2021年10月31日

◆ 選挙と表現の自由

 選挙を「表現の自由」とからめて説明しよう。ここには非常に重要な問題がある。

 ――

 共産党が「非実在児童ポルノ」を規制する方針を出したということで、ネットではオタクたちが大騒ぎして、騒動になっているそうだ。
  → 共産党の公約で「非実在児童ポルノ」が衆院選の争点化…表現規制問題の論点整理
  → 「非実在児童ポルノ」めぐる日本共産党の政策紹介ページが議論呼ぶ 「誤った社会的観念を広める」 - ねとらぼ

 幼女の陰部を剥き出しにして強姦する変態漫画なんて、見る人が多いとは思えないのだが、そういうのを規制することに「絶対許さん!」と騒ぎ立てているわけだ。(はてな という変態オタクが大勢いるところは、特にそうだ。「ゾーニングしろ」という規制論を「発禁だ」と曲解して、大騒ぎしている。)

 ――

 それとは別に、「日本では自民党政治ばかりが続くのは、こういう理由だ」という英国人の動画がある。
  → 日本の自民党はなぜ選挙に勝ち続けるのか - BBCニュース

 ここでは「田舎への利益誘導と、田舎と都会での一票の格差」という理由が示されている。だが、今回の選挙予想では、立憲(野党)の得票率が大幅に低下しているので、上の話は当てはまらない。
 
 では、どうして日本では自民党政治が続くのか? 

 ――

 ここで、自民党が有利である最大の理由として私が思いついたのは、こうだ。
 「日本では、表現の自由が認められていない。自民党を批判することが許されていない」

 ということだ。この点では、中国によって香港の言論規制が行われたのと似ている。香港ほどひどくはないが、日本もまた香港に似て、反・自民党に対する言論規制が行われているのである。

 「そんな馬鹿な! 自民党批判は許されているぞ!」
 と思う人がいたら、その人は頭がすでに洗脳されてしまっている。
 証拠を見せよう。次の二点だ。

 (1) マスコミ

 マスコミは、自民党寄りのマスコミだらけで、反自民(もしくは反権力)と言えるのは、毎日新聞と朝日新聞だけだ。それ以外は、権力べったりで、権力におもねるマスコミばかりだ。
 NHK は、以前は権力批判をしていたが、国谷裕子さんが解任され、自民党を批判する番組を作ったディレクターかプロデューサーかが左遷されてしまったし、そもそも会長が解任されて、自民党べったりの会長が就任した。
 関西では維新べったりのマスコミばかりだ。
 かくて、マスコミにおいては、言論統制がなされているのも同然となった。

genron_tousei.jpg


 (2) 選挙運動

 選挙運動の規制が、とりわけ重大だ。
 外国では、選挙運動は自由である。選挙期間中、どのような表現活動をしても構わない。
 日本では違う。選挙期間中には、選挙運動が著しく規制される。特に問題なのは、次の二点だ。
  ・ 文書の配布
  ・ インターネットでの広報(メールなど)

 この二点が、厳しく制限されている。これは、諸外国にはなくて、日本の独自の表現規制だ。
 日本共産党の吉井英勝議員は、選挙運動におけるインターネットや文書の配布、戸別訪問について、各国がどのような規制をしているかを質問しました。
 総務省はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの選挙運動について、インターネットと文書配布についてはフランスで一定の規制があるが、他の三国では基本的に自由だと答えました。さらに戸別訪問は四カ国とも規制がないことが分かりました。(表)

senkyo-kisei.jpg

( → 選挙運動 欧米は自由/総務省 「3国はネット規制なし」/吉井議員が質問

 実を言うと、昔はこのような規制はなかった。すると、共産党が自民党を批判するビラを大量にばらまいた。そこには自民党がいかに悪いことをしているかを暴露する情報がたくさん記してあった。それを見た自民党は恐れおののいた。
 「これでは本当のことがバレてしまう! 事実を隠蔽する必要がある! 共産党が事実を国民に知らせるのを許すな!」
 こういう方針の下で、ビラの頒布を大幅に制限することにしたのだ。……日本だけの独自の表現規制として。

 こうして、反対勢力による政治活動を大幅に制限することで、日本をなかば香港化することに成功した。だから、日本では政権交替が起こらないのである。今の香港と同様に。
 


 【 追記 】
 恐ろしいことだが、共産党がビラ配りをしたというだけで、「住居侵入罪」で逮捕されて有罪になってしまった……という事件があった。(2004年)
 葛飾政党ビラ配布事件(かつしかせいとうビラはいふじけん)は、東京都葛飾区のマンションの戸別ドアポストに男性が日本共産党の議会報告とアンケート用紙等を配布していた際、居住者によって現行犯逮捕され、住居侵入罪により勾留・起訴された事件で、裁判では罰金5万円の有罪判決が確定した。
( → 葛飾政党ビラ配布事件 - Wikipedia

 ビラ配りなんて、そこらの業者がいくらでもやっているのに、日本では共産党だというだけで、逮捕されて処罰されてしまうのである。
 だいたい、これが「住居侵入罪」になるのなら、ウーバーの配達員がマンションに入って個別に配達するたびに、みんな「住居侵入罪」になるはずだ。
 なのに、それを摘発しないで、反自民の意見をする場合に限って摘発する。これはもう「言論弾圧」にほかならない。……日本では裁判所が法律を歪める恐ろしい組織になってしまったのだ。

 ※ 裁判所は、一審では常識的に「マンションのビラ配りは住居侵入罪でなく無罪」と判決した。しかし高裁と最高裁では有罪となった。日本の裁判所は、上級審になるほど、権力べったりになるからだ。
 ※ で、ウーバーの配達員はどうなるのか? もう、論理的整合性はないね。はっきりと「反権力の団体に限り有罪にして弾圧する」と明示した方が合理的だろう。中国みたいに。

posted by 管理人 at 19:50| Comment(2) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
Posted by 管理人 at 2021年11月01日 14:40
 つまり、日本では、少なくとも選挙期間中は、憲法の一部(第21条1項;言論・表現の自由)が停止されるってことですね。であれば、「私は真面目な民主主義者なので、今の日本では投票ができない、選挙に行けない。後世の人に後ろ指をさされるので」という人がいても、責められないですね。
 ※ 中国や北朝鮮でそういう人がいたら、すぐ投獄されると思いますが、私は賞賛します。それに近い。
Posted by かわっこだっこ at 2021年11月01日 19:38
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