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日本では EV の普及率が低い……ということは、前に述べた。
( → 欧州車の EV 比率が高いわけ: Open ブログ )
日本における EV の普及率は、現在も将来も、世界に比べてずっと低い……とわかるだろう。
では、なぜそうなのか? 上記項目では、一応、理由を考察した。そこでは、「日本では EV よりも HV が普及しているから」というふうに説明した。
だが、よく考えると、これでは説明として不十分だろう。その説明には、次の難点があるのだ。
・ 今現在のことは説明できるが、将来のことを説明するには足りない。
・ 世界に少し劣ることは説明できるが、大幅に劣ることは説明できない。
つまり、「今現在だけでなく、将来にわたって、世界に比して大幅に劣ること」については、説明不足なのである。
とすれば、理由は別にあるはずだ。もっと根源的な理由が。
――
これに関して、参考となる話を、前に書いた。
高速道路の充電所が不足していて、電気自動車のユーザーが使おうとしても、満杯で使えないことが多い。
高速道路ではしばしば充電する必要がある。ところが、充電しようとしても、充電所は満杯になっていることが多い。順番待ちの列ができていて、なかなか充電できない。これでは、EV の利用が不便なので、EV の普及が進まない。高速道路の充電所をもっと増やすべきだ。
ではなぜ、状況は改善しないのか? 問題はずっと前からわかっているのに、なぜ問題を改善する気がないのか?
( → 高速道路の充電所が不足: Open ブログ )
ここでは、理由を探ったあとで、次の趣旨の結論を下した。
「高速道路の充電所は、市街地の充電所とは違って高コストになるが、補助金があまり下りないので、設置台数が増えない」
そのあとで、「低コストの充電所を設置する方法」という名案を出した。
だが、よく考えると、これは説明としては不十分である。上記の説明は、高速道路における充電所の不足を説明しているが、それ以外に、一般の場所(高速道路以外)でも、充電所の不足という問題があるからだ。
どうも、全般的に充電所が不足しているようなのだ。それも、特に「急速充電所の不足」という点で。
――
そこで、ネットを調べてみたところ、この問題を考察しているページ(そのものズバリのページ)を見出した。
→ 【日産アリアとBZ4X完全敗北確定】 EVユーザー待望の超急速充電器が全く期待できなくなった件
私が下手な考えをこねくる必要はなかった。日本の EV普及には根源的な問題があるのだということを、上のページは見事に指摘している。
その話はとても有益なので、詳しく紹介しよう。次の趣旨だ。
(1) 普通充電器
日本では、普通充電器の台数は多いが、こんなものはあっても意味がない。
普通充電器というのは、基本的には3kWという充電出力を発揮することができ、
例えば私の所有する日産リーフを充電した場合、空の状態から満充電までにかかる充電時間が、なんと12時間以上という、とんでもない時間を要してしまい、
日本には充電器が2万器も存在しているから電気自動車を運用するのは難しくない、と紹介するのはトンチンカンである
(2) 急速充電器
では急速充電器ならば大丈夫か、というと、これも心許ない。
日本市場におけるこの急速充電インフラ網の最大の問題点というのは、「実用的な」急速充電器がほぼ存在していないという点であり、
日本市場に設置してある急速充電器のほとんどが50kW以下という出力に留まっていて、そもそもこの50kWというスペックの充電器がなぜダメなのかというと、
30分間充電したとしても、その28.7%ほどの充電量しか回復することができず、
つまり、80%程度まで充電しようと思ったら、1時間半以上も充電し続けないといけないということになり、
充電にかかる時間がとてつもなく長くなり、
結局ロングドライブにおいてストレスを抱えることになるのです。
国内最大出力は90kWに留まりながら、しかもその90kW級の急速充電器は全国に116台しか存在していないという、
つまり、2021年から発売される実用的な電気自動車を、ストレスなく運用するために実用的な急速充電インフラが全く整備されていない、
というのが現状の電気自動車発展途上国家である日本の現状なのです。
(3) 欧州では?
