2022年01月11日

◆ 冬場の炭素規制が必要

 季節要因によって炭酸ガスの排出量が増えることがある。特に冬場はそうだ。この点を考慮して、規制を是正する必要がある。

 ――
 
 現状の炭素規制では、季節要因が考慮されていない。そのせいで規制がザルになっている。いい加減になっている。そこで、この点を是正するべきだ。
  ・ 暖房
  ・ 自動車の熱損失

 この両者について、順に論じよう。

 暖房


 暖房の炭酸ガス排出量はきわめて多いのに、この点がほとんど無視されている。政府や環境保護団体は、自動車のことばかりを見て、暖房のことをろくに考えていない。
 しかし暖房では、多大な炭酸ガスの排出がなされている。ここで炭酸ガス排出を抑制すれば、きわめて大きな効果が出るのだから、抑制に努めるべきだ。
 特に、「高気密・高断熱住宅」は、効果が大きいので、この点で削減する方針を大きく打ち出すべきだ。
 政府や東京都は、(住宅の)太陽光パネルの設置のために莫大な補助金を出したり、FIT によって実質的な補助金を出したりしているが、太陽光パネルなんかに何十万円も補助金を出すくらいなら、「高気密・高断熱住宅」のために補助金を出す方がよほどマシだろう。
 ついでに言えば、「太陽熱温水器」も効果的だ。

 自動車の熱損失


 自動車(エンジン車)の炭酸ガス排出についても、冬場の規制が大切だ。
 というのは、自動車(エンジン車)には、「冬場には燃費が悪化する」という問題があるからだ。なぜなら、冷気によってエンジンが過剰に冷えてしまうので、熱損失が起こるからだ。前に詳しく述べたとおり。
  → 車の燃費は冬に悪化: Open ブログ

 ただし、それに対する対策はある。こうだ。
 「エンジンの前のグリルをふさぐことで、ラジエーターを冷やす空気を止める」
 たったこれだけのことで、「冬場には燃費が悪化する」という問題が大幅に減じる。

 だから、次のいずれかが必要だ。
  ・ 手動で(自分の手で)グリルをふさぐ
  ・ 自動的に(機械が)グリルをふさぐ

 後者の機構は「グリルシャッター」と呼ばれる。(上記リンクに画像あり。)
 プリウスにはこの機構が備わっているので、プリウスは冬場の燃費悪化が少ない。

 「だったら他の車種もグリルシャッターを付ければいい」と思うだろう。だが、現実には、他の車種はそうしない。つまり、まともな措置を取らない。そのせいで、たいていの車(プリウス以外)は、冬場の燃費が大幅に悪化するという状況になっている。

 ――

 ではどうして、他の車種はグリルシャッターを付けないのか? 炭酸ガス削減のためには大きな効果があるとわかっているのに、どうして正しい措置を取らないのか?
 それは、政府の規制がそうなっているからだ。つまり、こうだ。
 「燃費の試験をするときには、気温が 20℃ ぐらいの条件で試験することにして、気温が 0℃ぐらいの冬の条件では試験しない」
 つまり、「冬には気温が低下する」という現実からは懸け離れた、特別な状態でのみ燃費の試験をしているからだ。そのせいで、「冬には燃費が悪化する」という問題が無視されてしまうのだ。

 かくて、政府の試験(および規制)が間違っているせいで、グリルシャッターが搭載されず、そのせいで(冬場には)莫大な炭酸ガスが無駄に排出される……という問題が生じているわけだ。

 この問題を是正するべきだろう。すなわち、「 20℃だけでなく 0℃ の気温でも、燃費を測定する」というふうに、試験方法を改めるべきだろう。そのことを提案しておこう。
 そして、このことが実現したら、地球全体の炭酸ガスの排出は大幅に削減されることになる。



