2022年05月02日

◆ 防衛力増強に反対するオタク

 財務省が防衛に関する報告書を出した。その趣旨は「防衛力を向上せよ」ということだ。ところが、これを誤読した軍事オタクが反発して、「防衛力を弱体化せよ」と主張している。

 ――

 財務省が防衛に関する報告書を出した。
  → 財務省の報告書

 その趣旨は(ウクライナ戦争をかんがみて)「防衛力を向上せよ」ということだ。特に、「コスパを上げよ」ということだ。

 このような発想は、当然だろう。特に、次の背景が重要だ。
 「ウクライナは、兵器の点でロシアに圧倒的に劣っており、短期間での敗北が予想された。キーウも早期の陥落が予想された。ところが現実には、敗戦を免れている。キーウでは、大量の戦車部隊を撃退することもできた。部分的な勝利である。このようなことができたのはなぜか? 兵器では圧倒的に劣っているにもかかわらず、なぜ部分的な勝利を得たのか? それは、ジャベリンや無人機を使ったからである。ロシアの戦車部隊は圧倒的に強力で、ウクライナの歩兵力は圧倒的に弱体であったので、あっという間に負けて当然だったのだが、ジャベリンや無人機を使ったおかげで、ロシアの強力な戦車部隊を撃退した。金額的には圧倒的に低いジャベリンや無人機で、金額的には圧倒的に上回る戦車部隊を撃退したのだ」





 これが近代戦というものだ。とすれば、
 「これを見習って、日本もジャベリンや無人機を導入しよう。そうすれば、少ない費用で、防衛力を大幅に高めることができるだろう」
 と思うのが当然だ。誰もがそう思うはずだ。ここまでは何の不思議もない。
 たとえば、次の文章では、ただの素人が知ったかぶりで、あれこれと軍事情報を書いている。
  → ロシア軍が恐れる最新ドローン「フェニックス・ゴースト」の正体 ドンバス地域に展開するロシア軍を待つ「戦艦大和」の運命

 書いてある情報は、すでに知られた情報の寄せ集めであって、何の目新しい情報もない、素人の知ったかぶり記事の典型だ。とはいえ、「使い捨て無人機」「カミカゼドローン」で戦車を打破できる、という趣旨は、間違っていない。安価なドローンで高価な戦車を打破できる、というのは、素人でも理解できる軍事知識なのだ。
 次の新聞記事もある。
 ジャベリンは1発2千万円ほどとされています。訓練に要する時間も短く、米国などから大量の供与を受けても、速やかな実戦使用が可能です。それに対するロシアは、戦車そのものが高価なうえに、それを動かす戦車兵を育て上げるには相当なコストと時間が必要です。それがジャベリンにやられてしまう。戦場のコストパフォーマンスでは、ジャベリンが圧倒的に有利な状況です。
( → 手持ち兵器「ジャベリン」に苦戦、抵抗を甘く見たロシア 小泉悠氏 :朝日新聞

 このようなことは、初歩的軍事知識だと言える。
 ところが、これを理解できないのが、軍事オタクだ。

 ――

 軍事オタクで有名な JSF が「ジャベリンや無人機を導入せよ」という上記方針に、真っ向から反論している。



 この人がこう思うだけならば、まだ無視してもいいのだが、これに賛同する軍事オタクが、大量に出現した。下記だ。
  → はてなブックマーク https://t.co/2QDcvV7HIm https://t.co/RXcRR7R1x3"
  → 財務省、歳出改革部会でロシアウクライナ戦争を持ち出して「戦車よりジャベリンの方が防衛費は安上がり」と言い出す : 市況かぶ全力2階建

 ここには、とんでもない誤解と誤読があふれているので、日本語が読めない人向けに、財務省の報告書を解説しよう。

 ――

 財務省の報告書の核心は、「コスパを上げよ」ということだ。これは、「同じ金をかけるなら、防衛力を向上せよ」ということだ。結論だけを言えば、「防衛力を向上せよ」ということだ。
 その要約は、次の諸点だ。
  ・ 防衛予算をどんどん増やす方針を取る。
  ・ ただし金額だけでなく効果を考える。(コスパ概念の導入)
  ・ 同じ金額を出すなら、効果を増強せよ。
  ・ ジャベリンはコスパが高い。
  ・ 無人機もコスパが高い。
  ・ コスパの高い兵器を用いて、防衛力を高めよ。