日本ではひどい状況だが、欧州でははるかに進んでいるそうだ。
すでにヨーロッパ全土に350kW級という、日本市場で一般的に普及している急速充電器である50kW級と比較しても、
実に7倍もの超高出力を許容することのできる、超急速充電ステーションが設置され、
しかもその1ステーションあたり、最大で10基以上もの充電器が設置されてもいますので、
仮に複数の電気自動車が同時に充電を始めたとしても、充電待ちが発生する確率が限りなく低いというような、非常に利便性が高く、実用的であり、
電気自動車を使って安心して、ロングドライブすることを可能にしています。
(4) 日本の将来の EV
とはいえ、日本もまるきり遅れているというわけではない。たとえば、最新型のアリアでは、次のように改善されている。
特にアリアにおいては最大130kWという充電出力を許容することができ、
これならば(十分とは言えないまでも)現状の50kW級に比べれば、大幅な改善となるだろう。少なくとも、車両本体の側では。
(5) 日本の将来の充電所
問題は、(車両本体でなく)充電所の方だ。それは改善するか? まさしく改善するそうだ。「超急速充電器設置プロジェクト」というものが、すでに始動している。ただし、名目はそうでも、実状はひどい。
その急速充電器の最大出力が、合計で200kWというスペックであり、
国土の狭い日本市場においては、まさに必要にして十分なスペックと言えるのですが、
問題なのは、今回の急速充電器は最大で6つものストールを用意し、まずは1つのストールで、最大90kWという出力しか許容することができないという点であり、
実際は、現在少しずつ普及し始めている90kw級の急速充電器と変わらないスペックである、ということなのです。
最もクリティカルな問題であるのが、最大で合計6ストール設置される今回の充電ステーションは、合計で200kWという充電出力というスペックであるという点で、
つまりどういうことかといえば、現状の最大充電出力である90kWをフルに許容することのできる電気自動車が、3台以上同時に充電している場合、その90kWという充電出力を許容することができず、
各車両概ね60kW程度という出力にまで制限されてしまうことが推測でき、
つまり、「 200kW」と見せかけながら、実際には 60kW程度 以下になってしまう。これでは現状の 50kWと比べて、大差ない。ほとんど改善しないことになる。まったくの羊頭狗肉であるわけだ。ひどいね。
(6) 将来の計画
では、その先はどうか? これもひどい。というのは、上記の計画は、この先 10年についての計画だからだ。 2030年ごろまで、計画が順調に進んだとしても、現状からほとんど改善されないのだ。
今回のe-mobility Power側の資料で示されている、10年先を見据えた設備更新を、先行投資的に行うという考えとは全く相容れないのが、今回の新型急速充電器のスペックの実情であり、
電気自動車を一般ユーザーに対して積極的にオススメすることができなくなる、というような結論を出していました。
今後10年先を見越した電気自動車の充電インフラであるとも説明されていますので、
流石にこのスペックの急速充電インフラが、基本的には今後長期間にわたって設置されていくとイメージしてしまうと、
とてもではないですが、電気自動車を万人に、そして手放しにオススメすることはできない、ということですね。
10年間にわたる計画が上記のようなものだから、(今後 10年間の)将来の見通しもまた、お先真っ暗だというわけだ。
(7) ケーブルの問題
さらに輪をかけて、もっとひどい問題があった。
充電用のケーブルは、重くて扱いにくい。そこで「細くて軽い」という日本独自規格のケーブルを採用することにした。するとそれは、性能が著しく低下したものとなった。
しかしながら、その軽量化に伴う弊害として、
そのケーブルの太さを細くしたことによって、その最大電流量である200アンペアを15分しか流すことができないスペックに留まってしまっているという点であり、
最大でも50kWという充電出力に落ち込んでしまうというアルゴリズムを採用してきたのです。
当初想定されていた、最大90kWという充電出力を30分間維持することがそもそも不可能な設計となり、
90kWの充電出力を15分間、つまり22.5kWh、そして50kWの充電出力を15分間、つまり12.5kWh、
したがって、アリアをベストコンディションで30分充電した場合の、実際に充電することのできる電力量は、理論値でも35kWh、
理論値でも190km分ほどしか回復させることができないということになってしまったのです。
