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政府はコロナの患者について「自宅療養」という方針を打ち出したが、評判が悪い。「患者を見捨てるも同然だ」というふうに。
→ 自宅療養で人々を見殺しにすると決めた菅首相|ニューズウィーク
→ 野党、自宅療養方針の撤回要求で一致 | 共同通信
しかし自宅療養を減らしたいといっても、病院の病床数には限度がある。自宅療養も病院の病床も、どちらも無理だとすれば、どうすればいい? 困った。
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そこで、困ったときの Openブログ……と言いたいところだが、いちいち頭を使わなくても、正解は簡単にわかる。こうだ。
「宿泊療養を増やす」
つまり、ホテルなどの施設に、ベッドを置いて、患者を寝かせる。看護師も配置する。パルスオキシメーターと点滴と(簡易版の)酸素吸入器も供給する。
これで済む。
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さらに、特に注目したいのは、抗体カクテル療法の薬だ。最近になって急に提供可能となった。
→ コロナの新治療薬「抗体カクテル療法」効果と課題は? | NHK
→ 新型コロナ: 抗体カクテル療法、7万回分確保 首相「徹底して使用」: 日本経済新聞
これを受けて、「自宅療養者への使用を」という要望も出た。
→ 抗体カクテル療法 自宅療養者への使用優先を国に要望 千葉県 | NHKニュース
しかし、抗体カクテル療法は、点滴を必要とするので、自宅で使うのは無理だ、という指摘も出た。
倉持医師は、「中等症2とかで治療に介入していてはもう間に合わない。より早い段階で治療に介入しなければいけないので抗体カクテル療法を承認したはず。その治療は軽症者のうちにしなければならないが、入院しなければ薬は使えない。言っていることがめちゃくちゃです」。
( → Nスタのキャスター固まらせた、怒りの発言「倉持先生」がトレンド1位 - 芸能 : 日刊スポーツ )
抗体カクテル療法は軽症や中等症向けの点滴薬で入院して行うといいます。しかし、重症者や重症化リスクの高い患者に入院が限定されました。
埼玉医科大学総合医療センター感染症科・岡秀昭教授:「在宅で待機している方とか、発症した入院していない患者さんに本来は投与すべき薬なんですけど、現時点での適用は、入院している患者さんになります」
( → 点滴投与の「抗体カクテル」自宅療養で行き届く?|テレ朝news )
点滴薬は入院しなければ使えないが、現時点では重症者以外は入院できないので、使いたくとも使えない、ということだ。
とはいえ、本項で述べた「宿泊療養」なら、ホテルなどに駐在した医師と看護師との組み合わせで、点滴を実施することができる。1人の医師と数名の看護師で、多数の患者に点滴を施すことができる。
こういうふうにして、ただでさえガラガラ状態のホテル(下記)を、野戦病院のようにすることで、多数の患者を収容して、治療を施すことができるようになる。
都内のホテルもガラガラ
「いま、都内のホテルの部屋がキャンセル分で余っているのです」(旅行予約サイト関係者)
キャンセル分とは、もちろん大会関係者やスポンサーが泊まるはずだった部屋のこと。
ブッキングドットコムを見ても宿泊料は値下がり中。連休中だろうが、お盆シーズンだろうが、空きも十分に見つかる。
( → 五輪期間中は都民の「東京脱出」が本格化 喧騒とウイルスから逃れる計画を立ててみる|日刊ゲンダイDIGITAL )
[ 付記1 ]
本項では、宿泊療養の重要性を述べた。
ただ、世間では、入院と宿泊療養の区別ができていない人も多いようだ。たとえば、朝日新聞の記事(本日朝刊)がそうだ。
→ (時時刻刻)方針一転、命に直結 政府、病床確保を優先 線引き、都道府県任せ:朝日新聞
この記事では、自宅療養という政府方針には問題があることを、詳しく論じていて、読みごたえがあるのだが、一方、問題点の指摘とは別に、対策については、話が心許ない。「自宅療法が駄目だ」という点ではいいのだが、そのかわりの方法となると、いきなり「入院」に話が飛んでしまう。
その「入院」ができなくなっているから困っているのだが、「入院が駄目なら、かわりに宿泊療養を」というふうには話が進まない。自宅療養と入院のことしか考えていないようだ。
どうも頭が凝り固まっているようだ。
[ 付記2 ]
ついでだが、五輪が終われば、「選手村を宿泊療養の施設に」という案も生じるだろう。それをやると、売却時の価値が下がるかもしれないので、少し値下げすればよさそうだ。あるいは、マンションの購入予定者に対して、「キャンセル料なしのキャンセル可」とすればいいだろう。
選手村の建物は、こういう感じ。
> 尾身氏「入院か在宅か」に苦言
> 尾身氏は「入院か在宅か、という議論になりつつあるが、今の感染状況の中で国民のニーズに応えるためには一本足打法は駄目だ」と苦言を呈した。病院だけでなく、開業医や訪問看護など地域全体の医療体制を強化することや、宿泊療養施設の強化などを挙げ、「総合的にやることが必要だ」と訴えた。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15000321.html
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宿泊療養 1,813 人
自宅療養 14,783 人
入院・療養等調整中 9,708 人
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
↑ 宿泊療養の数は全然足りていないのだが、東京都は増やす気はないらしい。ホテルとの契約を増やす気もないようだ。
……と思ったのだが、そうでもない。
> 7月30日 入院治療が必要ない軽症や無症状の方々を受け入れる宿泊療養施設を新たに1施設開設します。
> ※当該施設の開設により、15施設 5,962室を確保
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/07/30/35.html
6000室もあるのに、宿泊療養は 1,813 人だけ。何をやっているんだか。
仏つくって魂いれず。 宿泊療養所つくって、医師・看護師いれず。
東京都「宿泊療養」利用進まず 看護師確保できないことが理由
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210816/k10013206531000.html
医者も看護師もありあまっている状態なんだから、遊休している人員を別所に派遣すれば、それで済むはずなんだが。
行政の怠慢だね。
自宅に留まっていれば餓死するしかない。
そもそも配達員が不足して配達が遅れるという問題もあります。
コロナ敗戦ですよ今
> 千葉県の40代女性もその一人。今月中旬に発症し、自宅療養に入った。自治体に食料など支援物資を希望したが、「1000人待ちで、届くのに1週間程度かかる」と言われたという。支援物資は結局届かないまま、自宅療養の期間が過ぎた。
https://mainichi.jp/articles/20210821/k00/00m/040/232000c
「食料が配達されない」と嘆いている人は、「横浜市民並みになっただけだ」と思って、我慢するべきかも。
横浜市長(林文子)は、カジノのことに熱中しているから、コロナに頭が回らない。
国基準に当てはめると、すでにほぼ満床になっていますね。8月末には完全に満床になっているでしょう。東京都はどうするつもりなのでしょうか?
東京都福祉保険局
『国のステージ判断のための指標』
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/info/kunishihyou.html
東京都で逼迫している病床は、『重症者』向けの病床です。
(公表されている表の1番下の行を参照)
→ https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/hospital/
最大の対策は、感染者数を減すことであり、そのためには家庭内感染を減らす「宿泊療養施設」を作るのが最も効果的だ。この件は前に述べたとおり。
→ http://openblog.seesaa.net/article/483081447.html