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コロナの感染は、ワクチンで小康状態にあるようだ。
とはいえ、冬には第6波が来る可能性が高い。そこで、「それに備えてロックダウンができるように法整備をせよ」という声がある。
→ コロナ対策 第6波の到来に備えよ ロックダウン法制化も急務だ - 産経
→ 尾身氏「ロックダウン法制化の議論も」 感染爆発続けば :朝日新聞
→ 全国知事会からのロックダウンを可能にする法整備の要請 | | 高市早苗
→ 都市封鎖法制化、3候補前向き 自民総裁選:時事ドットコム
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さて。各界では「ロックダウンの法制化」という声が強いようだが、本サイトはどう考えるか?
あらかじめ対策をするという意味の「転ばぬ先の杖」というのなら、いつもの本サイトならば主張しそうなことだ。だからロックダウンについても、本サイトは法制化に賛成だろう、と思う人もいそうだ。だが、その予想は外れる。
そもそも本サイトでは、コロナの感染が始まったばかりのころから、「ロックダウン否定論」を取っていた。
「ロックダウンなんてたいして効果はない」
「ロックダウンよりもマスクの方が大事だ」
「ロックダウンよりもマスクの方が効果がある」
というふうに唱えてきた。
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その延長上で、今日の時点でも、ロックダウン法制化には否定的な見解を取りたい。
(1) 「ロックダウンはまったく無効だ」とまでは言わない。「人流を減らす」という意味での効果はある。
だが、「人流を減らす」ことの効果は、あまり大きくない。西浦博教授は、感染者数の増減のすべてを「人流の影響で」という仮定でモデル化してきたが、そんなモデルに意味はない。
実際、今夏の感染者数の増減は、人流の増減で起こったわけではなく、デルタ株の蔓延とワクチン普及の効果によって起こった(増えてから減った)と考えていいだろう。
(2) ロックダウンには効果があるとしても、ほぼ同等の効果を、ロックダウンなしで実施できる。こうだ。
「人流を完全にストップする必要はない。鉄道と道路の通行を遮断するだけで、ほぼロックダウンと同様の効果をもたらすことができる」
具体的には、次の二点だ。
・ 鉄道は「全面的な運休」
・ 道路は「乗用車の通行禁止」(トラックとバスのみが可)
この二点を実施すれば、ロックダウンと同様の効果をもたらせるだろう。
また、この二点を実施するのは、特に法制化を必要としない。単に「首相からの要求」という形で実施すればいい。
・ 鉄道会社は、首相の要求を受けざるを得ない。
・ 道路は、自治体の警察の権限で実施すればいい。(検問と同様)
いずれも、法制化なしで実施できるから、特に法制化をする必要はないのだ。
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ただし、「無為無策でいい」と主張しているわけではない。代わりに、次のように主張する。
「ロックダウンを実施するにしても、新たな法律の下で実施するのではなく、上記の二点の形で実施するだけで足りる。そこで、上記の二点の形で実施するように、あらかじめ準備しておけばいい」
これを本項での結論とする。
[ 付記 ]
あとは「店舗への休業依頼」ぐらいだが、これも特に必要ない。
上記の二点を実施すれば、どうせ近隣客ぐらいしか来ないだろうから、店を開いても、なかば開店休業に近くなる。そもそも、店舗内での感染は、さして多くないはずだ。
やはり「会食禁止」が主流となる。なのに、現状では、会食が野放しに近い。アクリル板なしの店がかなり多いようだ。
次のような事例もある。
→ 【星のや東京】withコロナ時代に提案するニューノーマル会食 「東京・提灯(ちょうちん)会食

人に透明な提灯をかぶせるというアイデア。だが、これは下側が開いているので、「頭隠して尻隠さず」ふうで、まったく尻抜けの対策だ。やっても、意味がない。吐息が相手の顔に直射することはないが、吐息は相手の料理に直射するから、結局は感染を防げない。
どうせなら、普通にアクリル板を設置する方がいい。下記を参照。
→ 隙間パーティションの推奨: Open ブログ
【 関連サイト 】