2021年07月17日

◆ トヨタの御用組合

 トヨタ自動車の労働組合は、(会社べったりの)御用組合であるが、その度合いがひどくなって、自民党支持になりつつある。

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 トヨタ自動車の労働組合は、もともとストはしないし、賃上げは少額に抑えるし、賃上げの額の発表もやめるし、あらゆる点で御用組合の傾向があった。
 その度合いがさらにひどくなって、自民党支持になりつつある。

 まずは本日のニュースで、立憲民主党とは縁を切るそうだ。
  → 全トヨタ労連「立憲切り」 野党共闘に打ち込むくさび :朝日新聞

 立憲と手を切って、どうするのか? 国民民主の議員を支援するのか? いや、愛知県で国民民主の議員は一人しか立たない。となると、どうする? 自民党の候補を応援するらしい。立憲を離れて、自民と結託するわけだ。
 「全トが自民、公明両党との連携検討」と昨秋、一斉に報じられた。全ト元幹部は「労組の求心力の中心は政策実現なのに野党を応援し続けても一向に何も実現できないという不満の表れ」と話す。

 その報道はこうだ。
  → 全トヨタ労連、自公含め連携 旧民主系のみから転換:中日新聞Web
  → 連合の有力労組「全トヨタ労連」 与党に接近か? | NHK

 その後は特に続報がないが、急に決めるのではなく、まずは立憲から離れて、少しずつ自民支持に切り替えるつもりであるようだ。


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 ただし、労組が自民にくっつくならば、労働者は労組を離れることができる。
 そもそも、トヨタの労組に入っても、ストもしない御用組合だから、組合員にとっては何のメリットもない。組合費を取られるだけ損する。さっさと脱退した方が得だ。そして、かわりに、経営者と対決するような別の労組(第2労組)に入ればいいのだ。


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 それは可能か? そこが問題だ。

 ――

 日本には「ユニオン・ショップ」という制度があって、社員は全員、労組に入ることが義務づけられていることがある。この場合、労組から排除された社員は、解雇されることになる。
 しかしながら、労組から脱退しても、別の第2労組に入るのならば、特に問題はないはずだ。実際、正社員については「第2労組に入ってもいい」という判例が出ている。

 では、正社員でなく非正社員であればどうか? この件は、「トヨタの第2労組に入った非正社員が雇い止めになった(実質解雇された)」という事例があって、裁判になった。
  → トヨタ元契約社員「労組やめたら雇止め」は当然? ユニオン・ショップめぐる注目裁判 - 弁護士ドットコム

 では、その判決は? 何と、労働者の敗訴(会社の勝訴)である。
  → トヨタ雇い止め 男性の請求棄却 地裁岡崎支部 /愛知 | 毎日新聞
  → トヨタ期間従業員の請求棄却 労組脱退で雇用拒否不当と訴え(共同通信)
 男性は2015年9月に期間従業員となり、入社半年後からは6カ月の契約を4回更新。18年3月にトヨタ労組から別労組に移ったが、上司から「トヨタ労組を退会するなら延長はできない」などと言われ、同月末に更新を拒否されたという。
 名古屋地裁岡崎支部(藤野美子裁判官)は24日、請求を棄却した。


 これはつまり、「非正社員には、労働者としての権利はない」ということだ。「労働者の権利を守るために、会社の方針に反してストをする」ことは、正社員ならばできるが、非正社員ならばできない、ということだ。(第1組合が会社べったりの御用組合である場合には。)

 一方、憲法には、労働者の団結権が規定されている。
憲法 第二十八条
 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

 この規定が実質的に、ないがしろにされるわけだ。形式的には「第1組合に加入する」という形で、団結する権利は認められているが、その第1組合が会社べったりの御用組合である場合には、実質的には労働者の権利は骨抜きにされてしまうわけだ。
 こういうのは、ほとんど脱法行為であるから、たとえ形式的には合法であっても、違法と見なすのが、通常の判決である。
 ところが、話が自民党に関することになると、日本の裁判所はたちまち腰砕けになる。
 「何だ、自民党に反対する奴の訴えか。それなら、棄却してしまえ」
 というわけだ。法律的に正しいかどうか出なく、自民党に反するかどうかで、判決が決まる。それが日本の裁判所だ。

 ま、日本では、憲法というものを守らない最右翼が、裁判所なのだろう。御用組合だけでなく、御用裁判官だらけ。
 

posted by 管理人 at 22:15| Comment(4) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
> ところが、話が自民党に関することになると、日本の裁判所はたちまち腰砕けになる。
>「何だ、自民党に反対する奴の訴えか。それなら、棄却してしまえ」というわけだ。法律的に正しいかどうか出なく、自民党に反するかどうかで、判決が決まる。それが日本の裁判所だ。

 トヨタ自動車労組の体たらくは、私も目の前で30年近く見てきたので、よくわかります。ところで、このトヨタ元期間従業員(元契約社員)の訴えが棄却されたのは、自民党と関係があるのでしょうか? 冒頭で紹介のあった件、「全トヨタ労連」が自民党支持を打ち出したのが昨年の12月ですか。そしてこの判決が出たのが今年の2月24日。このわずか2か月だか3か月の間に、裁判所(名古屋地裁)がそれに敏感に反応して認識をあらためた(今までは、全ト労連に逆らうのは旧民主党に反対する輩だったが、これからそういうのは自民党に反対する輩とみなそう)、ということでしょうか。日本の裁判所がそんなに世間の動向(世情)に気を配っているなら、ある意味頼もしい限りですが……
Posted by かわっこだっこ at 2021年07月17日 23:26
 いま気がつきましたが、その元契約社員の人がトヨタ労組を脱退して移りたかった先(第2組合)が共産党系じゃなかったかと。確か……
 つまり、「何だ、共産党を支持する奴の訴えか。それなら棄却してしまえ」というわけかと。
Posted by かわっこだっこ at 2021年07月18日 00:26
> 「全トヨタ労連」が自民党支持を打ち出したのが昨年の12月ですか。

 11月17日の報道ですね。
  https://ggle.io/4Aww

 十分に間に合いそうです。
Posted by 管理人 at 2021年07月18日 00:39
日本がトヨタ国となりつつある。
こんなコングロマリット危険だから潰した方が良い。
トヨタグループも解体して元々のそれぞれの会社に戻す。
Posted by 通りすがり at 2021年07月30日 15:48
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