、費用は莫大な費用となったが、その費用の大部分は、サウジアラビアや世界各国の拠出でまかなえたので、費用負担も大きくなかった。
しかも、イラクの完全支配には踏み込まず、途中で引き返したので、戦後負担もしないで済んだ。「クウェート解放」という当初の目的を達成し、しかも、イラクには懲罰的な損害を与えた。
以上のすべては(軍事的に)「大成功」と見える。
しかし私としては、それを否定したい。軍事オタクならば「軍事的に大勝利なので大成功」と評価するところだが、私は平和主義者なので「軍事的な大勝利」などはまったく評価しない。かわりに人命の損失を見る。
そもそも、この戦争は最初から不要だった。これはウクライナの支援とはまったく異なる。ウクライナの場合には、ロシアからの攻撃を受けていたので、放置すれば死者が増えるばかりだった。しかし湾岸戦争は違う。イラクはクウェート人を日々に殺害していたわけではない。いくらかの圧政はあったが、戦争で殺害し続けていたわけではない。とすれば、特に武力介入する必要はなかったのだ。
換言すれば、このときには「経済制裁」を続けるだけで足りた。それですぐに解決するわけではないが、だとしても構わないのだ。人が日々に死んでいくわけではないのだから。
また、どうしても侵略が許せないので武力行使に踏み切るにしても、小規模の空爆をするだけに留めるべきだった。米軍がイラクの首都を小規模に空爆すれば、イラク軍は( Wikipedia に書いてある通り)あわてふためいてイラクの首都防護に努める。
クウェート方面に軍を集中させていたイラクは出鼻をくじかれ、急遽イラク領内の防衛を固めることとなった。
この方針が続けば、米軍の小規模空爆が続くにつれて、クウェートに侵攻中の軍隊は退去していくだろう。それで問題は片付いたはずだ。
また、仮にクウェートに侵攻中の軍隊が退去しないとしても、そこを小規模に空爆することで、クウェートから退去させることは可能だったはずだ。戦車は航空機には無効であって、空にむかって吠えることのほかには、退去する以外にはなすすべがないからだ。
ところが米軍のなしたことは違った。逃げてゆく兵士の頭上から爆弾を落として、死体の山とした。
撤退を開始した。それを2月26日から翌日にかけて、米軍機が猛爆したので、そこは死のハイウェイと化した。夜が明けた頃には無数の焼け焦げた車両と焼死体が散乱していた。
このようなことは、悪魔の所業とも言うべきことであって、ヒトラーのユダヤ人虐殺や東京大空襲と同様だと言える。相手は兵士だとはいえ、米軍と交戦中だったわけではない。侵略中だったわけでもない。単に侵略をやめて退避しているだけだった。特に、クウェート領内にいる兵士は別として、イラク領内にいる兵士は、何の罪も犯していなかった。また、兵士以外の民間人まで殺したのは、ただの虐殺だった。彼らを殺したのは、単に無意味に死者数を増やすことだけだった。ちょうど、広島や長崎で、無意味に何十万人も殺したように。
「死のハイウェイ」。
撤退中のイラク兵を狙い民間人もろとも集中爆撃。

出典:カラパイア
湾岸戦争は、軍事的には大成功だったが、それゆえ、それは「悪魔の所業」と化した。殺せば殺すほど、それは悪魔としての成功になるだけだった。褒めるべき点などはまったくなかった。
戦争というものは、そもそも最小限になすべきことだ。敵であれ味方であれ、死者数を最小限にするようにするべきだ。軍事オタクならば、圧倒的大勝利を狙うのだろうが、そんなことでは「優秀な悪魔」になるだけのことだ。
湾岸戦争について言えば、「これはまったくの不要な戦争だった」と評価したい。できれば経済制裁(長期)で済ませるべきだったし、そうでなくとも小規模空爆だけで済ませるべきだった。大規模な戦争による莫大な死者発生は、政治的にはまったくの大失敗だったと評価したい。
