2022年04月10日

◆ ウクライナ戦争 31(つづき)

 ウクライナに戦闘機を供与することができる。すでに退役した旧式の戦闘機ならば、無償供与しても問題ない。

 ――

 F-4 の供与


 ウクライナに戦闘機を供与したい。だが、日本が兵器を供与するには、いろいろと制限がある。(前項で述べたとおり。)困った。どうする?
 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。これらの制限を回避できるように、特別な工夫を凝らすのだ。


 (1) 退役した F-4

 現役の戦闘機のかわりに、すでに退役した戦闘機を供与すればいい。具体的には、F-4 ファントムだ。
 これは、すでに1年前に退役している。現在は展示中もしくは保管中だ。
  → F−4戦闘機:防衛白書
 そこで、この機体を整備した上で、ウクライナに供与すればいい。






 (2) 制限の回避

 退役した戦闘機ならば、さまざまな制限を回避して、うまく戦闘機を無償供与することができる。なぜなら、残余価値はゼロなので、無償供与することに、財政上の問題はないからだ。(いわば、ゴミや廃材を供与するような扱いだ。)
 こうして、無償供与することの法的な問題を回避できる。

 また、本来はスクラップ化することで、解体費用がかかるはずだったのに、無償供与すれば、解体費用が浮くことになる。
 だから(本来ならばかかるはずだった)解体費用の分だけ、お金をプレゼントしてもいい。あるいは、それに相当する金額の分だけ、オマケを付けてプレゼントしてもいい。具体的には、装備のミサイルだ。
 つまり、本体を無償供与するだけでなく、装備のミサイルもオマケで付けて、プレゼントしてもいい。(それでも法的な問題をクリアできる。)


 (3) 米国の許容

 戦闘機を他国に無償供与するには、米国の許可がいる。( → 前項 )
 だが、すでに退役した戦闘機であれば、この問題は回避できる。たとえ撃墜または鹵獲されて、機密情報がバレたとしても、すでに退役した戦闘機の機密情報であれば、何ら実害はないからだ。米国政府としても、いちいち反対はしないはずだ。
 また、仮にバイデン大統領が反対したとしても、大丈夫。米国議会に訴えれば、共和党議員も民主党議員も、そろって「日本政府を支持する」と言うだろう。そのことは、前々項で示した話からもわかる。
  → 米上院、ウクライナ支援のためレンドリース法の復活を全会一致で可決
 米国議会は、ウクライナに対する兵器供与にこれほどにも熱心である。とすれば、日本政府が「 F-4 を供与する」と言ったときには、両手を挙げて賛成するはずだ。かくて、バイデン大統領が反対したとしても、米国議会の賛成を得て、バイデン大統領も最終的には日本政府に賛同せざるを得なくなる。
 かくて「米国の許可」という問題は、回避できる。


 (4) 装備

 F-4 に搭載する装備はどうか? 
 国産のミサイルも開発されているが、調べたところ、どうも国産のミサイルは搭載できないようだ。米国のミサイルだけが搭載可能であるようだ。具体的には、下記だ。
  → F-4 (戦闘機) - Wikipedia
 この記事の「武装」の箇所に、対空ミサイルや対地ミサイルや誘導爆弾の名称が列記されている。いずれも米国製だ。これらの装備もいっしょに供与していいだろう。というか、これらの多くは F-4 専用だ。F-2 や F-15 や F-35 には搭載できないものも多い。だとしたら、無駄にスクラップにするより、ウクライナに供与する方がいいだろう。また、そもそも耐用年数を迎えつつあるポンコツ品も多い。そういうポンコツ品も、無駄に解体費用をかけるよりは、無償供与する方がいいだろう。

 ※ ちなみに、F-15 は爆撃機能がないので、F-4 用の対地ミサイルや誘導爆弾などは使えないと見込まれる。


 (5) 性能

 性能はどうか? 退役するような古い戦闘機だとしたら、性能は時代遅れの低性能であるかもしれない。たとえウクライナに供与しても、ポンコツ戦闘機はあっさり撃墜されたしまうかもしれない。……そういう懸念もあるだろう。
 だが、ご心配なく。

 第1に、F-4 は性能的には決してポンコツではない。たしかに耐用年数が来るほどにも機体は老朽化しているが、性能そのものは大幅に劣っているわけではない。その性能の高さは、次の記事からもわかる。
  → 「ファントムII」は死なず 退役間近、空自F-4EJ改がF-15Jをバンバン墜としているワケ
 退役するほどにも古い戦闘機だとはいえ、実戦の性能では、近代的な戦闘機と十分に伍するほどの性能があるわけだ。

