2021年11月06日

◆ ワクチン接種率のグラフ

 日本のワクチン接種率のデータをグラフで示す。(最新版)

 ――

 コロナの感染者数が急減している。
  → 東京都 新型コロナ 13人死亡 72人感染確認 5日連続100人下回る | NHKニュース

 あまりにも急激に減少しているので、これが事実だとは信じられないくらいだ。実際、韓国ではこの数字を信じないので、「数字は改竄(かいざん)されている」(捏造されている)と見なす声もあるほどだ。
 韓国では日本の状況改善を疑問視する声が上がっている。韓国では厳しい防疫対策が長期化しながらも感染者数が横ばいで推移しており、一部では日本政府が公表した感染者数が改竄(かいざん)されたとする報道も展開された。
 金氏は「1カ月で感染者が10分の1になるなんてことはない。そんなやり方があれば世界はとっくにコロナを撃退している」と訴え、「政府が詐欺行為を働いてはいけない」と非難。
( → 日本のコロナ感染減少は「政府が数字改竄」 韓国で疑いの声 - 産経ニュース

 ともあれ、他国の目からすると信じられないくらいに日本の感染者数は激減している。それはどうしてか?

 この問題に対しては、「ワクチンのおかげだ」という説が最有力である。とはいえ、ワクチンならば、他国も同様の接種率を達成している。なのに、他国では感染者数は激減せず、日本だけで感染者数が激減している。それはどうしてか? 

 ――

 この疑問については、いくつかの説が上がっているが、どれもこれも有力ではない。私もこれまでいろいろと考えてきたが、妥当と思える理由は見つからなかった。
 これまで最有力だと思えた仮説は、「日本だけはマスクの普及率が高いから」というものであった。だが、世界各国の街並みの写真を見たところ、最近ではもはや世界の至る所で街並みはマスクをした人だらけである。ほとんどの国で 90%以上の人がマスクをしている。以前ならば、「日本だけが 90% のマスク率」と言えたのだが、最近ではもはやそうではないのだ。だから「日本だけはマスクをしている」という仮説は否定された。
 ではいったい、何が理由なのだろう? 

 ――

 ここで私は新たに有力な仮説を思いついた。こうだ。
 「ワクチンをすることをいやがる人(反ワクチン論者)は、日本には少数しかいないが、外国にはたくさんいる。反ワクチンを唱えながらしきりに外出して人的交流するような人は、日本には少数しかいないが、外国にはたくさんいる。その差が出た」


 この問題の本質は、こうだ。
 「コロナの感染が拡大するときには、スーパースプレッダーとなる人々がいて、その人々は、数は少数でも、あちこちで大量の感染を引き起こす」


 これは、以前は「マスクをしない人」が該当した。今では、それに加えて、「ワクチンをしない人」が該当する。しかも、両者は重なる部分が多いので、「マスク嫌いで、反ワクチンの人」というのが、たくさんいる。
 こういうのは、宗教的な信念で、「どうしてもマスクやワクチンが嫌いなんだ」と思い込む人が多い。
 そのせいかもしれないが、「マスクをしろと要請した店員を銃殺した」という事例まであるほどだ。
  → マスク着用要請の店員を射殺、独 「コロナで重圧」と供述:東京新聞

 ――

 ともあれ、欧米では、保守的で宗教的な人々の間では、こういう「反マスク・反ワクチン」という人が一定数を占めている。
 その数はどのくらいか? それを調べるために、接種率のグラフを見る。すると、「接種率が 75〜80%になると、接種率はそれ以上には上がらずに、頭打ちになる」という傾向が見られる。


vaccinated2110.jpg
出典: Our World in Data


 一方、日本では、このような上限は、ない。接種率が 75〜80%になったからといって、そこで頭打ちになることはなく、さらに接種率はどんどん上がっている。
 これはつまり、日本では「反マスク・反ワクチン」という人が一定数を占めていることはない、ということだ。(多少はあるとしても、20〜25% よりはずっと少ない値だ。)
 ということは、日本ではスーパースプレッダーになるような人は非常に限られている、ということになる。

 対比すれば、こうだ。
 「反マスク・反ワクチン」という立場で、野放図に行動して、スーパースプレッダーとなるような人の数は、
  ・ 欧米では かなりたくさんもいる
  ・ 日本では もっとずっと少数しかいない
 というふうになる。


 ――

 では、上の仮説は、正しいだろうか? 
 もし正しいとしたら、次のようになるはずだ。
  ・ 欧米では、最近のワクチン接種者はゼロ近辺にまで激減している。
  ・ 日本では、最近のワクチン接種者は以前と同じように多い。


 実際には、どうか? データを見ると、上のことはまさしく確認された。


vaccination2110.jpg
出典: Our World in Data


 とすれば、先の仮説には、十分な妥当性があると見なしていいだろう。

 ――

 まとめて言えば、こうだ。
 「日本では、反ワクチンの人が少ないので、ワクチン接種がどんどん進んでいる。それにともなって、感染者数も激減している。
 一方、欧米では、反ワクチンの人が多いので、ワクチン接種者数は頭打ちであるし、最近ではワクチン接種をする人がほとんどいない。人口の一定数は、反ワクチン・反マスクである。それらの人が野放図に行動して、スーパースプレッダーとなるので、感染者数の減少は緩慢である。
 日本と欧米との差は、反ワクチンの人々が一定数を占めるかどうか、ということだ。欧米では反ワクチンの人が多いのは、宗教的な理由によることが多いようだ。(キリスト教の守旧派や、ユダヤ教の人々などがそうだ。)」



