2021年08月23日

◆ PCR 検査数が増えないわけ

 陽性率が上がっているのに、PCR検査の数は頭打ちになっている。それはどうしてか? 機械不足のせいか? 

 ――

 陽性率が上がっているのに、PCR検査の数は頭打ちになっている。これを見て、次のように批判する人もいる。
 「 PCR検査の数が上限に達しているから、陽性率が上がっているのだ。それは PCR検査の機械の数が足りないからだ。だから、機械の数をもっと増やすべきだ」

 これはもっともらしい推論である。だが、間違いであることが判明した。朝日新聞の記事に記してある。
 新型コロナウイルスの検査を受けた人のうち、結果が陽性だった人の割合を示す「陽性率」が各地で上昇している。陽性率の上昇は一般に、増える感染者数に対し、検査が追いついていないことが原因とされる。感染者数の増加に歯止めがかからない中、何が起きているのか。
 ただ、検査能力に余力がないわけではない。症状のある人や感染者と濃厚接触した人は公費負担の「行政検査」の対象になる。20日時点の都内の行政検査の検査人数は、直近7日間平均で約1万4千人。一方、都の計画では、都内約3800の医療機関で1日最大4万件以上検査できる。
 都の担当者は「検査を絞っているということはない。検査を担う医療機関を受診した患者がこの数だったということだ」と話す。

( → 陽性率上昇、見えぬ感染実態 必要な検査、できていない恐れ 新型コロナ:朝日新聞

 検査人数は、1万4千人だ。一方で、機械の能力は「1日最大4万件以上」である。とすれば、「機械が不足している」ということにはならない。

 ではなぜ、検査人数が伸びないのか? 記事では次のことを指摘している。
 行政検査の件数がなぜ伸びないのか。一因は、保健所の「積極的疫学調査」が滞っているためだ。
 保健所は感染者の行動歴を聞き取り、濃厚接触者を特定して検査する。
 保健所も入院先の手配や健康観察などの業務で手いっぱいだ。

 この記事では、何を言いたいのか要領を得ないが、大事なのは、次のことだ。
 「今の保健所は、圧倒的な人手不足である。(生死を左右するような)自宅療養の人々の病状を調べることだけで手いっぱいだ。(生死を左右しない)ただの統計データを得るために濃厚接触者の PCR検査をするためには、人員を回せない」

 ここでは、次の二つの業務に対立がある。
  ・ 自宅療養の人々の病状を調べる
  ・ 濃厚接触者の PCR検査をする


 自宅療養の人々の病状を調べるというのは、以前ならばやらなくてもいいことだった。だから、そこには人手を向けずに、濃厚接触者の PCR検査をすることに人手を向けることができた。
 しかし今では、自宅療養の人々の病状を調べることに人手をかけている。だから、濃厚接触者の PCR検査をするための人手がなくなってしまったのだ。
 というわけで、「機械不足」よりは「保健所の人手不足」が原因となって、(無症状の)濃厚接触者に対する PCR検査が激減した。今でも PCR検査がなされているのは、「高熱を発している」というように強く発症している患者ばかりである。だから、陽性率が大幅に上昇したのだ。

 ――

 では、この問題を解決するには、どうすればいいか? もちろん、
 「保健所の人員を大幅に増やす」
 ということが大切だ。
 ちなみに、墨田区では「保健所の人員を大幅に増やす」ことを実現済みである。
  → コロナの医療崩壊の対策は?: Open ブログ

 のみならず、墨田区では、もともと「検査体制の充実」という方針を取っていた。そのために、もともと保健所を充実させていた。
  → コロナは検査で抑止できる: Open ブログ

 ――

 ただし、墨田区は立派だが、他の自治体では、泥縄的にはうまく対処できないかもしれない。「保健所員を急激に増やす」と言っても、それがすぐにできないかもしれない。そこいらの素人を雇用するわけには行かないからだ。では、どうすればいいか? 

 ――

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 「リモートワークの保健所員を新規雇用する。そのことで、幼い子供がいるような専門家(育児退職した専門家)を新規雇用する」


 育児中の専門家(保健所員や、医師や、看護師だった女性)は、「子供が感染するのが怖い」と思って、医療の場にはなかなか戻ってくれない。
 「コロナの治療のために貢献したいとは思う。だが、自分が感染するのはともかく、子供が感染するのは困る。自分の子供の命だけは何としても守りたい」
 というふうに思いがちだ。

 そこで、リモートワークの出番ですよ。
 「自宅でリモートワークをしながら、保健所員としての業務をする」
 具体的には、自宅療養中の患者への対応だ。これはリモートワークでできる。電話でもできるし、メールでもできるし、LINE でもできる。こういう形で自宅療養中の患者への対応をすることで、本来の保健所員(出勤する職員)の負担を減らす。
 そうすれば、本来の保健所員は、濃厚接触者の調査をすることが可能になるのだ。

 さらには、濃厚接触者の調査もまた、リモートワークで実施できる。これはただの聞き取りだから、リモートワークで可能なのだ。


telework.jpg


 かくて、「リモートワークの保健所員を新規雇用する」という方針で、保健所員の不足というボトルネックを一挙に解決できる。

 これぞ名案というものだ。



 [ 付記 ]
 コロナの感染者への聞き取りは、現状では電話でなされるが、感染者は呼吸をするのもつらいので、電話を使うのが苦しいそうだ。ならば、メールか LINE か Webフォームで聞き取りを実施するべきだろう。
 この件は、前にも述べた。そちらを参照。
  → 新型コロナウイルスの話題 38: Open ブログ

posted by 管理人 at 23:25| Comment(1) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私の住んでいる自治体では保健所以外の部署から人員を大量に送り込んで専門知識がなくてもできる業務をまかせるようにしていますね。
人員を取られてしまった部署はやはり人手不足になっています。優先順位的に仕方ないですが。
Posted by けろ at 2021年08月24日 09:48
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