2021年07月25日

◆ 逆らうやつはクビだ!

 開会式では、野村萬斎・ MIKIKO の両氏の案を実施するどころか、かわりに、二人をクビにした。なぜか? 「逆らうやつはクビだ!」というのが理由だろう。

 ――

 「逆らうやつはクビだ!」というのは、独裁的な人がよく言うことだ。トランプも大統領になる前から、テレビ番組で「 You're fired!」(おまえはクビだ!)というフレーズを発し続けていた。
 このことを頭に入れておくと、今回の開会式の不可解な「解任」の理由がわかる。

 ――

 そもそも、普通は担当者を解任するようなことはない。いくら気に食わないからと言って、きちんとした手続きで「最良」とされた担当者を、いきなり解任したりしたら、面倒なこと、このうえない。次の担当者が前よりも良くなる保証はまずないし、たいていはかえって悪化するものだ。また、新たに誰かを探すのも面倒だ。
 だから、「あの部下はけしからん。だから、首をすげ替えよ」という進言を受けても、そうやすやすと解任したりはしないのが普通だ。まともな判断力のある上司(経営者・ボス)ならば、そうするものだ。
 だが、菅首相だけは違う。

 ――

 今回はどうだったか? 先に次の項目で示した。
  → 開会式は簡素化?: Open ブログ
 ここで引用した記事を再掲しよう。
 組織委や都の有力な関係者やJOC(日本オリンピック委員会)サイドから、唐突に有名人などの出演依頼が下りてくる。部内では有力者ごとに「○○案件」とささやかれた。
 男性は「有力者が便宜を図った依頼は絶対。その度、無理やり演目のストーリーをいじって当てはめた」と明かした。
( → 東京新聞

 この「有力者」が誰であるかについては、「森元首相と武藤事務総長(および息のかかった人)」と推定したが、下記の記事ではそれが明らかにされている。
  → 五輪開会式 初期のMIKIKO案が電通に潰された経緯 - Togetter



 こういうゴリ押しがあったが、それを MIKIKO 氏が断ったから、MIKIKO 氏は解任されてしまったのだ。

 ――

 ただし注意。上の記事では「森元が懇意にしてる海老蔵を入れてくれ」というふうに記されているが、これはおかしい。仮にそうだとしたら、これは森元首相の個人的な好みであって、電通が介在していることにはならない。だから、そんなはずはないのだ。
 では、正しくは? 論理的に考えれば、こうだ。
 「森元首相が海老蔵を入れてくれと要求したのは、森元首相の個人的な好みではなく、電通が圧力を掛けたからだ」
 そのまた理由は、こうだろう。
 「開会式に海老蔵を使うことで、電通が金儲けをしようとした」
 その方法は、こうだろう。
 「海老蔵ならば、見映えがするので、高額の CM 契約を勝ち取れる。超一流企業と、超高額の CM 契約を結べる」

 その具体的な相手企業は、五輪の協賛企業である。(スポンサー)


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出典:五輪組織委


 これらの超一流企業と、超高額の CM 契約を結ぶために、見映えのいい(最も高額の CM を結べそうな)海老蔵に白羽の矢を立てたのだ。だからこそ電通は、海老蔵を開会式に出演させようとしたのだ。

 ※ 仮にコロナがなかったなら、実際に海老蔵の高額契約 CM が日本中にあふれていただろう。(コロナのせいで、その狙いは海の藻屑となったが。)


kabuki.jpg


 というわけで、森元首相の圧力の背後には電通があり、電通の狙いは高額の CM 契約だったのである。それだからこそ、その障害となる MIKIKO 氏を排除しようとしたのだ。( MIKIKO 氏のプランに出てくる人物では、電通が超高額の契約をとることはできそうにないからだ。)

