2021年12月03日

◆ オスプレイは防御でなく侵略用

 オスプレイの配備に賛成する人が多いが、オスプレイはそもそも日本では何の軍事的効果もない。オスプレイは他国を侵略するための兵器だからだ。

 ――

 オスプレイについては最近、いくつかの記事が報道された。
 一つは水筒の落下だ。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の輸送機MV22オスプレイが23日夕、宜野湾市の住宅地に水筒を落とした。金属製の水筒は落下の衝撃のためか、つぶれて破片が散らばっていたという。水筒が落ちていた家の住民は「当たっていたら死んでいたかもしれない」と不安を語った。
 水筒が見つかった家に住む女性(63)は23日午後6時前に家を出て、午後11時ごろに帰宅。玄関前に銀色の水筒が落ちているのに気づいた。
 翌朝にあらためて見ると、水筒はつぶれて一部が割れ、破片が散らばり、玄関の壁に傷が2カ所あったという。
( → オスプレイから水筒落下、青ざめる住民 「当たったら死んでいた」:朝日新聞

 前項の青森県の例では、F16 のタンクは山中の道路に落ちただけだったが、沖縄県のオスプレイの例では、住宅の玄関前に水筒が落ちたわけだ。頭に直撃を受けていたら死んでいたわけで、恐ろしいね。(こんなところを軍用機が飛ぶというのがおかしいのだが。)

 もう一つは、佐賀空港への配備の問題だ。
 配備が難航しているという記事があった。(2021-10-29)
  → 論点、目を向けて オスプレイ――佐賀配備難航、木更津に「暫定」次々 衆院選:朝日新聞
 その後、計画が前進する可能性が生じたそうだ。
  → オスプレイ配備計画 漁協の「協定」見直し方針に賛否:朝日新聞

 以上が、最新情勢だ。まとめて言えば、こうなる。
 「オスプレイの危険性が指摘される一方で、オスプレイが佐賀空港に配備される可能性は少し高まった」


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 さて。それはさておき、オスプレイの有効性そのものについて論じよう。
 オスプレイについては、JSF という軍事ブロガーがしきりに擁護・推進している。
  → MV-22オスプレイ、実質3年連続で重大事故ゼロを達成(JSF)
 彼はその件で皮肉られたこともあった。
  → オスプレイの件でオブイェクトJSF氏に反論したらコメント削除&アク禁
 しかし、彼の影響力は強いので、はてなブックマークなどでは、オスプレイを擁護する人が多い。

 そこで、私は逆の意見を示そう。
 「オスプレイは日本では軍事的に無効である」
 と。なぜかと言えば、
 「オスプレイは、防衛のための能力はなくて、侵略のための能力だけがあるからだ」
 と。
 以下で説明しよう。

 ――

 (1) 防衛のための能力

 オスプレイは、防衛のための能力はない。なぜなら、対空ミサイルであっさり撃墜されるからだ。オスプレイはノロマなオウムのような飛行体であって、高速で飛ぶ対空ミサイルの前には無力なのだ。「飛んで火に入る夏の虫」という感じで、あっさり撃墜される。
 政府はオスプレイを離島防衛用に配備するつもりらしいが、敵が離島に上陸したあとでは何の意味もない。オスプレイが(敵のいる)離島に近づけば、地対空ミサイルであっという間に撃墜されるからだ。
 それが怖いので、敵のいる離島に近づいたオスプレイは、何もできずに、引き返すしかない。つまり、無駄足で往復するだけだ。それ以外の能力はない。(そばにある別の離島に近づくことならばできるが、たいして意味がない。)
 また、敵が来る前に配備するなら意味がありそうだが、敵が来る前なら、敵がどこに来るかはわからないので、どこかに配備する意味がない。たとえば、与那国島とか、石垣島とか、宮古島とか、いろいろと考えられるが、こんなところに兵を分散配置しても、何の意味もない。
 どうせなら、兵は沖縄本島に集約しておいて、そこからまとまとめて派遣する方が能率的だ。だが、まとめて派遣するなら、それは船で派遣するのだから、船があればいいのであって、オスプレイが単独で派遣されても、何の意味もない。
 結局、離島防衛用には、オスプレイは何の役にも立たない。

 (2) 侵略のための能力

 では、オスプレイという兵器は、何の役にも立たないムダ兵器なのか? いや、そんなことはない。ティルトローター機というのは、大量の兵士を高速で運ぶためには、とても適した兵器だ。
 では、大量の兵士を高速で運ぶというのは、どういう場面か? それは、防衛ではなく、侵略の場面だ。
 防衛ならば、自国が攻められているので、攻撃相手は敵軍である。その敵軍は対空ミサイルを持っているので、オスプレイは近づくことができない。だからオスプレイは防衛のためには役立たない。
 侵略ならば、話は違う。侵略ならば、自国が攻められているのではなく、自国が敵国を攻める。そのとき、敵軍のいる場所を選ぶ必要はなく、敵軍のいない空白地帯を選ぶことができる。敵の国土は広大であり、敵軍の基地があるのは限定的だ。国土の大部分は敵軍のいない領域だ。だから、そういう安全な領域を狙って、自国の兵士を大量に派遣すればいいのだ。そのためには、オスプレイは最適だ。
 たとえば、北朝鮮の首領を狙って、オスプレイをこっそり北朝鮮の海岸線に飛ばして、兵士を大量にもぐりこませる。こういう役割には、オスプレイは最適だ。
 実を言うと、オスプレイはこういう目的のために、海兵隊(侵略部隊)用に開発されたものだ。もともと侵略用の兵器なのである。
 だが、いくらオスプレイが侵略には有効だとしても、日本は憲法で専守防衛が義務づけられているのも同然なので、侵略することはできない。としたら、オスプレイをもっていても、宝の持ち腐れとなる。
 オスプレイは、あったとしても、意味はないのだ。


