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五輪の開会式はしょぼかった。どうしてこんなことになったのか? そのことをじっくり考えてみた。
前項・前々項では「電通が利権を目的にして簡素化したから」というふうに述べた。だが、それだけでは話がざっくりしすぎている。特に、小山田・小林という不祥事の続出との関連がはっきりしない。
そこでこの真相についてじっくり考えてみた。すると……
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小山田・小林というのは、サブカル系である。主流派の正々堂々たる王道とは違って、脇道のひねくれ者の道である。才能のある人間が全力を振るうのとは違って、才能のない人間が小手先のシャレっ気で目立とうとする。
たとえば、小山田の楽曲は、パクリによって成り立っていたと言われる。
→ 渋谷系のやっていたことって「サンプリング」ってレベルじゃないよ
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小林賢太郎の場合は、もっとひどくて、たいして売れないまま、2020年には芸能界を引退している。現役のプロですらない。
なのに、どうしてこういう人間が一国の祭典という大任を委ねられるに至ったのか? もともとは最高レベルの人間に委ねられていた仕事なのに、それがどうして、一流の人間でなく、二流以下の人物に委ねられるようになったのか?
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ここまで考えると、ようやく真相に見当が付く。こうだ。
「野村萬斎、MIKIKO という最高レベルの人間が無慈悲に解任されたのを見て、一流の人材はみんな手を引っ込めた」
これは当り前だ。君子危うきに近づかず。
自分よりレベルの上の人間があっさり解任されるという暴挙がなされたのに、そのあとで自分が就任しても、まともな処遇がなされるはずがない。「最優秀の人間に、情け容赦もない冷酷な仕打ちをなす」という暴挙を見たら、誰だって怯えて、手を引っ込めるに決まっている。素晴らしい仕事をした見返りは、素晴らしい褒賞ではなく、首を切ることなのである。
そんなことをするのは、ほとんど残忍非道の暴虐の王と言ってもいい。そして、それは、「菅首相の頭部と、電通の体」という姿で合体した怪物なのである。ケンタウルスのように。

こうして誰もが怪物からは遠ざかろうとした。だから、野村萬斎と MIKIKO の両氏が首を切られた8月のあと、後任がなかなか決まらなかったのである。
そうして誰もが尻込みをしたあとで、ようやく、サブカル系のつまはじき者であった小山田と、すでに引退した小林とが、身の程知らずにも「火中の栗」を拾う気になったのだ。(たぶんそれしか仕事がなかったのだろう。)
そして、そういうことであれば、この二人が不祥事で話題になるのは避けがたいことだったと言える。もともとそういう人間だから、誰も引き受けなかった臭い仕事に手を付けるようになったのだ。
逆に言えば、臭い仕事に手を付けるような人間は、もともと不祥事でスネに傷を持つ人間しか残っていなかったのだ。なぜなら、まともな人間はすべて、暴虐非道の怪物からは遠ざかろうとしたからである。
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結局、暴虐非道の怪物が、自分の利権のために、最優秀の人間を排除した時点で、もはや残るのは、不祥事を起こすような人物しかいなかったのである。
とすれば、あとで不祥事が続出したのは、不可避のことであったと言える。
佐々木宏が(渡辺直美の件で)退任したのも、同じ文脈で理解することができる。野村萬斎と MIKIKO の両氏が首を切られたあとで、そのあとで仕事をしようとするような人間は、電通とズブズブのゴミ人間しか残っていなかったのだ。
※ というか、佐々木宏自身が、この電通によるクーデータを画策した連中の一員である可能性がある。前出の話を参照。
→ 五輪開会式の問題の黒幕: Open ブログ
→ 五輪開会式の闇: Open ブログ
[ 付記1 ]
次の記事もある。
昨年12月に佐々木宏氏が総合統括に就任した当時から暗雲はたちこめていた。当初は振付師のMIKIKO氏(44)が実質的な責任者で、プランもIOCから高く評価されていたが後に辞任。裏では佐々木氏がMIKIKO氏を孤立化させ“クーデター”をたくらんでいたとの情報もある。
その後、タレントを侮辱する“ボツ案”が明らかになり、佐々木氏が辞任することになった。佐々木氏が指名した小林氏も、その小林氏が選んだ小山田も自身の過去が明るみに出て離職。全ては演出チームの内部抗争や人選ミスで起きたとみられる。
( → 小林氏解任 原因は演出チームの内部抗争や人選ミスか― スポニチ Sponichi Annex 芸能 )
[ 付記2 ]
五輪の1年延期が決まったのは、昨年5月のことだ。安倍首相が決定した。
その後、菅総裁が選任されたのが9月14日だ。
開会式は、従来案をそのまま踏襲することもできたのだが、「しめた! 1年延期に乗じて、利権をすべて奪ってやろう」と思ったのが電通なのだろう。そこでさっそく菅・新総裁に工作を開始したのだろう。
【 追記 】
文春の記事の紹介。
端的に言うと、森元が懇意にしてる海老蔵を入れてくれとか百合子の支援団体の江戸消防記念会を参加させろと要望出してきて、演出路線に沿わないMIKIKOを電通が排除して言うこと聞く演出家を据えた、みたいなことが今年の前半に行われましたって書いてあります。実現しちゃったね…
— フタガワカサラ (@FutagawaKasara) July 23, 2021
詳細は
→ https://togetter.com/li/1749535
『電通とFIFA サッカーに群がる男たち』
田崎健太著、光文社新書
https://number.bunshun.jp/articles/-/827050
電通の元専務・高橋治之氏 他へのインタビューを中心に構成したドキュメンタリー。(上のURLの記事;Number Webから)--> ここ(サッカービジネス)から、高橋氏と電通は国際スポーツ大会のマーケティングに深く関わっていく。ワールドカップを頂点とするサッカー以外にもオリンピック、世界陸上といった多数の国が参加するスポーツイベントの広告宣伝を電通が手掛けるようになる。
労働基準法に違反しないのでしょうか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/791cd8f689df08447d67ab2258a62eee6fe30ffc