2021年09月25日

◆ 自宅等の療養者の死者(東京)

 8月中にはコロナ感染者が病院に入院できずに、自宅等で療養していたが、その死者が東京で多数あった。

 ――

 これは本日の朝日新聞の記事。朝日の独自の調査報道だが、重要なことなので紹介しておく。
 新型コロナウイルスに感染し、自宅や高齢者施設での療養中に亡くなった人が、8月末までに全国で少なくとも200人を超えることが朝日新聞の調査でわかった。第5波が本格化した8月が最も多く、中でも東京で急増していたが、大阪、兵庫では第4波の4、5月に集中し、第5波では増えていない。
 8月末までに自宅や高齢者施設で療養中に亡くなった人は計206人だった。入院調整中や、高齢などを理由に本人や家族が入院を拒否したケースも含まれる。ホテルなどの宿泊療養施設で亡くなった人は含まない。
 死者が確認されたのは17都道府県で、最も多かったのは計90人の東京都だった。第3波の1、2月に計40人が死亡。第4波では2人だったが、第5波で再び増えて8月中に44人が亡くなった。9月に入っても23日までに5人が亡くなっている。
 一方、関西地方では、計54人のうち少なくとも44人が第4波の4、5月に大阪府と兵庫県、京都府で亡くなっていた。8月は大阪府と兵庫県で計3人だった。
 大阪府では……4月初めに約2千床だったコロナ患者用の病床数は8月末に3100床余りに増加。
 東京都では3月末に約6千床だった病床数が8月でも約6400床にとどまった。
( → 自宅・施設療養中、206人死亡 東京、第5波で急増 8月時点 朝日新聞社全国調査:朝日新聞

 コロナ対策は大阪が圧倒的にひどくて、多数の死者を出していた……と思われたが、それは春の第4波までのことだった。この夏の第5波では、東京都が圧倒的に悪い結果を出していた。8月の死者数は東京都が44人で、大阪と兵庫が計3人だ。圧倒的なまでの差がある。
 この差をもたらしたのが、病床数だ。大阪の病床数は 2000から 3100へと 1.5倍以上になった。一方、東京都は 6000から 6400へと微増だ。感染者数そのものが、東京都の方がずっと多いので、病床数の不足がはっきりと影響した。また、自宅療養者への対処も、東京都は大幅に不足した。
 都では、7月下旬から本格化した第5波で感染者が1日2千人台を超えて急拡大。病床が不足し、中等症以上でも入院できない例が相次いだ。7月1日に約1千人だった自宅療養者は月末には10倍の1万人となり、ピーク時の8月21日には2万6千人に達した。
 都は一部の自宅療養者の健康観察を外部の「自宅療養者フォローアップセンター」に委託しているが、感染者の急増を受けて業務が滞り、7月末に対象を「65歳未満」から「30歳未満」に絞った。
( → 東京、大阪の教訓生かせず 自宅・施設療養中死亡、全国の半数:朝日新聞

 自分では処理できないので、民間に委託したまではいいが、その委託した契約の金が足りなかったせいで、不十分な契約しかできずに、量的に圧倒的に不足した。金をケチって、まともに対処しなくなった(≒ 放置した)。そのせいで、多大な死者が出た。
 東京都も自宅療養者の健康観察は外部委託している。LINEも活用し、相手から連絡がなければ保健所に対応してもらう流れだ。保健所に委ねるやり方は埼玉県と同じだが、患者の急増で委託先の業務が破綻(はたん)しないように委託する人数を7月28日、大幅に制限した。「65歳未満」だった対象を「30歳未満」に下げた。
( → 相次ぐコロナ自宅療養死 支援センター機能不全で何が :朝日新聞

 切り捨てるときに、(重症化しにくい)若者を切り捨てるのならまだわかるが、「 30歳以上、65歳未満」という中高年を切り捨てた。重症化しやすい人を切り捨てた。これでは順序が逆だ。そのせいで、多数の死者が出た。「最善の努力をしたのにもかかわらず死者が出た」のではない。「死者を減らそうという努力(契約を増やすこと)をしなかった」のであり、さらには、「死者をあえて増やそうとした(中高年よりも若者の救助を優先した)」のである。

 ――

 以上からわかるように、東京都の方針は、大阪以上にひどい。これまでは「最悪の知事」のレースは大阪府知事が独走していたが、今では東京都知事が逆転して独走している。レースの終了間際に一気に抜き去って、独走状態でゴールインする感じだ。小池都知事は、コロナ対策に関する限り、まさしく「最悪の知事」に値する。

 では、どうしてこうなった? 
 それは、おそらく、五輪のせいだろう。都知事も、都職員も、予算も、すべては五輪に集中していた。だから、コロナのことはなおざりにされた。まともにコロナの仕事をしないで、民間に丸投げした。その契約規模も小さかったので、感染者が急増すると、すぐに破綻した。また、もともと病床を増やす努力もしていなかった。

 結局、都知事が五輪に集中していたせいで、都知事はコロナのことなど何も考えなくなってしまったのである。
 東京都民は、都知事と五輪に殺された、と言ってもいいだろう。

  ※ 五輪開催を決めたのは、都知事というよりは、菅首相であったようだが。
posted by 管理人 at 22:12| Comment(0) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