2021年11月01日

◆ 2021 衆院選の分析(核心)

 2021 衆院選の核心は、比例区の得票率に見ることができる。立憲の大幅減少と、維新の大幅増加だ。これは何を意味するか? (物事の本質を突き詰める。)

 ――

 立憲は、選挙区では選挙協力で善戦したが、比例区では惨敗した。この点については、先日の項目で指摘した。
  → 立憲はなぜ敗北したか?: Open ブログ

 比例区の状況はどうだったか? 得票率を見るだけでは細かいことはわからないが、朝日新聞社の出口調査ではもっと細かい状況が判明した。下記記事とグラフがある。
 出口調査で、投票者にふだん支持している政党を聞くと、自民の支持率は41%にのぼり、立憲民主の17%を引き離した。「支持する政党はない」「わからない」を合わせた無党派層は投票者の15%だった。

 無党派層の比例区投票先は、選挙のたびに揺らいできた。

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( → 無党派層、自民に一定支持 比例区、19%が投票 出口調査 衆院選:朝日新聞

 このグラフを見ると、次のことがわかる。
 今回、維新が多くの議席を獲得したと見えるが、実は、12年、14年にはもっと多くて、17年が少なかっただけだ。つまり、今回は飛躍的に増加したわけではなくて、元の水準に戻っただけだ。
 では、なぜそうなったか? そこが肝心だ。


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2017年の選挙結果


 前回の選挙では、旧来の「立憲」と「希望」があった。それが合体してできたものが、今回の立憲民主だ。その意味では、今の立憲民主は、「民主党」「民進党」が復活しただけだと思えそうだ。実際、議員を見る限りは、その通りである。
 だが、有権者の意図を見る限りは、そうではない。前回の立憲は、そのまま今回の立憲に引き継がれた。一方、希望は、そうではない。
 前回の希望は、今の立憲の前身として生まれたのではないし、旧民主や旧民進の後釜として生まれたのではない。その本質は、小池新党である。つまり、新保守である。それが希望の党の出自であって、有権者としてもそのつもりで投票したのだ。
 
 とすれば、前回の希望の立ち位置は、維新の立ち位置とまったく重なる。どちらも自民に代わろうとするものであって、旧保守に対する新保守という位置づけだ。「革新的保守」と言ってもいい。(大阪ではまさしくその位置によって、自民の票を食っていった。ちなみに左派の得票率はもともと非常に少なかった。)
 こうして、希望は、同じ立ち位置にいる維新の票を食うことで、大幅な議席増を果たした。そのせいで、維新は議席を大幅に減らした。……これが、2017年の事情である。そしてまた、2017のみに起こったことだとも言える。

 とすれば、希望という新保守が消えたときに、維新の得票率が元通りになるのは、当然のことなのだ。……比喩的に言えば、ゴジラが通ると街は破壊されるが、ゴジラがいなくなれば街は元通りになる。それだけのことだ。



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 (ゴジラのような)希望がいなくなれば、希望に食われた分が元に戻る。減った分が元に戻る。だから維新の増加があると見える。見えるが、そういう意味ではないのだ。増えたのではなく、元に戻っただけだ。
 同じことを立憲について言えば、立憲は減ったように見えるが、そういう意味ではない。減ったのではなく、元に戻っただけだ。前回の議席数は、立憲の本来の議席数ではなくて、維新の分をもらい受けて増やした分だったのだ。そして、それは本来、リベラルの分ではなく、新保守の分なのである。
 これを逆の言い方で言えば、立憲やリベラルの基礎票はずっと小さいのだ。とすれば、前回は(民進党の)分裂騒動で議席を減らしたと思われていたが、実はそうではなかったのだ。むしろ、維新の議席数をもらい受けたことで、議席数を過剰に増やしていたのである。つまり、損したのではなく、得していたのだ。(意外なる真相)

 ――

 日本のリベラル支持者は、もともと少ないのである。民主党政権時代には、リベラルな与党の下で、リベラルを支持する人が過半数になっていたが、今はそういう時代ではない。自民党政治が長く続いている時代である。こういう時代には、人々は自民党政治に飼い慣らされて、自民党政治に染まっていく。すると、リベラルを支持する人は、大幅に減っていくのだ。
 実際、政権支持や自民支持や岸田首相支持の比率は、立憲の2〜3倍ぐらいになっている。
 出口調査で、投票者にふだん支持している政党を聞くと、自民の支持率は41%にのぼり、立憲民主の17%を引き離した。
( → 無党派層、自民に一定支持 比例区、19%が投票 出口調査 衆院選:朝日新聞

 野党第1党の立憲の支持率は5%前後の低空飛行が続く。10月19、20日に実施した朝日新聞の世論調査で「岸田首相と枝野代表とでは、どちらが首相にふさわしいか」という問いに枝野氏は14%。岸田首相の54%に大きく差をつけられていた。
( → 「ガラス細工」に賭けたけど…立憲は伸びず 参院選の共闘にも暗雲 :朝日新聞

 前項でも述べたが、立憲の支持率が低いという事実もある。


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政党支持率推移グラフ|世論調査|報道ステーション|テレビ朝日


 現状では、リベラルの基礎票はとても小さいのだ。
 なのに今回、自民との接戦の選挙区がたくさんあった。選挙区ではこれほどにも善戦できた。それは、上出来すぎと言えるだろう。反政府の浮動票・無党派票をもらったことで、身の丈の何倍もの大きさに背を伸ばすことができた。
 しかし立憲の本来の支持は少ない。立憲の本来の体つきは小人である。巨人のような自民とは対抗すべくもない。



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 こんな小さな政党が「政権交替」を狙うのはおこがましいし、口にするのもおこがましい。基本的には「国民の支持を得ていない」と自覚するべきだ。

 特に、経済政策が弱いのが致命的だ。やたらと人権のことばかりを唱えていて、お金のことに弱い。文学部の書生の集まりのようなものであって、経済学部生のような甲斐性がない。だから、国民の信頼を得られない。……ちょうど、定職を持たないくせに、娘に求婚する無職男のように。

 というわけで、文学部生のような立憲の政権担当能力には、大きな疑問符がつくのである。要するに、「立憲に任せると、経済が崩壊するのでは?」という懸念を持たれるのだ。
 これが、保守票を得られないことの根本原理だと言える。……ちょうど、定職を持たない男が、いくら求婚しても、娘の父や母からは大反対されるように。

 ( ※ 小室さんのことを言っているわけではありません。)



 [ 余談 ]
 ではどうすればいいのか、という話は、翌日分で。
 基本的には、自らを体質改善するべきだ。そこで、留意することがある。

  ・ なしてはならないことがある。(次項。)
  ・ なすべきことがある。(次々項)

posted by 管理人 at 23:47| Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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