※ 私のことを「戦争大好きの軍事マニア」と思う人もいるかもしれないが、違う。「戦わざるを得ないときには徹底的に戦う」という方針を取るが、「なるべく戦わずに済む道を求める」「死者数の最小化を求める」という意味で、基本的には平和主義者である。その点で、軍事オタクとはまったく異なる。お間違えなく。
※ とはいえ、「自分が武力行使をするのがイヤだ」という点にこだわって、「味方や他人がどれほど殺されても、自分は武力行使したくない」という絶対的平和主義者とも違う。そういうのは結局、死者数をやたらと増やすことになるのだから、人命軽視主義になるからだ。「善意ゆえに死者を増やす」というものであるから、タチが悪いね。「善意ある阿呆は最悪の結果をもたらす」というようなものだ。「地獄への道は善意で舗装されている」ともいう。ここでは、平和主義が(皮肉にも)最大の死者数をもたらす。……今のウクライナも同様である。
(2) イラク戦争(2003年)
2度目の方(イラク戦争)は、すでに下記項目で示したとおりだ。
→ 戦車不要論は間違い?: Open ブログ
この最後( [ 付記1 ]以後)で示したように、「軍事的な勝利が、最悪の結果をもたらした」と言える。
軍事オタクは、「戦車は有用だ」と主張する。なるほど、その意見は、正しい。とはいえ、そこでは目的が語られていない。その目的とは、「最悪の結果をもたらすこと」である。
つまり、「戦車は有用だ」というのは、「戦争を最悪の結果に導くためには、戦車は有効だ」ということだ。だが、その主張は、そもそも目的を間違えているのである。
彼らはやたらと「完全勝利」をめざすが、それこそが最悪の結果をもたらすのだ、と理解できていないのだ。そこが軍事オタクの視野の狭さというものだ。
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「戦車有用論」を唱える人々は、「イラク戦争」を、戦車が有用だったという成功例と見なすことが多い。だが、これは、軍事オタクが歴史を知らないことを示す典型例だ。
なぜなら、イラク戦争は、米国の戦争の歴史上、最大の失敗だったからだ。最大の失敗のために貢献したことなど、有益どころか有害無益だったことになる。だが、彼らはそれを理解できないわけだ。
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戦争の目的はただの錯覚と虚偽だった。この戦争は何の意味もないものだった。何の意味もない戦争に勝利して、勝利の結果として大混乱を引き起こした。得たものはゼロであり、失ったものは巨額の戦費と巨額の人員だった。
この戦いでは、1回目の戦争以上に、圧倒的な勝利をもたらした。その理由は、ハイテク技術だ。ハイテク技術ゆえに、ピンポイントの攻撃ができたので、きわめて効率的に成果を上げることができた。ごく少数の兵員で、多大な戦果を上げた。特に、空爆でそうだった。
空爆が大きな戦果を上げたあとでは、戦車も役立った。「侵略のためには戦車が有効だ」というセオリー通りである。実際、弱った敵軍の残余勢力を掃討するには、戦車が有効だった。……だが、そもそも掃討などはするべきではなかったのだ。
ちなみに、太平洋戦争では、天皇の玉音放送を聞いたあと、日本軍はほぼ全員が投降した。天皇の指示に従って、戦闘活動をやめたのである。徹底抗戦をしようとするのは、ごく一部の例外にすぎなかった。
