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NHK の記事。
《 太陽光発電施設の立地を分析 1100か所余に土砂災害リスク 》
太陽光発電の急速な普及が進む中、ここ数年、斜面に設置された施設で土砂災害が相次いでいます。専門家のデータをもとに全国の中規模以上の太陽光発電施設の立地を分析したところ、災害リスクのある「土砂災害危険箇所」と一部でも重なっていた施設は全国で1100か所余りにのぼることがわかりました。
( → NHKニュース )
これは、熱海の土砂崩れを受けての報告だろう。ま、こういう記事が上がることは、将来の問題を回避するための効果があるかもしれない。
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だが、それはそれとして、私としては別の問題を指摘しよう。
「緑の山林を削って、禿げ山にしてから、ソーラーパネルを設置するというのでは、山林による CO2吸収をなくすので、それ自体が地球温暖化の要因になる」
ということだ。つまり、「元も子もない」という感じだ。「逆効果」みたいな感じもある。
この件は、ずっと前にも述べたことがある。「緑を削ってソーラーパネルを設置するな」という趣旨。
→ 太陽光発電は環境破壊: Open ブログ
太陽光発電をするのなら、平地にいくらでも場所はあるだろう。(荒れた)耕作放棄地とか、未使用の空地とか、住居の屋根とか。
特に、新築住宅の屋根を、太陽光パネルの設置のための屋根にしておくことは、とても大切だ。(将来、いつでも設置できるようにしておくべきだ。住宅の寿命は 50年ぐらいあるからだ。)(今すぐ設置する必要はないが、用意だけはしておくべきだ。)
→ 太陽光発電と屋根: Open ブログ
→ 太陽光発電と屋根(新築住宅): Open ブログ
こういう方法を、いろいろと考えるべきだ。
[ 付記 ]
ちょっと思いついたが、うまい案がある。
「自動車の車庫の屋根を、太陽光パネルにするといい」
これならば、日本中の各地で、太陽光パネルを容易に設置できそうだ。
もちろん、通常の車庫(屋根のほかは片面だけに柱があるタイプ)では、大きな重量を支えきれない。
だから、アメリカによくあるような、箱形の車庫にする必要がある。だが、箱形の車庫にすると、建ぺい率の問題で、建設できなくなるのが普通だ。
そこで、太陽光パネルを設置した車庫については、「建ぺい率の適用外」とするといいだろう。人が住めるような車庫は問題だが、ちょっと吹きさらしみたいな感じで、床もなくて、人が住めないような車庫であれば、建ぺい率の適用外にしていい。そのことで、太陽光パネルを大量に設置することができるだろう。
※ 住居の屋根に設置するより、大幅にコストダウンできる可能性がある。
屋根だと、高い位置で工事が大変だが、そういうこともない。
大量生産の規格品で、大幅コストダウンも可能かも。
《 加筆 》
コメント欄で教わったが、車庫タイプでなくとも、通常の「片側だけで支える」というタイプでも、ソーラーパネル設置のガレージがすでに販売されている。
電気代で工事費をまかなえるので、「実質0円」などという宣伝もあるようだ。
【 関連項目 】
本項では、平地の田畑を転用してソーラーにすることを推奨している。だが現実には、冒頭記事のように、緑の山林を伐採してソーラーにするという事例が多い。
ではどうして、こういう現状がまかり通っているのか? それは、法律がおかしいからだ。
「平地の田畑を転用してソーラーにすることは、農地転用になるので規制がかかるが、山林を宅地やメガソーラーに転用するのは、規制がなくて、やり放題だ」
こういう現状がある。この問題については、先に述べた。
→ 盛り土の法的規制は?: Open ブログ
【 追記 】
熱海の土砂崩れの件では、盛り土の所有権は、小田原の不動産会社から、メガソーラーの会社へと、移った。そこで、メガソーラーの会社の弁護士は、こう語っている。「盛り土をしたのは、小田原の不動産会社であって、当社ではありません。当社は無関係です」と。
しかしこれは嘘だろう。なぜなら、所有権が移ったあとでも、盛り土はどんどん積み増されていたからだ。
→ 盛り土は大量にあった: Open ブログ の図
このことからしても、盛り土の件には、メガソーラーの会社は大きな責任があると言える。それはつまり、土砂崩れには、メガソーラーの会社が大きな責任をもつ、ということだ。
>ちょっと思いついたが、うまい案がある。
>「自動車の車庫の屋根を、太陽光パネルにするといい」
⇒ ガレージではなく、カーポートのイメージですね。これは既にイロイロ商品化されていると思います。「ソーラーカーポート」などで検索すると出てくるようです。
最後の 《 加筆 》 を書き足して、そこで言及しました。