2021年11月05日

◆ 自民はなぜ勝利したか?(2021)

 2021衆院選では、自民党は圧勝した。得票率はともかく、議席数では圧勝したと言える。では、なぜ勝利したか? 

 ――

 自民党の勝因分析をして、「経済成長をめざす経済政策が支持を得たからだ」と主張する人もいる。
  → 立憲民主党はなぜ若者の支持を得られなかったのか?

 だが、これは買いかぶりというものだろう。なるほど、上記記事で述べられているように、立憲の経済政策はひどかった。だか、だからといって、自民の経済政策が優れていたわけでもない。岸田首相の方針は、比較的まともではあるが、安倍首相や菅首相の経済政策は、とても褒められたものではない。先進国中で最低の経済成長率であり、成功というよりは失敗という判定が妥当だからだ。また、民主党政権時代の経済成長率よりも負けているそうだ。(そう指摘する記事がネットで見つかる。)

 要するに、岸田首相の公約ならば妥当とは言えても、「自民党の経済政策が優れている」というようなことはまったく成立しない。したがって、「岸田首相の経済政策が優れているから、人々は自民党を支持した」という説ならば成立するかもしれないが、「自民党の経済政策が優れているから、人々は自民党を支持した」ということは成立しないのだ。つまり、上記記事の言い分は、成立しない。(岸田首相賛美をするのならまだしも、自民党賛美をするのは見当違いだ。安倍・菅時代の経済政策はひどかったのだから。)

 ――

 だが、そうだとすると、謎が残る。
 「なぜ自民党は今回の選挙では圧勝したのか?」
 これに対する回答が与えられないからだ。


man_question.jpg


 そこで、困ったときの Openブログ。うまい説を出そう。こうだ。
 「そもそもデータを見ればわかるように、自民党が恒常的に支持されているということはまったく成立しない。確かに現時点では、自民党の支持率は高かった。だが、ほんの3カ月ほど前には、自民党の支持率は激減していたし、菅首相の支持率も激減していた。自民党が支持されているという説そのものが成立しないのだ。
 ではなぜ、3カ月前には支持率が激減して、今回は支持率が大幅に上昇したか? その理由はひとつしか考えられない。コロナの感染状況である。3カ月前には、大量の感染者と大量の死者が出て、この世の地獄というありさまだった。人々は政府と首相と自民党を批判した。だから支持率は大幅に低下した。
 一方、選挙の時点では、感染者は激減した。まるで以前のコロナ騒動が嘘であったかのように、感染者も死者も激減した。それは世界的に見ても、日本が傑出した状況であった。これを見て、人々は安心して、政府の対策を支持するようになった。だから、支持率は大幅に上がったのである」


コロナ
graph_down.jpg


 この解釈が最も妥当だろう。すべてはコロナの感染状況しだいだったのである。自民党の経済政策など、ほとんどへのカッパほどの影響力しかないのだ。そもそも、自民党の経済政策が何かなんて、たいていの有権者は知らないはずだ。経済政策を口にしているのは、インテリだけだ。そして、インテリなんてものは、世の中ではごく少数にすぎないのである。たいていの人は、経済政策なんか知らないまま、漠然とした印象だけで投票するものだ。

   ――
 
 さて。コロナの感染状況が大幅に改善したとして、その理由は何か? 理由のひとつは、ワクチンである。これが大きな影響を及ぼしたことは間違いない。
 だが、ワクチンだけなら、世界の各国でもなされている。なのに、世界の各国では、感染者は減少しない。感染者の激減が起こっているのは、日本だけだ。
  → コロナ 海外で感染再拡大 日本での可能性は?専門家分析まとめ | NHK

 日本と世界とは違う。では、どうしてこうなったか?
 その件については、前に説明したことがある。こうだ。
 「ワクチンをすることをいやがる人(反ワクチン論者)は、日本には少数しかいないが、外国にはたくさんいる。反ワクチンを唱えながらしきりに外出して人的交流するような人は、日本には少数しかいないが、外国にはたくさんいる。その差が出た」