イラクでは違った。敗戦が決まったあとも、末端が抵抗して、なかなか戦闘停止にならなかった。そこで残余勢力を掃討するために、戦車が活躍した。とはいえ、そういうふうに末端が抵抗したのは、もともとこの戦いが、大義なき戦いだったからだ。正義はイラクにあり、米国にはなかった。米国はただの侵略者にすぎなかった。ちょうど、ウクライナを侵略するロシアのように。そして、ロシアに抵抗するウクライナ人の士気が高かったように、侵略者たる米軍に抵抗するイラク人の士気も高かった。だからなかなか戦闘停止にならなかったし、それゆえに掃討するには多大な手間と犠牲が必要とされた。
ここでは、初期の戦闘活動がどれほど成功しても意味がなかった。米国の侵略という方針ゆえに、以後は長年にわたって多大な犠牲を出す結果になった。初期の戦果だけは大成功だったが、長期的には、20年間もの徒労をして、莫大な戦死者と莫大な戦費を失うことになった。
これこそ米国史上最大の失敗だったと言える。
※ 戦争の理由としての「大量破壊兵器」は見つからなかった、という点に注意。米国は「捏造した証拠によって戦争を正当化した」のであり、その意味ではただの侵略と同然だが、もっとタチが悪い。詐欺による戦争とも言える。
(3) 二つの戦争
以上の二つの戦争を見て、まとめて言えば、こうなる。
この二つの戦争は、まったく不要なものだった。有害だったとも言える。なるほど、たしかに、フセイン独裁体制下のイラク政府は、イラクで逆らう国民を殺したり、クウェートで市民を殺したりした。だが、イラク政府が殺した数よりも、米国が二つの戦争で殺した数の方が、圧倒的に多いのだ。湾岸戦争でも、イラク戦争でも、フセインのなした小さな悪を懲らしめるために、それよりもはるかに大きな悪をなすことになった。小さな悪を懲らしめるために、はるかに大きな悪をなす、という矛盾。それがこの二つの戦争の意味だった。
※ 米国は二つの戦争で、自己正当化をして、戦争を肯定する。だが、米国の理屈に従うなら、大きな悪をなした米国に対しても、他の国は大量虐殺をしてもいい、ということになる。その意味では、9・11テロをなしたアルカーイダは、米国民を殺す権利があったことになる。(米国の理屈に従うなら、だが。)
※ しかしもちろん、そんな理屈は成立しない。(仮定が間違いなので。)……とすれば、米国もまた、二つの戦争を肯定することはできないのだ。戦車が有効かどうか、というような議論をする前に、そもそも米国にはイラクで戦車を使う権利がなかったのだ。……その意味で、この二つの戦争においては、戦車や航空機は「気違いに刃物」という意味ぐらいしかなかった。そこは、軍事的に成功すればするほど、気違いによる被害が増えるだけだった。それが戦車の意味だった。
※ 米国は自らを「悪を懲らしめる、正義の使者」というふうに位置づける。しかしその本質は、「犯罪者とその家族を、正義の名の下に大量虐殺する」というものであり、サイコパスそのものである。「自らの大義を掲げて、大量殺人を正当化する」というのは、心情的には、アルカーイダのようなテロリストと同様だ。米国は巨大なテロ活動をしただけだったのだ。「イラクに大量破壊兵器がある」という虚偽の理由で、自分自身が大量破壊をなし遂げたのだ。……そういう米国の圧倒的勝利を「すばらしい」と称えるのが、軍事オタクだ。
[ 補足 ]
湾岸戦争(1991年)で、米軍が圧勝したことには、別の要因もある。それは、「燃料気化爆弾」を使ったことだ。詳しくは下記。
→ 燃料気化爆弾の威力: Open ブログ
英語版 Wikipedia には、次の記述(翻訳)がある。
