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デルタ株のころにも「コロナはただの風邪だ」という意見はあったが、反ワクチンの変人だけの意見だった。だが、最近ではオミクロン株が軽症なので、今度は普通の人にも賛同者が増えている。
たとえば、維新の松井・大阪市長がこう唱えている。
→ 維新・松井氏「コロナ5類指定協議を」 経済に軸を - 産経
維新だけでなく、他の人もだ。
→ 新型コロナの「5類引き下げ」を求める安倍晋三・松井一郎・吉村洋文・玉木雄一郎・小池百合子
→ 新型コロナをインフルエンザと同じ扱いに−分類引き下げの声高まる
→ コロナ5類に引き下げ、専門家でも分かれる意見 「隔離で抑え込みは不可能」「高価な薬の自己負担が課題」
仮にその通りにしたら、ワクチンの接種も自己負担になるし、重症化して ICU に送られても自己負担になり、国民や患者の負担額は莫大になる。そのせいで感染はさらに拡大して、日本全体の損失は途方もなく拡大する。いくらかの対策予算をケチるせいで、日本全体で莫大な損失が発生する。死者も何倍にもなるだろう。……いかにも、維新や右派の考えそうなことだ。
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だが、それだけではない。最近では専門家の医者までが、同様のことを言い出した。
「コロナの感染力が強いと見えるのは、世代交替の期間は早いからだ」
と述べる。(ここまでいい。)しかし、そのあとで、
「だからコロナ(オミクロン株)は実はたいしたことはない。今まで通りの対策でいい」
と唱える。
→ 今村顕史さんはTwitterを使っています / Twitter
しかし、「今まで通りの対策でいい」ということはない。今の対策はまったく不十分であるから、今よりももっと強い規制が必要だ、というのが私の立場だ。前項で述べたとおり。
→ コロナ対策の問題点(第6波): Open ブログ
特に、日本では、諸外国と違って、次のことがなされていない。
・ マスク義務化
・ PCR検査機の大量設置
・ 会食制限(2〜4人の会食:これは許容されている。)
その一方で、まったく無駄な制限はなされている。
・ 極度の入国制限
・ 飲食店で時間制限
・ 飲食店で酒の禁止
やるべきことはやらないで、やらなくていいことばかりをやっている。こういうザルな規制では、感染者は増えるばかりだ。その結果が、現在の感染急増だ。(前項)

出典:Worldometer
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話を戻す。そもそも、
「コロナ(オミクロン株)はただの風邪だ」
という認識が、根本的に間違っている。そのことをはっきりと認識するべきだ。
そのために、次の記事を紹介しておこう。
→ 無症状・軽症だった人も苦しむコロナ後遺症 早期治療が要の理由| 毎日新聞
→ 無症状でも3割に後遺症 長期化顕著、1年後も4%―コロナ感染:時事
→ 新型コロナ後遺症 4人に1人が半年後も何らかの症状(忽那賢志)
→ コロナ感染で人格が変わる? 脳研究でわかってきたこと | ナショナルジオグラフィック
→ 新型コロナで男性の性機能が低下、今わかっていること | ナショナルジオグラフィック
→ コロナ感染で男性器の「サイズが縮小」との報告が相次ぐ|ニューズウィーク
→ 反ワクチン派女性、故意にコロナ感染し死亡 チェコ:AFPBB
以上からわかるように、「コロナはただの風邪」ではないのだ。オミクロン株では、軽症になる人が多いとは言え、重症になる人もいるし、後遺症になる人もいるし、死ぬ人もいる。命が助かっても性機能が衰える人もいる。
きちんと問題の重要性を認識するべきだ。
【 追記 】
コロナはただの風邪に比べて、どのくらい危険か? インフルエンザの被害と、比較してみよう。(日本において)
2009年新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の死者数は 203人。