 [ 付記1 ]
 冬場の試験をするときには、「気温を 0℃ に設定する」だけでなく、「暖房をつけている」という条件を設定するべきだろう。
 特に、EV モードの航続距離は、「気温 0℃ で暖房を付けている」という条件で、航続距離を測定するべきだろう。これには、次の二通りが考えられる。
  ・ 電気式のエアコン暖房の使用時
  ・ エンジン廃熱利用暖房の使用時

 前者は、「気温 0℃ で暖房を付けている」という条件では、EV モードの航続距離が激減するはずなので、その激減した航続距離を計測するべきだ。
 ただし、後者のモードがあれば、電気式のエアコン暖房をつけずにすむので、その場合には、前者の試験を省略してもいいだろう。(後者があれば、前者は現実的には使わないからだ。)

 [ 付記2 ]
 「暖房をつけている」という条件では、室温設定も重要となる。室温設定は、次の二通りが妥当だろう。
  ・ シートヒーター「あり」ならば、室温 15℃
  ・ シートヒーター「なし」ならば、室温 20℃

 このことで、結果的には、シートヒーターの装着が進む。それによって炭酸ガスの排出量の減少が見込める。
 ちなみに、テスラ車は、シートヒーターがオプションであるそうだ。車両購入後に「オプションのシートヒーターを購入します」というのをクリックすると、もともと備わっているシートヒーターが使えるようになるそうだ。(それまでは使えない。)


 詳細は
  → テスラのシートヒーターは内蔵されていてもオプション! | ダイヤモンド・オンライン
 
 このような車種は、炭酸ガスの排出量が多いので、それなりに不利な扱いをするべきだろう。
 逆に、テスラ以外のたいていの高級 EV は、シートヒーターが全席完備なので、これらの車には、それなりに有利な扱いをするべきだろう。

 ※ その扱いの差が、前出のことだ。つまり、「シートヒーターの有無で、室温の気温設定を 15℃ / 20℃ にする、ということ。シートヒーターがあると、室温設定を低くできるので、その分、省燃費になり、優遇される。

 ※ なお、冬場の暖房利用だけでなく、夏場の冷房利用についても、季節別の燃費測定をするといいだろう。すると、断熱性の高い車は冷房用の燃料使用が少ないので、その分、有利な扱いとなる。(エンジン車でも、EV でも。)

 ※ 上に述べた話は、PHV だけでなく、EV やエンジン車にも適用されることだ。



 【 関連項目 】
 「自動車は冬場に燃費が悪化するので、燃費の試験方法を是正せよ」
 というのが、後半の趣旨だが、このことは、前にも同趣旨の話を述べたことがある。
  → 車の燃費測定と気温: Open ブログ

 本項をほぼ書き終えたあとで、関連情報を求めてググったら、本サイト内の項目(上記)が上位に出てきたので、見つかった。
 ちっ。前に書いたのを忘れていた。グリルシャッターのことは覚えていたんだけどね。

 ただ、そこでは、[ 付記1 ] 以後の話は記していないので、本項にはそれなりの独自情報がある。

posted by 管理人 at 23:23 | Comment(9) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
断熱リフォームの補助金制度はあるみたいですよ
Posted by 通りすがり at 2022年01月14日 15:42
建築物に関しては、少なくとも新築に関しては、
国もかなりがんばっていると思います。かなり「大きく打ち出して」います。
暖房もそうですが、夏場の冷房に消費されるエネルギーも莫大なものです。総合的に対策しようとしています。
通称「建築物省エネ法」が作られて以降、もう毎年のように基準や何やら強化されています。
関連業種向けの喚起が主なので、世間一般にはそこまで広く認知されていないかと思いますが。
Posted by けろ at 2022年01月15日 09:05
 制度的にはかなり拡充されていますが、現実の普及率は低いので、「促進制度」ではなく、「義務化」の必要がありそうです。

