2021年08月22日

◆ 基礎疾患患者の死亡

 (高齢ではないが)基礎疾患のあるコロナ感染者の死が続いている。

 ――

 次の2例が報道された。
  → 50代男性・心不全の基礎疾患あり
  → 60代男性・基礎疾患あり(内容非公表)


 後者はワクチン1回接種とのことだが、前者はワクチン接種はしていないらしい。
 基礎疾患のある患者は、危険性が高いので、65歳以上の高齢者と同時にワクチン接種をするべきであったのだが、それ以後に後回しにされた。ならば一般の人よりも優先扱いされていいのだが、たったの数日間しか期間は与えられず、その枠はすぐに埋まってしまったようだ。
 結果的に、多くの基礎疾患患者はワクチン接種の受けられないままとなり、その一方で、健康な中年が次々とワクチンを接種してもらっている。
 つまり、「最も危険な人々を、あえて後回しにする」というふうにしている。これでは、順序が逆転している。本末転倒と言える。……その結果が、上記のような「基礎疾患患者の死亡が続出」という結果になる。

 では、どうしてこういう馬鹿げたことが起こったのか? (ワクチン接種順位の設定ミス)





 ひょっとして、政府はもともと馬鹿ぞろいなので、わざと本末転倒にしたのだろうか?

 ――

 その真相を明かそう。これには実は、理由がある。次のことだ。
 「基礎疾患の指定症状に、ただの高血圧が含まれている」

 このことは、次の記載からわかる。
基礎疾患を有する方の範囲
◯ 令和3年度中に65歳に達しない者であって、以下の病気や状態の方で、通院/入院している方
  ・ 慢性の呼吸器の病気
  ・ 慢性の心臓病(高血圧を含む。)
  ・ 慢性の腎臓病
  ・ 慢性の肝臓病(肝硬変等)
   ……(略)…… 
( → 基礎疾患を有する方の新型コロナウイルスワクチン接種について

 上記4項目を代表として、いろいろと列挙されているが、「高血圧を含む」とされていることに注意。
 つまり、高血圧の患者は、「基礎疾患患者」に含まれるのだ。

 このことは、私だけの解釈ではない。ネット上でもはっきりと「高血圧も含まれる」と解説しているページが多い。たとえば、下記。
  → ワクチン優先接種の対象…『基礎疾患を有する者』具体的な病名や身体の状態は 高血圧や「肥満」なども (東海テレビ)

 ここで、高血圧の患者の数が問題となる。その数はとても多いことが判明している。
  → 高血圧の総患者数は993万7,000人 平成29年(2017)「患者調査の概況」より | 生活習慣病の調査・統計 | 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会
 高血圧患者の33%は、自分が高血圧であることに気づいていないといわれています。約4,300万にいるという高血圧者のうち、適切に血圧コントロールされているのは1,200万人で、残りの3,100万人が管理不良に分類され、そのうち1,400万人が自らの高血圧を認識しておらず、450万人が高血圧を自覚しているが未治療、1,250万人は薬物治療を受けていますがきちんと管理されていません。こうした管理不良の高血圧者を減らす対策をすることが、わが国の今後の課題といえるでしょう。
( → 日本の高血圧人口(有症者数)|高血圧による脳心血管疾患の発症ゼロへ|オムロン ヘルスケア



koketuatu-port.jpg
平成22年 国民健康・栄養調査結果の概要


 最後の図によれば、次のようになる。
  ・ 60代の男性では 64%
  ・ 50代の男性では 57%

 これほどにも多くの人々が高血圧になるのだ。高血圧でない人よりも、高血圧の人の方が多いのだ。

 半分よりも多い人を、「普通の人よりも優先する」というのは、優先順位としてはナンセンスである。それではもはや「優先扱い」というような意味をなさない。
 だから、「高血圧の人を基礎疾患に含める」という発想のもとでは、「基礎疾患の人を優先扱いにする」というのは、ナンセンスになる。(だから切り捨てられる。)
 そのとき同時に、高血圧以外の基礎疾患の人もまた、ナンセンスのうちに含まれてしまうのだ。(だから切り捨てられる。)

 ――

 では、どうするべきだったか? 正しくは、こうだ。
 「基礎疾患患者には、高血圧の人を含めない。高血圧以外の基礎疾患患者については、65歳以上の人々といっしょに、最優先でワクチン接種をするべきだった」(現在の高齢者と、同様の扱い)
 「高血圧の患者は、その次の優先対象として、一般人に先立ってワクチン接種を認めるべきだった」(現在の基礎疾患患者と、ほぼ同様の扱い)


 このようにすれば、現状のように、「基礎疾患患者の死亡者が続出する」という結果にはならなかっただろう。
 そして、そのすべての根源は、厚労省が高血圧を「基礎疾患」に含めたことにある。それというのも、高血圧の患者が過半数になるほどにも数が多いという現実を、理解できなかったからなのだ。
 


 [ 補足 ]
 基礎疾患患者を優先するべきだということは、岡江久美子さんの死亡の時点で、すでに判明していたことなのだが。
  → 岡江久美子さんとコロナ: Open ブログ
 本サイトでも言及したことがある。
 特に、基礎疾患患者は、高齢者よりも優先するべきであって、喫緊の対象者だ。ちなみに、岡江 久美子さんは、基礎疾患患者で、享年 63歳だから、いまだにワクチン接種対象ではないことになる。同様の基礎疾患患者は、他にもたくさんいるだろうから、最優先で接種対象にするべきだ。
( → ワクチン予約:嘘と倒錯: Open ブログ

 なのに、65歳以上の人よりも後回しにした。これはまったく本末転倒だ。
 そして、そういう倒錯が起こったことの原因は、「高血圧を基礎疾患に含める」という馬鹿げた基準を取ったからなのである。
 確かに高血圧は、コロナの感染率を高める効果が少しあるようだ。そのことを過大に重視しすぎたせいで、「高血圧の患者数があまりにも多すぎる」ということを見失ってしまった。

 「目の前にいる一人の命を救うことが大事なんだ」と思う医者は多いが、そのせいで、「あまりにも多くの命を救おうとして、かえって死者数を増やしてしまう」という馬鹿げた結果になることもある。
 これは要するに、ワクチン接種の優先順位のときに、「トリアージがうまくできていなかった」ということになる。高血圧は黄色であり、他の基礎疾患患者は赤なのに、黄色と赤の区別ができないまま、見境なく「すべての患者を救おう」とした。その結果が、「赤の患者の死亡が続出」という形になって現れたのである。(大量の黄色のせいで処理のキャパを超えたゆえに。)
 ここに本質があると言えよう。


triage_tag_number.jpg

posted by 管理人 at 22:41| Comment(1) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 ニュース記事。現場の医師の話。

> 「基礎疾患があったり、BMI(肥満度)25超えていたりする人が、早期にワクチンを打っておくことが一番の予防になると思っている」
 https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000226481.html

 これと正反対の方針(基礎疾患患者をあえて後回しにする方針)をとっているのが、現在の日本政府だ。
Posted by 管理人 at 2021年08月24日 08:47
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