2021年07月31日

◆ コロナの感染者数が急増

 五輪のまっただ中の東京都では、コロナの感染者数が急増している。

  ※ (7) (8) を加筆しました。実数は発表値よりも多い、という話。


 ──
 
 (1) 感染者数の急増
 東京都は31日、新型コロナウイルスの感染者が4058人、死者が3人報告されたと発表した。1日の新規感染者数は過去最多を更新し、4000人を超えたのは初。都内の累計患者数は21万7968人になった。このうち現在入院している重症患者は95人。新規感染者数(1週間平均)は、31日時点で前の週に比べて117.0%増え、2920.0人となった。 これまでにないスピードで感染者数が増加している。
( → 東京都で過去最多4058人の感染確認 初の4000人超え:東京新聞

 グラフはこちら。
  → 【東京都】新型コロナウイルス感染者数・死者数の推移・累計グラフ:最新ニュース-NHK

 (2) 死者数
 感染者数が急増している割には、死者数は少なめだ。上の記事では3人という数字。グラフは、すぐ上のリンク(NHK)のページで、項目を切り替えると、死者数のグラフが現れる。
 最近では5人以下の日が多い。2月ごろには20人を超える日も多かったので、それに比べればかなり低い水準だ。

 (3) 弱毒化? 
 死者数が少ないことについては、「死にやすい高齢者にはワクチン接種が進んだからだ」という説明がなされている。たしかにその効果はあるだろう。

 一方、「ウイルスが弱毒化したからだ」という説もある。「デルタ株は、感染力は高まったが、弱毒化して、死亡率は低下したのだ」というわけ。
  → デルタ株は弱毒化している? 医師は「普通の風邪のような症状」…死者、重症者は減少 | デイリー新潮
 なるほど。弱毒化している可能性はある。だが、即断するのは早すぎる。まだそうとは言い切れない。先の「高齢者にはワクチン接種が進んだからだ」ということだけで話が片付く可能性もある。

 さらに、温度と湿度の影響も考えられる。前項で述べたように、夏の時期には、呼吸器の免疫力が高まるので、相対的にウイルスの力が弱くなるのだ。ウイルスが弱毒化したというより、人間の免疫力が高まっているのかもしれない。(気温と湿度のおかげで。)

 デルタ株が弱毒化しているかどうかは、まだ即断を下せないと思う。

 (4) 重症者数
 記事によれば、「重症患者は95人」とのことだ。これは非常に少ない数値だ。重症患者がこんなに少ないのだとしたら、余裕綽々(しゃくしゃく)であるとも言えるが。……楽観していいのだろうか? 

 (5) 重症者用病床
 東京都の発表は「大本営発表」ふうなので、あまり信用できない。そこで NHK のデータを見る。
  → 病床使用率 全都道府県グラフ|NHK特設サイト


「重症者数」と「重症者対応のベッド数」

juu-byosho.png


 1207床のうちの 773床が使用中で、使用率は 64% だ。
 東京都と国の判断基準が違うとはいえ、あまりにも差がありすぎる。
 どうも東京都の出す数値には、信用が置けないね。

 (6) 東京都のサイト
 東京都のサイトはどうか? こうだ。


tokyo-data1.gif


 この数字をそのまま受け取ると、奇妙なことになる。
 死亡者は、記事では3人なのに、この統計では2,293人も死んでいることになる。1000倍近い数が死んでいることになる。重症者が 95人だから、大多数の死者は、軽症から一挙に死者になったことになる。
 また、陽性者が 4058人なのに、入院・宿泊療養・自宅療養の合計が 1万5000人余りなのだから、陽性者の4倍近い人間が「感染中」となっているわけだ。そして、1万5000人余りの感染者のうち、2,293人が毎日新たに死んでいくことになる。東京都にはもはや、死体が何万も積み重なっていることになる。
 あれれ? 死者は1日に3人のはずなのに、どうなっているんだ? 
 のみならず、退院した患者に至っては、192,356人もいる。1日に 4000人が新規感染して、1日に 19万人が新規退院するなら、病床はありあまっているはずなんだが。