生きた標的に対する(爆風)殺傷メカニズムは独特であり、不快である。殺すのは圧力波であり、さらに重要なのは、それに続く希薄化(真空)であり、肺を破裂させるのである。 米国中央情報局の研究は、「閉鎖空間におけるFAEの爆発の影響は甚大である。発火点付近のものは消し飛び、その周辺にいる者は、鼓膜の破裂や、内耳器官の粉砕、重度の脳震盪、肺や内臓の破裂、そしておそらく失明など、多くの内部的で不可視的な損傷を受ける可能性が高い」と述べている。別の国防情報局の文書は、「衝撃波と圧力波が脳組織に最小限の損傷を与えるので、……燃料気化爆弾の犠牲者は、爆風によって意識を失うのではなく、窒息する間数秒から数分間苦しむことがありうる」と推測している。
( → Thermobaric weapon - Wikipedia )
このような非人道的な兵器を使って、大量虐殺した。特に、クウェート領内で侵略していた兵士でなく、イラク領内で防衛していただけ(つまり何も悪いことをしていない)兵士さえも、大量虐殺の対象となったようだ。
こういう悪魔のような兵器を使うことで、米軍は圧倒的な勝利を得た。それはまさしく「悪の勝利」であった。
※ ちなみに、「イラク軍はクウェートで侵略をしており、それと同じるイラク軍に属する兵士だから、大量虐殺をしてもいい」という理屈が成立するのであれば、現在、ウクライナを侵略していないロシア国内の兵士をすべて皆殺しにしてもいいことになる。何も悪いことをしていない田舎の兵士たちが、単に「同じ国に属している」というだけのことで、大量虐殺されていいことになる。……こういうのはもはや、ヒトラー並みの異常精神だと言えるだろう。湾岸戦争当時の米国は、国民全体が精神異常になった(発狂した)のも同然だった。そして、それに共感して賛同したのが、他の国々だった。人々は、自分たちの異常さに気づかなかったのである。その異常さを指摘しているのは、私だけだろう。
[ 付記 ]
なお、金銭的な帳尻で言えば、米国は二つの戦争で大儲けしたようだ。
戦費については、Wikipedia などで数字が上がっている。
各国の分担金についても、同様だ。
戦費の内訳については、下記にデータがある。
→ 軍事行動に関わる経費分析
これによると、こうだ。
損失装備品のうち補充されなかったものが68億ドル分存在したので、米国が実際に負担した戦費は40億ドルに過ぎなかった
上記では、補充した分の経費を計上して、「40億ドル」という経費を示している。だが、補充したとき、旧型の兵器を消耗して、新型の兵器に交換しているのだから、ポンコツの中古車を、最新型の新車に交換してもらった、というような効果がある。
日本で言えば、退役するはずの F-4 や 74式戦車を消耗して、戦費に計算したが、そのあと、新型の F-35 などを補充して、その補充のための経費を、サウジアラビアや世界各国に負担してもらった、というようなものだ。
これでは、武器の更新をしたのも同然である。古い旧式のポンコツを、最新型の新品に交換できたわけだ。それも、他人の金で。
これでは米軍は大儲け、と言える。
ひょっとしたら、そのために、やらなくてもいい戦争をあえてやったのかもね。そして、そのために、イラクで莫大な死者を出したわけだ。
人を大量に殺して、自分は大儲け。これこそ悪魔の所業と言えるだろう。
( ※ なお、古い兵器は減価償却して価値がわずかだった、という会計処理もありうる。その場合、退役するはずの旧型兵器は、ゼロ円の損失となるが。……じっさいにはそんなことはあるまい。ま、会計処理しだいではあるが。)(会計処理でゴマ化して、自分の懐を潤わす、なんて、詐欺そのものだね。戦争の本質は詐欺だった、とも言える。)
燃料気化爆弾の話。
上記の意見は、
対戦車ミサイル重視派でしょうか?
戦車重視派でしょうか?
それとも航空優勢重視派でしょうか?
地対空ミサイル優勢重視派でしょうか?