 ――

 そのあとは、どうしたか? 電通は野村萬斎と MIKIKO の両氏を排除しようとした。そのために森元首相に、「この二人を排除してくれ」と頼んだ。


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 そこでまず、森元首相は、武藤事務総長に「二人を解任しろ」と頼んだ。
 武藤事務総長は、これを聞いたとき、たぶん反対したはずだ。残り期間が1年を切るなかで担当者の交替なんて、あまりにも馬鹿げていて、無謀だからだ。「任務を完璧に遂行する」というのが目的である官僚としては、「無茶を言うな」と思って、反対したはずだ。
 ただし彼は、政界のなかで、うまく波乗りするのが上手な官僚だ。まずは反対するが、強くは反対しないで、判断を委ねたはずだ。
 「事務局としては今さら担当替えは困難ですが、特別に政治案件とするのであれば、総理の許可を得てください」と。

 これを受けて、森元首相は菅総理に頼んだ。「野村萬斎と MIKIKO の両氏を排除してくれ」と。
 菅首相はそれを聞いて、「そんなの面倒臭い」と思ったはずだ。「そんなことは自分たちで勝手に決めろ。それは組織委の問題だ。いちいち総理の手を煩わすな」と。

 このときは菅首相も、まともな判断力があったので、「末端の官僚の人事なんかに、いちいち介入しない」と思ったはずだ。ところが、話を聞くうちに、気が変わった。こう聞いたからだ。
 「事務局長の武藤に頼んだんですが、武藤が言うことを聞かないんですよ。役人として威張っていて、政治家の言うことを聞こうとしない。困ったことだ」
 「何だと。官僚が政治家の言うことを聞かないのか。それはけしからんな」
 「武藤としては、菅首相の許可を得ればいいと言っていますが」
 「むむ。なるほど。しかし首相がいちいち末端の人事に介入するというのもな……」
 「野村萬斎と MIKIKO っていうのは、なかなか言うことを聞いてくれないんですよ。特に MIKIKO っていうのは、こっちの言うことにまったく従わない」
 「何だと。女のくせに、男に逆らうのか。それは絶対に許せんな。日本の伝統の美徳を何と考えているんだ。女なら貞淑に従うのが当然だろ」
 「この MIKIKO っていうのは、男よりも優秀だというのが定評で、このままでは、東京五輪の開会式は、女の開会式になってしまいます」
 「何! 女のくせに、男よりも優秀だと? それはけしからんな。男の私よりも目立つわけか?」
 「はい。そうです。開会式では、菅首相よりも、MIKIKO 氏の方が目立って、MIKIKO 氏のオリンピックと言われるようになるでしょう。特に、開会式が大々的に成功すれば、MIKIKO 氏の名声は圧倒的になるでしょう。他の男はみんな霞んでしまうでしょう」 
 「そいつは絶対に許せんな。五輪で一番目立つのは、私であるべきだ。そもそもそのために、コロナのさなかで強引にオリンピックを開くんだ。すべては私の名声と再選のためにあるのに、MIKIKO 氏の名声は圧倒的になったら、すべてはご破算になる。絶対に許せん!」
 「では MIKIKO 氏は解任ということでよろしいでしょうか?」
 「当り前だ。おれ様に逆らう奴は、みんなクビだ!」 

 ――

 これを受けて、森喜朗は、「首相命令だ」と言って、「 MIKIKO 氏の解任」を武藤事務総長に命じた。
 武藤事務総長は、「気に食わないからといって、優秀な人間をクビにしたら、あとはクズしか残らないんだが。クズの担当する開会式なんて、開会式自体がクズになってしまうんだが」と思ったのだが、「しかし、それもやむを得ない。首相が決めたら、その決定には唯々諾々( い い だくだく) と従うのが、優秀な官僚というものだ」
 そう思ったので、「クズ担当者によるクズ開会式になる」とわかっていながら、あえてそれを無事に開催できるように、真面目にしっかりと勤め上げたのである。ああ、なんと健気なことか。


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 【 関連項目 】

 → 逆らうやつはクビ(菅): Open ブログ

 
posted by 管理人 at 22:16| Comment(0) |  東京五輪・豊洲 | 更新情報をチェックする
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