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トヨタが EV 推進
トヨタが EV 推進の方針を大々的に示した。
豊田社長がバッテリーEV戦略を発表https://t.co/bl1HKBwTNW#豊田章男が16車種を一気見せ#発表は5台かと思いきや#後ろからもう11台#バッテリーEVでもフルラインナップ #2030年までに30車種#ほとんどがここ数年で出てくる #グローバルで350万台販売へ
— トヨタ自動車株式会社 (@TOYOTA_PR) December 14, 2021
撮影:三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY pic.twitter.com/OOJAotUgQ2
→ バッテリーEV戦略に関する説明会 | | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
→ トヨタが新型EVを15車種世界初披露「2030年までに30車種出す」 - 「ベストカー」
→ トヨタ EV世界販売“2030年に350万台”大幅な戦略強化打ち出し | NHK
→ トヨタEV発表会の演出に驚きの声 後ろからゾロゾロ登場に「本気だ!」
各界でも大きく話題を呼んでいるようだ。
→ [社説]トヨタのEV巻き返しに期待する: 日本経済新聞
→ トヨタ自動車、ラスボス感を漂わせて純EV車に本気かつ怒涛の殴り込み : 市況かぶ全力2階建
前に日産自動車も同じような発表会を開いたのだが、そのときは、たいていの人が無視していた。私だけは言及したが。
→ イカレた日産自動車(EV): Open ブログ
急激な方針転換
世間では「すごい。さすがはトヨタだ」というふうに驚きの高評価を与えている。だが、私はそうは考えない。
そもそも、ほんの2カ月前には、トヨタは「水素エンジン車に傾注して、EV を否定する」という方針を取っていた。
→ トヨタの時代逆行 2: Open ブログ(10月15日)
この項目では、私はトヨタの方針をさんざんあげつらった。
ところが、それからちょうど2カ月後に、トヨタは正反対の方針を打ち出したのである。唖然とするしかない。2カ月前のあの大言壮語は、いったい何だったんだ、と疑うね。
トヨタの社長は、二重人格者か? ジキルとハイドか? あるいは、自己矛盾に満ちた狂人か? ……いや、むしろ「君子豹変す」であろう。あのときはさんざん水素エンジン車を持ち上げたが、それは愚かだと指摘されて、一挙に方針を転じたのだろう。
それにしても、たったの2カ月間で、これだけの車種のボディを作り上げるというのはすごい。どう考えても製作には1カ月以上はかかるから、方針転換をしたのは、2カ月前に大言壮語した直後であったと推察される。
ありえそうなシナリオは、こうだ。
・ トヨタの社長がお大言壮語して、社長室でふんぞりかえった。
・ Openブログを読んだトヨタ社員が、重役に注進した。
・ 重役が Openブログを読んで「ごもっとも」と思って、社長に告げた。
・ 社長が Openブログを読んで、「方向転換する」と決めた。
てな感じだが、さてはて。実際はどうだったことやら。……
成功の見通し
では、これでトヨタは EV 推進に成功するか? 世間は「成功する」と踏んでいるようだが、私は「駄目だろう」と推測する。
先に日産自動車の項目で述べたが、空気抵抗の技術が劣っているからだ。
トヨタの EV は、コンセプトカーという冗談車ではなく、これから社運を賭けようとする市販車だ。それで、ものの見事に滑っているのだ。「空気抵抗のことをろくに考えていない失敗車」として。
EV の高速燃費にとっては空気抵抗を減らすことが至上命題だ、という基本のキをも理解できていないのだ。呆れるばかりだ。
この点では、日産の方がはるかにまともだと言える。
日産は、コンセプトカーという冗談車では(イカしたつもりで)イカレているが、市販車ではイカレていない。
トヨタは、市販車でイカレている。
どっちがひどいかについては、言わないでおこう。
( → イカレた日産自動車(EV): Open ブログ )
トヨタの bZ4X という SUV の 空気抵抗係数 Cd の値は、0.33 以上はありそうだ。日産アリアの Cd は 0.297 (目標値)だから、それよりずっと劣ることになる。
ちなみに、ベンツの EQA の Cd は 0.28 だ。
フォルクスワーゲンの ID.4 の Cd も 0.28 だ。
ざっと見たところ、アリアの方が空力がよさそうななめらかなデザインだが、アリアの方が数値は劣っている。なぜか? 私が想像する理由は、こうだ。
「 EQA と ID.4 には、リアのサイドスポイラーがあるが、アリアにはない。上面のスポイラーがあるだけで、サイド側にはスポイラーがない。その分、Cd が劣る」
ちなみに、トヨタの bZ4X は、リアスポイラーも半分しかないので、もっとひどい。
→ 【画像ギャラリー】bZ4Xとソルテラはどんなクルマで何が違うのか? ? 画像4
さて。空気抵抗の技術がろくにないということは、EV の技術全般が劣っているということを意味するはずだ。「空気抵抗の技術もないのだから、他の EV 技術は推して知るべし」というわけだ。
