2021年12月03日

◆ 中国の極超音速ミサイル

 中国が極超音速ミサイルを開発している。これはミサイル防衛網を突破するものだ。

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 1カ月ほど前に、NHK が報じている。
 中国が音速のおよそ5倍の速さで飛行し迎撃がより難しいとされる「極超音速ミサイル」の発射実験を行ったと伝えられたことに関連して、アメリカ軍の制服組トップは中国による実験の実施を認めたうえで、中国側の技術力の向上に強い懸念を示しました。
( → 米軍制服組トップ 中国の「極超音速ミサイル」に強い懸念示す | 米中対立 | NHK

 CNN の報道。
 「もし核弾頭が搭載されれば、高度なミサイル防衛システムをかいくぐれる極超音速ミサイルはゲームチェンジャー(情勢を一変させる兵器)になる」と指摘。
( → CNN.co.jp : 北朝鮮が発射と主張の「極超音速ミサイル」、事実なら東アジア軍事情勢に変化も

 朝日新聞の報道。
 今回、軍事専門家らを驚かせたのは、飛行体がほぼ地球を1周したという情報だ。ミリー氏の指摘通り兵器開発だったとすれば、世界中が射程範囲に収まることになる。
 長距離飛行を可能にするのは部分軌道爆撃システム(FOBS)と呼ばれる技術で、衛星軌道上にミサイルを周回させる。旧ソ連が1960年代に着手したが、歯止めのない軍事競争を恐れた米ソが開発を見合わせた経緯がある。FOBSと極超音速を兼ねる兵器が実用化すれば「迎撃はほぼ不可能」(北京の軍事筋)とみられる。
 極超音速兵器が軍事専門家の間で「ゲームチェンジャー」と言われるのは、弾道ミサイル以上に迎撃が極めて難しい点にある。
 極超音速兵器は、音速の5倍(マッハ5)以上で飛び、操縦可能だ。
 高度100キロ以下の大気圏内を飛ぶため、既存のミサイル防衛で用いられる地上レーダーでは着弾直前まで、極超音速兵器の動きを捕捉できない。
 ミリー氏も20年3月の上院軍事委員会で、「極超音速兵器に対する防衛はない。これらは高速で飛び、とらえることはできない」と指摘し、迎撃の難しさを認めている。
( → 「ゲームを変える」極超音速兵器の脅威 中ロ先行、過熱する開発競争:朝日新聞

 極超音速ミサイルは、米国は開発に失敗したのに、中国は開発に成功したわけだ。これは大変だ……と米国は懸念しているわけだ。
  → CNN.co.jp : 米国防総省、極超音速兵器の実験に失敗 中ロに後れ

 ――

 さらに続報がある。迎撃ミサイルを撃破するための新装置が開発された模様だ。
中国が今夏行った実験で、極超音速(ハイパーソニック)兵器が滑空中に飛翔体を発射していたと報じた。事実であれば、中国が世界最先端の高度な技術を保有していることを裏付けるものとなる。
 同紙によると、実験は7月下旬に行われた。極超音速兵器は音速の5倍以上の速度で南シナ海上空を滑空中に、飛翔体を発射。飛翔体は海に落ちたという。米国防総省の専門家の中には、飛翔体は極超音速兵器を迎撃するミサイル防衛システムを破壊するためのものとして発射されたとの見方がある。米国やロシアも同様の兵器の開発を急ぐが、いまだに成功していないという。
( → 中国、「極超音速兵器から飛翔体」 米ロよりも先に成功か 英紙報道:朝日新聞

 敵のミサイルが来たとき、日本は(ミサイル防衛網の)迎撃ミサイルで、敵のミサイルを迎撃しようとする。だが、日本の迎撃ミサイルが敵ミサイルに近づいたとき、敵ミサイルの先頭から、飛翔体が発射される。それは、日本の迎撃ミサイルを迎撃するための新兵器だ。「迎撃ミサイルを迎撃する」なんて、一枚上手だね。
 これに対策するには、日本はどうすればいいか? 「迎撃ミサイルを迎撃するための飛翔体に対し、その飛翔体を迎撃するための飛翔体」というのを、迎撃ミサイルに搭載する必要がある。
 しかし、そんなものは、まだまだ開発されていない。
 で、その間に、日本のミサイル防衛網というのは、ただの旧式のゴミになってしまうのである。

 そして、そういうゴミを買うために、1兆円もかけようとしているのが、日本の自民党だ。
 日本の自民党って、たぶん、中国のスパイ工作員だな。日本の防衛力を弱体化させるために、さんざん工作している。
  ・ タイフーンの国産化を阻止して、オスプレイというゴミを買わせた。
  ・ 攻撃用ミサイルの導入を阻止して、ミサイル防衛網というゴミを買わせようとする。




