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毎日新聞の報道。
「盛り土という表現はよくない。産廃捨て場だ」。起点周辺の土地を以前所有し、盛り土を造成したとされる神奈川県小田原市の不動産管理会社(清算)の元幹部が取材に語った。
元幹部によると2009年ごろ、この土地には熱海市内にあった社員寮の解体で出たコンクリートがらやプラスチック片、ガラス片が大量に持ち込まれた。「建設残土の受け入れを商売にしていた」「乗用車を数台埋めた」などと聞いたこともある。社長がパワーショベルを運転して作業に当たるのを目にした。
( → 熱海土石流 盛り土、実体は産廃 安全対策なく基準も守られず | 毎日新聞 )
「盛り土を造成したとされる神奈川県小田原市の不動産管理会社」というのは、「新幹線ビルディング」という名前の会社だ。これは、記事によれば、すでに清算されてしまったそうだ。(事件の賠償金を免れるためだろう。)
で、その会社の元幹部が「あの盛り土は産廃だった」と証言しているわけだ。これで疑惑は確定したと言えるだろう。
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「盛り土の正体は産廃だ」というのは、実は、本サイトでは前にも指摘していた。
→ 土石流の正体は産廃: Open ブログ
盛り土が崩れて土石流となったあと、どの土石流の残土を調べて、中には産廃のゴミがいっぱい含まれていることを確認した。
7月3日の熱海土石流(泥流)に含まれる物質を観察すると、安山岩質の岩や土砂は含まれず、全く別の種類の石やタイルの破片、コンクリ片等から成ります。
この証言を引いて、「土石流(盛り土)の正体は産廃だ」と、本サイトでは前から指摘していたわけだ。
そしてそれが、本日の毎日新聞の記事で、「犯人の自白」という形で裏付けられたわけだ。
※ 新たに検索してみたところ、本サイト以外でも、「土石流の正体は産廃だ」と指摘するマスコミはあった。(当時)
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さて。それとは別に、朝日新聞の記事にはこうある。
県は、盛り土が条例に基づく基準の3倍を超える危険な高さになっていたとみて、経緯を調べている。
朝日新聞が入手した11年前の現場写真にも、基準超過をうかがわせる様子が写っていた。
ハイキング中の男性が、現場を車で通りかかったのは2010年7月8日。黄土色の山肌とは異なる黒い土砂を、重機が階段状に造成中で、土にはゴミのようなものも混ざって見えたという。その異様さに車を止め、幾度もシャッターを切った、と男性は証言した。
盛り土の造成のルールは現状、都道府県ごとにまちまちだ。静岡県では「届け出制」だが、隣の神奈川県ではより厳格な「許可制」で、関連の条例違反への罰則も神奈川のほうが厳しい。
( → 熱海の盛り土、「人災」解明は 基準の3倍超、造成時から放置か:朝日新聞 )
もともと違法行為を覚悟で、大量の盛り土を造成していたことになる。よくある「悪徳産廃業者」の典型だろう。
そして、これを規制するのは、現状では自治体に任されているのだが、その自治体が疎かだと(規制を手抜きしていると)、その自治体に悪徳産廃業者が押し寄せて、ゴミをどんどん捨てるわけだ。
こういうのは、サボる自治体が悪いとも言えるが、自治体任せにして、何ら規制をしない政府こそ、最大の罪があると言えるだろう。
金儲けしか考えない自民党政治の下では、悪徳土建業者が
コロナで日本が惨憺たるありさまになるのも、熱海が土石流に襲われるのも、みんな自民党政治のせいなのだ。むべなるかな、というところか。