https://x.gd/l9k2C
コロナの死者数は、現在、18,478人。203人のおよそ百倍だ。
https://x.gd/EBa3r
百万人あたりの死者数は、日本では 147 だが、世界ではその 10〜20倍だ。
https://www.worldometers.info/coronavirus/
ゆえに、日本の死者数が世界並みなら、現在の 10〜20倍も死んでいたことになる。豚インフルエンザのときとの比較なら 1000〜2000倍だ。
というわけで。
死者数だけを見ても、コロナは普通の風邪に比べて、1000〜2000倍も危険だということになる。(外国並みの対策の場合。)
無対策ならば、1万倍ぐらいにはなっていただろう。
これだけの被害を見ても、まだ「コロナはただの風邪だ」と言い張る人はいる。そういう人が、故意に感染して死んでしまうという事例が、ときどきニュースになる。だが、馬鹿な人はニュースを見ないし、見ても信じないので、馬鹿な死者は絶えない。ワクチン接種すらしたがらない人もいる。自ら感染会をやるジョコビッチみたいな人もいる。
日本でも、頭のいいはずの慶応高校卒業生が、集団感染会に出席したばかりだ。
→ 慶大、1週間に約140人感染で過去最多 一貫校成人式イベントで感染
「頭がコロナ」の人は、引きも切らないわけだ。
そのあげく、「チ◯ポもコロナ」になるのだろう。
こんなのもいる。
→ 機内でマスク拒んで尻出した男 禁錮20年の可能性も:AFPBB News
コロナ3ヶ月周期説を確かめたいんだと思います。
所謂エラーカタストロフってやつです。
もし3ヶ月周期で収束するなら経済を止める必要はありませんし、重症化率が低いことから実験するならオミクロン株はもってこいだと思います。
もっと「全体」を見てコロナを論じてほしいなと思っています。
コロナ騒ぎでつくづく感じたことは、専門家や医師、マスコミもデータを読めない人が異常なほど多く、辟易しました。
永江一石氏や、宮沢孝幸先生のツイッターでも勉強させていただいてるのですが
https://twitter.com/Isseki3
https://twitter.com/takavet1?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
管理人様のような才気溢れる方の意見と、じっくり比較sいてみたいなと…少し想像してしまいました。
Posted by 名無し at 2022年01月23日 01:56
http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52381685.html
ここで名無しさんが紹介されている『toshi_tomieのブログ』の 、2020.1.19 付け記事中の最後のグラフは、新型コロナはこれまでの季節性インフルエンザと比べて死亡率に差がない、ということを示しているものと思われます(このグラフの信ぴょう性はわかりませんが)。
したがって、本稿の主張を補完したいのであれば季節性インフルエンザとの比較でないと、「コロナはただの風邪」派の人たちを納得させられないと思います。たぶん、そういう人たちの殆どは、文字どおり「新型コロナは風邪(感冒)みたいなものだ」といっているのではなく、「新型コロナは、もともと季節性インフルエンザと同等かそれ以下の毒性・感染性しかないが、オミクロン株になってその毒性も下がった。もう全く心配ない」といいたいのだと思いますので。
※私自身は「コロナはただの風邪」派ではありません。念のため。
→ https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/201007/516141.html
なお、他のインフルエンザと比較しても同様です。1000〜2000倍というのが、いくらかぶれることがあったとしても、数値が少し揺らぐぐらいの差でしかない。
なおマスク着用しなくても外出できるのはあと何年かかると思いますか?
