2022年01月31日

◆ 北朝鮮のミサイル開発には

 北朝鮮がミサイルをどんどん開発している。危機が高まるが、どう対策するべきか? 

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 北朝鮮がミサイルをどんどん開発している。日本政府は「陸上イージスまたは洋上イージスを配備すれば大丈夫」なんていう能天気なことを言っているが、その間に北朝鮮は、イージスを無効化するような新型ミサイルを次々と開発している。
  → 北朝鮮、極超音速ミサイル発射実験に新たに成功と発表 - BBCニュース
  → 北ミサイル、グアム射程の可能性…外務省局長「烈度が高い」 : 読売新聞

 現時点では中距離ミサイルだが、遠からず ICBM を開発しそうだという。
 韓国統一研究院北朝鮮研究室の洪a(ホンミン)室長は、多様な攻撃能力の保持を「段階的に見せることに焦点を置いている」と指摘する。日米韓は北朝鮮が米国などを牽制(けんせい)するため、今後、米本土にも届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射する可能性も高いとみて警戒している。
( → ミサイル「火星12」、北朝鮮が実戦配備を示唆 対話行き詰まる米国:朝日新聞

 オバマ、トランプ両政権で北朝鮮側と交渉した経験をもつジョセフ・ユン元米北朝鮮政策特別代表:
 「北朝鮮は、これまで中止してきた大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射試験を今後行うでしょう。核実験についてはわかりません。中国が核実験については強く憤っているからです。北朝鮮は中国が味方になってほしいと考えています。しかし、ICBMを含めたもっと多くのミサイル発射試験は間違いなく行われることになるでしょう」
( → バイデン政権の対北朝鮮政策は見直しを 元米高官ユン氏に聞く:朝日新聞

 ここまで北朝鮮が軍事力を高め続けると、脅威が増す。「イージスさえ配備していれば大丈夫」「敵基地攻撃能力があれば大丈夫」なんて考えている日本政府(および自衛隊)の方針は、あまりにも見通しが甘すぎて、お話にならない。
 これは、「何をなすべきか」を考えずに、「何ができるか(やりやすいか)」を考えているだけだからだ。
 笑い話がある。
 男が落とし物をした。「しまった。探さなくちゃ」
 そう言って、彼は道を引き返して、さっそく路上で探し始めた。ところがどういうわけか、彼は夜道の中で、街灯の下だけを探している。明るいところだけを探していて、まわりの暗いところを探そうとしない。
 それを不思議に思った人が質問した。
 「いったいどうして、街灯の下だけを探すんです? まわりの暗いところも探した方がいいでしょう? ありもしないところだけを何度も何度も探しても、落とし物は見つかりませんよ」
 「でも街頭の下の方が、よく見えて、探しやすいんだ。探しやすいところを探す方が、利口だろう?」

 ※ この男は、どこを間違えたのか? 「探すこと」が目的となっていて、「見つけること」が目的となっていないのだ。だから、「探しやすいところ」ばかりを探して、「見つかりやすいところ」を探さないのだ。
( → 大量の PCR検査の是非: Open ブログ

 日本政府も同様だ。北朝鮮のミサイルに対して、対策しやすいことだけを対策している。洋上イージスとか、敵基地攻撃能力とか。……対策のしやすさばかりを考えていて、対策の実効性のことをまったく考えていない。だから、結果的にはそれらの対策は何の効果もないままだ。あげく、北朝鮮から新型ミサイルが到来する。

 こんなことでは大変だ。困った。どうする?

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 そこで、困ったときの Openブログ。問題を解決するため、まずは問題を解きほぐそう。

 この件を根源的に対策するには、交渉によって合意するしかない。交渉の合意点は、わかっている。
  ・ 軍事的には、北朝鮮は核開発とミサイル配備をやめる。
  ・ 経済的には、北朝鮮は経済制裁を解除される。(貿易再開)


 この合意点は、双方がともに受け入れることができることであり、何も問題はない。合意しようと思えば、今すぐにも合意できる。
 しかしながら、最終的な合意点はわかっていても、そこに到達できない。なぜなら、そこに至る途中経路がないからだ。

  ・ 米国は北朝鮮に「先に核とミサイルを廃棄せよ」と要求する。
  ・ 北朝鮮は米国に「先に貿易再開を実現せよ」と要求する。


 要するに、双方とも、「相手が先に譲歩しろ。そうしたら、自分もあとで譲歩する」と言い張る。これでは、双方の言い分が衝突するだけだ。
 米国としては、北朝鮮が裏切ると困るから、契約の実行を確保したい。(前に、先に果実を与えてから、後で契約の実行を期待したことがあったが、そのときは、食い逃げをされて、契約を反故にされた。北朝鮮に発電所をプレゼントしたのだが、北朝鮮はその後の契約を履行しなかった。今度はその手を食わないぞ、と決めている。)
 北朝鮮としては、先に核とミサイルを廃棄したら、切り札を失うことになる。それでは自殺行為だ。外堀を埋められた大阪城も同様で、一方的に負けるしかない。そんな自殺行為は取れない。
 結局、どちらも、譲るに譲れない。双方にとって、最終的な合意点はわかっていても、そこに到着できない。
 困った。どうする?