 これらの諸点について、以下では個別に解説しよう。


 (1) 防衛予算をどんどん増やす

 JSFは「財務省は防衛費を抑制しようと」(している)と記しているが、そんなことは報告書には書いてない。報告書には逆に、「防衛費を増やす」と書いてある。


boueiysan.png


 図に記してある通りで、「他の予算は減らすが、防衛費は突出して増加し続けている」という状態がずっと続いている。これは自民党の方針であり、これを財務省が左右することもできない。つまり、今後も防衛費だけは、予算のなかで突出した増加が続く。
 そんなことは誰もがわかっている。財務省も「減らせ」などとは一言も言っていない。なのに、JSFは「財務省は防衛費を抑制しようと」(している)と記している。頭がおかしいとしか言いようがない。どこをどう読んだら、そんな正反対の誤読ができるのか? この人はもしかしたら、日本人ではなく、ロシア人なのかもね。だから日本語がろくに読めないで、正反対の誤読をする。


 (2) 額だけでなく効果を考える。(コスパ概念の導入)

 自民党は「防衛費を増やせ」というふうに、額のことばかりを考える。金のことしか考えないのが自民党の特徴だ。
 そこで財務省は、「同じ金額を出すなら、効果を考えろ」つまり「コスパを考えろ」と指摘した。
 これは、当たり前のことのようだが、非常に重要である。というのは、これまでは日本の防衛予算は、コスパというものをまったく考えてこなかったからだ。ミサイル防衛網であれ、オスプレイであれ、莫大な費用を投じながら、効果は非常に小さかった。それでも莫大な防衛予算を投じてきたのは、「米国の防衛産業が喜ぶから」というのが理由であり、さらには「トランプ大統領など、共和党の大統領を喜ばせたいから」というのが理由だった。
 そういう外交上の理由ゆえに、日本の防衛予算は決められてきた。そこで、「米国のご機嫌取りでなく、日本の国防力のために、防衛予算を使え」というのが、財務省の指摘だ。これは、これまでの日本の国防政策にない、画期的な方針である。
( ※ 「コスパを重視して防衛力を高めよ」というのは、これまで本サイトが一貫して主張してきたことだ。財務省がそれと同じ方針を取るようになったのは、防衛力向上の点から、とても好ましいことだ。ところがそれを否定するのが、軍事オタクだ。)


 (3) 同じ金を出すなら、効果を高めよ

 上記のように、財務省は「コスパ」という新方針を出した。これは、何を意味するか? 
 「同じ防衛力を維持しながら、コスパを高めよ」と言うことであれば、「防衛費を減らせ」ということになる。そこで、JSF は、そのように勘違いしたのかもしれない。
 しかし先に (1) で述べたように、防衛費は減るどころか増え続けている。その状況で「コスパを高めよ」というのは、「防衛力を増強せよ」ということを意味する。
 つまり財務省は、(同じ金を使いながら、コスパを高めることで)「防衛力を増強せよ」と言っているわけだ。
 こんなことは、三段論法を使えばすぐにわかることだから、「馬鹿でもわかる」ことだと言える。だから財務省はいちいち書かなかった。
 ところが、いちいち書かないとわからないのが、JSF のような軍事オタクだ。だから、赤ん坊に噛んで含めるようにして、赤ん坊のような頭の人々に教えて上げよう。財務省の報告書の意味は、「防衛力を増強せよ」ということだ。それが「コスパを高めよ」という言葉の意味だ。「予算を減らせ」という意味ではない。勘違いしてはならない。






 (4) ジャベリンはコスパが高い

 ジャベリンやスイッチブレードなどは、コスパが高い。そのことは、軍事常識だろう。先に、朝日新聞や素人識者の記事を引用したが、そこに書いてあるとおりだ。
 ところが JSF は、日本語が読めないので、財務省の記事を勝手に誤読する。
 そもそもジャベリン1発分だけで比較してるのがよく分からない。もし戦車と比較するなら複数必要だし、対戦車班が移動する為の装甲車も要るだろう。