そんな理屈は成立しないと思います。どうしてそういう発想をするのかが不思議。
> マスク着用しなくても外出できるのはあと何年かかる
それはまったくわかりません。コロナの変異は予想を超えているので、予想のしようがない。
⇒ いわゆる「新型インフルエンザ」の中では弱毒だったのだろうという意味です。それなら、日本だけではなく、世界全体の数字で新型コロナと豚インフルエンザを比較しないと、あまり意味がありませんよね。
> なお、他のインフルエンザと比較しても同様です。1000〜2000倍というのが、いくらかぶれることがあったとしても、数値が少し揺らぐぐらいの差でしかない。
⇒ 新型コロナの日本での死者数は、2年弱で1万8,500人弱、つまり、1年では1万人くらいですか。他の季節性インフルエンザがその1000〜2000ぶんの1だったら、日本での季節性インフルによる死者数は、せいぜい年間5〜10人ということになってしまいますよ。
それとも、1000〜2000倍というのは致死率の差なんですか? でも、日本での新型コロナの致死率は、今だいぶ下がったとはいえ、1000〜2000倍したら優に100%を超えてしまいます。今現在ではなく累計でしたら、感染者数約207万人に対して死者数1万8,500人弱ということは、致死率は0.9%ですから、これは(1000〜2000倍したら)当然100%を超えます。
「コロナはただの風邪派」の人たちがよくする、新型コロナとインフルエンザの比較についての主張は、
@ 季節性インフルエンザは、国内で毎年1,000万人以上がかかり、そのうち5千〜1万人が死んでいる(コメント者註:実際は3,000〜4,000人)。死者数数も致死率も、新型コロナと大差はない。
A さらに、超過死亡ぶんも入れると、季節性インフルの実際の死者数は年間数万人(例えば5万人)なので、季節性インフルのほうが社会に対して影響が大きい。
B 新型コロナは、実際にはそれが直接の死亡原因でなくても、死んだときにPCR陽性なら新型コロナによる死亡者として計上される。だから、実際の死者数はもっと少ない(新型コロナの致死率は見かけより高くない)。
C 季節性インフルは、タミフルなどの治療薬があって、このくらいの死者数と致死率。新型コロナは有効な治療薬がない状態で、同じような死者数と致死率。だから、季節性インフルのほうが重大な病気。
D 世界も日本も、そのような季節性インフルを(毎年)許容してきたのだから、新型コロナも許容すべき。新型コロナを過度に恐れるな。
といったところでしょうか(繰り返しますが、私自身はこの主張には与しません)。筆者(管理人さん)の反論は、こういった主張に対して有効な反論になっていないように、やはり思われます。
> それとも、1000〜2000倍というのは致死率の差なんですか? でも、日本での新型コロナの致死率は、今だいぶ下がったとはいえ、1000〜2000倍したら優に100%を超えてしまいます。今現在ではなく累計でしたら、感染者数約207万人に対して死者数1万8,500人弱ということは、致死率は0.9%ですから、これは(1000〜2000倍したら)当然100%を超えます。
という部分は、間違いです(割り算すべきものを掛け算してしまいました!)。しかし、やはり、季節性インフルの致死率が、新型コロナの1000〜2000ぶんの1というのは少なすぎるのでは? 季節性インフルの致死率は、毎年1000万人がかかって3000〜4000人が死亡するとして計算すると0.03〜0.04%なので、新型コロナの10〜20ぶんの1というところではないでしょうか。
コロナの(一般的な=世界的な)死亡率と、実際の日本の死亡率は、違います。日本では徹底的なコロナ対策がなされているので、死亡率が低いのです。
A × B = C
A はコロナという病気そのものの死亡率であって、世界各国のデータの総数(世界全体)から得られます。(死者数/人口)
B は各国別のコロナ対策の係数であって、完全抑止ならば 0 ですが、無為無策の国では、標準値である 1 の何倍にもなります。日本ではこの値が「10〜20」分の1です。 0.05〜0.1
C は、その国の死亡率です。(死者数/人口)…… かわっこだっこさんが見ているのは、この数値です。そして、この数値を A であると誤認しています。
要するに、日本で死者数が低めなのは、日本ではコロナ対策がしっかりしているからであって、コロナという病気が日本だけで弱体化しているからではありません。
⇒ と言われましても、あまりにも論理の展開が特異なので……。
仰りたい内容(理屈)はわかりましたが、その中身がどうもしっくりきません。私が今言えることは、
(1)新型コロナとインフルエンザの危険性を比較しようとするならば、下の@かAのどちらかのやり方だと思います。
@ 世界なら世界どうしのデータで、新型コロナとインフルエンザの死亡率を比較する。または、新型コロナとインフルエンザの致死率を比較する。
A あるひとつの国(例えば日本)なら日本どうしのデータで、新型コロナとインフルエンザの死亡率を比較する。または、新型コロナとインフルエンザの致死率を比較する。
(2)これに対して、筆者(管理人さん)が仰っているのは、こうです。
日本での新型コロナの実際の死者数は累計2万人だが、世界では無為無策の国もあるので、ざっくり日本の10〜20倍は死んでいる。だから、日本でも最悪20万〜40万人は死んでいた可能性がある。
また、日本での季節性インフルエンザの実際の死亡率は年間3,000〜4,000人だが、2009年の豚インフルエンザの流行時は、タミフルなどの薬がうまく奏功して死者数を203人に抑えることができた。だから、日本でのインフルエンザの死者数は、うまくやれば1流行あたり200人くらいに抑えられる可能性がある。
よって、日本を例にとって、新型コロナとインフルエンザの死者数の比を求めると、
20万〜40万 ÷ 200 = 1,000〜2,000
つまり、 新型コロナは、インフルエンザの1,000〜2,000倍は危険である。Q.E.D!
