2021年11月13日

◆ 高速道路の充電所が不足

 高速道路の充電所が不足していて、電気自動車のユーザーが使おうとしても、満杯で使えないことが多い。この問題を探る。

 ――

 EV(電気自動車)は、長距離走行に適していないので、高速道路ではしばしば充電する必要がある。ところが、充電しようとしても、充電所は満杯になっていることが多い。順番待ちの列ができていて、なかなか充電できない。これでは、EV の利用が不便なので、EV の普及が進まない。高速道路の充電所をもっと増やすべきだ。
 ではなぜ、状況は改善しないのか? 問題はずっと前からわかっているのに、なぜ問題を改善する気がないのか? 


car_denki.jpg


 この問題についてネットをググってみると、次の記事が事情を調査して報告していた。
  → 高速道路SA・PAのEV用急速充電器はなぜ増えない? 背に腹はかえられない切ない事情 - 自動車情報誌「ベストカー」
 ここから抜粋しよう。
 クルマで遠出をしようと思ったら、必然的に高速道路を使うことになるが、SA・PAに設置されている急速充電器は多くても3基。大部分が1基のみだ。スマホアプリなどで急速充電器の利用状況は事前に把握できるものの、どこも利用中なら待つしかないし、2台待ち3台待ちともなれば心底ウンザリする。
 今後EVの販売台数が増加していったら、現状の急速充電器の数ではとても間に合わない。なぜ高速道路では急速充電器のインフラ整備が遅いのだろうか?
 これらの充電器は、平日にはほぼ渋滞は発生しておらず、利用状況を見ると、ガラガラと言っていい。利用率は平日昼間で1〜2割程度(目分量)。
 問題は、前述のように週末や交通集中期である。特にひどかったのは新東名の静岡SAと浜松SAで、深夜を含めほぼ一日中充電待ちが発生した。
 しかし、2基ずつ設置されている岡崎SAを見ると、下り線では充電待ちゼロ。……複数台設置の効果は絶大であることがわかる。なにせ1基から2基にするだけで、数が2倍になるのだから当然だが。
 NEXCO中日本によると、「今のところさらなる増設の予定はない」という。いったいなぜか。
 最大の理由は、「急速充電器を設置してもモトが取れないから」ということに尽きる。
 SA・PAの場合、急速充電器の設置費用が飛び抜けて高いことだ。
 急速充電器1基の設置費用(本体含まず)は、コンビニだと平均400万円だが、SA・PAの場合は1400万円に跳ね上がるという。
 たとえば電気配線。コンビニが130万円で済むところを、SA・PAだと610万円かかっている。SA・PAの場合、高圧電流を流す専用配線を長い距離地下に埋める必要がある。
 急速充電器の設置に関しては、「次世代自動車充電インフラ整備促進事業」から補助金が出る。SA・PAのような公共のある場所への設置の場合、補助率は3分の2だが、一度に申請できる設置数は「1」。

 以上から、次のことがわかった。
  ・ 混雑しているところは、充電器が1基のところだ。
  ・ 充電器が2基あれば、混雑しない。(台数が倍増する)
  ・ 補助金は1基にしか下りない。だから1基しか設置しない。
  ・ そもそもSA への設置は、市街地に比べ、何倍もの高コストである。


 以上のことからして、記事は「国はもっと補助金を出せ」と言っている。それはそうだろうが、国だって金がありあまっているわけじゃない。あちこちでやたらと金を出すのは無理だ。しかも、400ボルトの充電所を設置しても、まもなく時代遅れになる。今の時代は、800ボルトの充電所に交代しつつあるときだからだ。

 結局、「あちらが立てば、こちらが立たず」というような状況がある。困った。何とか、もっとうまい案はないものか。

 ――

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。以下の通り。

 とりあえずは、台数の増加をめざして、1基から2基に増やすところを多数用意するべきだ。ただし、そのために、多額の金を導入する必要はない。金をかけないで、台数を増やす方法がある。
 現状では、充電器の設置の工事費が高価格になる。市街地から離れたところに SA があるので、市街地から SA まで、高圧電流を流す専用配線を地下に通す必要があるからだ。その距離が長いので、コストが高くなる。
 そこで、この距離を大幅に縮めればいい。どうやって? それには、逆転の発想を用いる。こうだ。
 「 専用配線を充電所まで持ってくるのではなく、充電所を専用配線のそばに設置する」

 これはどういうことかというと、充電所を設置するのは、SA ではなくて、ただの充電所(充電だけをするための場所)にする。SA のように大規模な駐車場は必要なく、充電中の車と順番待ちの車で、合計数台分の駐車場があればいい。規模的には、SA の百分の1ぐらいの規模だ。
 このような小規模な場所なら、簡単に作れる。高速道路の路側帯をちょっと横に広げるぐらいで済む。
 とすれば、その設置場所は、高速道路のどの地点であってもいいわけだ。
 そこで、長い高速道路の路線上で、高圧電流を流す専用線に近い場所(または交差する場所)を選べばいい。
 たとえば、A という地点で、高速道路と高圧電流専用線とが交差しているのであれば、その A という地点で、充電所を設置すればいい。そこならば、新たに専用線を長々と設置する必要はないからだ。(もともとあるので。)
 とすれば、そこにおける充電所の設置費用は、「コンビニだと平均400万円」というのに比べて、それ以下の費用になるだろう。たとえば、300万円ぐらい。……こうして、激安の低コストで、充電器を設置できる。

