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セブンティーンアイスのシャーベットはおいしいが、家庭の冷凍庫にいっぱい入れておくわけにも行かない。

出典: ITmedia 特集記事
むしろ、自分で作る方が簡単だ。安くて大量に作れる。
方法は、ごく簡単だ。果汁 100%のジュースを買って、添加剤を混ぜて、冷凍するだけでいい。
ここで、添加剤というのが問題だ。ジュースをそのまま凍らせると、固い塊になってしまって、食べにくい。食べやすい氷菓やシャーベットにするには、どうすればいいか?
(1) 氷菓
氷菓を作るには、ゼラチンを入れればいい。
・ 60度以上に熱したジュースにゼラチンを溶かす。(注1)
・ 粗熱を取ってから、冷たいジュースを混ぜて、冷蔵庫へ。
・ そこそこ冷えたら、冷凍庫へ。(注2)
・ 深夜に冷凍庫に入れると、朝にはなかば固まっている。
その状態で、掻き回すと、大きな塊がほぐれる。
・ その後、さらに冷凍すると、数時間後に、出来上がり。
(注1)ゼラチンの量は、ゼリーを作る場合の半分でいい。
ゼリーなら、250ccの果汁に5グラムが標準。
氷菓なら、1リットルの果汁に 10グラムが妥当。
※ ゼラチンを溶かすときは、少しずつ溶かすこと。
一挙に投入すると、ダマになって、固まってしまう。
(注2)缶詰のミカンもいっしょに混ぜて凍らせるといい。
葡萄の果汁に、ミカンの缶詰は、うまく合う。
(2) シャーベット
氷菓を作るには、ゼラチンとクリープを入れればいい。
氷菓とシャーベットではどこが違うか? シャーベットには乳成分が含まれているところが違う。だから、牛乳を混ぜればよさそうだが、牛乳を混ぜると、味が薄すぎて、水っぽくなってしまう。
( ※ アイスクリームは乳脂肪が8%もあって、普通の牛乳の2倍以上の濃さだ。ただの牛乳では駄目だ。)
そこで、牛乳よりは、生クリームを使うのが正解だ。しかし、生クリームは価格が高い。だから生クリームのかわりに、クリープを使う。本物のクリープはかなり値段が高いので、植物性脂肪の同類品でも十分だ。(イオンでは安売りしている。)
なお、量はかなり多めにすることが必要だ。「溶かしたら牛乳並みの濃度になる」ぐらいの量が必要だ。(添えるぐらいの量では足りない。)
作り方は、上の「氷菓」の作り方と同様だ。ゼラチンを溶かしたあとで、クリープを溶かせばいい。(ついでに砂糖も少し加える。)
あとは、氷菓の場合と、作り方は同じだ。
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これで、どうなるか? 葡萄ジュースの場合は、(銘柄にもよるが)、うまく葡萄ジュースを選べば、セブンティーンアイスと同等ぐらいの味になる。しかも、量は1リットルもあるので、大量だ。いくらでも好きなだけ食べられる、という感じだ。
ブドウジュースは、トロピカーナが上品でおいしい味だが、価格は高い。飲むのとは違って、少しずつ食べるので、価格が高くても、それなりに納得できる。他の銘柄は、玉石混淆なので、おいしいものを選ぶといい。(色と味が濃いものがお勧め。薄いのは駄目だ。)
オレンジジュースは、悪くはないが、氷菓やシャーベットに適するとは言いがたい。液体のまま飲むのに向いている。
グレープフルーツジュースは、銘柄によって味が大きく異なる。うまく酸味のあるものを選んで、砂糖を多めに入れると、おいしいものができる。
パイナップルジュースは、氷菓やシャーベットにはまったく適していない。やめた方がいい。液体のまま飲むのにも向いていない。缶詰は、そこそこだが、特に良いわけでもない。……パイナップルは、丸ごとの果物をそのまま食べるのが、一番おいしい。ジュースや缶詰にすると、ランクが大幅に落ちてしまう。
白桃ジュースというものがある。スジャータだ。これは、飲んでもおいしいし、氷菓やシャーベットにしてもおいしい。値段はちょっと高いが、お勧めである。味が濃いので、少し水で薄めても飲める。( OKストアだと安めだ。)
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まだ試していないが、ブルーベリーやアプリコットのジャムを、水で薄めて、シャーベットにすると、おいしそうだ。値段もそんなに高くない。「肉のハナマサ」という肉屋スーパーでは、ブルーベリー・ジャムを格安で売っていた。これでシャーベットを作りたいと狙っているところだ。