 第2に、ミサイル性能の高さがある。機体そのものは半世紀(50〜60年)も前のものだとしても、ミサイルの方はそんなに古くはない。20年前ぐらいのものも多い。このくらいの年式のミサイルであれば、現代でも十分に通用する。空中戦で敵戦闘機を撃破することもできるし、対地攻撃や対艦攻撃で精密誘導することもできる。十分に実用性がある。

 第3に、敵機の弱さがある。こちらの機種( F-4 )が半世紀も前のものだとしても、ロシアの戦闘機はそれと同等以下の性能しかないことも多い。ロシアの戦闘機と言っても、すべてが最新型であるわけではなく、かなり古い戦闘機も多いのだ。それらの古い戦闘機が相手ならば、十分に対抗できる。
 また、敵の戦闘機が最新型だとしても、こちらの対空ミサイルは十分な性能があるので、空中戦でも特に劣るとは言えない。対空ミサイルしだいでは、敵の最新鋭機を撃墜することも、不可能ではないだろう。(相手がステルス機ではない限りは。 → 後述の

 第4に、F-4 の主目的は、空中戦ではない。つまり、戦闘機と戦闘機で戦うことは想定されていない。
 戦闘機が圧倒的に優位に立てるのは、地上にある戦車や海上にある艦船を相手にしたときだ。だから、これらを相手にして、上方から爆撃することで、圧倒的な優位に立てばいい。これが F-4 を使うことの主目的だ。
 一方、ロシアの戦闘機が近づいたら、空中戦で戦うべきではない。せっかくの虎の子の戦闘機が撃墜されてしまったら、もったいないからだ。だから、ロシアの戦闘機が近づいたら、戦う前に、さっさと引き返すべきだ。キーウのあたりまで引き返せばいい。そして、それを追ってロシアの戦闘機が近づいたら、キーウのあたりの地対空ミサイルで、ロシアの戦闘機を撃墜すればいい。
 一般に、戦闘機と戦闘機で戦うのは、あまり分が良くない。特に、旧式の戦闘機であれば、なおさらだ。だから、敵の戦闘機が近づいたら、こちらとしては戦闘機を差し向けずに、地対空ミサイルを差し向ければいいのだ。その方が分がいい。

 あるいは、高性能の空対空ミサイルがあれば、はるかに遠くから、敵機に向けて空対空ミサイルを発射すればいい。たとえば、敵機の空対空ミサイルの射程が 30km で、こちらの空対空ミサイルの射程が 40km ならば、敵機と 40km まで近づいたところで、空対空ミサイルを発射すればいい。そうすれば、敵のミサイルは届かず、こちらのミサイルは届くので、敵機を撃墜できる。この場合、F-4 の機体が旧式であることは問題にならず、ミサイルの性能だけで勝負が決まる。これならば、敵機が新しい戦闘機であっても、うまく撃墜できそうだ。(敵機がステルス機でない限りは。)

 
 ロシアにもステルス戦闘機がある。これと対抗すると、さすがに分が悪い。撃墜される危険もある。だが、大丈夫。ロシアのステルス戦闘機は、いまだ量産されてもいないし、配備されてもいないのだ。
 なるほど、2019年には「Su-57 を量産する」というアナウンスがあった。2021年には「開発中」という「LTSチェックメイト」が公開された。
  → Su-57
  → ロシア新型ステルス戦闘機「LTSチェックメイト」公開
 だが、いずれも現実には量産されていないのだ。なぜか? 2014年のクリミア侵攻のあとで、西側諸国が半導体の禁輸措置を取ったので、以後、ロシアは軍需用の半導体を入手できなくなったからだ。
 → 「ロシアの半導体産業について。(1/25) / Twitter
 ロシアの半導体産業が壊滅的な状況だ、と解説している専門情報。クリミア占領後の経済制裁で、西側の部材が入ってこなくなり、ロシアの半導体産業はまともに成立していない。民需用はすでに壊滅している。軍需用はかろうじて(インチキ国産で)生き残っていたが、今回の経済制裁以後はもはや軍需用の生産も成立しないようだ。
 かくて、兵器の補給は不可能となりそうだ。
( → ウクライナ戦争 17(戦況の変化): Open ブログ

