「倫敦ノ山本五十六」という歴史ドラマがあった。海軍の機密文書が 80年以上を経て発見されたので、新たに判明した事実に基づいて、NHKがドラマを放送した。
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山本五十六は、戦時中の名将として名高いが、今回の機密文書から判明したところによると、実は、日本を戦争の道から回避しようとして、しきりに努力していたそうだ。戦争よりも、平和のために努力していたそうだ。
その機密文書に基づいて、当時の史実をドラマ化した。次のようなストーリー。
・ 山本は米国留学歴があり、英語がペラペラ。
・ 米国と日本との国力の差(12倍)を痛感した。
・ 戦争になれば、日本が敗北すると知っていた。
・ 軍拡競争をやめるための交渉(日英米)があった。
・ その日本代表となったのが山本だ。
・ 日本海軍の方針は、交渉決裂(制限なし)だった。
・ それでは日本は不利になると、山本は判断した。
・ そこで妥協案を、山本の私案として考案した。
・ だが、本国の許可を求めても、許可は得られず。
・ 最終的には、交渉決裂。軍拡競争へ。
・ 日本は制限を外されたことで、大喜び。
そして、最終的に、どうなったか? それは歴史を見ればわかる。
日本(軍部や国民)は「これで制限なく軍備拡大ができる」と思って、自由に巨艦を建造した。武蔵・大和などだ。
だが、その巨艦は結局、ただの無駄となった。なんの戦果も上げずに、ただ撃沈された。
一方、条約に縛られずに空母などを建造した米国は、その海軍力で、日本海軍をミッドウェーでたたきのめした。この戦いで、日本の戦死者は米国の 10倍となった。これが分水嶺となり、日本海軍は奈落の底に落ちていった。
米国に自由な艦船建造をもたらしたのは、日本海軍の選択した「交渉決裂」であったのだ。
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このドラマを見て、いろいろと考えさせられた。
歴史に if は無意味かもしれない。だが、もし山本の私案が通っていたら、日本が軍拡競争の道に進むこともなく、英米と協調していたかもしれない。その場合には、真珠湾攻撃はなくて、戦争は起こらず、原爆が落とされることもなかったかもしれない。
前項の「キューバ危機」の事例では、平和を求める二人(スパイと、ケネディ大統領)がいたおかげで、人類は滅亡の危機を免れた。英雄的な人物が、まさしく世界を救った。
本項の軍縮交渉という事例では、平和を求める人(山本)がいて、戦争を回避するための努力をしたのだが、その努力は実らなかった。彼の意思は軍部によって踏みにじられ、交渉は決裂した。そのせいで日本は破滅的な戦争に向かって突き進み、まさしく破滅的な敗北を喫した。英雄的な人物は、日本を救えなかった。
[ 付記 ]
この番組を見た感想。
当時、日本の海軍戦力を英米の6割に制限していた軍縮条約があったので、日本の軍部や国民は不満だった。そして、「不平等だから平等にせよ」(そのためには軍縮条約を決裂させよ)と主張していた。
しかしこれは、まったく理解できないね。当時の日本の国力は米国の 12分の1だった。こんな小国が大国と同じ軍事力を要求して、「平等」を唱えるなんて、頭がおかしいとしか思えない。どうなっているんだ?
しかも、8%の国力で、60% の軍を維持していたので、負担は滅茶苦茶に大きかった。高橋是清は、これを嘆いていたらしいが、「そんな正論を吐くと、軍部に殺されるぞ。犬養首相みたいに」と言われたらしい。実際、軍縮条約を締結したことで、犬養首相は暗殺された。(五・一五事件)
こういう状況(強硬な軍部と、それを支持する国民)は、まったく不思議に思えたのだが、最近になって、ようやく理解できる気分になった。安倍首相や菅首相が高い支持率を得ていたんだから、同じようなものなんだ、と納得できた。
とすれば、今現在の国民が、戦争に向かう道を進んだとしても、ちっとも不思議ではないわけだ。仮に右派の人物が首相になって、戦争を始めたら、日本国民は拍手喝采して、首相を賛美するだろう。
実際、まるでヒトラーみたいな独裁者である菅首相を、当初、国民は圧倒的に支持した。( → 支持率 74%)
その後、コロナの真っ最中に GoTo を推進して、コロナを蔓延させ、コロナの感染者や死者を大量に出した。これは第二次大戦で国民を大量に死なせたことに似ている。そういうふうに破滅に導く指導者を、国民は圧倒的に支持したのだ。…… 80年前も、今現在も。
【 関連サイト 】
→ 倫敦ノ山本五十六 - Wikipedia
→ 太平洋戦争80年・特集ドラマ 倫敦(ロンドン)ノ山本五十六 - NHK
→ 太平洋戦争開戦の決断 極秘文書から見えた「新しい山本五十六」|NHK
[ 余談 ]
※ ドラマの放送日は、初回放送日: 2021年12月30日。
再放送は、 BS4K 2022年2月21日(月)午後3時〜4時25分(拡大版)
※ BS4K を見るには、専用チューナーまたは 4K テレビが必要だ。
→ |NHK BS4K・BS8K|NHK
※ 27インチの 4K モニターを買うかわりに、43インチの 4Kテレビを購入して、それをパソコン用モニターとして使う、という人もいる。これはどうも、高精細の文字を読むのが目的ではなく、画面を広く使うことが目的であるようだ。私としては「高精細の文字を読むのが最優先」なので、「画面を広くするのが目的」という使い方は、好ましくないと思える。(人それぞれだけどね。)