 [ 付記 ]
 米国は中国の新兵器開発を見て、「大変だあ」と恐れているようだ。「このままだと、状況が一変する。新兵器のせいで、中国は米国に対して、圧倒的優位に立って、世界を支配するだろう」と。
 本当にそうか? いや、違う。
 米国はこれまで、自国のミサイル防衛網によって優位に立っていた、と信じていた。米国は矛と盾をもつのに、中国やロシアは矛だけをもち、盾をもたない。だから、米国が圧倒的に優位に立つ、と。
 ところが今回、米国の盾を無効化するのが、極超音速ミサイルだ。すると、どうなる? 米国の一方的な優位が解消するので、米国は中国やロシアと対等になってしまう。
 つまり、対等から劣位になるのではなく、優位から対等になるというだけだ。それがゲームチェンジャーという言葉のもたらす意味だ。

 では、それは問題か? 「プラスがゼロになるなら問題だろ。今までよりも状況は悪化するんだから」と思う人が多いだろう。しかし、それは錯覚だ。
 実は、ミサイル防衛網というのは、もともと効果がないのだ。米国は「ミサイル防衛網で優位に立つ」と思っていたが、そんなことはないのだ。なぜなら、ミサイル防衛網というのは、飽和攻撃には弱いので、たいして効果がないからだ。
 つまり、あると信じていた盾は、もともとたいして効果が少ないものだった。もともと有効ではないものだったのだから、それが無効化しても、どうってことはないのだ。
 そもそも、ろくに効果もないミサイル防衛網なんかに大金を投入するのは、最初から、ただの金の無駄遣いにすぎなかったのだ。

 このことは、はるか昔、レーガン政権の時代(ミサイル防衛網が始めて提唱されたころ)から、私がずっと言っていたことだ。
 そして、中国の極超音速ミサイルを見て、人々はようやく迎撃ミサイルの真実(その無効性)を理解するようになったわけだ。

 ※ レーガンみたいな馬鹿が、「米国だけは盾と矛を持つので優位だ」なんて思うと、戦争が起こる可能性があるので、かえって危険である。親ブッシュみたいに、簡単に戦争を始める可能性が高まる。それよりは、「米国だけが一方的に優位ではない」と理解する方が、よほど健全である。
 ※ 米国は「困った、困った」と言いそうだが、そんなのはジャイアンのわがままにすぎない。ジャイアンに対抗する第2ジャイアンが出現して、両者が睨み合うようになって、たがいに手を出せなくなったら、世界はかえって平和になる。



 【 関連サイト 】

 → 極超音速兵器の探知迎撃手段(JSF)

 極超音速ミサイルを迎撃するための新兵器をなんとか開発しよう、という軍事技術的な対策のあれこれ。
 結局、いくら努力しても無理っぽいので、宇宙の衛星を大量に配備して、敵ミサイルを探知し続ける……というスターウォーズ計画みたいなシステムが要求される。
 それができているころには、われわれはみんな(寿命で)死んでいるだろう。
 


 【 関連動画 】




posted by 管理人 at 23:57 | Comment(3) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ミサイルにミサイルで対抗しようという考え方が無理筋なんですよ。昔から弓矢に対しては盾で防御してきました。ミサイルに対抗するにはその方向で対策しなければなりません。
恒常的な盾を構築するには膨大な費用が掛かりますが、ミサイルがとんて来た時だけ、ほんの数十秒から1分程度機能する盾なら、無茶苦茶なお金をかけずともできるような気がします。
Posted by 田好 at 2021年12月04日 12:09
日本にとって好都合です。

なぜ冷戦時代、日本が栄えていたのか、二人のジャイアン米ソに対して交渉上手なスネ夫として振る舞ったからですよ。

新しい冷戦でも二人のジャイアン、米中に対して交渉上手なスネ夫として振る舞えば、二国を差し置いて日本が再浮上出来るチャンスです。

そして、どちらのジャイアンが勝利するのか、それも見越す必要有でしょう。
Posted by NK at 2021年12月04日 18:11
対中国・ロシアに関するお考えは同意です。

ただ、アメリカにとってミサイル防衛網が全く無駄とは思いません。
アメリカにとってミサイル防衛網のありがたみは「北朝鮮みたいな国力が格下の国家に対等な立場を取らせないこと」かと思います。
北朝鮮がアメリカまで届くミサイルを大量に準備できない or 滑空ミサイルを配備できないってことが条件です。

日本にとっては…無駄ですよね。
既に北朝鮮から日本に飽和攻撃を実行可能なはずですので…
アメリカに貢ぐことでご機嫌取ろうとしてるとしか思えません。
Posted by 元大学生 at 2021年12月07日 18:16
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