2021年08月10日

◆ タブレットとは? PCと錠剤

 タブレットという言葉が意味するのは、タブレット型のパソコンと、錠剤とがある。どうしてか?

 ──

 タブレットという言葉が意味するのは、タブレット型のパソコンであることもあり、錠剤であることもある。ではなぜ、この双方が同じ言葉を用いるのか? 調べてみた。

 (1) タブレット型のパソコン

 タブレット型のパソコンというと、iPad が最初だと思う人が多いだろう。だが、iPad が出たのは 2010年であり、かなり遅い。
 その前に、マイクロソフトが 2005年に出している。当時の記事に、こうある。( WindowsXP 時代だ。)
 タブレットPCとは、Microsoftが提唱するモバイルPCの規格で、液晶ディスプレイとペン入力を主とする、ポータブル液晶ディスプレイのような携帯端末のことである。
 OSにはWindows XP Tablet PC Editionと呼ばれる、Windows XPの機能が拡張されてペン型入力機器(スタイラスペン)による操作を実現したOSが採用されており、ほとんどディスプレイのみで持ち運び・操作が可能である。
( → タブレットPCとは (Tablet PC) タブレットピーシー: - IT用語辞典バイナリ

 ではなぜ、マイクロソフトはこのようなパソコンを「タブレット型」と呼んだのか? それは、tablet という英語にもともと「平板・銘板」という意味があるからだ。(英和辞典による。)
 その由来は、(いにしえ)の時代の Vindolanda tablets などだ。(ローマ時代)
  → Vindolanda tablets - Wikipedia

Roman_tablet.jpg


 なお、 tablet という言葉の語源は table(机)であるらしい。(後述:数行後)



 (2) 錠剤

 錠剤が tablet と呼ばれるのは、どうしてか? これもまた、「平板」から来ているようだ。というのは、大昔の錠剤は平板錠の形状をしていたかららしい。
 錠剤は「タブレット」とも呼ばれます。その語源は、table(机)から来ていると言われています。もともと、携帯できる石板などを表していましたが、錠剤が出てくるようになると、錠剤のことも表し始めました。日本では錠剤でしたが、外国では「板」だったのでしょう。
( → タブレットの意味と語源・タブレットに表示されるアイコンの意味-言葉の意味を知るならMayonez

 上記は和文による推測だが、下記には英文によってもっとはっきりとした説明がある。

 まず、質問文はこれだ。
What is the origin of “tablet” as in a pill?
How did we make the leap from 'writing surface' to 'pill'?
( → etymology - What is the origin of "tablet" as in a pill? - English Language & Usage Stack Exchange

 意味は簡単にわかるだろう。(訳文は示さない。)

 回答の英文は、上の文章のすぐあとにある。該当の英文を引用するかわりに、機械翻訳の方を引用する。
OEDは、錠剤の形(平たくて長方形)からtabletという言葉が生まれたと考えているようです。
この意味でのtabletの定義は次のようになっています。

  小さな、平らな、または圧縮された固体物質の断片で、元々は長方形の形をしている。

錠剤を意味するtabletの2番目の引用文(1558年)は次の通りです。

  Bringe it al into a masse, or lumpe, or little tablettes, or what fourme you will.

 OEDによると、15世紀から17世紀にかけてtabletと呼ばれていた長方形の物体は他にもたくさんあります。
 15世紀から17世紀にかけて、タブレットと呼ばれていた長方形の物体は以下の通りです: 碑文、絵、または絵画を載せるための小さな板。
  屋根や床のタイル。
  貴金属や貴石の平らな装飾品」からなるジュエリー。
  "石鹸の平たいケーキ」。
  正方形やタブレット状のキャンディー。
  広くて四角い「ガラスのピース」。

 平板状の形をしたものは、何でもかんでも tablet と呼ばれたらしい。

 これはどうしてか? たぶん、当時は工芸品が少なくて、平板状の形をしたもので目立つのは、テーブルだけだったからだろう。
 今日の人が自動車を主要な家財とするように、当時の人はテーブルを主要な家財としていたのだろう。だからテーブルが特別に目立つのだ。
  → 画像検索 「テーブル」(中世)

 こういうものが特に意識されていたので、似た形状のものを「 table みたいなもの」という感じで、「 tablet 」と呼んだのだろう。

 ※ let は「小さな〜」を意味する語尾。
   例: book(本) → booklet(小冊子・小さな本)



 [ 余談 ]
 「どや顔」と「どやされる」というのは、似ているが、一応異なる言葉である。前者は「どや」と威張る顔。後者は「どやす」が「叱る」という意味。
 だけど、ニュアンスに共通するところがあるので、語源はつながっているのかもね。
 詳細は不明。

posted by 管理人 at 23:25| Comment(1) | コンピュータ_04 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ダン.シモンズのハイペリオン 1989年 教王のタブレット というのが出てますね 初出かどうかは知りませんが 今のスマホを予言したと言われました
Posted by k at 2021年08月11日 01:51
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