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先日述べたように、ガソリン高騰の対策 としては、次の2点が好ましい。
・ 原油備蓄の取り崩し (短期対策)
・ イランへの経済制裁の解除 (中期対策)
原油備蓄の取り崩しをすれば、当面はしのげるが、そのうち限界が来る。そこで、イランへの経済制裁を解除すれば、イランから石油を輸入できるようになるし、世界全体の石油供給も増えるから、価格高騰を抑止できる。同時に、取り崩した備蓄を元に戻すこともできる。
以上のように述べたのだが、現実には、政府は備蓄を取り崩すだけで、他には何もしていない。では、その間、イランへの経済制裁はどうなっているのか?
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これについて、本日の朝日新聞が報じていた。米国とイランの交渉は、妥結の必要性が増しているが、ちっとも進展していないそうだ。
イランによる核開発の制限をめぐって、長く中断していた米国とイランとの間接協議が29日、5カ月ぶりにウィーンで再開する。ただ、両国間の不信は根強く、合意への道のりは以前にも増して厳しい状況だ。
イラン側は米側の焦りを見透かし、簡単には合意に応じない構えだ。イランはトランプ前政権が科したすべての制裁の一斉解除など高い要求を突きつける。3年前に核合意から一方的に離脱した米国にこそ非があるとの姿勢で、政権交代に伴って再び方針が転換されることへの疑心にも満ちており、短期間で妥協点に至る見通しは立っていない。
( → 5カ月ぶり核協議、イランの本気度は? 米国は「次の選択肢」も視野:朝日新聞 )
「すべての制裁の一斉解除など高い要求を突きつける」と記してあるが、単に元に戻すだけのことだ。簡単に実現できるはずだ。査察受け入れと核開発停止を条件に、さっさとイランの条件を呑めばいい。
ところが、くだらないメンツにこだわって、「元に戻す」ということができずにいる。その間に、イランはどんどん核開発を進める。
イランは核兵器の原料になるウランの濃縮を進めて貯蔵量を増大させ、濃縮度は兵器級に近づく60%に達した。イランは着実に核兵器開発に必要なノウハウを蓄積しており、「イランが取り返しのつかない進歩を遂げてしまう」(マレー・イラン担当特使)と焦りを募らせる。
このあと、原爆を作成するまでには、そう長い手間はかからない。
原爆に用いるためにはウラン235の濃度を通常90%以上に高めなければならず、辛うじて核爆発を引き起こす程度でも最低70%以上の濃縮ウランが必要となる。
( → 原子爆弾 - Wikipedia )
すでに 60%にまで達しているのだから、90% に達するのも時間の問題だろう。99%というような高濃度にする必要はない。たったの 90% で済む。そこに到達するのは、60% からなら、困難ではない。
そして、いったん核保有国になったら、それを止める手はもうない、と考えた方がいい。インドもパキスタンも核保有国になったが、それを止める手はない。そういう前例と同様だ。(ともに 140発程度の核弾頭をもつ。 → Wikipedia )

なお、グズグズしているうちに核保有国となってしまった例として、北朝鮮がある。当初は 10発ぐらいもっているだけかと思えたが、いつのまにか 100発近くをもつようになったらしい。
→ 誰にもわからない北朝鮮の核保有数 新型長距離巡航ミサイルに核搭載は可能!
このまま無為無策で何もしないまま時間が流れるのを放置するだけでは、状況はどんどん悪くなるばかりだ。最善の道はあるのに、それを取ることができずにいるなんて、バイデンは無能すぎる。
本来ならば、イランの大統領選で、保守派の大統領(強硬派)が当選する前に、穏健派の大統領と妥結しておくべきだった。私はずっとそう思ってきたし、本サイトでも書く予定だったのだが、忙しさにかまけて、ついつい書かずにいたら、いつのまにか、今年の前半が過ぎて、保守派の大統領(強硬派)が当選してしまった。こうなると、もはや妥協のチャンスはとても小さくなった。バイデンは自ら、選択肢の幅を狭めてしまったのである。
当面は「オミクロン株のコロナ」への恐怖のおかげで、原油価格は下がっているが、どうせ遠からず、原油不足と石油高騰は再現するだろう。無為無策のまま、状況の悪化を放置するのは、何とも嘆かわしいことだ。
※ 岸田首相が馬鹿すぎるからだ、とも言えるが。それを選んだのが、日本国民なのだから、もう、何をかいわんや。