今回の追加情報によって、そもそも上限の90kWという出力すら15分しか許容することができないということも判明しましたので、
何れにしてもこのスペックに関しては、電気自動車の普及を推進する立場としては、非常に厳しい現実ということになったかと思います。
ケーブルには、こういうひどい問題がある。
(8) 先端技術
では、どうすればいいか? それには、欧州を見ればいい。欧州では、350kw級の急速充電器を配備している。その理由は、水冷ケーブルという新技術を使っているからだ。
なのに、どうして日本ではそうしないかというと、(頭が悪いせいで)新技術のすばらしさを理解できずに、「あんなものは駄目だ」と却下しているからだ。
なぜ日本が、より高出力な充電出力を発揮することのできる水冷ケーブルを、頑なに開発しようとしないのかという点に関して、
「保守メンテナンスの手間が多く、安定性とコスト面で課題がある」として、その採用を見送っている
その一方で、欧州では日本を尻目に、新技術を大幅に導入して、見事に成功している。
すでにヨーロッパ市場と北米市場においては、その水冷ケーブルを採用した350kw級の急速充電器を大陸全土に配備しています
(9) 原因
では、どうして日本の充電所は、こういうふうに馬鹿げた状況にあるのか? それは、日本独自の制度的な欠陥のせいらしい。
ヨーロッパ市場におけるIONITYという充電器管理運営企業は、主に自動車メーカーが資本を注入している、
つまり、電気自動車を本気で売りたいからこそ資金を投入しているわけであり、まさにユーザーファーストな充電器のスペックや設置計画を立てることができるのですが、
今回取り上げているe-Mobility Powerの出資者というのは、
確かにトヨタ日産ホンダ、そして三菱という4つの自動車メーカーも含まれているものの、その出資比率はわずか1.9%と、その経営に口出しするようなパワーバランスではなく、
基本的には東京電力と中部電力という電力会社が実質的な決定権を有している
充電器の管理運営をする企業は、欧州では自動車メーカーの出資による企業だが、日本では電力会社の出資による企業だ。だから、欧州では自動車メーカーの主導で、 EV に使いやすいことを目的として充電器が配備されたが、日本では電力会社の主導で、( EV よりも)充電器を配備しやすいことを目的として充電器が配備された。そもそもの目的が違うわけだ。
先の水冷ケーブルの不採用の理由は、こうだった。
「保守メンテナンスの手間が多く、安定性とコスト面で課題がある」
これはあくまで、充電器会社の都合である。充電器会社による充電器のメンテナンスの都合が優先されて、肝心の充電能力のことはまるきり無視されているのだ。ここでは、充電器を維持することが最大目的なのであって、充電器で充電する能力は無視されているのだ。(本末転倒ですね。論理が逆立ちしている。)
こうして、欧州では EV に使いやすい充電器が配備され、日本では充電器を配備しやすい充電器が配備された。それはそれで、電力会社の都合はかなえられる。とはいえ、そこでは EV の都合はまるきり無視されているわけだ。
つまり日本では、EV のためになる充電器は配備されないわけだ。
…… というわけで、現在も将来も、日本では EV が普及するはずがないのである。
もしユーザーがEV を購入すれば、その不便さに悲鳴を上げるのが、関の山だろう。
「日産アリアって、素晴らしく優秀な EV だな。ただし、日本国内では充電設備が最悪なので、長い距離を運転するにはまったく不向きだ。せいぜい近所の買い物用になるくらいだ。それ以上の長距離を運転するには、まったく不向きだ。たとえて言えば、ガソリンスタンドがないまま、ガソリン車に乗るようなものだ」
比喩的に言おう。ガソリン車にとっては、地方のど田舎が「ガソリンスタンド過疎地」となる。同様に、EV にとっては、日本全国が「充電スタンド過疎地」となるわけだ。(まともな充電器はないも同然だからだ。結局、日本全体が、ど田舎となっている。)
これが現状への評価となる。
――
ただし、ここまでひどくとも、日本政府は(現実を無視して)勝手に楽観しているようだ。「きっとうまく行くさ、大丈夫さ」と。
こういうふうに、勝手に楽観的な夢想をするのは誰か? 菅首相だ。彼が例によって、何の根拠もなしに、楽観的な方針を取った。「2035年にはガソリン車を販売停止」という方針だ。
→ 首相「35年、新車全て電動に」 ガソリン禁止、120%本気 | 毎日新聞
菅首相はかつてコロナ対策で、楽観的な方針を取った。「現状のままできっと大丈夫さ、きっとうまく行くさ」と信じて、GoTo を推進した。そのあげく、第三波では大量の死者を出した……という経歴の持主だ。
