――
この大雨は、降水量では史上最大だった。
→ 8月降水量、西日本過去最多 前線停滞が影響、関東甲信も最多更新:朝日新聞
→ 今月の大雨、68地点で72時間降水量過去最多 気象庁:朝日新聞
被害もかなり多かったので、政府は激甚災害に指定する方針を示した。
→ 8月西日本大雨、激甚災害指定へ 防災相が表明:朝日新聞
とはいえ、降水量の多さに比べて、実際の被害はさほどではなかった。目を見張るような氾濫や洪水は報道されなかった。この点は、かつて「西日本豪雨」と呼ばれた 平成30年7月豪雨 とは異なる。(こちらは大規模な被害があった。)
→ 平成30年7月豪雨(Yahoo!)
→ 平成30年7月豪雨 - Wikipedia
ではどうして、前の西日本豪雨と違って、今回の西日本豪雨では、被害が小さかったのか? それについては、前に述べたとおり。
大きな被害は報告されていない。事前に大規模な降水量が予想された割には、被害は小さめだったと言える。
これはどうしてか?
・ 各地にまんべんなく降って、特定地域に集中しなかった。
・ 長時間にわたって降ったので、短期間に集中しなかった。
ということのせいだろう。その意味では、台風に比べると、被害は起こりにくかったと言えそうだ。
( → 寒い夏 (8月に 19℃): Open ブログ )
話は以上で済んでいるのだが、それだけでは面白くない。そこで、とりあえずは目立った被害を一つ取り上げよう。
それは順天堂病院の水害だ。まわりを大水で囲まれ、1階が浸水した。
佐賀県大町町の順天堂病院は、敷地や病院の1階が浸水しました。
「1階の水はひきましたが、泥水に覆われたため掃除をしています」
災害派遣医療チーム「DMAT」の医師1人と看護師2人など合わせて5人がヘリコプターで病院内に入ったということです。
( → 佐賀 大町町 1階浸水の順天堂病院「医療体制守られている」 | 大雨(8月) | NHKニュース )
2年前にもやはり同様の被害があった。このときには、下記の動画が撮影された。
――
さて。上の写真を見ると、敷地のまわりに堤防のようなものがあって、敷地への浸水を防いでいるように見える。だったら、浸水を完全に防いでもよさそうなものだが、何とかならなかったのだろうか?
そう疑問に思ったので、調べてみた。
ストリートビューで見ると、現地には確かに、堤防のようなものがある。これだ。
こういうものがあるのだから、浸水を防いでいいはずだ。なのに、それができなかったのは、堤防に切れ目があったからだろう。そう思って探ると、たしかに切れ目があった。
こんなものがあれば、ここから浸水するのは、当然である。いくら堤防をつくっても、「頭隠して尻隠さず」ふうになって、堤防の一切は無効になる。
さらに、入口の門のあたりも、開口部が大きく開けている。
ここからも浸水するのは、明らかだ。
結果的に大きく浸水したのは、先の動画からもわかる。(二つの開口部のどちらからも浸水している。) 再掲しよう。
――
こうして問題の所在はわかった。
では、解決策は? 困ったときの Openブログ……というまでもなく、誰でも簡単に解決策は出せる。こうだ。
「その開口部に、
土嚢を積めば、通常の水害は防げる。まして、上記の順天堂病院の場合は、深度の浅い水であるから、小さな土嚢を積むだけでも簡単に浸水を防げるだろう。
ちなみに、通常の土嚢は、下記のように積むことができる。
もっと強固な土嚢の積み方もある。自衛隊式だ。
ともあれ、このような土嚢を積めば、敷地内への浸水を防ぐことができた。
さらには、建物の入口だけでも土嚢を積めば、入口からの浸水も防ぐことができただろう。
土嚢というものは、どんくさい感じだが、馬鹿にできないのだ。
【 追記 】
まぎらわしいが、この病院は順天堂大学とは無関係だ。
「医療法人順天堂及び順天堂病院は学校法人順天堂及び順天堂大学医学部の各付属病院とは、一切関係ありません。」
とのことだ。
→ 医療法人順天堂