 新築住宅については、二重窓か、断熱雨戸か、どちらかの設置を義務づけるとよさそうです。

 仮に義務化されていれば、断熱雨戸の普及率がずっと高まりそうだが、現実にはかなり低い。
Posted by 管理人 at 2022年01月15日 10:39
管理人様のご提案事項は何年も前から進行中です。
○○を使えという仕様規定ではなくて性能基準での義務化が進んでいきます。大規模建築から中小規模へ、住宅へと、努力義務から達成義務へと、法的基準よりも高性能なものには補助金や認証制度、トップランナー基準化など、順次進んでいる途上にあります。壁屋根窓を含めた単位面積あたりの熱性能で規定しているので、断熱雨戸だろうが何だろうが、確実に性能は向上していきます。新築については。
今後は膨大にあるストックをどうしていくかの施策に移っていくことと思います。
Posted by けろ at 2022年01月15日 22:11
 確かに制度上の促進策はいろいろとあるようですが、それは「当然の促進策」であり、あくまで普通の促進策です。

> 太陽光パネルなんかに何十万円も補助金を出すくらいなら、「高気密・高断熱住宅」のために補助金を出す方がよほどマシだろう。

 太陽光発電の方はそうではなく、異常なほどの促進策が採られています。メガソーラーに対する補助金はほとんどないも同然なので、補助金は個人住宅向けに集中しています。その額は、平均で、各家庭に月 1000円です。こんなに莫大な額を徴収して、太陽光発電の促進策に投入しているのです。明らかに異常でしょう。
 両者に対する配分の比率は大きく偏っており、この偏りを是正するべきだ、と指摘しています。

 p.s.
 その一方で、住宅ローン減税では巨額の補助金を投入しています。つまり、高断熱でない、エネルギー浪費型の住宅にも、多額の補助金を出している。無駄の極み。
Posted by 管理人 at 2022年01月16日 08:17
ええと、「促進策」じゃなくて「法的義務」の話で。
「一定の高気密高断熱性能が無いと建てちゃダメ」という法律に変わっているのです。その対象がどんどん拡大されているし、基準もどんどん厳しくなっている、っていうお話なのです。
なんか勘違いされているようなので、念のため。
Posted by けろ at 2022年01月16日 23:54
 そうでしたか。ご指摘ありがとうございます。
Posted by 管理人 at 2022年01月16日 23:56
 そこで調べてみたら。

> 重要なのは、日本は努力義務ですが、欧米ではこの数値性能を守ることが義務化されているということです。つまり、UA値が0.4前後の住宅に住むことが最低限の生活するために必要であると考え、それが法的に担保されているわけです。
 https://www.sumai1.com/useful/plus/buyers/plus_0172.html

 あれれ……? 
Posted by 管理人 at 2022年01月16日 23:59
何回もお付き合いありがとうございます。
管理人様はほんとに面倒見の良い方だと思います。

大規模建築から始めて、中規模、小規模、と徐々に義務化されており、住宅もその先に入っています。だから「対象がどんどん拡大」と書きました。
ご紹介のサイトは鳥取県の住宅についての説明で、しかもかなり端折ってあります。
ヨーロッパのほうが進んでいるのは確かで(高緯度の寒い地域が多いですから)、日本国政府の施策にはいくらでもケチの付け所はあるのですが「全くやってない」というわけじゃないです。
UA=0.87(6地域)なんて、たしかにクソな基準なんですよ? でも無断熱が当たり前だった文化的歴史的経緯からすると、それでも凄いことと言えなくもないんです。ここ20年で思想が激変してます。
エネルギー使用量の大きな大規模建築から始めて300m2まできて、今は住宅が最後に残されている状態です。
あと、UAが適切な指標かというと必ずしもそういうわけでもなくて、まあ、いろいろ議論はあるわけです。
ただ国も国交省・経産省・環境省がタッグを組んで(相当綱引きもあるようですが)時間はかかってますがかなり本気で取り組んでいるように思います。他のいろいろに比べると、これでもかなり進みは早いほうです。そこは汲んであげてもいいんじゃないでしょうか。
「二重窓つけろ」「断熱雨戸つけろ」そんな単純な仕様規定じゃ済まない課題だということは何となくご理解いただけるといいなと思いますが。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_tk4_000103.html
Posted by けろ at 2022年01月17日 20:12
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