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東京の地震は思ったよりも被害が大きかった。私の家では(物的には)家具が落ちたことぐらいの被害で済んだが、東京ではさまざまな被害があったようだ。水道の水が大量に漏出したり、帰宅困難民が大量に発生したり。
だが、私が何よりも着目したのは、舎人ライナーが脱輪したことだ。
復旧は困難で、クレーンを使って数日がかりになるらしい。
→ 脱輪車両クレーンで吊り上げへ 日暮里・舎人ライナー復旧工事で尾久橋通り一部通行止め
では、どうしてこういうひどいことになったか? 舎人ライナーというのは、凸状のモノレールのような大きなレールはなくて、小さなガイドレールがあるだけだからだ。これでは容易に脱輪・脱線しやすい。

このことから、心配が起こる。
「たかが震度5ぐらいで脱輪して普通になるとしたら、東京直下地震で震度7〜8になったら、舎人ライナーは大幅に脱輪したあげく、横のフェンスを突き破って、高架の下に落下するのでは? そうなったら、大量の死者が発生しそうだが」
この危険が起こるかどうかは、耐震設計ができてるかどうかによる。
もし耐震設計ができているのだとしたら、今回の地震では、ものすごい力が加わったのに、中央のレールがあったおかげで、わずかな脱輪だけで済んだことになる。
あるいは、あまり大きな力はなかったのに、下手をしたので、脱輪してしまったのかもしれない。
特に今回は、次の事情があったらしい。
「ちょうどそこが線路のポイントだったので、車両が一時的に不安定な状態になっていた」
脱輪は電車の進路を変えるポイントで起きていたことが分かりました。
ポイントを左右に切り替える際、車両が一時的に不安定な状態になるということで、……
( → 地震 日暮里・舎人ライナー 脱輪はポイント部分で発生 | NHKニュース )
なるほど。だが、大地震が起こるときにも、同様の状況になることはありそうだ。そのとき、効果上にある舎人ライナーは、高架から落ちてしまうのだろうか? 乗客たちは大量に死んでしまうのだろうか?
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こういう話を聞くと、読者は要求するだろう。
「グダグダ言っていないで、対策を示せ。困ったときの Openブログといつも言っているのだから、何とかしろ」
はい。わかりました。うまい案を出そう。といっても、すぐにわかる案だが。
「高架の全線に渡って、強力な防護柵を付ける。特に、ポイントの切り替えの場所には、念入りに、強力な防護柵を付ける」
これで、脱輪しても死なずに済むようになるだろう。特に十分な強度計算をすれば、対策ができそうだ。
なお、強力な防護柵を作るには、鉄骨で頑丈な構造物が必要となるので、かなりのコストがかかりそうだ。しかし、その金をまかなうことはできるだろう。というのは、舎人ライナーは大量の乗客が来て、当初計画よりも大幅に収益性が向上しているからだ。
→ 小田急や東急並みに混む「新交通」の凄い実力 | 東洋経済
金はあるようなので、何とか対処するべきだろう。
私の推奨は、コンクリート製の高架の上に、鉄骨の
※ ただし、そんなことをするくらいなら、最初から凸状の巨大なレールを持つモノレールにしておく方が良かったね。その方が、同じ安全性(耐震性)を持つために、はるかに低コストで済んだ。
※ 舎人ライナーは、コストダウンを最優先にしたせいで、安全性(耐震性)をないがしろにしていた、と言える。そのせいで、たかが震度5ぐらいで脱輪してしまった。情けない。設計者は何を考えていたんだ、と小一時間 問い詰めたい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f58c2e30ded07065b64c06a917b9fa551a15746
運行会社は、ゆりかもめのシステムと舎人ライナーのシステムを技術的に詳細比較して、対策を考えればいいのに。といっても、ハード対策はすぐには無理そうなので、とりあえずは、問題となるポイント区間を通過する時は徐行するような運行制御にするべきですね。