2021年08月22日

◆ みずほのシステム障害

 みずほのシステム障害がまたも起こった。なぜこんなことが続くのか? 

 ――

 みずほのシステム障害がまたも起こった。

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 再三再四という感じだ。いや、もっとだ。キリがない感じだ。「線路は続くよ、どこまでも」というふうな。……よく調べたら、5回目だ。
  → みずほシステム障害 利用客ら「もう何度目なのか」 - 産経
  → みずほ、5回目のシステム障害 社長「改めて深くおわび」 | 毎日新聞

 責任はどこにあるのかと思って調べたら、ベンダーは富士通だという。
 業務チャネル統合基盤は新勘定系システム「MINORI」への移行に歩調を合わせる形で導入した。担当ベンダーは富士通で、同社のLinuxサーバー上で動作する。
「かなり複雑な壊れ方をした。冗長構成のバックアップ機器への切り替えは機能したが、(バックアップ機器に)故障が波及したようにみえる」
( → みずほ銀行「5度目」のシステム障害、原因はDBサーバーのハード故障 | 日経クロステック(xTECH)

 しかし話はそう簡単ではないようだ。前に 4回目のトラブルがあったときは、ベンダーは日立だったそうだ。
 4回目のトラブルにあたる3月12日の障害については、直接の原因となった故障したディスク装置のベンダーが日立製作所であると初めて公表しました。
 みずほ側は「(日立側で)早期サービス復旧手順並びに実施体制が確立されておらず」不備があったと説明。
 坂井社長は「契約に則って(日立側に)しかるべきタイミングで対処していく」と延べ、損害賠償を請求する可能性を示唆しました。
( → みずほ銀行は日立に損害賠償を求めるか? 全ては「SLA」次第、経産省ガイドラインを見てみると… | Business Insider Japan

 富士通だったり、日立だったりする。どっちだよ、という感じだが、実は、この2社にさらに IBM、NTT を加えた4社が主要ベンダーだという。
 それというのも、もともと三つの銀行があって、それぞれが別のベンダーをかかえていたため、その三つがシステムを全部ひっくるめるようになって、ベンダーもすべて加わったからだ。
  ――ミノリは以前あった三つのシステムを統合しています。この影響はどのようにみていますか。

 「三つを一つにした複雑さがシステムの中に残っていて、各システムの開発担当者が全体を見渡しにくい可能性もある。また、システムは細かく開発担当者が分かれている。自分の担当以外への関心が薄れるため、ほかで問題が起きるとお手上げになるところがある」
( → 5度目の障害、システム専門家が指摘する「スキル不足」:朝日新聞

 新システム「MINORI」の開発に参加したITベンダーの数は、前代未聞の規模に膨れ上がった。取りまとめ役であるみずほ情報総研(IR)の1次委託先だけで70〜80社。2次委託先、3次委託先を合わせると約1000社に上る。総務省の調査によると情報通信業を手掛ける企業数は5474社で、子会社や関連会社を含めても9806社(2015年度)。実に日本中のITベンダーの少なくとも約1割が集結した。
 とりわけ重要な役割を担ったのが富士通、日立製作所、日本IBM、NTTデータの主要4ベンダーだ。MINORIを構成する業務アプリケーションの大半を開発した。
 富士通は銀行業務の中核となる「流動性預金」を中心に担当。日立は「外国為替取引」などを手掛けた。日本IBMはメインフレームをはじめとする基盤提供を主な役割とし、NTTデータはPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)の支援を担った。
 主要4ベンダーを含め、プロジェクト終盤で組織した「トップマネジメント定例」の構成企業16社が、外部委託した全開発工数の約4分の3を占める。
( → みずほシステム統合の謎、参加ベンダー「約1000社」の衝撃 | 日経クロステック(xTECH)

 下請けまで合わせると全部で 1000社。これでは、まとまりが取れないのも仕方ない。「船頭多くして舟 陸に上がる」の典型だ。

 その結果、どうなるか? 組織がメチャクチャになって、まともな組織として機能しなくなる。指揮系統が成立せず、デタラメな命令が飛び交い、まともな伝達はできなくなり、阿鼻叫喚の地獄の混迷となる。……そのことは、調査報告書が状況を報じている。
  → みずほ銀行のシステム障害(2/28〜3/12)の調査報告書、経営陣も現場もエンジニアも全てが残念
  → みずほ銀行システム障害の報告書を読んだ結果 - Togetter

