2021年11月18日

◆ ガソリン高騰の対策

 原油価格の高騰で、ガソリン価格も高騰している。そこで政府は補助金を出して、ガソリンを値下げさせようとするが、賛否両論がある。どうするべきか? 

 ――

 原油価格の高騰で、ガソリン価格も高騰している。国民生活への打撃となり、憂慮する声が上がる。
  → (社説)原油価格高騰 当面の安定と長い目と:朝日新聞
 朝日の社説はここで、「注視する必要がある」と言ったあと、「再生エネを伸ばしたい」などと悠長なことを言っているが、喫緊の課題には何も答えていない。お気楽で無責任なマスコミだ。

 国民民主党は、具体案を出した。ガソリン税の減税だ。暫定税率の分を引き下げよ、という。
  → 維新・国民幹事長、国会協力を確認:朝日新聞
 これは道理が通るし、私も最初に思いついたことだ。この方針でまとまるかな、と予想したが、そうはならなかった。

 政府の方針は、意外なことに、「補助金を出す」ということだった。国内の石油元売り各社が、金を出す対象だ。
  → ガソリン価格170円超なら補助金 元売りに最大5円、支給案:朝日新聞
  → ガソリン高、抑制へ補助金 元売りに1リットル最大5円案 170円超、想定:朝日新聞

 これはいかにも筋悪だな、と思ったが、さっそく疑問の声が上がっているそうだ。
 値上げ抑制を目的にした元売りへの補助金は過去に例がなく、効果や公平性の面から疑問の声も出ている。
 経産省は元売り各社に補助金分の卸売価格への反映を約束させるという。全国のガソリンスタンドにも値上げ抑制を呼びかけるが、小売価格は卸売価格をもとに輸送費や人件費などを加味して決めている。実際の価格は店舗ごとにバラバラで抑制効果は不透明だ。
 ガソリンには暫定税率が上乗せされており、補助金よりも税金を軽減すべきだとの意見もある。
( → ガソリン高抑制へ元売りに補助金案 異例の対策、効果は未知数:朝日新聞

 石油業界からは17日、効果や透明性を疑問視する声が上がった。
 経産省は元売り各社に補助金分を卸売価格に反映するよう約束させるとしているが、最終的に小売価格を決めるのは全国のガソリンスタンドだ。元売りの関係者は「卸売価格に反映させても、小売店がそのまま反映させるかどうかはわからないし、強制もできない」と打ち明ける。
 ガソリンスタンドの経営者は「無理筋の愚策だ。我々にとっていいことなんてない」と話す。 経営者は「業界は全く要望していない。価格は市場にゆだねるべきだ」と訴える。
 原油の高騰はさまざまな製品やサービスの値上がりにつながるのに、ガソリンにだけ補助金を出すことの正当性も問われる。
( → 効果不明、業界から疑問も ガソリン高抑制へ補助金:朝日新聞

 効果がはっきりしないことや、他の石油製品(灯油など)との不公平さがある。
 さらに、ここには記していないが、国が余計な金を出すことで、国に赤字が発生するから、その分、将来の増税要因となる。

 結局、あれやこれやと、問題がたくさんあるわけだ。
 困った。どうする?

 ――

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。次の2案で、順次解決する。かかる費用は、ゼロであるどころか、マイナスだ。つまり、仕事をすることで、国のお金が減るどころか、かえって増えてしまう。無から有を生み出すような、うまい方法だ。

 (1) 石油の備蓄

 石油の備蓄を取り崩せばいい。こうすれば、市況が軟化するので、価格の高騰は収まる。
 実は、これは米国がすでに実施中で、すでに効果を出している。それと同じことを日本でもやればいい。
 17日の米ニューヨーク商業取引所で、原油価格の指標となる「米国産WTI原油」の先物価格が一時、1バレル=77.69ドルと約1カ月半ぶりの水準まで下落した。米国が中国に対し、協調して石油備蓄を放出するよう要請したと香港紙サウスチャイナ・モーニングポストが報じ、需給が緩くなるとの見方が強まった。
( → NY原油下落、1カ月半ぶり安値:朝日新聞

 このようにすると、どうなるか? 価格が高いときに備蓄を放出して、あとで価格が下がったら市場から買い戻す。高く売って、安く買う。その分、国は差益を得る。つまり、仕事をすることで、国のお金が減るどころか、かえって増えてしまう。
 これぞ、うまい方法だ。

  ※ ただし、この方法を成立させるには、近い将来に原油価格が下がることが必要だ。そのときに石油を買い戻すからだ。ただし、近い将来に原油価格が下がることは、保証されていない。……困った。どうする? (それについては以下の (2) で。)