 また、そこでは、初めから 800ボルト充電器を設置するといいだろう。800ボルトの充電器では、400ボルトの充電もできるから、それを末永く使える。一方、400ボルトの充電器は、数年後には時代遅れになって、役立たずになりそうだ。そのとき、新たに 800ボルトの充電器に取り替えると、余計な費用がかかる。だったら、最初から 800ボルトの充電器を設置した方がいい。

( ※ ただし、現時点では、800ボルトの充電器は部分的に発売されたばかりであって、一般的には販売されていない。そもそも、800ボルトに対応する EV は、ほとんど市販されていない。ごく一部の例外があるだけだ。 800ボルトの充電器を設置するのは、今すぐではなくて、数年後のこととなる。)

 ――

 なお、充電中には、人が休むので、そのための休憩所も必要だ。とはいえ、十数人ぐらいの席があれば足りるだろう。雨をしのぐ屋根は必要だが、風をしのぐ壁が必要かどうかは何とも言えない。
 食堂はどうか? 現状の充電所は、平日にはガラガラであることを考えると、有人の食堂を設置するのは、まず無理だろう。かわりに、カップラーメンやアイスクリームなどの自販機がいくつかあれば、それで足りるだろう。

 ――

 なお、専用線に流す高圧電流というのは、いわゆる高圧線(50万ボルト)ではなくて、400〜800ボルト程度である。
 したがって、その送電線は、下記のような送電塔を使うものではなくて、ただの地下配線である。


kouatusen.png


 なお、現行の CHAdeMO は、三相 200Vの電源を使う。下記を参考。
  → 電気自動車用急速充電器の 設置・運用に関する手引書

 これがいわゆる 400ボルト電源なのかもしれないが、確言はできない。(私は電気工事について詳しいわけではないので。)



 [ 付記 ]
 先に述べたとおり、この充電所は、数台の自動車が停車できれればいいので、広大な駐車場は不要だ。通常の SA の百分の1ぐらいの規模で済む。
 ひるがえって、通常の SA はデカすぎる。特に、駐車場が巨大だ。どうももったいない感じだ。無駄が多いのではないか? そう思って考えてみた。

 通常の SA では、大量に駐車するのは、大型トラックだ。特に夜間に睡眠用などで長時間にわたって停車していることが多い。これではまるで、駐車場が無料の駐車場と化しているようだ。そのために巨大な駐車場を設置するとなると、コストがかかりすぎる。
 逆に言えば、SA の設置費用がかかって高コストになるので、大型トラックは料金を大幅値上げするべきだろう。現状では安すぎる。
 たとえば、「 青森IC → 山口IC 」の料金はこうだ。
  普通車    片道 32,560円  → ググる
  大型トラック 片道 52,300円。 深夜割引 36,610円 → 出典

 面積で考えても、重量で考えても、重量の2乗(道路の損傷の寄与)で考えても、大型トラックの料金はあまりにも安すぎる。
 どうせなら、乗用車は半額にして、大型トラックを倍額にするべきだろう。現状では、乗用車に不利すぎる。産業優先で、不平等・不公平になっている。これでは非合理だ。是正するべきだ。

 あと、深夜に集中する問題も、なるべく解消するべきだ。
 現状では、深夜割引が 0時〜4時で3割引なので、この4時間に集中する。
 これを改めて、もっと分散させるべきだ。たとえば、22時〜 6時 で2割引にする。こうすると、時間帯が4時間から8時間に増えるので、時間帯が2倍になる分、深夜の密度が半減するとも言える。すると、「深夜の駐車場が大型トラックで満杯になる」という問題も解消するだろう。さらに、「 SA で仮眠を取る」という無駄な停車も少なくなるだろう。
 ひるがえって、現状はいかにも馬鹿げた状況になっている。

  → 深夜にあふれるトラック 高速道路SA・PA 駐車マス増やしてもなぜ停められない?
  → 「深夜割引をなくしてほしい」現場が求めるのは駐車場拡充よりも「輸送割」




posted by 管理人 at 20:04| Comment(2) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>充電中には、人が休むので、そのための休憩所も必要だ

トイレも必要かもしれませんね。
Posted by 反財務省 at 2021年11月13日 20:52
 あれ? トイレのことは書いたつもりだったが、書き落としてしまったか。下書き(メモ)にはトイレと書いておいたんだが。
 まあ、休憩所にはトイレが含意されていることにしたのかも。

 いずれにせよ、ご指摘ありがとうございました。
Posted by 管理人 at 2021年11月13日 21:20
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