2022年05月04日

◆ 原発テロ対策の中間報告

 原発テロ対策の中間報告が出た。東電の不備を指摘するもの。これに乗じて、朝日新聞の社説が原発批判をしている。

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 原発テロ対策の中間報告が出た。
  → 柏崎刈羽原発 テロ対策不備 “当時の取り組みに問題”中間報告 | NHK
  → 柏崎刈羽の追加検査で中間取りまとめ:朝日新聞

 これを受けて、朝日の社説が論じている。
 この原発だけの問題だと片づけていいのだろうか。
 東京電力柏崎刈羽原発で発覚したIDカード不正使用や侵入検知設備の故障について、原子力規制委員会が追加検査の中間報告をまとめた。「他電力に共通する問題や東京電力の全社的な問題ではなく、柏崎刈羽原発に固有の問題であると判断される」と結論づけている。
 だが、なぜそうした不備が柏崎刈羽だけで起き、しかもそれが見過ごされてきたのかは、明らかにされていない。ことは原発へのテロリストの侵入につながりかねない重大な事態である。真因の解明として十分といえるのか、釈然としない。
( → 柏崎刈羽の追加検査で中間取りまとめ:朝日新聞

 たしかに東電のテロ対策は不備だ。だが、それに乗じて、「原発反対」の自説を強化しようとするのは、手前ミソに過ぎる。
  → (社説)東電の不祥事 見えぬ経営陣の危機感:朝日新聞
  → (社説)東電再建計画 原発頼みに未来はない:朝日新聞
  → (社説)福島の事故から9年 原発と決別し、新たな道を:朝日新聞

 東電のテロ対策は不備であるのは、警備のプロではない東電なんかに警備を任せているからだ。いくらやっても、素人がまともにできるわけがない。どうせやるなら、セコムのような会社か、自衛隊を退職した旧自衛官によるセキュリティ会社にでも任せるべきだ。
  → 自衛隊を退職した 自衛官による セキュリティ会社 - Google 検索

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 だが、それはそれとしてやればいいので、別の話だ。
 問題は、このようなセキュリティの不備を理由として、いまだに原発を稼働させないことだ。そのせいで、日本に電力不足の問題が発生する。今は春なので電力不足の問題は起きないが、夏や冬になったら、電力不足の危険は高い。そうなると、ブラックアウトも起こりかねないし、死者も出かねない。相当に重大な問題である。なのに、朝日新聞には、その危機感がない。あくまで「原発稼働反対」にこだわっている。ひどいものだ。


 (1) 現実性

 そもそも、原発テロの危険など、ほとんど無視していい。原発テロなど、人類史上、起こったことは一度もない。あるはずのないことに対処しようとするのは、杞憂というものだ。杞憂を理由に、一国全体の電力事情を危機に瀕させるのは、それこそ電力テロというものだ。つまり、「原発テロ」を理由に、原発を止めるテロ活動をしているのは、朝日新聞そのものなのである。こいつらこそが真のテロリストだ。

( ※ 「原発テロ」は、実際に起こったことはないが、映画では描かれたことがある。「ホワイトアウト」という映画がそうだ。これを見て、フィクションと現実との区別が付かなくなった人々が、「原発テロ対策」を理由に、原発を止めようとするのだろう。愚の骨頂だ。)





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 【 訂正 】
 コメント欄で指摘されたが、この映画のテロは、原子力発電所でなく、水力発電所だった。どちらも発電所のテロなので、話がゴッチャになって、勘違いしてしまった。すみません。
 ただし、「原発テロ」という架空のものが、こんなにも話題になったのは、やはり、ホワイトアウトの「発電所テロ」が影響したのではないか、と思われる。
 その意味では、本文の趣旨は、そんなに間違っていない。少しは修正を要するが。

 ※ とはいえ、本当にホワイトアウトのせいかどうかは、不明だ。あくまで憶測である。(もともとが憶測の話だが。)


 (2) ガス対策

 それでも現実に警備力を上げたいというのであれば、「侵入させない工夫」よりは、「侵入したあとで無効化する」工夫をした方がいい。
 そのためには、「麻酔ガスを注入すること」というのが有効そうだ。だが、これに対しては、テロリストは「ガスマスクを使う」という対策で対処できる。
 そこでもっとうまい方法がある。「窒素ガスを使う」ということだ。これによって酸素濃度を 20% から 12%程度に低下させる。
 酸素濃度16%:呼吸数・脈拍数の増加、頭痛、吐き気、など
 酸素濃度12%:めまい、筋力低下、体温上昇など
 酸素濃度10%:顔面蒼白、チアノーゼ、意識不明
( → 酸素欠乏症とは?症状・原因と工場での酸欠を防ぐための対策をご紹介