 (2) イラン制裁の解除

 トランプ政権がイランに経済制裁をした。特に、イランの石油の輸出を禁止した。これを解除すればいい。そうすれば、産油国が増産を拒否しても、イラクが生産を増やすので、その分、供給が増えて、市況が軟化する。
 そもそも、問題の根源は、産油国が増産拒否というカルテルを結んでいることだ。とすれば、カルテルに対しては、カルテル破りが最も有効なのだ。
 というか、産油国が調子に乗ってカルテルを結んでいるのは、米国がイランに制裁をして、原油生産を止めて、産油国に有利な状態を作り出したからだ。今の原油高騰は、「イラン制裁」を勝手にやったトランプ前大統領のツケなのである。(馬鹿丸出しというべきだ。)
 だから、この根源となる病巣を取り除けばいい。それが根源対策というものだ。
 しかも、それによって同時に、イランの核開発を阻止できる。(イラン自身がその方針を示している。「制裁を解除すれば核開発を止める」と。)
 というわけで、
  ・ 石油の供給増加と、価格低下
  ・ イランの核開発の阻止

 という二つを同時に達成できるわけだ。これぞ、うまい案だ。

 ただし、バイデン大統領は、それをやる気がない。イランに対して弱腰になると見られたくないからだ。人の目を気にして、正しいことを実施できない。
 そこで、日本の出番だ。根性なしのバイデンの尻をひっぱたいて、「イラン制裁を解除せよ」と促せばいい。そうすれば、バイデンも「日本に言われたので、仕方なく日本の言うことを聞きます」ということにして、責任転嫁ができるので、本件の事態は解決に向かって動き出す。
 しかもイランも「日本のおかげで制裁が解除された」と喜んで、「お礼に石油をたっぷり格安で提供します」というふうにしてくれそうだ。
 米国にも、イランにも、ともにいい顔ができる。日本の国際的地位が上がる。しかも、備蓄の取り崩しと買い戻しで得た差益で、政府の懐には、巨額の金が入る。
 一石三鳥の効果だ。これぞ、うまい案だ。
 

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 [ 付記 ]
 石油の備蓄の取り崩しには、政府はあまり乗り気ではないようだ。
 経済産業省は米国からの要請の有無について明確にしていないが、国内の備蓄を放出できるのは紛争による供給不足や災害などに限られるとする。担当者は「原油価格を理由に放出するのは想定していない」という。民間の石油会社の備蓄は湾岸戦争や東日本大震災などの際に取り崩した例がある。国家備蓄の放出は例がない。
( → 原油価格が一時急落 米国が日中などに備蓄放出を要請の報道:朝日新聞

 前例がないし、本来の目的から外れるので、イヤがっているようだ。つまりは柔軟性がない。臨機応変に対応する米国政府とは、正反対だ。
 ここは、融通の利かない(頭の固い)役人の尻を叩くのが、首相の役割だろう。頭が固いのなら、尻を叩けば、頭が柔らかくなるものだ。


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 【 追記 】
 米国政府が日本政府に、備蓄の放出を要請したが、日本政府は及び腰だ。
 米バイデン政権が中国や日本などに米国と協調して放出を検討するよう要請したと報じられ、供給が増えるとの見方が強まった。
 経済産業省は米国からの要請の有無について明確にしていないが、国内の備蓄を放出できるのは紛争による供給不足や災害などに限られるとする。担当者は「原油価格を理由に放出するのは想定していない」。民間の石油会社の備蓄は湾岸戦争や東日本大震災などの際に取り崩した例がある。国家備蓄の放出は例がない。
( → 日本の備蓄放出、米政権が要請か 原油価格、供給期待で一時急落:朝日新聞

 放出という方法はあるのに、法制の問題で放出できない。放出するには、法制度の改正が必要だ。しかしそれにはかなり時間がかかる。困った。どうする?

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 「国内の備蓄の3分1は、民間備蓄なので、これを使う。政府がこれを借りて、市場に放出する。将来、市場で買い戻して、返却する。民間には手数料を払う」
 これで問題ない。売買の差益・差損は、国が引き受ける。
posted by 管理人 at 22:54| Comment(2) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 政府が方針を変更したようです。下は朝日の記事ですが、「米国の要請を受けて」と報じた記事もあります。
 「政府、石油の国家備蓄の放出検討 備蓄目標量下げる案浮上」
 https://digital.asahi.com/articles/ASPCM7DXPPCMULFA02K.html

 放出量については不明。国家備蓄、民間備蓄、国内の民間タンクを産油国の石油会社に貸与する産油国共同備蓄に対して、どのような割合で放出量を割り振るかも未だわかりません。
Posted by かわっこだっこ at 2021年11月20日 17:27
 あれ、【追記】部分の記事がうまく表示できなかったので、間違えて同じ記事をコメント(↑)してしまいました。失礼しました。
Posted by かわっこだっこ at 2021年11月20日 17:30
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