 こういう状況なので、「ロシアのステルス戦闘機に撃墜される」という心配は、まず不要であるのだ。
 現実的には、ロシアがステルス戦闘機をウクライナに飛ばすことは、まずありえない。なぜなら、もし地対空ミサイルに撃墜されたら、最新鋭ステルス機の機密情報が漏れてしまうからだ。それは絶対に避けたい。だから、最新鋭ステルス機は、ウクライナには飛ばさずに、あくまで首都防衛のためにだけ使うだろう。……というか、そもそも、量産されていないし、空を飛べるかどうかも疑わしい。(半導体を入手できないので。)


 (6) パイロット

 パイロットはどうするか? F-4 を供与するにしても、それを操縦する熟練パイロットがいないと、まともに操縦できないが。
 F-4 は旧式なので、最新の戦闘機に比べると、マニュアル操縦っぽくて、自動化が進んでいない。その分、難しさがある。
 ――F4はどんな戦闘機でしたか。

 「ずばり『ダンプカー』というイメージ。ベトナム戦争時に生産され始めた機体で、豪快に飛ぶ感じです。でも、小回りは利かず、ラダー(尾翼)をうまく使わないと性能を最大限発揮できず、非常に操縦が難しい。ラダーは足(ペダル)で操作するので、特に着陸時など低速のときの左右のコントロールは、操縦桿(かん)ではなく、ほぼ足で操作する戦闘機だ」
( → 空を守り、パイロット育て半世紀 F4ファントムが退役:朝日新聞

 こんなに操縦が難しいものを、ウクライナ人にいきなり与えても、操縦できるはずがない。困った。どうする?

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 「パイロットは、退職した自衛官や米国の軍人から、義勇兵を募ればいい。そうして募ったパイロットを、ウクライナに送る」
 つまり、機体といっしょに人間も送る、というわけだ。これなら、操縦するパイロットがいない、という問題は回避できる。

 なお、パイロットはもともと若者はいなくて、ベテランだけが残っていたようだ。
 F-35がそろうまでの猶予がF-4に残された現役期間となるわけですが、もう先が長くない機種であるため、新人パイロットのF-4への機種転換は不要であり、行っていないといいます。
 本来は組織の構成員が年にひとつずつ平均年齢を加算してゆく状況は避けなくてはなりませんが、F-4の飛行隊ではベテランらが新人を育成する負担から解放され戦術研究に集中できるため、全体の練度を底上げしているそうです。
( → 「ファントムII」は死なず 退役間近、空自F-4EJ改がF-15Jをバンバン墜としているワケ | 乗りものニュース

 こういう事情で、もともとベテランだけが残っていたが、そのうちかなりの数が、すでに自衛隊や米軍から退役しているはずだ。現在では 40代〜60代となった「元 F-4 パイロット」という人がたくさんいるだろう。これらの高齢者から義勇兵を募れば、「われこそは」と思って応募する人が多いはずだ。「もう 60代だし、余生のことなんか考えても仕方がない。これまでお国のためには十分に貢献してきた。ただし実際に戦闘活動をすることはなかった。そこで最後に、ウクライナで実戦で活躍して、自分の人生に一花咲かせたい。命を賭けて、世界平和のために貢献したい」と思う軍人は多いはずだ。
 そして、そういう英雄的な人々を招くことで、F-4 を稼働させることができるのだ。いわば、地球を旅立つ「宇宙戦艦ヤマト」の搭乗者を募集するようなものだ。





 ※ なお、パイロットが戦死した場合には、名誉の戦死として、英雄に対する死亡補償金を高額に支払うべきだろう。航空機のパイロットは、一般の戦死者とは違う、特別待遇が必要だ。そうしてこそ、応募者を得られる。(もちろん、死んだ自分が金を得るためではなく、死んだ自分の遺族に報いるためだ。)


 (7) 整備

 F-4 を送るときは、機体を送るだけではなく、整備のための整備員や補修品も送る必要がある。ただし、この分については、あまり重視しなくても良さそうだ。というのは、比較的短期間で撃墜されることが見込まれるからだ。
 たとえば、10回ぐらい飛んだら、それで撃墜されるかもしれない。旧型機であるからには、それも仕方ない。
 ただし、たとえ撃墜されてもいいのだ。撃墜されるまでに、十分に働けば、それで務めを果たしたことになるので、十分にペイする。
 たとえば、初飛行で撃墜されたら、まったくの無駄になるが、攻撃 10回目で撃墜されたのならば、そう悪いことではない。それまでに爆撃して破壊した敵兵器(戦車や艦船)の価値と、F-4 の価値とを比べて、前者よりも後者が下回っていれば、ペイしたことになる。たとえば、F-4 (ミサイル込み)の価値が1億円で、破壊された敵兵器の価値が 10億円であれば、被害額は、こちらが1億円で、敵が 10億円だから、10倍の差がある。ゆえに、十分にペイすると言える。(最終的には撃墜されるとしても、だ。)