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番外で、「あずきアイス」というのも作れる。ジュース(果汁)のかわりに、「牛乳」と「あずき
添加剤は、先と同様で、ゼラチンとクリープを使えばいい。「元が牛乳だから、クリープは不要だ」などと思うと、水っぽいものしかできないので、注意。
だけど、これは手間がかかるので、スーパーで「あずきアイス」を買った方が手っ取り早いだろう。
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味の点では、工夫しだいでは自作の方が勝てるが、かなり工夫がいる。あずきアイスは、ちょっと難しい。(市販のバニラアイスクリームに、小豆あんを混ぜる方が、ずっと簡単だ。これなら、ごくお手軽に作れる。……シャーベットじゃないけどね。)
その点、ジュースで作るシャーベットは、そこらの市販シャーベットに十分勝てる。たぶん、市販シャーベットは、安物の果汁しか使っていないせいだ。家庭の自作でも、ちゃんとした果汁を使えば、十分に味で勝てる。
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ただし……
一流のフレンチ・レストラン(またはイタリアン・レストラン)で、「自家製シャーベット」というのを食べると、美味しさに悶絶する。家庭ではとうてい、そのレベルには達しない。
とはいえ家庭でも、セブンティーンアイスのレベルには、十分に到達できる。しかもコスパは抜群だ。冷凍庫に大量にストックしておくと、いくらでも食べ放題で、気持ちがいい。
( ※ 腹を下しやすい人には、向いていません。アイスをたくさん食べる人向けです。)
[ 付記 ]
つくるときは、冷凍庫に入れるために、1.3リットルぐらいの四角いプラスチック容器(蓋付き)が必要です。タッパー。
ダイソーで売っているそうだ。
→ ダイソーのタッパー全サイズ 種類を調査 | 100均情報部
【 関連サイト 】
「何でゼラチンなんか入れるんだよ?」
と疑問に思う人のために、下記ページがある。
→ アイスクリームにおける増粘安定剤の役割 | 太陽化学株式会社
一部抜粋。
氷結晶の大きさは、アイスクリームの食感に大きく影響を及ぼす要素のひとつです。氷結晶の大きさを増粘安定剤でコントロールすることにより、アイスクリームに冷涼感や口溶けがなめらかな食感を与えることが可能です。
アイスクリームにおける増粘安定剤の注目すべき働きとしては、フリージング中の氷結晶のできる速度を緩め、フリージング操作と相まって氷結晶を細かくし、出来た氷の粒子同士の接触を防ぎ液相部の粘度を増して安定化させることです。特に全固形分が少ない場合、増粘安定剤は氷の粒子の間に入り、流動性を助けて作業性を向上させています。
それに加え、アイスクリームに増粘安定剤を使用する重要な目的の1つは、フリージング時の硬化及び貯蔵中の氷結晶の成長を抑制することです。ミックス中の水と水溶性高分子である増粘安定剤とが水和することで遊離水が少なくなり、凍結する時の氷結晶の成長抑制して氷結晶を小さくし、また、貯蔵中の氷結晶の成長を抑制しています。
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「ゼラチン」
動物の骨や皮等より抽出精製される増粘安定剤です。古くから使われている代表的な増粘安定剤で、氷結晶が細かく滑らかな食感が得られます。
※ 実は、私は最初は、ゼラチンなしで、ジュースだけを冷凍した。すると、大きな氷の塊になってしまって、食べにくい。口のなかに入れても、果汁だけが吸い込まれて、あとに透明な氷が残ってしまう。これでは困る。
※ そこで、氷の結晶を小さくしたい。そのためにはどうすればいいか? ……そう思って、「ゼラチンを入れたらいいのでは?」と思って、ググってみたら、案の定。ゼラチンを入れるのが正解だ、とわかった。
※ 実際につくって体験をしたあとで、本項を書いた。「シャーベットには乳成分が入っている」というのは、ちょっと気づきにくかった。セブンティーンアイスのグレープシャーベットを買ったら、違いがわかった。