 「コロナの感染が拡大するときには、スーパースプレッダーとなる人々がいて、その人々は、数は少数でも、あちこちで大量の感染を引き起こす」

 これは、以前は「マスクをしない人」が該当した。今では、それに加えて、「ワクチンをしない人」が該当する。しかも、両者は重なる部分が多いので、「マスク嫌いで、反ワクチンの人」というのが、たくさんいる。
( → コロナ感染者数の急減の理由: Open ブログ

 欧米には、「マスク嫌いで、反ワクチンの人」がいて、彼らが少数ながらもスーパースプレッダーとなって、あちこちに出向いて、感染を巻き起こす。一方日本では「マスク嫌いで、反ワクチンの人」というのはほとんどいないから、そういう人がスーパースプレッダーとなって感染を拡大することはほとんどない。

  ※ この件については、次項でも詳しく説明する。(予定:翌日分)

 ――

 ともあれ、欧米にはスーパースプレッダーとなる人がいたが、日本にはスーパースプレッダーとなる人がほとんどいなかった。以前、日本人が世界に先駆けてマスクだらけになったように、今では、日本人はマスクとワクチンをみんながやるようになって、やらない人は激減した。……つまり、日本人の公衆衛生意識が高かった。
 これが、日本で感染者が激減した理由である。

 そして、そのおかげで、自民党は選挙で勝利できた。とすれば、結論はこうなる。
 「今回の選挙で自民党が勝利した理由は、日本人の公衆衛生意識の高さである。それは、自民党が何をしたかとは関係がない」
 
 日本人が優秀だったおかげで、自民党は何もしないまま、タナボタふうに選挙の勝利を得たのだ。
 かくて、3カ月前には、コロナで大失敗して、政権喪失の恐怖に怯えていたくせに、今では大得意だ。


 今泣いたカラスがもう笑った。

cry_laugh.jpg




 【 追記 】
 維新が大躍進したことも、コロナの影響だということで説明できる。この春までは、大阪の感染状況は最悪だった。しかし夏ごろに忽那賢志氏が大阪大学に教授として招聘されてからは、大阪の状況は大幅に改善された。今では東京よりも状況が良い。
 忽那賢志氏を招聘して大幅に権限を委嘱したのは、吉村知事のクリーンヒットだった。これならば府民が維新(というより吉村知事)を大幅に支持するのももうなずける。
 「大阪は全国で最悪の死者を出したのに、どうしてコロナ対策が駄目な維新を支持するんだ」
 というふうに疑問視する人もいるが、それは情報が古い。夏以後では状況が変わったのだ。
 「コロナしだいで票の行方が変わる」
 というのは、自民について成立するだけでなく、維新についても成立するのだ。

 一方、そのとばっちりを受けたのが立憲だ、とも言える。立憲の真の敗因は、コロナの状況変化に巻き込まれたことだ、とも言える。仮に夏に選挙があったなら、立憲は大勝しただろう。

 実は、今回の立憲の大敗も、きわめて接戦のところが多かったので、紙一重の敗北だった、とも言えるのだ。
  → 衆議院選挙 NHKの議席予測はなぜ外れたのか | NHK政治マガジン
 状況がほんのちょっと変わっていたら、立憲は接戦を制して、十分に勝利できただろう。(小選挙区で共闘した効果が出たので。)
 
 自民党の圧勝を見て、「世論は自民を支持している」などと鼻高々になる人は、実状を調べるといい。自民の大勝は、自民の政策が優れているからではなく、たまたまそうなっただけにすぎないのだ。

 ※ 次の参院選では、自民が大敗することも、十分にありえそうだ。なぜなら、参院選では、自民党が好きなときに解散することはできないからだ。「今は都合が悪いから、選挙の時期を3カ月先延ばしにしよう。それなら票が伸びるぞ」と思っても、そういうことはできないのだ。来年の7月に、またコロナが蔓延していれば、自民は大敗しかねない。

posted by 管理人 at 23:32| Comment(1) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2021年11月06日 07:27
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