上のように、可能性に可能性を乗じた比較をすることに意味があるのでしょうか?
それと、計算にあたって、「死亡者が発生した期間」の概念が抜け落ちています。新型コロナのほうは流行後2年弱の死者数を、豚インフルエンザのほうは1流行あたり(2009年8月〜2010年1月)の死者数を、それぞれ用いて計算がされています。これに対して、上の私のコメントでは、そのへんも加味して(1年あたりの死者数を)比較しています。
(3)今回のパンデミックが起こって2年も経つのですから、死亡率と致死率の用語(及び概念)を区別して使っていただきたいと思います。「誤解(誤読)するな」と言われましても、このへんの混同があると、それが起こる原因になります。なお、
死亡率=(一定期間における死亡者数)/(総人口)
致死率=(一定期間における死亡者数)/(一定期間における患者数)
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/eiken/hokenjoho/wadai/deathrate.html
です。私の解釈ですが、感染症の場合、「死亡率」の値には主に感染性と毒性の2つの要因が、「致死率」の値には主に毒性の要因が影響すると思います(もちろん、筆者がいわれるように感染予防対策や医療提供体制も影響しますが)。よって、2つの感染症の「危険性」を比較するならば、死亡率の比を求めるのが良いでしょう。ただし、同じ国内に限定して、十分に長い、ある同じ期間どうしであれば、致死率の比を求めてもそう違いはないかもしれません。上の私のコメントでは、そのへんも考慮して大まかに比較しています。
(2)の期間は、もともとおおざっぱな計算(概算)なので、細かく気にする必要もなさそうですが。
ただし、2009年にはマスク推奨がなく、今回のコロナではマスク推奨があるので、今回の方がはるかに厳しく対策をしています。対策の係数の影響は大きく出ています。この要素を考慮することが必要です。
したがって、
> 下の@かAのどちらかのやり方だと思います。
は、いずれも不適切だと思えます。上記の要素を無視しているからです。(係数の影響を考慮していない。)
例えば、2020〜2021年シーズンの国内のインフルエンザの死者数は954人(前のシーズンの3,575人から大幅に減少)だそうです。
https://humannet.or.jp/2021/06/18/%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%92%EF%BC%90%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E5%82%99%E5%BF%98/
仮に今シーズンも同じような死者数だとすると、この2シーズン(2年間)の死者数は約1,900人になる見込みでしょう。対して、同期間での新型コロナの死者数は1万9,000人弱(今年春頃までこの調子だとして)なので、その比は約10倍(人口はほぼ一定として、死者数の比≒死亡率の比)。したがって、(日本でのマスク効果などの係数を入れると)新型コロナはインフルエンザの10倍は危険だ、とはいえると思います。また、新型コロナによる高齢者の受診控えや医療逼迫がなければ、ひょっとするとインフルの死者数はさらにこの半分くらいになったかもしれないと考えると、危険性の比は20倍くらいに開くかもしれません。
私自身は、筆者がいわれるとおりにいろんな後遺障害のこともあるので、これよりはるかに危険だと考えています。しかし、「コロナはただの風邪」派の人たちは、「インフルエンザの死者数が減ったのはマスクなどの感染予防対策によるものではない。これはウイルス干渉によるものだ。新型コロナウイルスが蔓延したことで、本来は超過死亡も入れると年間数万人は出るはずのインフルの死者数がこれだけ減ったのだから、むしろ社会にとって新型コロナの流行はいいことだった」などと言い出しそうなので、厄介なんですよね〜。