 第1に、「ジャベリン1発分だけで比較してる」ということはない。「戦車1台を購入するかわりに、ジャベリン1基を購入すればいい。そうすれば費用を激減させることができる」とは書いてない。なのにそう書いてあると勘違いしている。
 財務省が書いているのは、「ジャベリンの方がコスパが高い」ということだ。常識的には「同じ金をかけた上で、戦車1台のかわりに、同額のジャベリンを買う」というふうになる。10式戦車は 9.5億円。ジャベリンは1セット7000万円で、追加ミサイルが1基 2000万円。平均して 3200万円だとすると、ジャベリンの費用は 10式戦車の 30分の1だ。だから、同じ費用ならば、戦車1台のかわりにジャベリン 30基となる。その両者を比較すれば、「戦車1台よりもジャベリン 30基の方がコスパが高い」という判断もできそうだ。……財務省が言っているのは、そういうことだ。
 つまり、戦車1台と比較されるのはジャベリン 30発である。ジャベリン1発と比較しているのではない。JSF はそこを完全に誤読している。

 第2に、「ウクライナ軍のジャベリンの湯水のような使い方、あれを本当に真似して、あれが可能な量の備蓄をしていいんですか?」と記してあるが、もちろん「いい」に決まっている。こんなことは、小学生並みの計算をすればわかる。
 たとえば、ジャベリンを 3000発備えるとしよう。それに相当する戦車の費用は、30分の1だから、100台だ。つまり、「戦車 100台」を減らせば、その分、「ジャベリン 3000発」を配備できるわけだ。このようなことは、十分に可能である。
 ジャベリンは戦車に比べれば圧倒的に安いのだから、「湯水のような使い方」をすることが可能なのだ。「あれが可能な量の備蓄」をしていいのだ。そんなことは、小学生でもわかる計算だ。JSF は「湯水のような使い方なんて、できるわけがない」と思う前に、小学校で割り算の計算法を学んだ方がいい。

 第3に、JSF は「戦車必要論」をしきりに強調しているが、それは財務省への反論とはなっていない。財務省は「戦車を減らせ」とはひとことも言っていない。というか、既存の戦車を減らしても、それではコストを下げることはできない。既存の戦車はすでに購入したものであるから、それを減らしても、コストは減らないのだ。(すでに購入したものを返品することはできないからだ。)
 JSF は、財務省が「戦車不要論」を唱えていると思って、「既存の戦車を廃止せよ」と言っていると誤読している。だが、財務省はそんなことは一言も言っていない。
 それどころか、財務省の意図を汲めばわかるように、「戦車は増やす」というのが財務省の方針だ。実際、10式戦車は、毎年 6輛程度が納入されている。
  → 10式戦車 - Wikipedia
 2021年の記事でも、継続的に納入が続いていると記されている。
  → 制式化から10年 陸自最新「10式戦車」の現状 知られざる「自衛隊以外」の配備先も
 要するに、戦車の納入は続いている。「納入の停止」は、なされたこともないし、なされる予定もない。今後も戦車の納入は続くのだ。まして、「すでにある戦車を廃棄する」というような純然たる無駄なことは、やるはずがない。なのに、やるはずがないことをやると思って、「財務省は戦車不要論を唱えている」と思い込んでいるのが、JSF だ。その日本語読解力の低さには、呆れるばかりだ。

 第4に、日本の戦車の総数は、とても多い。Wikipedia によると、生産数はこうだ。
  ・ 10式戦車 ……   93輌以上(増備中)
  ・ 90式戦車 …… 341輛
  ・ 74式戦車 …… 873輌(用途廃止中)

