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次の記事がある。
→ 北海道民は本当にダウンコートを着ないのか
実際に調査してみると、「北海道民はあまりダウンコートを着ない」という傾向が確認された。特に、現地の人によると、調査場所を地元民の多いところにすれば、いっそうその傾向があるそうだ。
その理由としては、「北海道民は地下街を通るから、厚着を必要としない」という説もあって、「何じゃ、これ」という感じもしなくもないが、コメントで、次の意見が目を引いた。
モンベルの店員が「ダウンは最外層に着る物ではない、風も通すし。なるべく肌に近いところに着て最外層は風を通さない、ウインドブレーカー的なモノを着るのだ」と教えてくれ、その通りにしたら確かにとても暖かい。
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実は、いわれるまでもなく、私はこれを実行していた。
・ 去年までは、上着には、空気層の厚い衣服を着ていた。(着ぶくれ)
・ 今年は、上着には、ウインドブレーカーふうの薄いものを着た。
前者は、厚着して、着ぶくれしていた。温かそうに思えたが、あまり暖かくなかった。
後者は、風を通さない衣服で、薄着した。着ぶくれしないので、動きやすい。寒そうに思えたが、かなり暖かい。
要するに、通気性の有無が決定的であるようだ。一番外側の衣服は、通気性のない衣服を着て、暖気が外に逃げないようにする必要がある。そのことで、暖かさを得る。
思えば、これと同様のことは、布団についても言える。前に述べたことがある。「通気性のない布団カバーを掛けると、掛け布団はとても暖かくなる」と。
→ 掛け布団カバーはすごい: Open ブログ
同様に、次の話もある。
「建物の保温性を高めるには、壁や床の断熱性を高めることも大事だが、気密性を高めることも大事だ」
つまり、いくら断熱性が高くても、気密性が低いと、空気といっしょに熱が逃げてしまうのだ。これも、話の事情は似ている。
※ ただし、気密性が高すぎると、炭酸ガス濃度が高まるという問題もある。これはこれで、議論になるが、ここでは論議しない。
【 関連サイト 】
参考記事。
築40年の空き家をリノベーションして断熱・気密性の高い家に変身させる。その上で、電力会社の電気は使わず、ガス会社とも契約せず、生活に必要な電気や熱といったエネルギーを自給自足する。
今回はこれでもかと断熱材を仕込んだ。土がむき出しになっていた床下には、防湿シートを張った上で、柱に防蟻(ぼうぎ)処理などをほどこし、厚さ180ミリ、壁には120〜255ミリ、天井には360ミリの断熱材を敷き込んだ。
トリプルガラスの木製サッシをつけ、玄関も断熱性の高い木製ドアをつけた。
前回は、空間を狭く区切って無理やり測った結果のC値が「13.5」だった。数値は少ないほうがすき間が少ないことを示す。今回は、「1.1」だった。床面積1平方メートルの部屋とすると、すき間は1.1平方センチのみ。劇的に減った。
建物の断熱性能は「UA値」という数値で表す。数値の意味が直感的にはわかりにくいが、こちらも値が小さいほうが性能が高いということになる。国は全国を八つの区域に分けて地域区分ごとに基準値を示していて、寒い地域ほど基準値は低くなる。ほくほくのUA値は0.29。これは北海道の大部分の地域の基準0.46よりいい数値だ。
「高気密高断熱の家は密閉された空間で息苦しそう。外と常に呼吸するような家にするべきではないか」という意見は根強い。とても単純な話で、高気密高断熱の家でも、気候がいいときは窓を開け放てばいい。家の断熱・気密性が重要性を増すのは寒い冬や夏の酷暑の時期だ。この時期は結局家は閉め切ることになる。その時にすきま風や暑気が常に入り込んできて冷暖房も利きにくい家では、エネルギーも無駄になり、快適性も損なわれる。
( → 八ケ岳で古家改修 トリプルガラスに断熱材、やりすぎて見えた境地:朝日新聞 )