 そして、エラーという事件が起こると、まともに機能しない組織は、無能なままなので、単に混乱だけが発生する。
  → 「緊急メール」に誰ひとり動かず みずほ銀障害、顧客軽視の風土浮き彫り:東京新聞


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 では、どうすればいいか? 「日本IBM、富士通、日立という三社」が共同して構築する、という手法をやめればいい。つまり、「三つの頭をもつ怪物」みたいな状態を改めればいい。



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 そのことは、下記記事でも指摘されている。(大前研一)
 問題なのは、金融機関に出入りするコンピュータシステムの供給会社が、“ITゼネコン”と化し、「システム構築の仕事を絶対に失いたくない」と考えていることだ。
 みずほ銀行の場合、旧富士銀行、旧第一勧業銀行、旧日本興業銀行の旧3行の牽制関係が解消しないまま、第一勧業銀行が利用していた富士通、富士銀行が利用していた日本IBM、興銀が利用していた日立製作所のシステムを存続させる形で統合した。第一勧業銀行は合併後20年経っても第一銀行と勧業銀行の母体別の葛藤が収まらなかったが、今回も「oneみずほ」と言いながら、いまだに出身母体別の勢力争いがシステムの面でも影を落としているのだろう。

 三すくみのみずほ銀行のシステムに関しては、日本IBM、富士通、日立とも絶対に離さないだろう。
 どこか1つだけに統一しないと、これは直らないと思う。かといって、1社に対して、「それではアナタの会社に任せましょう」となったら、血を見ることになるだろう。
( → なぜ、みずほ銀行はシステム障害を繰り返すのか? | mbaSwitch

 ここでは次の二点が記されている。
  ・ 1つに統一しないと、混乱は解決しない。
  ・ 三つのうちの1つに統一すると、血を見ることになる。


 つまり、「あちらが立てば、こちらが立たず」だ。困った。どうする?

 ――

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 「この三社のすべてに諦めてもらう。共同責任で、三社とも退出してもらう。そのかわり、NEC に担当してもらう。NEC が三井住友に導入したシステムを、そっくりそのまま使えばいい」

 これなら、開発費はほぼゼロ同然で、完璧なシステムを導入できる。このシステムは、みずほのような前近代的なシステムではなく、新世代の分散型システムだ。
 これを導入することにして、先の三社は、NEC の下請けとして働いてもらう。それで片付く。

 なお、「NEC が三井住友に導入したシステム」というのが、どのようなものであるかは、先に詳しく解説した。そちらを参照。(システムについての根源的な話を説明している。)
  → 銀行の基幹系システムの問題: Open ブログ



 【 追記 】
 書き落としてしまったが、次のことも必要だ。
 「今回までの障害(計五回)では、担当する会社に、巨額の賠償金を求めるべきだ。直接の責任会社だけでなく、他の会社も、共同責任としての責任を分体して負担してもらう」

 さらには、次のことが望ましい。
 「欠陥だらけの品物なので、システムを納品拒否する。システムを返品するので、開発費の全額を返却してもらう。さらには、営業損失の分も負担してもらう」
 
 この条件を受け入れた会社のみが、今後の取引を許可する。この条件を受け入れない会社は、今後は永久に取引をお断りする。

 以上のようにすれば、大前研一の懸念するような「血を見る状態」は避けられるだろう。各社は「利益を求めて争うハイエナ」のようにはならないなぜなら、その前に多額の負担を強いられるからだ。「こんなことになるなら手を引きたい」と言い出す会社も出るだろう。

 ※ 実際には「開発費の全額を返却」というのは無理で、みずほの側も半額ぐらいを負担するのが、落とし所だろう。だが、当初は「全額の返却」を要求するべきだ。
 ※ 「システムの納品拒否」は、最終的には実行するべきだ。1〜2年ぐらいは使うが、そのあとでは NEC のシステムに乗り換えるべきだ。

posted by 管理人 at 11:48| Comment(3) | コンピュータ_04 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こういう場合は、関連する企業にしがらみのない人を副社長クラスで迎える。その人にバッサバッサ切ってもらう。そういう対応をするのが一般的のようですが・・。それができないんでしょうね。
Posted by SM at 2021年08月23日 08:48
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
Posted by 管理人 at 2021年08月23日 10:15
 ニュース。
 
 みずほ銀行、ATM130台一時使えず 今年6回目の障害: 日本経済新聞
 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB235AT0T20C21A8000000/
Posted by 管理人 at 2021年08月23日 21:33
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