 これは要するに、東京都の数値では「一日の数値」と「累計の数値」とが区別されていないわけだ。「死亡」と「退院等」の数値は、累計値なのに、「累計値」と記されていないわけだ。データの区分が狂っているわけで、これではもはや統計としての信頼性が皆無に近い。デタラメの極みだ。

 いったい東京都は、何をやっているんだ。馬鹿すぎるので、どうしようもないね。手が付けられないほどの馬鹿すぎ。

 (7) 未検査の人がいる

 感染の疑いの強い人(感染者の家族)でも、検査されないそうだ。


 PCR検査の能力が不足しているせいだろう。ともあれ、実際は 4000人を大幅に超えているわけで、とんでもない事態だと言える。

 (8) 対策は? 

 感染の急増に対する対策は? 「五輪をやめろ」という意見もあるが、政府の見解は逆だ。「五輪こそ、コロナ対策だ」ということだ。
 菅義偉首相は7月30日夜の会見で、感染が急拡大する現状について「デルタ株の拡大と、夜間の繁華街の人流減が不十分と言われている。人流は減っているが、さらに人流を抑えるためにオリンピックをご自宅で観戦するよう要請をおこなっていきたい」と呼びかけた。
( → 「人流減らすため、五輪は自宅観戦を要請」菅首相 | m3.com

 五輪をやればテレビ観戦をするので、コロナ対策になる、という理屈だね。
 自民党の河村建夫元官房長官は31日、東京五輪で日本代表選手が活躍すれば、秋までにある次期衆院選に向けて政権与党に追い風となるとの認識を示した。山口県萩市の会合で「五輪で日本選手が頑張っていることは、われわれにとっても大きな力になる」と述べた。
 新型コロナウイルスが感染再拡大する中での五輪開催に批判的な声があることには「五輪をやっていなくてもコロナが増えていたと思う」と主張し「五輪がなかったら、国民の皆さんの不満はどんどんわれわれ政権が相手となる。厳しい選挙を戦わないといけなくなる」とも語った。
( → 選手の活躍「政権に力」 五輪開催で自民河村氏 | 共同通信

 五輪はコロナ対策になる(自分たち自民党にとっては)……という話。国民にとっての対策など、念頭にもないようだ。頭は自分たちの選挙のことだけ。
 さすがに自民党だ。いけしゃあしゃあと。

posted by 管理人 at 23:58| Comment(7) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 (7) (8) を加筆しました。実数は発表値よりも多い、という話。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2021年08月01日 08:17
ご存知のことと思いますが、東京都の『重症者数』は、東京都独自の指標を勝手に設定し、国基準の重症者数より大幅に低く見せています。

国基準にあわせると、次のページ(東京都福祉保健局)にこっそりと極小サイズで書かれております。探してみてください(笑)

(東京都福祉保健局)
『国のステージ判断のための指標』
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/info/kunishihyou.html
Posted by 反財務省 at 2021年08月01日 10:07
 これですね。

> 新型コロナ: コロナ「重症者」定義、国と東京都にズレ 分析に支障も: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62807290Z10C20A8CR8000/

 実は、本項を書くとき、このことに言及しようと思って、本サイトの過去記事を探したのですが、見つからなかったので、省略しました。
 改めて探してみたら、(そのころの)過去記事では言及していなかったようです。見つからないわけだ。
 ネット上の記事に言及しておくべきでした。 (だから今書いた。)

Posted by 管理人 at 2021年08月01日 10:37
>(6) 東京都のサイト
> 東京都のサイトはどうか? こうだ。
> これは要するに、東京都の数値では「一日の数値」と「累計の数値」とが区別されていないわけだ。「死亡」と「退院等」の数値は、累計値なのに、「累計値」と記されていないわけだ。データの区分が狂っているわけで、これではもはや統計としての信頼性が皆無に近い。デタラメの極みだ。
> いったい東京都は、何をやっているんだ。馬鹿すぎるので、どうしようもないね。手が付けられないほどの馬鹿すぎ。