 このうち、10式戦車は増え続ける。90式戦車は、そのまま残っている。74式戦車は、あと1〜2年で全部が退役する。
 では、これは何を意味するか? こうだ。
 「陸上自衛隊にはもともと大量(873輌以上)の戦車があった。最盛期には 1100輛を上回る量の戦車があった。その大部分が退役しつつあるので、本来ならば、その更新のために、大量の戦車を新規導入する必要があった。ところが、戦車の重要性が低下している時代の趨勢にかんがみて、戦車の新規配備数を抑制している。その分、陸上自衛隊の予算が余っている」
 つまり、退役する戦車の更新があまりなされていないので、その分、予算が余っている、ということだ。
 とすれば、その余った予算を使って、(戦車の新規配備を増やすかわりに)ジャベリンや無人機などを投入すればいい、ということになる。これが財務省の方針だ。
 つまり財務省は、「同じ金を使うなら、防衛力を高めるために金を使え」と言うことで、「 10式戦車の配備数を大幅に増やす(年間 50輛の増加にする)よりは、 10式戦車の配備数を現状程度(年間6輛)に留めて、そのかわり、ジャベリンや無人機などを配備すればいい」と言っているわけだ。
( ※ 戦車の配備数を 1100輛から 300輛程度まで引き下げれば、800輛の削減ができる。前述の 100輛削減の8倍だ。その場合には、ジャベリンを 3000基の8倍である 2万4000基も配備することができる。その一部は、ジャベリンでなく、無人機に代替してもいい。)

 日本はそういうふうに、大量(2万4000基)のジャベリンや無人機を配備できる。なのに、JSF は、その意味を理解できないので、「ジャベリンや無人機などを配備することに反対する」と唱えているわけだ。
 これでは、日本の防衛力は弱体化してしまう。ロシアの戦車がやって来たときに、それを打破するためのジャベリンや無人機がないので、多大な被害が出てしまう。それでは困ったことになる。ウクライナは、ジャベリンや無人機があったのでロシアに抵抗できたが、日本は、ジャベリンや無人機がないのでロシアに屈服することになる。

 ※ ジャベリンに似ている 01式軽対戦車誘導弾 というものはあるが、これは国産技術が低技術なので、ジャベリンほどの性能は発揮できない。
 ※ 現在の自衛隊では、スイッチブレードや TB2 に相当するものは皆無である。そうなれば戦争では負けることになりそうだ。
 ※ 対戦車ミサイルは、ロシアや中国も開発して配備している。これらの対戦車ミサイルを浴びたら、日本の 90式戦車はかなりの数が破壊されてしまうだろう。「対戦車ミサイルは必要ない」などと馬鹿なことを言っている日本の軍事オタクとは違って、ロシアや中国は対戦車ミサイルを配備するので、それによって日本の戦車は破壊されてしまうのだ。その一方で、日本には対戦車ミサイルがないまま、敵の戦車を破壊することができなくなる。かくて日本は敵の戦車に支配されてしまう。……それが JSF の狙いだ。JSF は、ロシアや中国の味方だね。


 (5) 無人機もコスパが高い

 ジャベリンだけでなく、スイッチブレードや TB2 もコスパが高いので、配備するのが当然だろう。米国も、この分野には力を入れており、新たに「フェニックスゴースト」というものを導入した。その詳細は下記。
  → 謎の新型自爆ドローン「フェニックスゴースト」とは
 こういうふうに無人機を導入するのが世界の流れだ。特に米軍は最先端の技術をここにつぎこんで、この分野で優位性を高めているようだ。
 なのに、この最先端の分野の新兵器を手放そうとするのが、JSF だ。とことん、ロシアや中国の味方をして、日本の足を引っ張りたがっているようだ。


 (6) コスパの高い兵器を用いて、防衛力を高めよ

 というわけで、「コスパ」という概念に着目して、「防衛力を高めよ」というのが、財務省の指摘だ。なのにそれを理解できないのが、JSF だ。
 いや、理解できないのではなく、理解しているのかもしれない。きっちりと理解した上で、「防衛力を高めよ」という財務省に反対して、日本の防衛力の弱体化を狙っているのかもしれない。
 ま、それならば、頭がおかしくはない。単に売国奴( or 敵性工作員)であるだけだ。そう考えれば、すべてはきちんと説明が付く。
 とはいえ、それに踊らされた素人が、JSF といっしょになって「日本の防衛力の近代化を阻止しよう」と言っているのは、まったく情けないことだ。




