2021年09月27日

◆ 米軍の誤爆を防ぐには

 アフガニスタンでは米軍がやたらと誤爆して、市民を殺してきた。この問題をどう解決するか?

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 アフガニスタンでは米軍がやたらと誤爆して、市民を殺してきた。この問題を朝日新聞・社説が論じている。
 アフガニスタンの首都カブールで8月におきた誤爆事件である。子ども7人を含む民間人計10人が死亡した。米軍は無人機によるこの空爆が誤りだったことを認め、謝罪した。
 標的にされた男性は、米国に拠点を置く慈善団体の現地職員だった。米軍は男性の車をテロリストのものと考え、8時間にわたり追尾したという。
 立ち寄った団体の事務所を過激派の拠点と勘違いしたうえ、爆発物と判断した車内の荷物は水の容器だった。その作戦のずさんさに言葉を失う。
 謝罪や賠償で済む事態ではない。同様の惨劇を繰り返さないために、行きすぎた軍事力の行使に歯止めをかける方策を米国と国際社会は考えるべきだ。
 「差し迫った脅威を前に標的を見極める時間がなかった」と司令官は弁明した。だが、もし爆弾を積んでいたら、住宅密集地での爆撃は大勢の民間人を巻き添えにしただろう。その想像力は働かなかったのか。
 無人機や監視衛星に頼る情報収集の限界も露呈した。
( → (社説)アフガン誤爆 犠牲防ぐ歯止め考えよ:朝日新聞

 他にもいくつかの記事がある。
  → 市民への米軍の「誤爆」、報復テロの火種に 遠い平和:朝日新聞
  → カブールの子どもらの犠牲、米軍の誤爆か 米主要紙が相次いで指摘:朝日新聞
  → 米軍が誤爆を認めて謝罪、賠償を検討 カブール、子供ら10人が犠牲:朝日新聞
  → 米軍、アフガン誤爆認める 「心から謝罪」 子供ら10人犠牲:朝日新聞
  → 米軍、不確かな情報収集 「爆発物」実際は慈善団体で水積み込み アフガン:朝日新聞
  → 「カローラを狙え」ずさんな米軍の情報収集 爆発物はただの水だった:朝日新聞
  → 米軍、カブール誤爆認める 犠牲10人、ISと無関係 白い車、テロ誤認:朝日新聞

 このように、いろいろと問題がある。では、解決するにはどうすればいいか?

 ――

 そこで、困ったときの Openブログ……と言いたいところだが、実は、この件はすでに説明済みだ。
  → 米軍の敗北はなぜ? (アフガン) : Open ブログ

 要するに、ゲリラ戦では、敵の姿をきちんと認識して、味方と区別する必要がある。そのためには、ドローンでは無理で、生身の人間が肉弾戦で戦うしかない。ゲリラ戦においては、高度な先端技術を投入することで優位を確保することはできないので、生身の人間を鍛えるしかないのだ。そして、そのためには、アフガン政府軍を鍛えることが必要不可欠となる。
 にもかかわらず、米軍はそれを理解できなかった。「高度な先端技術を投入することで優位を確保できる」と思い込んだ。それで無人ドローンを投入したが、その結果が、大量の誤爆だったのである。
( ※ タリバンに殺された市民の数より、米軍に殺された市民の数の方が多い。これでは、どっちが敵だか、わかったものではない。)


アフガンのドローン / 出典:ロイター
afgan-drone.jpg


 鍛えられた政府軍が、充実した装備とともに、反政府軍を打破する……ということは、十分に可能である。その実例は、シリアだ。ロシア空軍の応援を受けたシリア政府軍は、反政府軍の攻勢を食い止めたのみならず、圧倒的な優位に立ち、今では反政府軍をほとんど駆逐した。
 ダマスカス都心部から車で15分の東グータ地区。政権軍が18年4月、反体制派から奪還した場所だ。集合住宅が100棟ほど並ぶ。
( → シリア、肉も野菜も高すぎて アサド政権、経済運営につまずき:朝日新聞

 鍛えられた政府軍が、充実した装備とともにあれば、航空機の支援を得て、反政府軍を打破することは可能なのだ。
 なのにアフガニスタンでは、米軍はその方針を取らなかった。腐敗した政府と腐敗した政府軍を放置したし、有人の航空機支援も十分ではなかったようだ。無人ドローンばかりに頼って、最先端技術だから優位に立てると思い込んだ。
 
 そこには軍事的に根本的ミスがあったのだ。(



 [ 付記1 ]
 無人ドローン攻撃では、捜査する人は、現地にいる必要はないので、米国本土の都市の一室にある。そこでゲーム感覚で無人機の操作をしている。
 通りの向かいに厳重に守られた一角がある。人気(ひとけ)を感じない敷地の中には、中東やアフガニスタンなどで偵察任務や攻撃作戦に当たる無人機を遠隔で操作する米軍の作戦室があった。2001年、青空を切り裂いて旅客機が米国の中枢に突っ込んで以来、途切れなく続く対テロ戦争の「戦場」の一つである。
 もう一つの戦場は、そこから1万キロのかなたにあった。アフガン……(略)
( → (日曜に想う)リアリティーなき戦争の果てに 論説委員・沢村亙:朝日新聞

 こういう攻撃ならば、米兵の命を危険にさらさず、一方的に敵の命を奪えるので、非常に高度で有利な方法であるから、圧倒的に優位に立てる……と思い込んでいた。しかしその結果は、逆だった。敵兵よりもアフガニスタン市民の命が大量に奪われ、米兵の命もまた(別の場所で)大量に奪われた。結果的には戦争に負けた。
 死者は米兵が7052人▽敵対した兵士が30万人前後▽市民が36万〜38万人▽ジャーナリストらは680人だったという。
( → 対テロ戦争費用は20年間で880兆円 死者90万人、米大学が報告 [アフガニスタン情勢]:朝日新聞

 [ 付記2 ]
 軍事的に根本的ミス)と言えば、日本の自衛隊もそうだ。陸上自衛隊の装備の面で、とんでもなくひどい状態があるそうだ。
 → 陸自隊員の銃装備が「お寒い限り」と断言できる訳 | 日本の防衛は大丈夫か | 東洋経済
posted by 管理人 at 23:42| Comment(0) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
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