 こうなると、テロリストはもはやほとんど行動不可能になる。そこで、酸素ボンベを付けた強襲部隊が一挙に襲いかかって、あっさり制圧できる。

 ※ 他に、「遠隔操作で原発を停止する」というシステムも用意するべきだ。この件は別項で述べた。
 「遠隔制御」という本格的なものは必要ない。単に「外部操作によって、燃料棒を引き抜くことで、原発を自動停止する」というシステムだけを用意すればいい。……比喩で言えば、自動車で、自動運転装置は必要なく、自動停止装置だけがあればいい。
( → 原発のテロ対策は不要だ: Open ブログ


 (3) 法律改正

 原発対策で一番大切なことは何か? 十分に守りを固めることか? 違う。「テロリストは全員射殺」という制度を整えることだ。こうすれば、恐れおののいて、誰もテロ活動をしようとしなくなる。
 この件は前にも述べた。
 はっきり言おう。原発を襲撃するというのは、ただのテロではない。それは軍事行動である。当然、軍(自衛隊)が最初から対応するべきだ。これは軍の対応領域なのである。
 したがって、「テロリストの逮捕」などは、最初から目的とならない。「テロリストの殲滅」が目的となる。基本としては、「全員殺害」を原則とする。たまたま生き残って捕虜にされた敵は、そのまま生き残らせていいが、目的はあくまで「全員殺害」であるべきだ。
 そしてまた、「全員殺害」が原則であることを、あらかじめ公言しておくべきだ。そうしてこそ、前もってテロを予防できる。
( → 原発テロ対策は茶番: Open ブログ

 原発へのテロを、ただの犯罪者と見なすべきではない。それは数十万人の命を奪おうとする軍事活動なのである。戦争の一種だ。ならば、戦争への対策として、「相手を殺害する」というのを容認するべきだ。
 そして、それは、今の法律では制度化されていないので、「事実上の戦争を法律で想定する」という形にして、「全員殺害」を合法化するべきなのだ。
 
 ウクライナ戦争では、侵略してくるロシア軍に対しては、「ロシア人を殺すこと」が合法化された。
  → 「民間人によるロシア兵の殺害」を合法化する法案がウクライナで可決される - GIGAZINE

 これと同様にして、「警察または自衛隊による、原発テロリストの全員殺害を合法化する」という法案を通すべきだ。これこそが、最強のテロ対策となる。

 「テロ対策が不備だから、原発を止めてしまえ」と唱えるテロ的な朝日新聞よりは、上記の法案の方が圧倒的に有益なのだ。

 《 加筆 》
 「全員殺害」を制度化しておくと、原発をテロで襲うには、専門的な軍事集団が強力な訓練をしておくしかなくなる。警察の特殊部隊か、米軍の特殊部隊 SEALs のようなものだ。
 このような高度な強襲部隊を養成するのには、ものすごく大変な手間がかかる。国家規模の手間がかかる。となると、事実上、そんなテロ行為をすることは(一般人には)不可能になる。
 かくてテロ行為を予防できるわけだ。

 ※ なお、同時に、自衛隊には、特殊部隊を設置して、普段は原発に配備しておくべきだ。万が一、日本で戦争が起こったら、特殊部隊が原発から戦争の現場に移動すればいい。(持ち場の変更だけで済む。)
 このとき原発の方は、他の自衛隊員で一時的に警備すればいい。(原発が空っぽになると、陽動作戦でやられてしまうので。それはまずい。)

 ※ 警察の特殊部隊 SAT を使う、という手も考えたが、それは駄目ですね。SAT は東京や各県に配備しておく必要がある。原発への配備では、場所が遠すぎて、緊急の事件現場には間に合わないので。
posted by 管理人 at 23:15| Comment(4) |  放射線・原発 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>「原発テロ」は、実際に起こったことはないが、映画では描かれたことがある。「ホワイトアウト」という映画がそうだ。

映画『ホワイトアウト』の舞台になったのは、原子力発電所ではなく、タイトル通り豪雪地帯にあるダムですよ。
リンクされた動画でも冒頭で巨大なダムが写りますし、アマゾン・アソシエイトの書影にも「厳冬期の巨大ダムが占拠された」とあります。
Posted by そもそも at 2022年05月05日 13:19
 あ、しまった。勘違いした。発電所だったから、原発だと思い込んでしまった。訂正しておきます。
Posted by 管理人 at 2022年05月05日 13:32
 ↑筆者がご記憶されているのは、真保裕一氏の小説で映画化もされた1995年刊行の「ホワイトアウト」ではなく、2015年刊行(つまり、3.11の後)の「原発ホワイトアウト」のほうではないですか? こちらは、確かに「原発テロ」の内容です。といっても、原発に直接テロリストが侵入するのではなく、別の方法(ネタばれになるのでぼかします)で原発をステーションブラックアウト(SBO)させて過酷事故を引き起こす、という筋書きだったかと。
 
 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000212107
Posted by かわっこだっこ at 2022年05月05日 17:44
> 「原発ホワイトアウト」

 そんな本があるんだ。知らなかった。若杉 冽 の作品ですね。
Posted by 管理人 at 2022年05月05日 18:00
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