2021年10月09日

◆ 教員の残業 2(時間外労働)

 前項の続き。
 教員の残業の問題では、残業代を払わないために、詭弁を弄することがある。「その作業は公式の業務ではないので、給料を払いません」というもの。

 ――

 つまり、放課後の業務(クラブ活動の指導やら、採点業務やら、翌日の授業の準備やら、校内の打ち合わせやら)を、「公式の業務」とは認めずに、「教師の自発的な作業」と見なすことで、そもそも給料の支払いの対象となる公務とは見なさないことにする、というわけだ。
 これは、前項と同じ裁判で言われている。(別の論拠から。)
 長時間労働を防ぐため、職員会議、修学旅行などの学校行事、校外実習、非常災害の4業務(超勤4項目)を除いて、原則時間外労働をさせてはいけないとした。その結果、逆に4項目以外は「自発的な活動」だとみなされて、時間外労働として認められてこなかった。この制度の下では、労働時間の管理が甘くなりやすいため過大な業務の見直しが進まず、「長時間労働の温床」とも指摘されている。
 原告側は、勤務時間外に行う登校時の児童の見守りやテストの採点、草取りなどは「超勤4項目に該当しない通常業務」だとし、これらの業務自体が「校長が主宰する職員会議を通じて割り振られたもの」で、勤務時間内の業務が過大で残業せざるをえなかったと主張。労基法上の時間外労働にあたり、残業代が出ないのは違法だとしている。
 これに対し県側は「校長から給特法に違反する時間外勤務の命令はなく、原告の業務は自発的なものだ」とし、時間外勤務には該当しないと主張している。
( → 無給の残業は「引き継いではいけない悪習」62歳教員が立ち上がった:朝日新聞

 この記事は判決の前に書かれたものだ。裁判の判決ではどうなったかは、記事では応じられていないので、詳細は不明だ。(他の記事も探したが、「自発的」という語で言及している記事を見出せなかった。)
 ただ、特に論じている記事が見出せないことからして、判決では特に注目すべき言及はなかったのであろう。


teacher_saiten_woman.jpg


 ここで、私の考えを言おう。
 この問題については、県側の主張を、逆手に取ればいいのだ。
 県側は、「自発的な活動」と見なして、給料を払う必要のある業務だとは見なしていない。だとすれば、そのような業務については、放り出してしまえばいいのだ。
 といっても、通常の業務を放り出すと、生徒に迷惑がかかる。そこで、生徒に迷惑がかからないものを、放り出してしまえばいい。

 具体的には? 校則チェックだ。特に、服装チェックだ。服装チェックや髪型チェックのために、教員はやたらと多大な手間を掛けているが、これをすべて放り出してしまえばいい。「もともと自発的な活動だと見なされているのだから、やるかやらないかは、教員の勝手です。だから、やりません」と。
 たとえ校長が命令したとしても、「それは給料をもらえる公務ではない。だから命令は聞きません。どうしても命令したければ、給料(残業代)を払ってください」と要求する。
 こういう形で、校則チェックや服装・髪型チェックという余計な業務を放り出すべきだ。
 
 さらに言おう。
 教員だけでなく、生徒の側もまた、(教師のやる)校則チェックや服装チェックに従わなくていい。なぜならそれは、公務ではないからだ。ただの自発的な活動(給料をもらえる公務ではなく、ただの個人的趣味による活動)であるのだから、教師には生徒に命令する権限がない。ただの近所のおっさんがアドバイスしているのと同程度の意味があるだけだ。だから、生徒はそんなものを無視していいのだ。
 また、教師の指導に従わないという理由で、教師が何らかの処罰を下すとしたら、教師の裁量権の逸脱だから、それを理由として損害賠償を請求するといいだろう。また、学校長や教育委員会に対しては、教師の処罰を要求するべきだろう。

 こうして物事を改善できる。



 [ 付記 ]
 以上の核心は、こうだ。
 「残業代と、校則チェック(服装・髪型チェック)という、まったく無関係の事柄を、結びつけて考える」

 遠く離れた二つの事柄の共通点を見出すということは、数学の解法では重要な手段である。
posted by 管理人 at 23:32| Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