そもそも、1年前 の 10月 には「レクサス UX300e」という、低レベルの EV を出したばかりである。
→ LEXUS、初のEV市販モデル「UX300e」を発売
こんなに低レベルの会社が、たったの1年2カ月で、急激にまともな EV を出せるようになるはずがない。口先でいくら大ボラを吹いても、現実の手足はそれに追いつかないはずだ。
フォルクスワーゲン
トヨタがもたついている間に、世界はずっと先に進んでいる。
たとえば、ベンツは、すでに EQA 、 EQC 、 EQS 、EQE という4種もの EV を出した。この1年間に立て続けに、という感じだ。いずれも最先端技術である。
メルセデスAMG初のEVは『EQS』ベース、761馬力に強化…受注を欧州で開始https://t.co/d2RKx1oHKr#新型車 #メルセデスAMG #メルセデスベンツ #EQS pic.twitter.com/Hc5yBPMIAO
— レスポンス (@responsejp) December 15, 2021
フォルクスワーゲンは、もっとすごい。昨年に ID.3 という EV を出して、いっぱい売ったと思ったら、昨年9月には ID.4 という EV を出して、今年の4月にカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
→ VWの新型EV『ID.4』、2021ワールドカーオブザイヤー受賞 (Response.jp)
この車は滅茶苦茶にすごい。日産アリアと比べ、サイズや性能はほぼ同じだが、価格が圧倒的に安い。アリアは 10%の税込みで 539万円なので、税抜きで 490万円だ。ID.4 は 19%の税込みで 3万8450ユーロなので、税抜きで日本円換算にすると 414万円だ。別に廉価グレードというわけではなく、豪華仕様の単一グレードであるのは、アリアと同様だ。要するに、単純に、アリアよりも 76万円も安い。しかも電池容量はアリアよりもいくらか多いので、その分も込みにすると、85〜90万円ぐらい安いことになる。びっくり。
この価格差が付いた理由には、生産規模もあるようだ。ID.4 は今年に入ってすでに 7万台以上を売っている。一方、アリアは来年からの販売だが、最大でも年産3万台にしかならないようだ。ID.4 の方が圧倒的に販売台数が大きい。となると、さすがのアリアも勝てないようだ。
ただ、アリアはクーペデザインだ。その分、カッコいい。フォルクスワーゲンの同等の車は、ID.5 という。こちらは 4万6515ユーロ という価格なので、かなり高い。アリアと同程度の価格になる。ただしモーター出力はアリアよりも上なので、総合的にはアリアよりもいくらかお買い得であるようだ。
VWの電動SUVクーペ『ID.5』、航続は520km…予約受注を欧州で開始https://t.co/mBXZdtKaIQ#新型車 #VW #フォルクスワーゲン #電気自動車 pic.twitter.com/k2Yw8bWZSb
— レスポンス (@responsejp) November 24, 2021
で、トヨタはどうかというと、ベンツ、ID.5、日産アリアに比べて、はるか後塵を拝しているというしかない。
こんな会社の大々的な EV 発表会を見て、感嘆しているような人は、おめでたいというしかない。井の中の蛙、大海を知らず。
[ 付記 ]
今回のトヨタの発表会では、「水素エンジン車をどうするか?」「燃料電池車をどうするか?」という質問は発されなかったようだ。
私が想像するなら、「特に何も語らなかったということが、方針を示す」となる。つまり、「水素エンジン車と燃料電池車は、もう見限った」ということだ。
トヨタ自動車は14日、2030年までに電気自動車(EV)の世界販売台数を350万台とする目標を掲げた。従来はEVと燃料電池車(FCV)を合わせて計200万台としていた。同年までにEV30車種を投入する計画で、25年までに15車種を投入するとしていた従来の計画から倍増させる
( → 2030年までに電気自動車(EV)の世界販売台数を350万台とする目標を掲げた。従来はEVと燃 )
目標からはFCVの文字が消えたわけだ。FCVは、完全撤退するとまでは言わないが、細々と研究開発を続けるだけで、量産はしないことになるのだろう。ま、それが妥当だろう。
意地悪な記者がいたら、トヨタのこれまでの方針と対比して、しつこくイヤミを言っただろうが、そんなイヤミを言うような記者はいなかったようだ。

どこかで方針転換したのでしょうが、2か月前というのはさすがに無理があるように思います。
強調表現に過ぎないと思いますが、設計から金型の制作、たとえ簡易版のアルミ製であっても難しそうです。
ちなみにトヨタは自動車の空力研究のトップランナーと思います。
レクサスLCでは走行時の空力安定性まで踏み込んでいますし。
https://response.jp/article/2020/10/28/339807.html
発売までにしっかり仕込んでくることを期待したいです。
1台だけの手作りの車は、金型を使わないんです。手作業で作ります。
設計は、新たに設計したものではなく、常に設計の在庫が溜まっているので、それを流用したのでしょう。
管理人様は日本の、いや世界の自動車産業の救世主なんだと思います。
素晴らしい論考ですね