※ ちなみに、「高精細の文字と、画面の広さを両立させる」という目的のために、4K モニターを 2台並べて使っている人もいる。これはけっこうお利口な使い方だと思える。ただし、テレビを見るには、ちょっと適していない。
2022年02月04日
過去ログ

まわりは大反対だったんです。いったい何で彼が(平和を求める人)なんですか。
真珠湾攻撃さえなければ、こんな悲劇にはならなかったのに。
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もちろん、国力の根本的な懸隔を考えれば、いくら損害を与えたところで、アメリカを屈服させられる保証などありはしない。……そんなことは百も承知だ。
けれども、必敗の戦争の指揮を執ることを命じられた山本としては、万に一つの僥倖を追うしか、選択肢が残されていないのであった。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/85112?page=4
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同じ記事にも記してあるように、「開戦」が国の方針として決まっていた。そのあとで、開戦の方法が山本に委ねられ、彼は「真珠湾攻撃」という方法を選択した。その結果は、失敗ではなく、大成功だった。あまりにも大成功であったために、日本国民は「米国に勝てる」と熱狂的に信じた。そのせいで、講和する機会をなくした。
山本の欠点は、軍人としてあまりにも優秀すぎたことだ。仮に「真珠湾攻撃」に失敗していたなら、日本国民も諦めて、不利な条件で講和することを受け入れただろう。
ただし、日本があっさり降伏した場合には、日本はアメリカの植民地となったあと、日本人は白人に反抗した劣等な有色人種として、アメリカ人の奴隷として扱われていたかもしれない。当時は人種差別が堂々とまかり通っていた時代だった。
確かに最初はそうだったかもしれませんがすぐに化けの皮が剥がれて1年しか持たなかったじゃないですか。戦中とは異なり、自浄作用が働く日本はまともってことじゃないの?
1年後にやめたのも、たまたまコロナのピーク時に衆院解散があったから。その偶然がなければ、まだまだ続いていた。
秋以後は、コロナが減っていたので、あの時期を何とか乗り越えれば、あと5年ぐらいは菅首相が続いていた可能性が高い。特に、就任直後に解散していれば、4年間は無事安泰だった。
さらに、首相の人気がなくても、自民の人気は高いので、自民が勝てば、菅首相はずっと続いたはずだ。菅首相が 10年続いた可能性もある。
そうならなかったのは、就任直後に解散しなかったからだ。たったそれだけのことで、政権は短命になった。(国民の意思は関係ない。特に岸田首相は、就任直後に解散したので、どんなに悪政を続けても、4年間の任期が保証されている。)
NHKプラスをのぞいておりましたら、『新選組』の総集編と『ロンドンの山本五十六』を続けて視聴できました。主演の香取慎吾氏の発声が、二つのドラマで全く違っているのに、驚きと感動を覚えました。『新選組』で言わば『青春グラフィティ』を演じていた香取氏は、顔のしわも増え、前述のように声と演技に深みと凄みも増し、50歳の山本五十六を好演されていたように思います。得意の英語を生かした、英国代表とのやり取りも印象深い場面でした(ポーカーをしながらの、腹の探り合い)。
第二次大戦で国民を大量に死なせた⇒これは、陸軍は西に向かい、西欧が有色人種を奴隷として植民地化しているスエズ運河まで開放しようとしているところを、山本の勝手な思い付きと海軍のおかしな決定で米国に暗号筒抜けの状態で真珠湾にルーズベルトに招待された結果が「国民を大量に死なせた」ということですよね。
いずれも新聞を中心としたマスメディアが、政府と結託して国民を煽ってたよね。
ソ連、北朝鮮、モンゴル帝国、匈奴、スキタイ、フン族、カザール、オデッセイやの海賊もGDP低そうなのにヒットポイントはとんでもなく高いよね。
以下、引用。
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ノモンハンに負けたせいで、北方を諦めて、南方に進出した。大東亜共栄圏を唱えながら、アジアを侵略した。……しかしそのせいで、アメリカと戦う結果になってしまったわけだ。
歴史の皮肉とも言えるが、ノモンハンにはそれほどの重要性があったわけだ。
http://openblog.seesaa.net/article/479561031.html
→ 香取慎吾、丸刈り「一生このままでいい」山本五十六役は“トップオブトップ”
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202112070000906.html
陸軍も海軍の支援がなくなればパレンバンどころじゃなくなるので、泣く泣く了承でしょうか。
現場の長を選ぶ判断を、軍令部はどうにかしているのといったいったで修正がきかないのは、現代の日本に通じるように思います。
開戦を決定したこと自体は、山本ではなく、日本という国家だ。これは、ハル・ノートの結果である。
> 会議の結果、対米英蘭開戦が決議される。……開戦の聖断を下した昭和天皇……
→ https://x.gd/ej8g7
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もし山本と(ゼロ戦の設計者の)堀越二郎がいなければ、日本は開戦1年後ぐらいには降伏していただろう。その場合には、原爆は落ちなかったし、戦死者も僅少で済んだ。そのかわり、日本は米国の植民地となり、奴隷となっていたかもね。