 [ 付記 ]
 財務省の報告書には、「迎撃ミサイルがものすごくコスパが悪い」という話も記してある。これはまったくその通りなのだが、JSF はこの点については知らんぷりして、スルーしてしまう。ご都合主義だね。
 報告書によれば、迎撃ミサイルは 2兆8000億円もかけている。それでいて、ミサイル防衛の能力は、きわめて貧弱である。2兆8000億円をドブに捨てているのも同然だ。……この金を転用すれば、日本の陸上防衛力は大幅に増強可能だ。
 一方で、洋上イージスや陸上イージスを新配備すれば、日本の陸上防衛力は極端に弱体化してしまう。……それが今の自民党の方針だ。( JSF も同じ穴のムジナ。)

 なお、自民党がどうしてそういう馬鹿げたことをやるのかと言えば、自民党の目的は、米国製の兵器を買って米国の歓心を買うことだからだ。彼らにとっては、大事なのは政治や外交であるからだ。防衛予算は、米国の防衛産業を育てるためにあるのであって、日本の防衛力の向上ためにあるのではないからだ。
 そこで、そういう自民党の方針に異を立てて、「日本の防衛力の向上をめざせ」と唱えたのが、財務省の報告書だ。

 ※ これを書いた財務省の官僚は、安倍首相や菅首相のころなら、首相の逆鱗に触れて、左遷されていたかもしれないね。「米国に貢ごうとする方針に逆らうとは何事か! そんなことをされたら、オレの任期が短くなってしまうだろ! 国の予算を私物化しようとするオレの方針に逆らうやつは、左遷だ!」と。



 [ 余談 ]
 JSF の軍事的な誤認については、次のページが有名だ。
  → ウクライナ大使に「原発攻撃ない」と説教したJSF氏、原発が攻撃されるも開き直ってしまう - Togetter
 
 ――

 JSF という言葉の由来は、F-35 の異称である Joint Strike Fighter (JSF)である。
  → Joint Strike Fighter program - Wikipedia
 これを自分のハンドル(ID ネーム)にしているという点で、F-35 の名前を横取りしているのも同然であり、軍事オタクの風上にも置けない、ふてぶてしい人間だとわかる。自分の名前を「零戦」「戦艦大和」と称するようなものだ。おこがましいにも、ほどがある。



 【 関連サイト 】

 ジャベリンや他の兵器の価格については、ググることで標準的な価格を得た。(ここでは特にリンクを示さない。)
 一方、財務省の報告書では、かなり高めの価格が示されている。この数値は根拠不明なので、本項では採用しなかった。



 【 関連項目 】

 → スイッチブレード600の衝撃: Open ブログ (次項)

  ※ 本項の続編。
 
 
posted by 管理人 at 00:23| Comment(5) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
個人携行の対戦車兵器がロシア軍の侵攻を食い止めるのに一役買っているというのは事実でしょうが、それに伴うウクライナ軍側の損害がわからない限り、「コストパフォーマンス」なんて判断しようがないんですよ。
財務省の資料が批判されているのは、その「コスパ」の検討に、戦闘に伴う自衛官の損耗が考慮に入っていないからです。

個人携行の対戦車兵器の「コスパ」の盛り上がりはと戦車不要論は第四次中東戦争の初動で既に人類が通った道ですが、現代においても戦車の運用と開発が行われているのが答えです。
Posted by なまず at 2022年05月02日 12:02
> ウクライナ軍側の損害

 それはほぼわかっています。

 (1) 兵器の損害はほぼゼロです。なぜなら、もともと、戦車も他の重火器もないから。ありもしない兵器を損耗することはない。「何もなしに素手で戦うか」「ジャベリンで戦うか」の選択です。「素手の方がいい」と思う人以外は、正解はすぐにわかります。

 (2) 人的被害は、圧倒的に少なくなっています。ジャベリンありならば、キーウ陥落を防げたので、大量虐殺はブチャなどに限定された。ジャベリンなしなら、キーウ陥落で大量の死者が出た。

 (3) 兵士の損耗は、(2) の点ゆえに無視できる。兵士が100人死んでも、市民が10万人守れたなら、それでいい。

 (4) 兵士の損耗は、環境しだい。東部のような平原では、損耗率が上がるので、ジャベリンは無理。スイッチブレードが有効。キーウのそばならば、森林が多いので、夜間に森林から発射すれば、まず見つからない。兵士の損耗はほぼゼロで済む。

> 「コストパフォーマンス」なんて判断しようがないんですよ。

 ロシアの戦車との比較なんだから、判断できます。本項の最初に書いてある通り。「特に、次の背景が重要だ。」以下の箇所を、読み直しましょう。朝日新聞の記事も。

 あなた、もしかして、日本語を読めないのかな? それとも、算数ができないのかな? 2000万円は4億円よりは少ない、という不等式はわかりますか?
 
