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見つかった場所を分析した画像が2ちゃんねるに掲載された。
https://i.imgur.com/5jOZLVp.jpg
https://i.imgur.com/3BEyG0Q.jpg
( → 【悲報】山梨の女児行方不明事件、滑落による事故の可能性高まる )
上記画像を転載しよう。(クリックして拡大)
上の図を理解するために、私が簡明な説明図を描いた。
人々が探したのは、実際に遺骨が発見された場所とは逆方向だった。いるはずのないところを「いるはずだ」と思って、懸命に探した。一方で、実際にいたところは、「いるはずがない」と思って、ろくに探さなかった。まして、現実にたどった経路(登った経路)は、捜索の対象外だった。
思えば、これは、以前の例(山口の2歳児)を思い起こさせる。
→ 「子どもは上に上がると思った」 2歳児発見のスゴ腕捜索ボランティア
専門家の捜索集団がいくら探しても、行方不明の2歳児を発見できなかった。しかし、スーパーボランティアと称される 尾畠春夫 さんが来たら、たったの 30分で発見した。
→ 山口2歳児はなぜ奇跡生還できたのか 入山30分で発見ボランティア“おばたのおじいちゃん”
そのわけは? 子供の習性を知って、人々とは違う領域を探したからだ。
→ 「子どもは上に上がると思った」 2歳児発見のスゴ腕捜索ボランティア
人々は「歩くのに便利な下り道をたどった」と思って、下方向を探した。しかしそれでは、いないところを探したことになる。いくら探しても無駄だった。
ところがスーパーボランティアは違った。「子どもは上に上がる」と思ったので、上方向を探した。すると、いるところを探したので、たったの 30分で見つかった。
今回の山梨の行方不明女児も同様だ。「子どもは上に上がる」という原則を知れば、登山道の上の方を探したはずで、そうすれば登山道から滑落した場所も推定が付いたはずだ。そのとき、すぐに探せば、女児は救われたかもしれない。
しかし人々はそう思わなかった。「子供は下に下がる」と思って、谷川沿いの低地ばかりを延々と探した。しかしそれでは、「いないところを探す」ことになる。いくら探しても見つかるはずがなかった。
いずれにせよ、人々は「思考の盲点」に陥った。その失敗は、山口の2歳児のときに判明していたのだ。なのに人々は、それを教訓とできなかった。だから今回、同じ過ちを繰り返したのだ。
結局、この捜索失敗( = 不発見 )は、たまたま不運や偶然によって起こったのではなく、起こるべくして起こったことだと言える。
※ しかも残念なことに、今回はスーパーボランティアが参加しなかったようだ。もし参加していたら、すぐに見つかっていたかもしれないのだが。(ご本人は現在 82歳だ。)
【 追記 】(2022-05-04)
北海道で男児が行方不明になったすえ、自衛隊の駐屯地で発見された、という事例があった。
→ 不明男児 発見 の教訓: Open ブログ
この件でも同様ではないか……と思って、調べ直してみたところ、確かにそうだった。男児は高い方へ進んでいったが、捜索隊は低い方ばかりを捜していた。だから、見つからなかった。(最終的には、捜してもいないところで、偶然見つかった。)
※ ともあれ、同じ失敗は今回で3度目だ。山口、北海道、山梨(今回)、と。いずれも、子供は上に行ったのに、捜索隊は下ばかりを探したので、見つからなかった。 (コメント欄の大分県の分まで含めると、今回で4度目だ。)
※ なお、上記ページでは、Google マップが壊れている。正しい位置よりも北東に何十 km もズレた場所が表示されている。理由は不明。
https://www.asahi.com/articles/ASM9S4G6RM9SUTIL01L.html
2ちゃんねるに掲載されたという1枚目の画僧をみると、黄色い線で示した捜索範囲は、確かに延々と右側に(東側に?)5キロメートル以上は伸びているようですが。
捜索した(する)ほうも、報道各社も、何だかなあ……。
> 2016年12月に大分県佐伯市で2歳女児が行方不明になって無事保護された際、捜索に参加した経験が生きた。「子どもは上に上がるのが好き。下ることはない」と確信。
https://hochi.news/articles/20180816-OHT1T50050.html?page=1
その事例では、捜索隊がいくら捜してもわからなかったのに、翌日になって、別の素人が発見した。
> 消防団などの捜索隊とは別に暦ちゃんの姿が見えなくなった畑から捜索を開始。「迷いそうな場所は捜索隊がやっている。あえて考えにくい場所を捜そう」と山頂に向かって歩いた。同50分すぎ、山頂からは死角になる崖の下に、白い服を着てうずくまっている小さな姿が見えた。
https://www.nishinippon.co.jp/item/o/301148/
北海道の男児の話。
TVでは、登山道はとても厳しくて大人でも登るのを躊躇する、と報道していました。確かに画面で観たところ、かなりの急斜面でした。あの道って、2枚目の写真で示されている登山道と同じものなんでしょうか? それとも他に道があるのかしらん。
事実、オレも今ではとても一気には登れない近くの山に、小学生の頃はスイスイ登って行ったからねw
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000253726.html
この動画の最後のあたりに急斜面が現れる。ここは通りにくいが、小柄で身軽な子供なら、かえって「子供には通りやすい」とも言える。別に危険物があるわけでもないし、岩場でもないので、子供だからといって通れないことはない。楽々と登れそうだ。
警察は「問題なかった」と言っているが、問題がどこにあったかをいまだに理解できていないのだろう。本項を読んでいないので。新聞やテレビ局も同様で、本項を読んでいないから、何が問題だったかを理解できていない。
このまま社会が認知しないと次の「犠牲者」が出かねませんね。ちと心配。
> ミトコンドリアDNAでは、1000人に1人程度の確率で……判別
https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000525077.pdf