こういう楽観主義の人物が、その楽観主義のゆえに、「何もしなくてもうまく行くさ」と楽観的な方針を示しながら、無為無策で EV 対策を何もしないでおく、ということにするわけだ。
ひどいものだ。呆れるばかり。
――
なお、ひどいのは、政府だけじゃない。まともな EV を販売する代わりに、粘土製の EV を作って見せて、「すごいでしょ」と鼻高々になっている会社もある。どこの会社だとは言わないけどね。(三河かな。あ、言っちゃった。 (^^); )
――
(*)
最後にオマケで注釈しておくと、テスラ車だけは例外だ。テスラ車ならば、(テスラ車専用の)スーパーチャージャーという急速充電設備がある。これで、ほぼ不自由なく充電できる。
→ スーパーチャージャー | テスラジャパン
上記ページの地図で検索してみると、設置した場所は、潤沢と言えるほどではないが、何とか実用にはなるという程度だろうか。
→ 東京のテスラ・スーパーチャージャー
ただし高速道路にはちゃんと配備されているので、高速道路ではことさら困ることはなさそうだ。(ちゃんと計画して利用すれば。)
テスラ車に限っては、日本でもまともに普及できるわけだ。(一方、日本車はすべて駄目だ。CHAdeMO(チャデモ)なんかに縛られている限りは、どうしようもない。お先真っ暗だ。)
――
(**)
もう一つオマケで言うと、軽自動車の EV も、近距離用途に限っては、まともに実用になる。この場合、急速充電器は使わず、家庭内の充電器をもっぱら使うことになる。
これに関しては、次の参考記事もある。
急速充電スタンドでの充電費用は意外と高価で、EVの経済的ベネフィットは少なくなる。また現在主流の40〜50kWh程度の充電器では、30分の充電で100km程度の距離分しか充電できない。
小型軽量低価格こそ理想のEV だ。
( → 東京の2倍…「日本で一番EVが普及しているのは"あの地方都市"」必要なのは充電インフラではない 小型軽量低価格こそ理想のEV | PRESIDENT Online )
では、遠出をするときには、どうするか? ガソリン車か PHV をレンタルすればいい。……というか、最初から PHV にしておけば、万事問題はない。日本では、EV よりも PHV の方が現実的だ、と言っておこう。とにかく、日本では EV は駄目だ。
【 補説 】
こういう状況を称して、冒頭では「劣等国家」と記した。すると、「日本は劣等国家だ」という評価を聞いて、いきり立つ人もいそうだ。「日本を貶めるのか!」と。
だが、IT の分野では、世界(欧米・中国・台湾・韓国)に比べて、日本が大きく劣っているというのは、もはや常識になりつつある。その延長上で、日本が EV 普及の制度で、圧倒的に劣っていると聞いても、不思議ではないだろう。
第2次大戦中でも、「レーダーを配備するのは軍事的に意味がない」と言い張って、レーダー配備を拒んだのが、日本だ。レーダー技術で一番大事な技術である八木アンテナについても、欧米では有名だったのに、肝心の日本では誰も知らなかった、というありさまだ。
八木アンテナ開発当時の1920年代には、大日本帝国の学界[要出典]や日本軍では、敵を前にして電波を出すなど「暗闇にちょうちんを灯して、自分の位置を知らせるも同然」だと考えられ、重要な発明と見做されていなかった。
このことをあらわす逸話として、1942年に日本軍がシンガポールの戦いでイギリスの植民地であったシンガポールを占領し、イギリス軍の対空射撃レーダーに関する書類を押収した際、日本軍の技術将校がニューマン(Newmann)というレーダー手の所持していた技術書の中に頻出する “YAGI” という単語の意味を解することができなかったというものがある。
後に「ニューマン文書」(「ニューマン・ノート」)と称されるこの技術書には「送信アンテナは YAGI 空中線列よりなり、受信アンテナは4つのYAGIよりなる」と言った具合に “YAGI” という単語が用いられていたが、その意味はおろか読み方が「ヤギ」なのか「ヤジ」なのかさえわからなかった。ついには、捕虜となっていたイギリス軍のニューマン伍長に質問したところ「あなたは、本当にその言葉を知らないのか。YAGIとは、このアンテナを発明した日本人の名前だ」と教えられて驚嘆したと言われている。
機首に八木・宇田アンテナを装備しレーダーを搭載したメッサーシュミット
( → 八木・宇田アンテナ - Wikipedia )
日本というのは、こういうふうに、昔から最新技術には弱いのだ。というか、頭が保守的なので、最新技術を取り入れることを嫌がるのだ。