 ――

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 「軍事施設の一時的な閉鎖を条件として、経済制裁を一時的に解除する」


 この案のキモは、「永続的な最終決着」ではなく、「一時的な仮の決着を短期間だけやる」ということだ。期間としては、半年ぐらいの期間でいい。(もっと短くてもいい)。とにかく、あくまで、お試し期間として、短期間だけ行う。
 ただし、その「短期間」が何度も何度も更新されれば、半年、1年、2年、3年……というふうに長く続くことになる。そして、それが何年も何年も続けば、結果的には、「永続的な最終決着」がなされたのと同じことになる。

 比喩的に言えば、1カ月だけのつもりで男女が同棲して、そのままダラダラと何カ月も続いたあげく、最終的には 70年間も同棲し続けたなら、それは結婚したのも同様のことになる……というようなものだ。
 こういうふうにして、ハードルの高い契約を、仮契約の形で、実質的にはまんまと実行させるわけだ。

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 もう少し詳しく言おう。この仮契約は、次の2点を骨子とする。

 (1) 軍事施設の一時的な閉鎖

 北朝鮮は「軍事施設の一時的な閉鎖」を受け入れなくてはならない。施設の入口を封印され、内部への出入りを禁じられ、施設の全面停止を要求される。冷蔵庫などの電源ぐらいは入れておいてもいいが、基本的にはあらゆる電源を切る必要がある。人員も、最低限の保守要員ぐらいは残していいが、ほとんどの人員は退去させられる。
 こうして、核施設は稼働停止し、ミサイル施設も封鎖される。変に活動をしないように、国連監視員(つまりは米国人)の監視を受ける。
 仮にこっそり活動していたことがバレたら、「契約違反」を理由として、「経済制裁の解除」は取り消される。つまり、ふたたび「経済制裁」が発動されて、石油も食料も輸入できなくなる。

 (2) 「経済制裁を一時的に解除する」

 上の (1) を条件に、経済制裁を一時的に解除する。石油や食料を輸入できるようにする。北朝鮮の国民は、急に豊かな生活を享受できるようになり、幸福感でいっぱいになる。飢えをしのぐだけでなく、果物や肉を食べて、毎日がとても幸福だ。これほど幸福になったら、とてもこの幸福を手放せない。となると、「軍事施設の一時的な閉鎖」を続けるしかない。何カ月も、何年も、何十年も、ずっと一時的な閉鎖を続ける。その間に、軍事施設は錆びついて動かなくなりそうだが、そうなっても構わない。毎日の幸福な生活の方が大切だからだ。

 ――

 こうして、「一時的な契約が何度も更新される」という形で、最終的な合意が実施される。そのとき、北朝鮮の核もミサイルも廃棄されてはいないのだが、施設が閉鎖されていることで、実質的には廃棄されたも同然となる。
 名よりも実を取るわけだ。

 ――

 《 加筆 》

 実施に当たっては、「部分的な実施」から始めるといい。「最初は1割だけの実施」にして、軍事基地の閉鎖も、経済制裁の解除も、1割の規模で実施する。( 10分の1の施設を閉鎖し、 10分の1の額で貿易を認める。)
 その後、比率をだんだん上げていって、最終的には 10割の実施とする。

( ※ これは短期間だけだ。その短期間を次々と更新することで、永続化できる。)



 [ 付記 ]
 上記の提案を実施するには、実務上の困難が一つある。
 北朝鮮は何も物がないので、貿易をするための交換品目がないのだ。これでは、経済制裁を解除しても、すぐには貿易ができない。(乞食は手持ちの品物がないので、商売ができない。)
 となると、貿易をするには、北朝鮮に金を貸すしかない。その意味は、借款だ。ただし、借款を与えても、北朝鮮は契約を踏みにじるかもしれない。借金の踏み倒しだ。そうなったら、困る。どうしよう? 

 そこで、うまい方法がある。こうだ。
 「借款で金を貸すが、その代償として、北朝鮮の港湾の保有権をもらい受ける」
 これは、中国がアフリカでやっている方式に少し似ている。この方式を、北朝鮮に適用する。そして、その場所に、米国人の居留地を作る。そこは治外法権を認めることにする。(一時的な租界だ。)
 この居留地(租界)は、借款の担保だ。だから、北朝鮮が借款を全部返済した時点で、返還される。返済しなければ、返還されない。こうして、北朝鮮は領土を(一時的に)奪われることになるから、何としても領土を取り返そうとして、借款の金を返済しようとする。……こうして、(北朝鮮のお得意の)「踏み倒し」を避けることができる。

 なお、北朝鮮がこっそり核開発をするというような、条約破りみたいなことをやったら、経済制裁を再開するだけでなく、上の居留地(租界)に、米軍の軍隊や兵器を上陸させる。そこは米国の主権のあるところなのだから、軍隊や兵器を上陸させるのも自由だ。(在日米軍と同様である。)
 こうして北朝鮮に圧力を加えることができる。だから、北朝鮮がこっそり条約破りみたいなことをするのを、前もって阻止できる。

( ※ 「北朝鮮が租界を受け入れるわけがないだろ」と疑うかもしれないが、問題ない。受け入れないなら、それでもいい。借款を与えないだけだ。それだと、北朝鮮自身が困る。もしかして、中国が借款を与えるかもしれないが、それはそれでいい。いざとなったら、中国が北朝鮮を併合しそうだが、それでも問題ない。現状よりはマシだ。)
posted by 管理人 at 23:58 | Comment(1) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
北朝鮮問題のカギとなるのはやはり中国ではないでしょうか。北の核やミサイルは中国にとっても決して愉快ではないはずです。何とか中国と北朝鮮とが敵対するように仕向けることが重要と思います。そのためには韓国と中国が仲良くなってしまうことも視野の内であり、韓国はその方向で進んでいるようです。つまり北を飛び越えて韓中で共同戦線が組めるようになると問題は展開するでしょう。この方向が日本の国益になるかどうかが問題ですが、いくつかの気まずい要件を除けば東アジアの安定につながるのではないでしょうか。
Posted by よく見ています at 2022年02月01日 14:56
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