→ http://openblog.seesaa.net/article/484602271.html
ベストカーという雑誌で、GTR の開発者である水野という人が、トヨタの空力の問題点を指摘しています。
ノウハウがないんじゃなくて、欧州車よりもいくらか劣っている、ということ。Cd を見れば数字で明らかだが、駄目な理由を解説しています。
> 素晴らしい論考ですね
私の意見じゃなくて、水野という人の意見です。私はただの受け売りであって、私の独自意見ではありません。賛辞を示したければ、水野さんに賛辞を贈りましょう。
Posted by 管理人 at 2021年12月16日 21:59
> (トヨタは)ノウハウがないんじゃなくて、欧州車よりもいくらか劣っている、ということ。
> 私の意見じゃなくて、水野という人の意見です。
⇒ ベストカーの記事(元日産の技術者で自動車ジャーナリストの水野さんの意見)を直接確認してはいないのですが、本稿で再度提示された前稿の記述、
> (トヨタは)空気抵抗を減らすことが至上命題だ、という基本のキをも理解できていないのだ。呆れるばかりだ。
> トヨタは、市販車でイカレている。
というところなどは、水野さんはそこまでは言っていないと思われるので、筆者のご意見ではないでしょうか。すなわち、前のコメントで田中さんが指摘されたとおりに、筆者は、「トヨタは空力のノウハウがない」と同じことか、「トヨタは空力の意識そのものがない」ともっと踏み込んだことを述べられていると思います。
※ 私は、筆者の論考やコメントの中身を批判しているのではありません。実際ズバズバ書かれているのですから、コメントで「ズバズバ書かれていますね」と指摘されて、「いやそこまでは書いてませんよ」と返すのは解せない、というだけです。
> 「いやそこまでは書いてませんよ」
そうは言っていません。
いくらか劣っている、というのが、水野という人の意見です。
それを過激な悪口に言い換えているのが、私の言葉です。
過激な部分は、私に全責任があります。ただし話の内容は、ただの受け売りですので、「俺様の独自意見だ」などと威張るつもりはありません。それじゃ、意見泥棒だ。
> ……いや、むしろ「君子豹変す」であろう。
⇒ 君子かどうかはともかく、まさにそのとおりだと思います。
> トヨタの社長が大言壮語して、社長室でふんぞりかえった。
⇒ 何度か入ったこともある私が言いますが、今回に限らず常にそうでしょう。
> Openブログを読んだトヨタ社員が、重役に注進した。
⇒ 読んでいても注進しません。
> 重役が Openブログを読んで「ごもっとも」と思って、社長に告げた。
⇒ そんな気の利いた役員はいません。
> 社長が Openブログを読んで、「方向転換する」と決めた。
⇒ そんな高尚な情報収集スキルはありません。
> 世間では「すごい。さすがはトヨタだ」というふうに驚きの高評価を与えている。
⇒ 周りを見渡してもそういう印象はありません。私の周りだけ?
> そんなイヤミを言うような記者はいなかったようだ。
⇒ そんなことを言ったら、その社全体が、トヨタ本社や社長の自宅に出禁になります。筆者は、「トヨトミの野望」シリーズは読まれていませんか? 面白いのに。
> こんな会社の大々的な EV 発表会を見て、感嘆しているような人は、おめでたいというしかない。
⇒ 2030年までに世界年間販売350万台はともかく、同年までに30車種投入(それまでの計画の「倍」増)というのはどうなんでしょうか……。過労死も「倍」増しそうですが。いや、倍増ではない、「十倍」増だ!(半沢直樹ふうに)
> こんなに低レベルの状態で、車種数だけをやたらと増やすのは、自殺行為だと言える。焦ったあげく、売れもしない車を大量に生産すれば、大赤字が出るだけだ。
→ http://openblog.seesaa.net/article/484361864.html
かつて蒸気機関車C55を流線形化、D51の部分流線形化が行われましたが、その結果は時速100キロレベルでは流線形にしてもさしたる効果は無く、製造や整備の手間の増大に見合うものではなかったというものだったと読んだ記憶があります。また先の大戦中の戦闘機P51は層流翼を採用し、かつ手間をかけて表面を滑らかに仕上げたが、実はそれでも不十分で、骨組みに板を貼るといったやり方では実現不可能で、一体成型にでもしなければ実現できない代物であったとも聞いた事があります。ですから電気自動車でそこまで空力学的要素が左右するのであれば、もしぶつけたりして凹ませたら航続距離が著しく減少し、それを解決するには外板を丸ごと交換するしか無いようになるのではないかと。
自動車の場合にはそうではなく、空気抵抗の占める割合が半分以上になります。(時速 60km 以上で。)
https://x.gd/xfy21
> もしぶつけたりして凹ませたら航続距離が著しく減少し、それを解決するには外板を丸ごと交換するしか無い
別に空気抵抗が大きくても小さくても、ぶつけて凹ませたら、外板を丸ごと交換するのが普通です。
ただし小規模の凹みなら、手作業で直すことも可能です。
どっにしても、たいした金額ではないし、保険でまかなわれるので、気にする必要はありません。
それよりは、最近はバンパーのない車が多いので、ぶつけるとグリルの全交換になることが多くて、その費用の方が大変そうだ。