つまらない意見ですが、ケースバイケースなのでしょう。
お金があれば多くの兵器を用意できるし、なければ少しの兵器しか用意できない。
お金については、戦時なら大量に投入できるが、戦時でなければできない。
戦時かどうかは、社会(雑に言えば、世界状況にさらされている政府と民)が決めるのでしょう。
多種多量と少種少量と書くつもりでした。
多種少量と少種多量いう変化球も想定できますが。
代表例でいうとナチスドイツとソ連ですかね。
なるほどなあ
自分なりに色々考えてはいるのですが、
実体験に由来する知恵を超えることは、なかなかできないですね。
その一方、
https://twitter.com/Blue_Sauron/status/1523341207484571652
最近では、ロシア軍も塹壕を掘ったり、土嚢を摘んだりしていますが、
それをドローンが丸裸にしている。
このあたり何か考察ができそうな気がします。
戦車に対する対戦車ミサイルのように、
ドローンに対する対ドローン兵器(物理的破壊手段や電波妨害)
がありますよね。
物理的破壊手段や電波妨害以外に、ドローンをなんとかする方法はあるのでしょうか。
レーザー兵器は、ドローンの部品に対する(広義の)物理的破壊ですしね
その紹介をしたツイート(和文)も、英文の趣旨を正しく伝えており、いちいち英文を読まなくてもわかるようになっている。
そのあとの感想(和文)は、ピンボケ。
自衛隊がテロ攻撃よりも正規軍攻撃に対応したのは正しい、と言っているが、ポイントはそこじゃない。
敵の正規軍攻撃に対して、防衛側が正規軍防衛をしていたのでは駄目だ、というのがポイントだ。防衛側はゲリラ的防衛をしないと、敵の航空優勢下では敵の正規軍に打破される。
事例ではテント村が敵ミサイルで撃破され、ゲリラ的に分散して塹壕に身を隠していたフィンランド兵だけが助かった、とある。
敵の航空優勢下で戦車団を出せば、戦車団は壊滅する。テント村のように。
敵の航空優勢下で歩兵を分散配置すれば、歩兵が敵の戦車団を攻撃できる。これはウクライナでもやっている。
――
なお、日本は「敵の航空優勢」を考える必要がない。日米安保条約があるので、敵の航空優勢は米国の空軍が破壊された状況を意味するからだ。
そして、航空優勢がこちらにある限り、敵が戦車団や歩兵で攻めてくることはない。攻めてくれば、テント村と同様になるからだ。
そこを理解できないのが、日本の自衛隊だ。「敵は日米の航空優勢下で戦車隊を繰り出してくる」と思い込んでいる。そんなことはありえない、と理解できないわけだ。
航空優勢の意味も理解できない自衛隊がウクライナに行ったら、集団活動したあげく、ロシアミサイルに撃破されて、全滅するでしょうね。「こちらは戦車があるのだから絶対的に有利だ」と言いながら、敵の爆撃機から空対地ミサイルを浴びて、戦車もろとも全滅する。
――
なお、元の原文の趣旨は「敵の航空優勢下にあるときの戦い方を理解せよ」です。
※ これは自衛隊にはない。(米軍にもない。ただしフィンランドにはある。……そういうツイートだ。)
どの兵器が有効性は状況次第であり、
状況に即していない限り、どんな兵器も無効になるのですね。
であれば、状況を予測することは、購入する兵器を選ぶことに優先されわけですね。
話を戻してしまいますが、
>物理的破壊手段や電波妨害以外に、ドローンをなんとかする方法はあるのでしょうか。
http://majo44.sakura.ne.jp/new0/light.cgi
>■敵はドローンオペレーターを最優先で殺しに来るので危険性は高い
こういう方法もあるのですね。
戦術規模の、限定された斬首作戦と思えば、古典的な手段なのでしょうが
ドローンオペレーター斬首作戦への対抗手段として、
スターリンク(衛星通信)などを利用したの完全リモートが可能だと思いますが、
コストや、通信途絶の可能性があるので、
人命をかけざるをえなのでしょうね
https://www.youtube.com/watch?v=0vOFpNW68yE
砲撃するときにドローンで偵察して、砲撃の位置調整をする、という方法は、標準的であり、少し前から利用されてきた。本サイトでも紹介したことがある。
http://openblog.seesaa.net/article/486664187.html の (2)
→ https://youtu.be/gfaJUio-T_0
12時間前に公開されて、100万回以上の視聴を受けた動画。あまりにもの衝撃に、短期間でコメントが次々と寄せられている。こんなにコメントが続出する YouTube は見たことがない。