――
詳細は下記。
→ マイナンバーカードを健康保険証で利用 20日から本格運用へ | NHK
「これまでは先行運用されていたのだが、チェックが済んだので、本格運用される」
とのことだ。ところが記事の最後には、こうある。
カードを読み込むための専用の機械をすでに導入している医療機関は、先月12日時点で5.6%にとどまっていて、
つまり、実際にそれが可能になる病院は、たったの5.6%しかない。そのほとんどは大学病院クラスの大病院だろうから、要するに、普通の町医者はすべて対象外だ。
よほどの重病で大病院に紹介される場合は別として、普通の人にはまったく縁がないことになる。
――
では、どうしてこうなった?
NHK の動画を見ると、機械はどうやら専用の医療機器であるようだ。そこで、
「たぶん価格が高すぎて、導入できないのだろう」
と予想した。
それを確認しようとして、ネットを探ったら、さっそくわかった。動画の機械は、パナソニックの専用機器(医療機関向け)である。下記だ。
→ 医療機関・薬局向け「顔認証付きカードリーダー(マイナンバーカード対応)」を発表 | プレスリリース | Panasonic Newsroom Japan
価格も見つかった。下記だ。
→ 申込受付中!
ここに記してある通りで、1台が何と、100万円以上する。げげげ。専用機械だと知ったときには、20万円以上するだろうと思ったら、その5倍である。とんでもない高価格だ。この価格ではとても普及しそうにない。(特に町医者には。)
困った。どうする?
――
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「こんなに高価格なのは、専用設計の機械で、台数が出ないからだ。そこで、専用設計の機械をやめて、汎用品を使えばいい」
この方針で汎用品を探す。それは何か?
マイナンバーカードでは、カードの情報をやりとりするために、NFC という通信規格を用いる。この機能は、Android や iPhone のようなスマホの最新版(高級機)には、搭載されている。たいていは「おサイフケータイ」という名称で用意されている。
この NFC という通信規格を備えたスマホを使えば、マイナンバーを読み取ることはできるのだ。
マイナンバーカード上の情報は、NFCカードリーダーなどの端末で読み取らなければなりませんが、一部のiPhoneにはその機能(NFCリーダー)が内蔵されているのです。
NFCリーダー対応のiPhoneは、2016年9月に発表されたiPhone 7以降のすべてのモデルです。ただし、iOS 13.1以上/Safari 13以上がインストールされていることが条件となる。
( → iPhoneでも「マイナンバー」を使える? - いまさら聞けないiPhoneのなぜ | マイナビニュース )
使い方は、下記の動画を見ればわかる。
なお、スマホの位置とマイナンバーカードの位置をうまく調整することが必要になるらしい。ならば、その位置を固定するために、何らかの「台」のようなものを市販するといいかもしれない。(プラスチック製の固定具。)
ともあれ、以上の方法で、5.6% という普及率を改善することができるだろう。1台100万円と、1台 10万円以下では、大差が付くからだ。
――
なお、NFC 対応の機器には、iPad は含まれない。iPad は NFC 非搭載なのだ。どうしてかは知らないが。
一方で、Windows10 タブレットの高級品には、NFC 対応のものもある。では、それを使えばいいかというと、そうでもない。Windows10 タブレットの高級品は、10万円以上の価格で、高価な品物が多いからだ。iPhoneの廉価品を買う方が安上がりであろう。
[ 付記 ]
ただし、である。話をひっくり返すようで申し訳ないが、「医療機関でマイナンバーカードを健康保険証として使う」という用途は、あまり多くないと思える。健康保険証の方がずっと便利だからだ。(薄っぺらな紙1枚で済むので、財布に収まる。)
どちらかと言えば、「処方箋の電子化」の方が、はるかに必要度は高い。現状では、病院で電子的に入力してから、紙に印刷して、その紙の文字を薬局でまた電子的に入力し直す。二度手間をかけているわけで、無駄の極みだ。
これをすべて電子化すれば、情報はオンラインで伝わるので、電子的な入力は1回で済む。そのことで、待ち時間も大幅に減る。
この件(処方箋の電子化)については、下記項目で詳しく論じた。
→ お薬手帳を廃止せよ(電子化): Open ブログ
処方箋を電子化すると、お薬手帳を廃止することもできるわけだ。(現状ではお薬手帳に、かなりの金を食われているが。)