 ※ 比較的短期間で撃墜されるので、補修のことはあまり深く考えなくても済みそうだ、ということ。場合によっては、補修部品がゼロ同然でも何とかなるかもしれない。(まあ、それはちょっと表現がオーバーだが。)


 (8) 条件

 F-4 をウクライナに供与するに当たっては、条件を付けることが必要だ。こうだ。
 「 F-4 は、ウクライナの領土内でのみ飛ぶことが許容される。換言すれば、ウクライナの領土を出て、ロシアの領土内を攻撃することは、許容されない」

 つまり、「専守防衛」である。このような条件を付けることが必要だ。(日本がロシアから無駄に攻撃されないため。)

 ただし、場合によっては、敵基地攻撃までは認めてもいい。ロシア領内の軍事基地攻撃までは、踏み込めるわけだ。一方、ロシア領内の市街地にある住居や店舗を攻撃することは絶対に駄目だ。このことは、(供与の)契約の条件ではっきりと明示しておく必要がある。

 …… 以上のような形で、日本はウクライナに F-4 を供与することができる。
 




( ※ 話が長いので、ここで書くのを中断します。 続きは次項で。
    このあとは F-15 の話となります。)


  to be continued. 
 
posted by 管理人 at 23:50 | Comment(2) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>たとえば、10回ぐらい飛んだら、それで撃墜されるかもしれない。旧型機であるからには、それも仕方ない。

このような条件で退役した自衛官や米軍パイロットの義勇兵が集まるとは思えませんし、国際的に人命軽視として非難を浴びるのは間違いないでしょう。

ちなみに、自衛隊のF-4EJは国産の空対空ミサイルや対艦ミサイルが搭載可能でしたし、Wikipedia記載の米軍装備は汎用の装備なので、F-4専用ということもありません。

さらに、自衛隊のF-4は対地攻撃目的として無誘導爆弾しか搭載できないので、基本的に空対空戦闘が主運用となりますが、空対空戦闘を避けるべきという管理人さんの運用とは相性が悪いですね。
Posted by なまず at 2022年04月13日 19:56
> このような条件

 あなたは文章を読み間違えている。「10回ぐらい飛んだら、それで撃墜される」のが標準だとしたら、確かにその通り。しかし私が書いているのは、「10回ぐらい飛んだら、それで撃墜されるかもしれない」だ。最後に「かもしれない」が付いている。
 戦争というのは常に「死ぬかもしれない」という危険と隣り合わせだ。そういう可能性を完全に排除した「絶対安全性」を求めるのであれば、最初から戦争に参加するはずがない。
 ちゃんと文章を読みましょう。

 また、機体が撃墜されたからといって、パイロットが死ぬわけではない。たいていの場合は、射出座席が作動するので、パイロットは助かります。


 ※ 私が前もって、「ここを勘違いして文句を言いそうな人がいるだろうな」と予想していたら、まさしくドンピシャリで、引っかかっている。見え見えの罠に引っかかるキツネみたいだ。なんでわざわざ引っかかるかなあ。

> 対地攻撃目的として無誘導爆弾しか搭載できないので、基本的に空対空戦闘が主運用となります

 誘導爆弾や空対地ミサイルが使える、とWikipedia に書いてあります。ちゃんとリンクで示してあるんだから、その箇所をきちんと読みましょう。
 本記事にでも出典付きで示してあるんだが、日本語が読めないのかな? 

 誘導爆弾は、F-15 には搭載できません。F-2 は、新型誘導爆弾には対応しているが、旧型誘導爆弾は対応していない(誘導装置が付いていない)ので、搭載できないはずです。F-16 や F-18 ならば搭載できるかもしれないが、F-16 や F-18 は日本には導入されていない。
 結果的に、日本国内では、F-4 の誘導爆弾は F-4 専用となります。他に搭載できる飛行機がない。
Posted by 管理人 at 2022年04月13日 20:19
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