 [ 付記 ]
 上の棒線グラフを見ると、アメリカのワクチン接種率は 65%で、これは以前から変わらない。他の欧州諸国が 75%〜80% であるのに比べて、一段と低い値である。その数値で頭打ちになっている。
 これは、アメリカ人には(宗教的に)保守的な傾向のある人々が多いということを意味する。
 このせいで、アメリカのコロナ感染者数の減少は、緩慢である。
  → United States COVID - Worldometer

 また、現在でもコロナ感染者数はアメリカが世界一であり、死者数に至ってはダントツに多い。(桁違いだ。)
  → World COVID - Worldometer

 アメリカでは、ワクチン接種率の低さと感染者数の多さが、併存している。このことも、本項の主張を裏付ける。



 【 関連サイト 】
 アメリカの保守派の人々が、反マスク・反ワクチンになる例。
  → 米FOXの過激司会者、学校でのマスク着用は「狂っている」と反ワクチン派を煽動
  → 米テキサス州知事“接種義務化”禁止命令|日テレNEWS24




 【 関連項目 】
 欧米人がマスクを嫌がる文化的な理由については、下記を参照。
  → 欧米人がマスクを嫌がるわけ: Open ブログ
 


 【 追記 】
 「接種率が 75〜80%になると、接種率はそれ以上には上がらずに、頭打ちになる」
 と上の本文で述べた。では、100% から 75〜80%を引いた残りの 20〜25% が、反ワクチンの人々なのだろうか? 

 当初は「そうだ」と推定した。だが、それは早合点だった。というのは、そこには、「もともとワクチン接種の対象でない子供(未成年者)」が含まれるからだ。その人口は、およそ 20% 前後となる。(具体的な値は、国ごとに異なる。少子化の日本では、それは低めの数値となる。)

 ※ このことは、コメント欄で指摘された。そこで、後日、この指摘に従って、上記の本文を少しだけ修正した。(余計な数字を削除した。)

 ――

 では、子供の分を差し引いた、反ワクチンの人々はどのくらいか? その数は、上のグラフの数値(または後述の最新版)から、各国の未成年者の割合(正確にはワクチン接種対象外の年齢層の割合)を引き算すればいい。
 ただ、おおまかに言えば、その数字を 20% と見込んでもいいだろう。そうすると、次のように言える。
  ・ 日本では、反ワクチンの人はとても少ない。
  ・ 米国(接種率 65%)では、反ワクチンの人はとても多い。


 別途、最新記事では、次の情報を得た。
 オーストリアでワクチン接種を2回終えたのは人口の約64%で、欧州連合(EU)平均をやや下回る。一方で、人口当たりの新規感染者数はEU平均の3倍以上になっている。
( → オーストリアで4回目のロックダウン ワクチン接種、拒否すれば罰金 :朝日新聞

 14日時点で、オーストリアの人口100万人あたりの1日の新規感染者数は1277人。英(531人)、独(229人)、仏(185人)といった欧州主要国と比べて多い。
 一方で、ワクチン接種を完了した人の割合はオーストリアが14日時点で63%と、仏(69%)、英(67%)、独(同)などより低い水準にとどまっている。
( → ワクチン未完了者に外出制限、罰金も オーストリアで感染状況悪化 :朝日新聞

 ワクチンの未接種者が多いと、それだけ感染は起こりやすくなる、と言えるわけだ。

 ――

 実は、このことは、数字で考えてもおかしくない。
 子供(接種対象外)の比率は、どの国も 20% だと仮定しよう。その場合には、
    接種率・非接種率・接種漏れ(= 非接種率 − 接種対象外率)
 は、次のようになる。

    接種率 非接種率 接種漏れ
  ・  79%  21%   1%
  ・  75%  25%   5%
  ・  70%  30%   10%
  ・  65%  35%   15%


 1番上と1番下を比べる。
 接種率は、79%と 65% であり、そう大きな差はないと見える。前者は後者の 1.2倍なので、たいして差があるわけではない。( 0.2 倍の差だ。)
 だが、接種漏れは、1% と 15 % であり、何と 15倍もの差がある。
 そして、この 15倍という差が、感染者の差となって、結果に大きな影響をもたらす。

 要するに、こう言える。
 「接種率の差があまり大きく見えなくても、接種漏れの差は非常に大きくなる。コロナ対策の要点は、接種率を上げることではなく、接種漏れを減らすことなのだ。接種漏れを大幅に減らすことこそが、コロナ対策で大切なことなのである」

 そして、その見本が、日本とオーストリアの対比として見て取れるわけだ。。(そこに 65% の米国を含めてもいい。英国やドイツも、日本に比べれば、まだままだ接種率が低い。)
 


 【 関連サイト 】
 2021-11-21 現在の最新データ。( 出典:Our World in Data


vaccinated2111.png


 
posted by 管理人 at 22:29| Comment(2) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
接種後数ヶ月はどこも良好なんです。そろそろ年末にかけ第6波がきますから、接種率と関係ない理屈が必要ですね
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8481107/
Posted by gunts at 2021年11月07日 08:30
 最後の二つのグラフが、入れ替わっていたので、正しく直しました。

 ※ 説明文が逆になっていた。
Posted by 管理人 at 2021年11月07日 08:50
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