> 戦車不要論

 戦車不要論の話なんか財務省は述べていないのだから、勝手に戦車不要論の話なんか持ち出すなと本文中に書いてあるのだが、読めないのかな? 
 本文中には、「戦車は減らさない」「戦車は増やす」と書いてあるのだが、読めないのかな?
 JSF もあなたも、ありもしない戦車不要論の話をして、藁人形論法をしている。妄想が激しすぎるね。
 
 ――

 なお、常識的に言えば、最適解は「航空機と、戦車(重火器)と、個人携行兵器(ジャベリン、スイッチブレード)の三者を、すべて併用すること」です。それが最強となる。だから、米軍はそういう戦略を取っている。
 あなたや JSF のように、「ジャベリンなんか不要だ。ジャベリンを使う米軍よりもオレの方が頭がいい」と思うのは、自惚れがひどすぎるというものだ。
Posted by 管理人 at 2022年05月02日 12:35
 私が思うに、戦車不要論を批判する人たちは、子供のころに、戦車が大好きになったので、戦車不要論を極端に恐れているのだろう。「僕の大好きな戦車がなくなっちゃうなんて、絶対に嫌だ!」と。

 まあ、その気持ちはわかる。私も子供のころは戦車のオモチャで遊んでいた。私も戦車は好きですよ。
 とはいえ、戦車不要論は、軍事マニアのうちの一部で唱えられているだけであって、世の中の主流になったことはない。世界の陸軍で「戦車不要論」を採用した陸軍は、一つもない。
 現実レベルではありもしない「戦車不要論」を極端に恐れているのは、軍事オタクのトラウマであるに過ぎまい。たぶん、子供のころに、戦車のオモチャを親に取り上げられて、深く傷ついたのだろう。そうとしか思えないね。あまりにも異常な精神性なので。(ありもしないものを恐れるというのは、一種の精神病だ。)
Posted by 管理人 at 2022年05月02日 13:02
軍事オタクとネトウヨは似たもの同士なのかもしれませんね。

(軍事オタク≒ネトウヨ)
Posted by 反財務省 at 2022年05月02日 13:42
 軍事オタクが、(ありもしない)戦車不要論を批判するのは、なぜか? そのわけがわかった。
 これまで、戦車不要論は、こう主張してきた。
 「戦車なんて、対戦車ミサイルの前には、ひとたまりもない。だから、戦車を大量配備するより、対戦車ミサイルを大量配備する方がいい」

 これに対して、軍事オタクは、反発した。
 「対戦車ミサイルは、戦車のかわりにはならない。攻撃面でも、戦車の方が有効だ。対戦車ミサイルよりも、戦車を配備するべきだ」

 ところが今回、対戦車ミサイルが戦車を次々と破壊していった。かくて、戦車不要論者の主張してきたとおりになった。
 それを見ると、たいていの第三者は、事実をあるがままに見て、「対戦車ミサイルの必要性」を理解した。

 しかし軍事オタクは、事実をあるがままに見ることができなかった。「戦車不要論者の言った通りになった」という事実を、どうしても認めたくなかった。自分の誤りを認めたくなかった。
 そこで、(すでに勝利の確定した戦車不要論者はずっと黙っているのに)「戦車不要論者が威張り散らしている」と勝手に思い込んで、戦車不要論者を攻撃したがっているのだ。
 かくて、(今は)誰も言っていない「戦車不要論」を攻撃しようとしているわけだ。数年前の「戦車不要論」の声を思い浮かべながら。ありもしない幽霊を攻撃するように。

 議論の勝者は無言で黙っているが、議論の敗者は自分を正当化するためにキャンキャン騒ぐのである。
Posted by 管理人 at 2022年05月02日 15:06
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