トンガ 「給水は復旧したので、水は足りています」
――
(1) 自衛隊
自衛隊 「トンガに必要な水を輸送します」
トンガに飲料水などの支援物資を迅速に届けるため、防衛省は航空自衛隊の輸送機2機を追加派遣することを決めました。
トンガを支援するため、およそ5000リットルの飲料水を載せた航空自衛隊のC130輸送機2機が20日、愛知県の小牧基地を出発しました。
このうち1機は21日午後、オーストラリア東部の活動拠点に到着し22日にもトンガに入って飲料水を届ける予定です。
C2輸送機2機を追加で派遣することを決めました。
1機は早ければ22日、もう1機は23日にも出発し、それぞれ飲料水や火山灰を取り除くための高圧洗浄機などを輸送するということです。
( → 大規模噴火のトンガ支援 自衛隊輸送機2機追加派遣決定 防衛省 | NHKニュース )
(2) トンガ
トンガ 「給水は復旧したので、水は足りています」
現地に支所がある国際協力機構(JICA)は、日本に住むトンガ人留学生の依頼で、トンガにいる家族の安否確認を進めている。
支所からは首都の水道事情について、「復旧し、給水の不安はなくなった」との報告があった。
( → 火山から250キロ「家の横で爆発かと」 トンガ、届き始めた声:朝日新聞 )
――
現地で必要なものが何かも理解できずに、勝手に輸送する。
兵站がまともにできないのは、日本軍の伝統だ。だから先の世界大戦でも負けた。
[ 付記 ]
運んだ水は 5000リットル。たったの5立方メートルだ。
「これでは(燃料タンクの)燃料よりも少ないのでは?」
と思って調べたら、その通りだった。燃料タンクは
燃料容量 36,416L(機内+主翼下増槽)
( → C-130 - 航空軍事用語辞典++ )
とのことだ。機内分だけでも、 25,000L はありそうだ。運んだ水の量の5倍はある。
トンガには水を運んだということだが、どちらかと言えば、水よりも自分自身を運ぶだけで、水の量は「焼け石に水」程度だったということになる。
ちなみに、オーストラリアの艦船が運ぶ水の量は、こうだ。
21日、支援物資を積んだニュージーランド(NZ)の軍艦1隻が到着した。
NZ高等弁務官事務所が明らかにした。軍艦はトンガの首都ヌクアロファに到着。水 25万リットルのほか、1日7万リットルの海水を淡水化できる装置を積載している。
( → NZ軍艦、トンガに到着 水など支援 | Reuters )
今さら自衛隊が 0.5万リットルの水を運んでも、スズメの涙のようなものだ。
世界各国の物笑いの種にされることを憂う。
近隣のオーストラリアやニュージーランドは少なくとも行っています。
今回はトンガに接続する海底ケーブルが切断され、管理人さんの引用によると、まともに現地に情報が伝わったのがここ1日、2日の話でわけで、ほぼ一週間にわたり音信不通に近い状態だったわけです。
この状況での飲料水の輸送が批判されるのであれば、管理人さんの主張通り正確な情報をもって輸送をしていては、今日時点からさらに数日は少なくとも輸送が遅れるわけです。
これでは助かるものも助かりませんよ。
管理人さんは兵站の運用を誤解しています。
それに、トンガは水道普及率が高いわけではなく、雨水タンクが現在でも主要な役割を担っています。雨水タンクの被災状況も不明であるわけで、清潔な水が不要になったというわけではありません。
オーストラリアのは、近くから船で大量に送るのであって、遠距離から少量を高コストで送る日本とは話が違う。
(2) 正確な情報こそが最優先なのであって、だからこそ「すぐに飛行艇で衛星電話を送れ」と言ったんです。そうしていれば、21日以前の無駄もなしで済んだ。
> 管理人さんの主張通り
私の主張は「水を送るな」ではありません。「必要なものを送れ。そのためには、まずは(何が必要かの)情報収集だ。だから即時、飛行艇を送るべきだった」です。
それを「水を送るな」と解釈するのは、歪んだ解釈です。
> 雨水タンクが現在でも主要な役割を担っています
ならば、重たい水をいっぱい送るより、軽量の浄水器を少し送る方が、ずっと効果的だ。
⇒ 冒頭で紹介されているNHK(NEWS WEB)の記事(1月22日7時21分)では5000リットルなんですが、下の同じNHKの記事(1月22日15時47分)だと2600リットルなんですよね。でも、この記事をよく読むと、
「防衛省によりますと、22日午後、トンガの空港に到着したのは、20日愛知県の小牧基地を出発した航空自衛隊のC130輸送機1機で、飲料水およそ2600リットルを届けたということです。」
となっているので、どうも、「まず2機で、日本からオーストラリア東部の活動拠点まで5000リットルの飲料水を運んだ。そのうち1機が、2600リットルぶんをトンガに届けた」ということなんでしょうね。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220122/k10013444581000.html
でも不思議なのは、Wikiの記載を読むと、C-130Hのペイロードは19.4トン弱なんですよね。もちろん、1機につき隊員10〜20名?と、他の装備や機材も積んでいたのかもしれませんが、なんで2機で5トン(5000リットル)だけなんでしょう。水なら水で、1機で15トン、2機なら30トンくらいは運べたと思うのですがね。
目的が「トンガ救援」であれば、そんなナンセンスなことはしないはずだが、目的が「とにかく飛行機を派遣したという実績づくり」であれば、どんなに無意味なことであっても、飛行機が到着すれば、それで良し、となる。
日本流の形式主義。
オーストラリアかニュージーランドで物資調達したほうが良かったですね。
いろいろな思惑(制約)の中で、現場は動く。
今あーだこーだ言っても、事態に影響は無いんで、無意味かと。
http://openblog.seesaa.net/article/485231572.html
本項はその続報です。
> 現場は動く
現場の批判はしていません。トップ(防衛省中枢の作戦本部)の愚かさを批判している。こんな愚策ばかりしているのでは、戦争になれば負けるのは必然だ、ということ。