理系の技術者は頭が良いので、八木アンテナなどをせっせと開発するのだが、文系の官僚は頭が固いので、せっかく開発した技術をゴミ箱にポイと捨ててしまうのである。だから日本では、最新技術が普及しない。
実際、学校におけるITの導入も、日本は突出して劣っている。




こういうふうに、最先端技術には弱い、というのが、日本の伝統的な傾向なのである。なぜか? 頭が固いからだ。頭が固ければ、そうなるのは当然だ。頭の固さは、自民党政権が戦後ずっと続いていることからも、明らかだろう。(わずかな例外期間はあるが、あまりにも少なすぎる。)(特に、最近の若者では、こういう傾向が強い。)
【 関連項目 】
本項の続編がある。
→ EV の急速充電の問題: Open ブログ
日本の大学で言えば講座制が問題です。30代のせっかくの新アイデアには予算がつかずに、60代の教授のテーマの下支えをやらされています。そんな環境で育った学生もやはり同じ道をたどっていきます。アメリカでは30代で新しいテーマを立ち上げた人だけがテニュア(終身)教職の地位につけます。日本は一生懸命教授のテーマで頑張った人が准教授に上がれます。
ものすごくざっくりとした計算ですが,エンジン車と同様な使い勝手のBEVを考えた場合,例えばエンジン出力150kW,アクセル全開で2時間走行可能(航続距離400kmくらい)で300kWh消費すると仮定し,300kWhの放電に対して充電は給油と同程度の6分かけるものとします。(諸々のロスは考慮しません)
6分(0.1時間)で300kWhを充電をするには3000kWの充電設備が必要で,仮に300Vで充電するのであれば,充電ケーブルには10kAの電流を流す必要があります。そのような高電圧・大電流の制御ができるデバイスを車載できるほど小型化するのが可能なのか疑問です。
ケーブルのことを考えても,銅の抵抗率が2E-8Ω・mくらいなので,仮に長さ1メートル太さ1センチの角棒状の充電ケーブルで充電すると考えると,ケーブルの抵抗は往復で0.4mΩ,消費電力は40kWとなります。5センチ角であれば1.6kWになりますが,実際には接続部分の抵抗もゼロにはできないのでかなりのロス(=発熱)になりそうです。
充電スタンド側の設備もかなり大掛かりなものが必要で,例えばガソリンスタンドのように4台同時の充電とすれば12メガワットの電源が必要となります。電力会社から供給を受けるのであれば,6万ボルトの「特高」で受けて自前で変圧するんでしょう。
あくまでも「エンジン車と同様な使い勝手」を想定した試算ですが,どれだけ技術が発達しても物理の壁は超えられないです。逆に考えると「エンジン車と同様な使い勝手」を追い求めるのは諦めて,BEVならではの有効な使い方を探っていくしかないですね。
っていうか,計算間違ってたらごめんなさい。
時速 200km/h は、さすがに警察に逮捕されちゃうでしょ。一発で免停だ。……と思ったが、調べてみたら、免停では済まず、懲役・禁固で、牢屋にぶち込まれる。
→ https://x.gd/M3NmU
充電時間が 10分ならそれで済むが、充電時間が 40分だと、オーナーがそこに3時間ぐらい置きっぱなしにするので、一挙に3時間に伸びてしまう。その分、他のユーザーは使えない。
下記に実例がある。アリアのオーナーが場所を離れて、充電所がずっと占拠される。
→ https://twitter.com/mieisgood/status/1521394998910275585
→ https://twitter.com/teslabtcbakuage/status/1521461313020465152
※ 3時15分から、6時25分まで。
「急速充電器の充電料金は、1分ごとに課金する。ただし上限は 30分。30分に達すると、充電は停止し、同時に、課金も停止する」
この制度が駄目だね。
充電しなくても、1分ごとに課金するべきだ。そうすれば、長時間の利用で、莫大な料金が課金されるので、自然に退去するようになる。
> 従量課金システムを開発
→ https://www.jiji.com/jc/article?k=000000066.000023563&g=prt
なるほど。趣旨はいい。しかしながら、規模が小さすぎる。50kW ではただの急速充電器だ。最低でも 90kW が必要だし、標準でも 150kW が必要だ。50kW では話にならん。
そもそも、電流と時間を計測して計算すればいいだけで、電卓でもできるようなことが、どうして簡単にできないのか? 日本の技術は小学生レベルにまで落ちてしまったのか。