osprey2.jpg


 では、日本はどうすればよかったか? 
 今の日本では、オスプレイのかわりに役立つのは、F-35 だけだ。だが、F-35 はまだろくに生産されていないせいで、ほとんど配備されていない。これでは、どうしようもない。
 とすれば、本来配備するべきだったのは、オスプレイでもなく、F-35 でもなく、別のものだ。それは、国産で生産したユーロファイターだった。それならば、オスプレイのかわりに、( F-4 後継機として)大量に配備されていただろうし、日本の防衛にとって有意義だっただろう。
( ※ 現状の F-15 だけでは、中国の J-20 には完敗しそうだが、ユーロファイターならば戦えていただろう。2015年の時点では、両者が互角という想定もあったが。 → 日本のF-15J vs 中国のJ-20 / しかし、それから6年もたてば、F-15 の劣勢は否めない。 → J-20の改良型J-20Bが大量生産





 さらに言おう。そもそも、離島防衛ということ自体が、何の意味もない。中国が日本を攻めるとしたら、途中の離島は一挙に飛ばして、いきなり本土を攻めるはずだからだ。
 昔の戦闘機ならば、航続距離が短かったので、米軍はこまめに少しずつ離島を侵略するしかなかった。サイパンや、硫黄島や、沖縄本島など。
 しかし今の戦闘機は、航続距離が長い。中国本土から、沖縄を飛ばして、一挙に日本の本土を攻撃することができる。ならば、いちいち離島を攻める必要はないのだ。「離島が攻められる」という日本の防衛方針は、あまりにもおめでたいというしかない。「まずは離島を攻められるだろう」と高をくくっていたら、一挙に寝首を掻かれるハメになるだろう。
 ま、中国本土からいきなり東京を爆撃するということはないかもしれないが、たとえ橋頭堡を確保するにしても、その場所は、遠くの離島であるはずがない。(そんなところでは意味がない。)
 むしろ、寝首を掻くのに最適の場所、つまり、本土のすぐそばの離島を攻めるだろう。たとえば、ここだ。




 この件は、前にも記したとおりだ。再掲しよう。
 中国の侵攻への対策ならば、どうするべきか? 中国が日本を攻めるとしたら、第一目標は、福江島となる。日本の本土を攻めるための橋頭堡となるからだ。

 だから、中国の侵攻への対策をするならば、福江島の防衛を最優先とするべきだ。そのためには、福江島の自衛隊基地を充実したり、長崎あたりの基地を充実したり、……という方策が大事だ。まずはこっちを拡充するべきだ。
( → F-15 と巡航ミサイル: Open ブログ

 ――

 それでもまだ、「離島防衛は大切だ」と唱える人もいるだろう。「福江島の防衛も大切だが、石垣島や宮古島の防衛も大切だ」と。
 なるほど。それはそうかもしれない。だが、そうだとしても、そのために必要な兵器はオスプレイではありえない。(あっさり撃墜されるからだ。)
 離島防衛のために必要なのは、空対地ミサイルによる攻撃である。そのために必要なのは、空対地の爆撃装置やミサイルだ。具体的な航空機で言えば、F-15 , F-2 , F-35 だ。これらを配備するのが大切なのであって、オスプレイなどは必要ない。

 逆に言えば、F-15 , F-2 , F-35 による空対地の攻撃を受けるとわかっているので、中国は離島を攻めることはない。そんなことをしても、何も得ることなく、日本の攻撃を受けて壊滅させられるだけだからだ。このことは、前にも論じた。
 「空母いぶき」では、最初に日本の離島への攻撃・占拠があった。しかし、これはありえない。
 そもそも、離島を占拠しても、何の意味もない。一時的には滑走路を得ることができるし、本土への攻撃の橋頭堡を確保できる。
 しかしすぐさま、日本の本土からの攻撃を受ける。ミサイルや爆撃機が殺到する。それに対して、離島にいる中国軍はあまりにも小規模だ。だとすれば、あっという間に中国軍は負ける。(中国にとって)最悪の場合、跡形もなく消えてしまう。かくて、離島は再奪取されて、日本の手に戻る。
 結局、離島の占拠なんて、ただの一時の慰みであるにすぎないから、そんなことをするはずがないのだ。労多くして、益少なし。
( → 中国の対日攻撃のシナリオ: Open ブログ

 ――

 結論。

  ・ オスプレイは離島の防衛には役立たない。
  ・ オスプレイは侵略には役立つが、その用途は日本にはない。
  ・ そもそも中国は離島を攻めない。離島を攻めても意味がないので。
  ・ 中国が攻めるとしたら、福江島だ。ここを守れ。
  ・ 離島や福江島の防衛に役立つのは、戦闘爆撃機である。
  ・ F-35 はまだ生産されないので、ユーロファイターを国産化するべきだった。
  ・ ユーロファイターを買うための金はあった。
  ・ だが、その金は、オスプレイを買うのに使ってしまった。
  ・ ゴミ兵器を買ったせいで、有効な兵器を買えなくなった。
  ・ 政府の大失敗を、JSF が必死に擁護している。

 
posted by 管理人 at 23:07 | Comment(0) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
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