2021年10月24日

◆ 自動運転バスの剛性

 自動運転バスの公道走行が現実化した。日産やホンダでさえやっていないのに、弱小メーカーが自動運転の公道走行を実施した。いったい、どんなものか?

 ――

 朝日の記事で報道された。

 車は窓がないカートタイプの電気自動車で、愛称は公募で決まった「い〜にゃん号」(6人乗り)。全長約2.7キロの公道地中に埋め込まれた電磁誘導線を感知しながら走る。最高速度は12キロ。路線には青い2本の線や路面に標示がある。
( → 無人の自動運転車・い〜にゃん号、中山間地域で公道走る 全国4例目:朝日新聞

 この写真を見ると、こうだ。
  ・ Aピラー(前側ピラー)は、とても細い。
  ・ Bピラー(中央ピラー)は、存在しない。
  ・ Cピラー(後側ピラー)は、とても細い。


 これらのことから、車体剛性は非常に低い、とわかる。正面衝突や追突の場合の剛性が確保できないだけでなく、側面衝突の剛性は皆無も同然だとわかる。交差点で横から自動車が突っ込んできたら、ひとたまりもない。
 こんな自動車は公道を走行する資格がないし、公道を走行できるだけの許可が下りるはずがないのだが。いったいどうなっているのか? ……疑問に思ったので、調べてみた。

 ――

 ググってみると、次の情報が見つかる。
  → 実験に使用する車両 中山間地域における道の駅等を拠点とした自動運転サービス実証実験
  → 報道発表資料:中山間地域における道の駅等を拠点とした自動運転サービス 道の駅「赤来高原」(島根県飯南町)で本格導入へ(中国地方初) - 国土交通省
  → 国土交通省 資料1
  → 国土交通省 資料2

 これらからわかったことは
  ・ 製造は、ヤマハ発動機
  ・ 最高時速は、12km/h


 速度が非常に遅い(自転車並み)ということで、一般自動車の規格を免除されているようだ。
 しかし、速度が低いから大丈夫だというのは、自分から衝突した場合だけだ。他の車に衝突されたときには、事情はまったく異なる。もちろん、ぺしゃんこになったりして、危険度は高い。つまり、公道上を走るときには、速度が低いからといって、安全規格を満たさなくていいということにはならないはずだ。
 その点、国交省は甘すぎる。

 ――

 なるほど、田舎だと、バスを運行するにも乗客が少なすぎて、普通のバスを運行すると採算割れになりそうだ。だから小人数の乗り合い車両が必要だろうし、そのためには自動運転が好ましいだろう。
 だが、だからといって安全性をないがしろにするのは、いただけない。

 では、かわりに、どうするべきか? 私としては、こう考える。
 「まともなミニバンが自動運転に対応するのを待つ。そのミニバンを、自動運転で運行する」
 これなら、特定の路線上を運行するぐらいのことはできるだろう。



 [ 付記1 ]
 ミニバンなら、車種はオデッセイをお薦めする。理由は二つ。
  ・ ミニバンのなかでは床が際立って低いので、乗降が容易。
  ・ ホンダは自動運転技術が高いので、実用化が早そうだ。


 [ 付記2 ]
 ミニバンはたいていが 7人乗りだが、中央の座席を一つはずして、6人乗りにすると、後席の人も乗降がしやすくなる。(2+1+3) ただし、後席の3人は、いっしょに乗降しないと、乗降が面倒だ。
 一方、冒頭の「い〜にゃん号」は、2+2+2 の6人乗りだ。だから、こちらの方が乗降はしやすい。しかしそのかわり、安全性は ないがしろにされた。

 [ 付記 ]
 普通のミニバンは、本来7人乗りだが、もっと人数を増やしたいときには、ハイエースがある。8人乗り(200系)、10人乗り(ワゴン)、14人乗り(コミューター)がある。……ただし、ハイエースは廉価版の車なので、自動運転に対応するのは、ずっと先になりそうだ。
 
posted by 管理人 at 22:11 | Comment(0) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
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