⇒ これは誤解ではないですか? 統計としての信頼性については、数値自体の信ぴょう性(真偽)はともかく、この表の中だけの数値のツジツマは合っています。具体的には、

@ 陽性者数=入院+宿泊療養+自宅療養+入院・療養等調整中+死亡+退院等
A 入院=軽症・中等症+重症

で、いずれも毎日ピッタリあっています。

 まず、この表のタイトルをしっかり見てください。「検査陽性者の状況」で、状況というのはステイタスということです。これまで陽性が確認された人(人数)のうち、その後の内訳はどうなっているかを表わしています。確定のステイタスにあるのが「死亡」と「退院等」の2項目で、未確定のステイタスにあるのがその他の4項目(入院を、軽症・中等症と重症の2つにわけた場合は5項目)です。

 それで、この4項目(5項目)については、常に変動している(まさに未確定な)値なので、累計値ではなくその場その場の値でしか示せません(通常はその日その日の値)。いっぽうで、現状は累計値を示している陽性者、死亡、退院等については、「その日の値」を示すことはできます。しかし、例えば昨日(7/31)でしたら、陽性者は4,058人でいいのですが、その7/31時点では死亡0人、退院等0人です(たぶん)。もちろん、死亡と退院等の数値は数週間後にそれぞれ確定するまで日々変化しますが、その数週間の推移を見せても一般の人にはあまり意味はないでしょう(専門の疫学者ならわかりませんが)。また、過去の全ての日についてそれを毎日掲載していたら中身が膨大になります。

 東京都のサイトに限らず、他のマスコミ・研究機関のサイトでも、または他の道府県や外国についてのデータでも、大体同じような分類というかまとめ形式になっていると思います。私も、毎日発表するものとしては、このようなまとめ形式が一番妥当だと思うのですが……
Posted by かわっこだっこ at 2021年08月01日 15:07
 上の私のコメントを補足します。

 東京都のこのサイトは、確か2020年3月には立ち上がっていて、オープンソースで制作されたようです。いろんな人の意見が入っていて、あの台湾のIT担当大臣の唐鳳氏からも提案があったとのこと。東京都の一部局の素人たちだけで作った、というものではありません。ソースコードもデータも公開されているので、これをそのまま流用して自分のところのサイトとしている自治体も結構あると思います。

 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200317/k10012335721000.html
 https://visual-shift.jp/19350/
Posted by かわっこだっこ at 2021年08月01日 15:25
 数字のつじつまが合っていないということではなくて、項目の名称をわかりやすくするべし、ということです。
 たとえば、「入院」というのは、表では「入院中」という意味なのだから、「入院中」と書くべきであって、「入院患者の累積数」とは区別するべき。
 死者も「死者の累積数」と書くべきであって、「本日の死者数」とは区別するべき。
 「宿泊療養」「自宅療養」も、累積数ではないなら、「宿泊療養中」「自宅療養中」と書くべき。
 一方で、「入院・療養等調整中」という項目だけは「中」という言葉が最後に付いているので、間違う余地がない。

 現在値と累積値とは、項目名で区別せよ、という話です。名称の問題。別に、数字が間違っているというような話ではありません。


 まあ、そう書かなかった私も、誤解される余地があったので、まずかったかな。すみません。
Posted by 管理人 at 2021年08月01日 16:55
>現在値と累積値とは、項目名で区別せよ

数字の出し方について、出す側からしたらすごく気を遣うハズなんですよね。受け手が誤った解釈をして数字だけが一人歩きすることを恐れますので。

読み手が誤読せず、誰が見てもただ一つの解釈の仕方になるように、東京都は数字を出すべきです。一次情報の重要性を東京都は強く認識すべき。
Posted by 反財務省 at 2021年08月01日 17:46
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